交流戦はパ・リーグ主催の６連戦。まずはＱＶＣマリンフィールドでマリーンズ３連戦。初戦は能見が好投しながらも石川を打線が攻略できず落とす。２戦目は前回プロ入り初勝利を飾った青柳が走者を気にしすぎて自滅。３戦目は藤浪が清田の打球を手で受けて降板するアクシデントもあり、３敗。場所を札幌ドームに移してファイターズ戦、初戦はミスの連発でリードを許したが一時は逆転。しかし藤川がレアードに逆転サヨナラホームランを浴び５連敗。２戦目はメッセンジャーの好投で完封勝利し連敗を止めた。だが３戦目は大谷に自己最速の速球を連発されても足も出ず敗れる。１勝２敗と負け越し。今節はまた１勝５敗。今季通算では２９勝３３敗３分の勝率．４６８で５位。首位のカープとは４．５ゲーム差。順位が一気に落ち上位との差も大きく開いた。
◎マリーンズ１回戦……１－２
マリーンズの先発石川から１回表に先頭の鳥谷がヒットで出塁するもシンカーに的を絞りきれず北條、福留、ゴメスと三者三振。タイガースは能見が先発。２回裏、先頭のデスパイネにレフト前ヒットを打たれると、井口にはライト線に二塁打を打たれて無死二三塁に。ここでナバーロにレフト前に先制タイムリーヒットを打たれる。続く鈴木はファーストゴロで本塁狭殺。１死一二塁として中村、田村を連続三振に取り最少失点にとどめる。４回裏には２死から中村に死球、田村のライト前ヒット、細谷の二遊間のゴロを鳥谷がジャッグルして二封ならずエラーがついて満塁に。しかし清田を見送り三振に取り、ピンチを脱した。６回表、福留とゴメスが連続でセンター前ヒットとチャンスを作るが、狩野がバント失敗の末三振、原口のサードゴロで二封、高山三振で得点機を逸した。直後の６回裏、先頭のナバーロにレフトスタンドにソロホームランを打たれ、２点差とされて能見はこの回限りで降板。７回表、先頭の陽川が投手強襲安打で出ると、横田のセカンドゴロで二封。鳥谷はセンターフライに倒れたが、代打西岡がライト前ヒットでつなぎ、福留のレフト前タイムリーヒットで１点を返す。石川はここで降板。二番手益田の前にゴメスが三振して同点機を逸した。タイガースは安藤、守屋とつないでマリーンズ打線に追加点を与えなかったが、マリーンズも８回表に内が抑え、９回表はクローザーの西野がマウンドに。しかしコントロールが定まらず、１死から鳥谷がストレートの四球で出る。しかし、西岡はボールスリーから追い込まれて三振。福留はキャッチャー前にファールかと思われるゴロを打ち、フェアの判定で捕手の田村にタッチされ、あっけなく試合終了。好投の能見を見殺しにした形になった。
◎マリーンズ２回戦……３－８
タイガースの先発は青柳。１回裏、先頭の加藤にライト前ヒットを打たれると、続く高濱にはレフト前ヒットで一三塁とされ、角中のセンターへの犠牲フライで１点を先取された。対するマリーンズの先発は関谷。２回表、先頭の原口がライト線に二塁打を放つと、高山のセカンドゴロで三進。２死後、横田のライト前タイムリーヒットで同点に追いつく。しかし３回裏、先頭の高濱に二塁打を打たれると、１死後デスパイネを歩かせ、ナバーロのセンター前タイムリーヒットでまたも１点のリードを許し、さらに鈴木にライトオーバーの２点タイムリー二塁打を打たれてしまう。４回表、先頭の陽川のサードゴロを高濱が後逸。横田のピッチャーゴロで二進すると、北條のセンター前タイムリーヒットで１点を返して２点差に迫る。ところが青柳がピリッとしない。５回裏、角中への死球、デスパイネへの四球、さらに暴投でピンチを作り、降板。二番手の榎田が鈴木にサードの頭を越される２点タイムリーヒットを打たれてしまう。それでも榎田は６回を抑え、三番手の島本も７回裏は抑えた。６回表、北條の四球で２死一塁として西岡が打席に向かうと、マリーンズは関谷を降板させ藤岡を送る。西岡は死球でチャンスを拡大したが福留はファーストゴロで得点できず。７回には大谷、８回には益田に抑えられ、８回裏に島本がつかまる。鈴木と田村のヒット、加藤への四球で２死満塁とし、大嶺翔にレフト前に２点タイムリーを打たれて大差をつけられた。９回表、阿部から鳥谷が四球、西岡がセンター前ヒットでチャンスを作ると、マウンドには南が。福留も四球で無死満塁に。このチャンスでゴメス、原口が連続三振。高山は押し出しの四球でなんとか１点を返したが、代打今成はレフトフライで反撃もここまで。盗塁を気にしすぎて打者との対戦に集中し切れなかった青柳が打たれてしまったのが誤算だった。
◎マリーンズ３回戦……２－７
初回から藤浪が乱調。ボール先行でストライクを取りにいく球を狙われる。先頭の加藤にライト前ヒットを打たれると、続く高濱にもセンター前ヒットで無死一三塁。打者角中のところで抜けた球を原口が弾いてパスボールとなり１点を献上。角中にもライト前タイムリーヒットを打たれ、２点目を与える。２回裏には二塁打の鈴木を塁に置き、２死から田村にセンター前にタイムリーヒットを打たれた。返球の間に田村は二進。加藤のレフト前に落ちるタイムリーヒットで４点目を失う。４回裏、先頭の鈴木にヒットを打たれ、清田のピッチャーライナーが藤浪の右手を直撃し、清田は一塁ゴロとアウトに取れたが、藤浪はそのまま降板。急遽マウンドに上がった榎田が後続を断つ。タイガース打線はマリーンズ先発の二木の前に打線が振るわず。４回表、先頭の鳥谷がチーム初安打となる二塁打を左中間に放つと、西岡のライト前タイムリーヒットで１点を返す。ゴメスがライト線に二塁打を放ち、無死二三塁として福留のセカンドゴロの間に西岡が生還して２点差に迫った。しかし５回裏、三番手の守屋が先頭の高濱にライトスタンドにソロホームランを打たれると、２死からナバーロを歩かせ、井口のセンター前の当たりを横田がスライディングキャッチしようとしたが後ろにそらし、タイムリー二塁打となった。鈴木にはライト線にタイムリー三塁打を打たれ、この回大きな３失点。原口がファールチップをミットの上からまともに受けてこの回限りで退く。６回表には鳥谷とゴメスのヒットで１死一二塁とするが、福留、代打狩野と倒れて反撃はならず。タイガースは６回からは守屋が好投し、８回裏も島本が踏ん張って追加点を許さなかったが、７回表からマリーンズは藤岡、大谷、松長とつないでタイガース打線を抑えこんだ。タイガースは能見、藤浪のローテーション投手を立てながら痛い同一カード３連敗。
◎ファイターズ１回戦……４－５
ファイターズの先発はメンドーサ。２回表、タイガースが先制。先頭の福留がセンター前に落ちるヒットで出ると、狩野のサードゴロで二封されるが、高山のセンターオーバーのタイムリー三塁打で１点を奪う。しかし、北條は三振、横田はショートフライで追加点は奪えず。５回表、梅野と西岡のヒットで２死一二塁とし、ゴメスのライト前タイムリーヒットで待望の追加点を奪う。タイガースの先発岩貞は５回２死までパーフェクトピッチング。しかしレアードにレフト前に初安打を打たれると、続く大野にレフトオーバーの二塁打を打たれて１点を返された。６回裏、１死から西川を歩かせ、打者杉谷の時に西川が飛び出す。梅野が一塁に送球するがこれがそれてしまい、西川は三塁に進む。杉谷のスクイズは岩貞の前に転がり、西川を三本間にはさむ。狭殺できず西川がホームに突っこむのを岩貞がタッチしたが判定はセーフ。ビデオ判定に持ちこまれ、タッチアウトに判定が覆った。それでも杉谷が三塁まで進み、陽を歩かせたあと中田のレフト前タイムリーで同点にされた。７回裏、先頭のレアードにレフト前ヒットを打たれると、大野のバントで二進。代打矢野のレフト前ヒットで一三塁とされたところで岩貞は降板。二番手高橋聡は中島をショートゴロに打ち取ったが、二封のみの併殺崩れの間にレアードが生還しとうとうリードを許した。ファイターズはメンドーサを７回途中であきらめて谷元にスイッチ。あと１点が取れない。８回表、三番手マーティンを攻めたてる。先頭のゴメスがライトショートバウンドぎりぎりのヒットで出ると、福留もライト線の二塁打で続き、無死二三塁に。１死後、高山のレフト線のタイムリー二塁打で２点を奪って逆転した。８回裏はドリスが抑え、９回裏のマウンドには藤川。先頭の田中賢にショートへの内野安打を許すと、レアードに逆転サヨナラとなるレフトスタンドへのホームランを打たれてしまった。守備の乱れがあるとなかなか勝てない。それを象徴するような試合だった。
◎ファイターズ２回戦……３－０
タイガースの先発はメッセンジャー。２回裏、田中賢とレアードの連打で無死一二塁とされるが、谷口のバントを捕手岡崎がすかさず三塁へ送球、二塁に転送され併殺とする。大野を三振に取り、ピンチを脱した。ファイターズの先発は吉川。３回表、１死から岡崎がレフト前ヒットで出ると、鳥谷が歩いて一二塁とし、大和の左中間を破るタイムリー二塁打で２点を先取した。６回表にはヒットのゴメスを置いて原口が左中間へタイムリー二塁打を放ち、３点差に。吉川はこの回限りで降板した。ファイターズは斎藤、瀬川のリレーでタイガースに追加点を与えなかったが、メッセンジャーは危なげない投球で７回を無失点で投げ切り、８回は高橋聡、９回はドリスがファイターズ打線をきっちりおさえて完封リレーで連敗を脱出した。ヒーローインタビューは先制タイムリーの大和。
◎ファイターズ３回戦……０－６
ファイターズ先発大谷は初回から１６０ｋｍを連発。西岡に対しては国内最速タイ記録の１６３ｋｍの速球をたてつづけに投げ、三者三振。タイガースの先発岩崎はこの投球に対していつもの自分のペースを見失う。１回裏、先頭の陽にセンターバックスクリーン左へソロホームランを叩きこまれる。２回裏は三者凡退でペースを取り戻したかに見えたが、３回裏２死から陽にヒットを打たれると、西川にライトスタンドに２ランホームランを打たれ、４回裏にもヒットの中田を置いてレアードにレフトスタンドに運ばれる２ランホームランを浴び、６回まで５失点で降板した。大谷の前に３回まで完全に抑えられていたが、４回表、先頭の鳥谷が初安打を打つも西岡は三振、ゴメスは併殺。５回表は先頭の福留が二塁打で出たが、後が続かない。６回表、梅野のセンター前ヒットと鳥谷の四球で１死一二塁としたが、西岡はピッチャーゴロ、ゴメスの右中間を破ろうかという当たりもライト杉谷のランニングキャッチでチャンスを生かせなかった。７回裏、二番手伊藤和は１死から中島を歩かせ、陽のセンター前ヒットで一二塁とされる。西川のセンター返しの当たりは鳥谷が好捕するもグラブトスで二封しようとした送球がそれ、その間に中島が生還して６点目を失った。それでも伊藤和は後続を断ち、８回裏も無失点でアピールした。ファイターズは８回表には二番手鍵谷が、９回表には三番手井口がタイガース打線を封じて完封リレー。岩崎が打者大谷をノーヒットに抑え、ワンマンショーにはさせなかったのだが。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……ランディ・メッセンジャー 渾身の投球で連敗ストップ。打線の援護にもよく応え、緩急をつけたピッチングでファイターズ打線を寄せつけなかった。まさに開幕投手までつとめたエースの意地である。
野手……大和 連敗中はスタメンから外れ、ほとんど見せ場も与えられなかった。その悔しさを晴らすかのような連敗をストップさせるタイムリー。守っても内外野どちらでも好守備を見せ、存在感を示してくれた。
次節は甲子園に腰を据えて６連戦。低迷するバファローズ戦で勢いをつけ、最強のホークスにその勢いで勝ち越すくらいの意地を見せてほしいものだ。このままで交流戦を終わってしまったのではあまりにも寂しすぎる。
（２０１６年６月１３日記）
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