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福留サヨナラ打でホークスに一矢

 交流戦最終節は甲子園での6連戦。まずは関西ダービーバファローズと連戦。初戦は能見が体調不良ながら好投。継投でしのぎ初戦を取る。2戦目は青柳が好投しながらも疲れ気味のリリーフ陣が打たれて敗れた。3戦目は雨で流れ、ホークス戦の後にまわる。続いては交流戦も独走のホークス戦、初戦は福留のサヨナラヒットで先勝するが、2戦目はメッセンジャーが1失点で抑えるも千賀の前に完封負け。3戦目は岩貞が城所にこの交流戦2発目となる満塁ホームランを浴びて敗れ、1勝2敗と負け越し。予備日のバファローズ戦は岩崎が無失点の好投を見せ、原口の一発で試合を決める。バファローズには2勝1敗と勝ち越した。今節は3勝3敗。今季通算では32勝36敗3分の勝率.471で4位。首位のカープとは7.5ゲーム差とさらに大きく開いた。

◎バファローズ1回戦……2-0
 タイガースの先発は能見。2回表、2死から奥浪、若槻、西と三者連続プロ入り初安打を打たれて満塁のピンチを背負うが、杉本をショートゴロに抑えて先制点は許さず。直後の2回裏、バファローズ先発の西から先頭のゴメスがライトオーバーの二塁打を打ち、原口のライト前ヒットで一三塁とする。ここで高山はショートゴロ併殺。その間にゴメスが生還してなんとか先取点をもぎ取った。5回表、1死から杉本が振り逃げで出塁。2死後、糸井と中島を歩かせて満塁とされるがT-岡田をショートゴロに打ち取ってここもピンチを脱した。能見はこの回限りで降板。6回表、二番手安藤が奥浪のヒットと盗塁、代打宮崎の四球で2死一二塁とされるも代打小島をファーストゴロに打ち取り、難を逃れる。バファローズも西を5回で降ろし、6回裏は塚原が抑える。7回表はタイガースが高橋聡でつなぐと、7回裏にはバファローズは吉田一を投入。1死から原口のヒットと高山のレフトT-岡田のスライディングキャッチの失敗で二塁打となった幸運なヒットで二三塁とする。大和がここでスクイズを試みるもファールで失敗しショートゴロでホームタッチアウト。2死一三塁で代打狩野が三遊間の深いところにタイムリー内野安打を放ち2点目をなんとか入れた。8回は藤川と佐藤達が無失点で切り抜け、9回表のマウンドはドリス。2死から西野を歩かせたが、糸井をショートゴロに打ち取り逃げ切ってこの交流戦初めてカードの初戦を勝った。ヒーローインタビューはタイムリー内野安打の狩野とセーブのドリス。
◎バファローズ2回戦……1-5
 タイガースの先発は青柳。1回表、先頭の糸井を歩かせたが盗塁を試みるのを梅野が刺す。3回表にはやはり先頭の小島を歩かせたがこれも盗塁を試みたのを梅野が刺した。それでもT-岡田のヒットと奥浪への死球、松葉のヒットで2死満塁とされるが糸井を空振り三振に取って無失点で切り抜けた。バファローズ先発松葉の前に3回まで1安打に抑えられていた打線も、4回裏にとらえる。1死から福留が歩き、ゴメスの左中間フェンス直撃の二塁打で二三塁とすると、新井良のライトへの犠牲フライで1点を先制した。しかしその後も松葉の速球を打ちあぐね、5回まで2安打だけ。好投の青柳は5回を投げ切ったところで降板。このあとの継投が裏目に出た。6回表、二番手榎田が2死からT-岡田への四球と奥浪のセンター前ヒットでピンチを作ると、代打モレルに対して三番手マテオをぶつける。しかしモレルのライト前タイムリーヒットで同点に追いつかれた。7回表はマテオが2四球を出しながらもなんとか抑えたが、8回表、四番手の高橋聡が誤算。先頭のT-岡田にライトスタンドに勝ち越しのソロホームランを打たれると、若月と糸井のヒットでピンチに。安達にレフトオーバーの2点タイムリー二塁打を打たれ、降板。五番手の伊藤和がマウンドに上がるが、西野にレフトオーバーのタイムリー三塁打を打たれて4点差とされた。バファローズは6回から塚原、吉田一、佐藤達のリレーでタイガース打線をノーヒットに抑える。9回表、藤川が久々に速球で空振り三振を取るなど復調の兆しを見せた。9回裏には平野佳から福留がヒットを打ったがゴメスの三振でゲームセット。青柳の好投を見殺しにしてしまった。
◎ホークス1回戦……3-2
 タイガースの先発は藤浪。走者を出しても梅野が盗塁を刺すなどしてホークスを抑える。4回表、先頭の今宮を歩かせ、城所のセンター前ヒットで一三塁とされ、城所が二盗。柳田のセカンドへの当たりは叩きつけた打球で間一髪内野安打に。これが先制タイムリーとなる。さらに内川の一塁横を抜くライト前タイムリーヒットで2点目を失う。松田への四球で満塁とされるも、中村晃は浅いレフトフライ、鶴岡は併殺打で大量点を阻んだ。ホークス先発の中田賢の前にボール球を振らされるなど翻弄されたタイガース打線だったが6回表につかまえる。1死から福留がセンター前ヒットで出ると、ゴメス三振のあと西岡が四球。高山のショートゴロは今宮の送球がそれて内野安打となり2死満塁に。伊藤隼、梅野が連続押し出し四球で同点に追いついた。藤浪は6回2失点で降板。7回表、二番手高橋聡が先頭の中村晃をサードゴロに打ち取るも北條が弾いてエラーで出塁を許す。鶴岡のバントで二進を許したが牧原はファーストフライに打ち取った。代打吉村に対し三番手安藤が登板。吉村のセンター前ヒットで2死一三塁とされたが今宮をライトフライにとってピンチを脱した。ホークスは岩嵜、スアレスのリレーで8回までタイガース打線を抑えると、タイガースも8回は藤川が、9回はドリスが抑えて9回裏を迎えた。ホークスのマウンドはクローザーのサファテ。2死から北條のライト前ヒットでチャンスを作る。代走の俊介が二盗し、福留がショートの左を抜くレフト前ヒットを放つと、俊介は一気にホームイン。捕手のタッチが遅れ、サヨナラ勝利に沸く。しかし、ホークスはビデオ判定を主張。審判の判断はコリジョンルールに抵触せずでホームインを認め、勝利が確定。サヨナラ勝利の喜びに水を差された形になった。ヒーローインタビューはサヨナラヒットの福留。
◎ホークス2回戦……0-1
 タイガースの先発メッセンジャーとホークスの先発千賀の投手戦。メッセンジャーは縦に曲がるカーブを有効に使い、ホークスの強力打線を翻弄。千賀は力のあるストレートと落ちる球のコンビネーションでタイガースの各打者を空振りさせる。3回表、ホークスは先頭の鶴岡がセンター前ヒットで出ると、牧原のバントで二進。千賀がプロ入り初安打となるセンター前ヒットを放ち1死一三塁とする。ここで今宮がセーフティスクイズを敢行。メッセンジャーのトスはタイミングはアウトだったが送球がそれて捕手岡崎が後ろにそらし1点を奪われた。なおも1死二三塁のピンチが続いたが、城所を三振に取り、柳田は歩かせて満塁としたが内川をショートゴロに打ち取り最少失点にとどめた。メッセンジャーは尻上がりによくなり、8回を投げて9奪三振。対する千賀には3回裏に2死からメッセンジャーのヒットと鳥谷の四球で数少ないチャンスを作るも北條が空振り三振。ヒットはあとは5回裏に伊藤隼の放ったライト前ヒットのみ。8回を2安打1四球13三振とついに攻略できず。特に北條、ゴメス、高山は全打席三振で代打を出されてしまう。9回表、マテオがしっかり抑えると、ホークスは9回裏、サファテを投入。三者凡退に打ち取られ、完封負け。
◎ホークス3回戦……4-8
 序盤はタイガース先発岩貞とホークス先発武田の投手戦。岩貞のチェンジアップにホークス打線が手を焼けば、武田の大きく曲がるカーブにタイガース打線はしてやられる。5回表、岩貞がつかまる。鶴岡の四球、松田のヒット、高田の内野安打で2死満塁とされ、今宮を歩かせて押し出しで1点を献上すると、城所にはライトスタンド最前列に飛びこむ満塁ホームランを打たれ、一挙5失点でこの回限りマウンドを降りた。7回裏、疲れの見えた武田をついにつかまえる。先頭の原口がレフト線に二塁打を放ち、伊藤隼のセカンドゴロで三進。中谷が左中間を破るタイムリー二塁打で1点を返す。武田の暴投で中谷が三塁に進むと、北條のレフト前タイムリーヒットでさらに1点を返す。しかし、2死から鳥谷の四球でさらに武田を攻めるも西岡の三振で反撃が止まる。タイガースは二番手伊藤和が6回から好投し、8回表三番手の榎田がマウンドに。2死を取ったところで内川にレフトポール際にソロホームランを打ちこまれ、傾きかけた流れをおしやった。8回裏はホークスの二番手岩嵜に抑えられ、9回表には四番手青柳がつかまる。中村晃の二塁打、鶴岡への死球、高田への四球で無死満塁とされると、代打長谷川にレフト前に2点タイムリーを打たれてしまった。9回裏、ホークス三番手の森を攻めたてる。ヒットの中田にと二塁打の北條を置いて、1死から鳥谷のショートゴロで1点を返すと、西岡はセンター前にタイムリーヒットを放ってさらに1点を返したが、反撃もここまで。狩野がセンターフライに倒れ、試合終了。敗戦の中にも、伊藤隼、中谷、北條らの活躍が光った。
◎バファローズ3回戦……2-0
 タイガース岩崎、バファローズ西の投手戦。4回表、西野と安達に連続内野安打を打たれてピンチを招くも、岩崎は得意のストレートで糸井、モレル、奥浪の三者をいずれもフライに打ち取りピンチを脱した。4回裏、西岡がセンター前ヒットで出ると、1死後、福留がライト前ヒットでチャンスを広げる。このヒットは日本の公式戦で打った1500本目のヒット。伊藤隼が内野安打で満塁にしたが、中谷は空振り三振、北條はサードゴロでチャンスを逸した。7回表、1死からクラークを歩かせ、代打小島はサードフライにとったが、大城にレフト線に長打になろうかというヒットを打たれる。ここでクラークの緩慢な走塁によりシングルヒットにとどまったのが幸いした。若月のレフト前ヒットで2死満塁とされたが、代打中島を見逃し三振に打ち取って岩崎は7回無失点でマウンドを降りた。西も6回無失点。両先発の好投で緊迫した試合展開に。7回裏、バファローズは二番手吉田一が抑えると、8回表は藤川がきっちり三者凡退でまとめる。8回裏、三番手佐藤達に対し、先頭の鳥谷が四球。1死後、この試合ゴメスの代役で一塁で先発した原口がレフトポール際スタンドへ2ランホームランを放つ。そして9回裏はドリスが三者凡退で逃げ切り、交流戦の最終試合を勝利で締めた。ヒーローインタビューは決勝ホームランの原口。

愛すれどTigers週間MVP
投手……ラファエル・ドリス
 故障のマテオにかわりクローザーのポジションを任されるようになったが、よくその任をこなしている。まだコントロールがばらつき不安定なところはあるが、今節は速球が切れて結果を残した。マテオが復調するまでなんとか抑えの切り札として活躍しそうである。
野手……福留孝介
 ホークス戦ではサヨナラ打。そしてNPB公式戦通算1500本安打を記録。ゴメスがまつたく打たなくなってしまう中、打線の中心としてその存在感を増している。

 新外国人投手、コーディ・サターホワイトの入団が発表された。不安定なリリーフ陣へのテコ入れということなのだが、実力未知数。コントロールはよくまとまった投球をするそうだが、コントロールに難があっても常時150kmを越える投球をする投手の方がよさそうなものだが、加入したからにはマテオ、ドリスを抜くような活躍を期待したい。
 次節はリーグ戦に戻り、マツダスタジアムで首位カープと3連戦。金本監督はインタビューで「3つ取りにいく」と決意を述べたが、とにかくこれ以上引き離されないように食らいついていってもらいたい。

(2016年6月21日記)


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