リーグ戦再開はマツダズームズームスタジアムで首位カープと3連戦。初戦は藤浪が好投するも同点でリリーフに立った藤川が新井貴に三塁打を打たれて敗れる。第2戦は能見が序盤に崩れ、福留の日米通算2000本安打で2点差に迫るも追いつけず。第3戦は岩貞が完投勝利目前で同点に追いつかれ、最後は平凡なフライを俊介と中谷の交錯で落球という悪夢のようなサヨナラ負け。今節は0勝3敗。今季通算では32勝39敗3分の勝率.451で5位に転落。首位のカープとは10.5ゲーム差と大きく開いた。
◎カープ10回戦……2-4
タイガースの先発は藤浪。1回裏、先頭の田中にレフト線に二塁打を打たれると、菊池のバントで三進を許す。丸を歩かせ一三塁とし、ルナの打席で捕手梅野が内角に食いこむ球を弾いてしまい、パスボールで1点を先制された。しかし、直後の2回表にカープの先発ジョンソンを攻めたてる。2死から北條が歩き、中谷が左中間を破るタイムリー二塁打で同点に追いついた。4回表には1死から福留が四球で出ると、ゴメスの久々のヒットとなるレフト前ヒットで一二塁とする。ここで北條がレフト線に二塁打を放ち、1点リード。ただ、二三塁のチャンスで中谷が三振し、梅野は敬遠で満塁とするも藤浪が三振。ここでの追加点が取れなかったことが大きかった。直後の4回裏、ライトオーバーの三塁打を放った鈴木を安部がセンターへの犠牲フライで同点に。藤浪は7回を投げ切って2失点で降板した。7回表、二番手ヘーゲンズから先頭の中谷がセンター前ヒットで出、梅野のバントは走路で捕手石原と接触したため守備妨害でアウトに。藤浪が送り、鳥谷の28打席ぶりのヒットとなるライト前ヒットで2死一三塁としたが、代打伊藤隼が三振で得点できず。8回表にはジャクソンに抑えられ、同点のまま8回裏、二番手藤川がマウンドに。先頭のルナにヒットを打たれ、代走赤松が盗塁。鈴木レフトフライに抑えたが、松山を敬遠。代走には庄司が送られた。石原をファーストフライにとって2死とするも、ここで代打新井貴がライトオーバーのタイムリー三塁打。2点差をつけられた。9回表、抑えの中崎から先頭の中谷がヒットで出塁し、代打高山が打席に立ったが豪雨のため中断。そのままコールドゲームとなり、逆転の可能性を秘めたまま試合終了となってしまった。
◎カープ11回戦……2-4
能見が立ち上がりから苦しむ。1回裏はヒットの菊池に盗塁、外野フライの間の三進とピンチを招くがルナをサードゴロに打ち取りしのぐ。2回裏には1死一塁から下水流のヒットで新井貴に三進され、中谷の返球を三塁北條がこぼす間に下水流に二塁を陥れられ二三塁とされる。ここも石原を三振に、岡田をセカンドゴロにしとめてなんとか切り抜けた。しかし3回裏、田中、菊池、丸を三者連続四球で出し、ルナのライト前タイムリーヒットで1点を失う。ライト福留がホームで刺そうとするもゴメスがカットしてしまうという記録にあらわれないミスも出た。鈴木は三振に取ったが、新井貴にセンターに犠牲フライを打たれ、下水流の浅いセンターフライは伊藤隼、中谷、鳥谷がお見合いをする形で伊藤隼の前に落ちタイムリーヒットとなってこの回3失点。カープの先発は岡田。初回から重い速球にタイミングが合わず、打線がつながらない。4回表には2死から福留がライト線に二塁打を放つも原口がライトフライ。5回表には先頭の北條がヒットで出塁するが進塁打も打てず後続を断たれる。5回裏、2死から新井貴にサード強襲のヒットを打たれると下水流に右中間を破られタイムリー二塁打で4点目を失い、能見はこの回限りで降板。6回以降は、榎田、マテオ、安藤とリリーフ陣がカープ打線を抑えただけに、5回の失点は痛かった。6回表、ヒットの西岡を置いて、2死から福留が日米通算2000本目となるセカンド菊池への強襲ヒットを放ちチャンスを作ったが原口が凡退。7回表、ヒットの北條を置いて中谷がプロ入り初ホームランをレフトポールにぶちあて2点を返す。続く伊藤隼もセンター前ヒットで続き、岡田をマウンドから引きずり下ろす。二番手ヘーゲンズに対し、高山はライトフェンス際まで飛ばすがフライに終わり、打者鳥谷のところで伊藤隼が盗塁死。鳥谷は四球を選び西岡もセンター前ヒットで続いたが、ゴメスがサードゴロで反撃もここまで。カープは8回をジャクソン、9回を中崎と必勝リレーで逃げ切った。
◎カープ12回戦……3-4
カープが2回裏に先制。岩貞の低めの球を新井貴がうまくすくい上げレフトスタンドにソロホームランを放りこんだ。直後の3回裏、タイガースはカープの先発戸田に反撃。先頭の新井良がサード強襲の内野安打を放つが、岩貞はスリーバント失敗。それでも鳥谷が歩き、2死後に福留がショートの左を抜けるレフト前タイムリーヒットで同点に追いつくと、続くゴメスがライト線に勝ち越しのタイムリーヒットを放った。しかし、原口はライトフライで突き放すことはできず。戸田はこの回限りで降板。九里、今村が2回ずつ投げてタイガース打線を抑える。岩貞は5回裏に1死から下水流、會澤、代打小窪に連続四球。田中のセンターへの犠牲フライで同点に追いつかれた。それでも8回裏まで打たれたヒットは新井貴のホームランのみという好投。8回表、四番手一岡に対し、1死から西岡がライト前ヒットで出ると、福留が左中間を破るタイムリー二塁打で勝ち越した。9回表はオスカルに抑えられて追加点が遠く、完投を目指して岩貞が9回裏のマウンドに立つ。先頭の丸にヒットを打たれたが、ルナはセカンドゴロで大和が丸にタッチしてアウトに。ルナの代走には赤松。鈴木にセンター前に抜けるヒットを打たれ、1死一三塁とされる。新井貴を敬遠して満塁とし、下水流は空振り三振に取ったが、會澤には粘られてレフト前に同点タイムリーヒットを打たれてしまった。岩貞はここで降板。二番手のドリスは代打松山を平凡なレフトフライに打ち取ったが、俊介が捕球体勢に入ったところに中谷が突っ込んできて交錯。落球となってサヨナラ負け。俊介は立ち上がれず担架で運び出された。非常に後味の悪い敗戦となった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……藤浪晋太郎 初戦、好調のカープ打線を2失点に抑える。打線の援護があればそのまま完投もできただろう。勝利こそあげられなかったが、まだまだカープには負けていないという意地を見せてくれた。
野手……福留孝介 日米通算2000本安打を記録した翌日は、一時は決勝点となるところだった打点をあげ、勝負強さを見せてくれた。福留の前を打つ西岡が出塁したら必ず返すという形ができた。他の打者もベテランに負けてはいられない。
カープの勢いに完全に呑まれてしまった。打開するにはホームグラウンドの甲子園に戻って自分たちのペースで試合を運んでいくしかない。メッセンジャー、岩崎の両先発はともに好調。ここから巻き返しを期待したい。そしてナゴヤドームでドラゴンズ戦。こちらもまだまだ本調子とはいかないだけに、なんとか攻めの気持ちを取り戻してもらいたい。若い選手が多いということは、無我夢中になれるということ。このままずるずると落ちていくことだけは避けてもらいたいのだ。
(2016年6月27日記)