甲子園のスワローズ戦は、初戦は成瀬を打ち崩して先勝。２戦目はプロ入り初登板初先発の守屋が打たれて敗れた。倉敷マスカットスタジアムで予定されていた３戦目は雨で中止に。１勝１敗で終わる。マツダズームズームスタジアムではカープが新井貴の２０００本安打達成に向けて祭り状態。初戦は乱打戦を制して勝ち、２戦目は岩貞の好投も黒田の厚い壁に阻まれて敗れる。３戦目は能見がチーム完投一番乗りを果たして２勝１敗と勝ち越し。新井貴は２０００本安打まであと１本で本拠地を後にした。今節は３勝２敗。今季通算では１３勝１１敗１分の勝率．５４２で３位に浮上。首位のジャイアンツとは１．５ゲーム差。２位のドラゴンズとは０．５ゲーム差。西岡が戦列離脱しても鳥谷が調子をあげている。チーム自体はいいムードを保っている。
◎スワローズ４回戦……８－４
先制したのはタイガース。スワローズ先発成瀬から大和、ゴメスのヒットと鳥谷の四球で２死満塁とし、西岡がレフト線に２点タイムリーを放つ。しかし、タイガース先発の藤浪はコントロールがままならず味方の援護を守りきれない。バレンティンと雄平の連打で無死一二塁とされ、今浪に左中間に運ばれ１点を返される。谷内を歩かせ満塁となり、２死までこぎつけたものの坂口を歩かせ押し出し四球で同点に。３回表は山田を歩かせ盗塁を決められ暴投で三振を許す。バレンティンは三振に取ったものの雄平のショートへの内野安打の間に山田の生還を許してリードされる。３回裏、タイガースが反撃。先頭の大和がライト線への二塁打で出ると、江越の浅いセンターフライで三進。ゴメスがセンターに同点の犠牲フライを放つ。藤浪はそれでも苦しい投球。４回表、先頭の成瀬をストレートの四球で出すと、坂口と川端はフライに捕るが２死から山田にセンター前に弾き返され一二塁とされ、バレンティンのセンター前タイムリーヒットでまたもリードを許した。４回裏、ヒットの西岡が暴投で二進。陽川の三塁前の内野安打で無死一三塁とし、梅野のセカンドゴロ併殺の間に西岡が同点のホームを踏む。成瀬は４回、藤浪は５回まで投げて降板。タイガースは榎田、安藤、高橋聡がそれぞれ１イニングずつきっちりと抑え、スワローズも村中が２イニングスを無失点で切り抜け続くルーキにも抑えられた。８回裏、ペレスが登板。先頭の江越がセンター前ヒットで出ると、ゴメスの四球が暴投となり、江越は三進。前進守備の布陣を見てゴメスが盗塁、二三塁として鳥谷がライト前のテキサスヒットで１点のリード。打者西岡のところで鳥谷が盗塁し、またも二三塁に。西岡は敬遠で満塁に。代打狩野の犠牲フライで２点差に広げ、一三塁から代打福留がレフト前にタイムリーを放つ。北條の打席でまたも暴投。二三塁から高山がタイムリー内野安打を打ち４点差とした。９回表には来日初登板のドリスが無失点で締め、連敗ストップ。ヒーローインタビューは勝ち越しのタイムリーを打った鳥谷。
◎スワローズ５回戦……１－５
タイガースの先発はプロ入り初登板初先発の守屋。２回表につかまる。１死から今浪のライト前ヒット、西浦、中村にはそれぞれ打ち取りながらもショート内野安打となり、満塁に。山中は三振に取ったが坂口にセンター前２点タイムリーを打たれて先制される。直後の２回裏、アンダースローの先発山中からゴメスがレフトポール際に打ちこむソロホームランで１点を返した。４回表、１死から中村を歩かせて山中のバントで二進を許すと坂口のレフト線の二塁打で３点目を失うと、５回表には先頭の山田にレフトスタンドにソロホームランを叩きこまれてしまう。バレンティンの内野安打、雄平のセンター前ヒット、今浪への四球で無死満塁としたところで守屋は降板。苦い初登板となった。二番手は歳内。西浦に押し出しの四球を与えて１点は失ったものの、中村は三振、山中はサードライナー、坂口はショートフライとみごとにピンチを乗り越えた。６回表、三番手高宮が川端のヒット、山田のレフト江越のグラブを弾く二塁打、バレンティンへの四球でまたも無死満塁としたが、後続を断って無失点で切り抜けた。６回裏、先頭の大和の左中間への二塁打、江越の死球でチャンスを作るもあと１本が出ず、６回１失点と昨シーズンに続いて打ち知崩せなかった。タイガースは７回も高宮が抑え、８回からはドリス、マテオのドミニカリレーでスワローズ打線を抑えて打線の反撃を待ったが、スワローズは７回から秋吉、ルーキ、オンドルセクのリレーの前に抑えこまれ、連勝は成らず。スワローズの打者は鈍い当たりがヒットになり、タイガースの打者はいい当たりがことごとく野手の正面を突くなど、不運も重なっての敗戦だった。
◎カープ４回戦……１２－９
両チーム合わせて３３安打２1得点という大乱戦となった。カープの先発は横山。１回表、内野安打の高山を置いて大和がセンターオーバーのタイムリー二塁打で先制。江越のレフト前タイムリーヒットで２点目を奪うと、ゴメスのライト前ヒットで無死一三塁とし、鳥谷の犠牲フライで３点目を取る。打線の援護をもらったメッセンジャーがすぐに打ち返された。田中と菊池の内野安打、丸のライト前ヒットで無死満塁とされ、新井貴の右中間を破る走者一掃のタイムリー二塁打で同点とされると、２死後、安部にライトオーバーの三塁打を打たれて逆転された。２回表、高山と大和の連打、ゴメスの死球で２死満塁とし、横山の暴投で同点に追いつくと、鳥谷がライトスタンドに３ランホームランを放ち、またも３点リード。これで横山をノックアウトした。３回表には二番手中田から三塁打の高山、四球の江越が塁を埋める。ここでゴメスがレフト前タイムリーヒットで高山を返し、鳥谷もレフト前タイムリーヒットで２点を追加。メッセンジャーは２回には立ち直ったかに見られたが、３回裏、エルドレッドにライトスタンドにソロホームランを運ばれてしまう。５回表、三番手オスカルから大和、江越、ゴメスの三連打で満塁とすると、鳥谷がこの試合６打点目となる犠牲フライで１０点目を追加。今成もショートを襲うタイムリーヒットでさらに１点を加えた。勝利投手の権利がかかる５回裏、メッセンジャーは二塁打のエルドレッドを置いて松山にレフトスタンドに２ランホームランを打たれまたも４点差に縮められる。メッセンジャーはなんとか５回を投げ切って交代。６回裏、二番手の榎田がエルドレッドにレフトスタンドにソロホームランを浴びて３点差とされる。７回表、四番手の新外国人ヘーゲンズに対し、死球のゴメスが暴投で二進、鳥谷のファーストゴロで三進すると、西岡のセカンドへのタイムリー内野安打で１点を返した。７回裏には三番手安藤がきっちりと無失点で抑えると、カープも五番手永川が８回以降を抑えて試合を締める。８回裏、四番手高橋聡が先頭の田中にショート内野安打を打たれると、菊池のセカンドゴロで二進。丸はレフトフライに取るが、新井貴にセンター前タイムリーを打たれて３点差に迫られた。ここで五番手ドリスに交代。ドリスはエルドレッドをセンターフライに打ち取り、９回裏はマテオに託す。マテオがきっちりと三人で切って取り、乱戦に終止符を打った。ヒーローインタビューは４安打の高山。
◎カープ５回戦……２－３
カープの先発は黒田。球を低めに集め、狙い球を絞らせない配球でタイガース打線を翻弄。３回表には梅野と高山のヒットで２死一三塁のチャンスを作るが、大和は見逃しの三振。７回表にはヒットの西岡が盗塁を決め、２死二塁と攻めるが今成はライトフライで得点できず。タイガースの先発は岩貞。初回、菊池と丸の連打を許すも新井貴、エルドレッドを退けてピンチを脱した。３回裏、１死から田中にレフトオーバーの二塁打を打たれると、菊池のセンター前タイムリーヒットで先制点を許した。それでも丸を三振に取り二盗を試みた菊池を梅野が刺して追加点を許さない。６回裏には２死から新井貴を歩かせ、エルドレッドのヒットで一二塁と走者を背負うが、二番手安藤が鈴木をライトフライに打ち取り、岩貞は黒田と堂々とした投手戦をして見せた。８回表、二番手ジャクソンがタイガース打線を抑えると、８回裏、タイガースの三番手ドリスがつかまる。先頭の丸は投手強襲安打。新井貴を歩かせた後、２死までこぎつけるが、代打松山にレフトオーバーの二点タイムリー二塁打を打たれて３点差とされる。９回表、カープはクローザーの中崎を投入。１死から江越が歩き、ゴメスがレフトスタンドに２ランホームランを叩きこむ。１点差と迫り、逆転を狙ったが鳥谷は三振、西岡はショートゴロで追撃もここまで。好投の岩貞を見殺しにする結果となった。
◎カープ６回戦……６－２
先制したのはタイガース。カープ先発福井に対し、２回表先頭の鳥谷が高いバウンドの内野安打で出ると、今成がライト線に二塁打を放ち無死二三塁とする。大和のショートゴロで鳥谷がホームを突くが憤死。しかし一三塁として岡崎の犠牲フライで１点を先取した。能見が歩いて２死一三塁とすると、高山がレフト前に落ちるタイムリーヒットで２点目をあげた。タイガースの先発は能見。初回からカープ打線をノーヒットに抑えていたが、３回裏、會澤にレフトスタンド上段にソロホームランを浴びて１点差と迫られる。立ち直った福井にも抑えられ、接戦となるかと思われたが、５回表につかまえる。先頭の能見がレフト前にヒットを打つと、高山が初球をライトスタンド中段に運んで２点を追加し均衡を破った。７回表、先頭の岡崎がライト前ヒットで出ると、能見がバントで送り、高山は敬遠気味の死球で一二塁とする。ここで代打福留が右中間を破る走者一掃のタイムリー二塁打で一気に突き放した。カープは８回を戸田、９回を九里とつないで追加点を阻むが、カープ打線は能見の高低差をついた投球に翻弄される。９回裏、ヒットの田中を新井貴のプロ入り通算１９９９本目となるタイムリーヒットで返され１点は失ったが、エルドレッドを三振に取って能見はチーム完投第一号となる勝利をあげた。ヒーローインタビューは投打で活躍した能見。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……能見篤史 今季チーム初完投を果たした。得意のマツダスタジアムで前節ノックアウトの汚名を返上した。ここから上昇気流に乗ることができるか。。
野手……高山俊 新人で１試合４安打３度目はリーグ記録。しかもそれを４月で達成したのだからすごい。たぐいまれなるバッティングセンスで２号ホームランをかっとばし、能見の完投につないだ。
次節は甲子園でジャイアンツ、ベイスターズと６連戦。首位を行くジャイアンツも、先発投手では苦労している。高山が聖地で活躍すれば、一気に３連勝も不可能ではない。福留もそろそろ先発復帰と言われている。最下位にあえぐベイスターズを今季はお客さんにしたいところだ。
（２０１６年４月２５日記）
目次に戻る
ホームページに戻る