今節はマツダズームズームスタジアムでのカープ3連戦。初戦は岩貞が突如の乱調で大敗。第2戦は能見が新人の坂本とのバッテリーでよく粘り接戦をものにした。第3戦は藤浪が好投しながらも自らのエラーをきっかけに逆転負け。1勝2敗と負け越し。勝ち越せるチャンスだっただけにもったいなかった。地元関西に戻って京セラドーム大阪でのくドラゴンズ戦は、初戦が青柳が大量の援護に守られ勝利。第2戦はメッセンジャーが2年ぶりの10勝目となる好投で余裕の勝利。第3戦は岩崎が好投し、江越と高山のホームランなどで圧勝。谷繁監督休養、ビシエドの負傷欠場などもありドラゴンズはがたがた。今季2度目のカード3勝。今節は4勝2敗。今季通算では50勝58敗3分の勝率.463で4位。首位のカープとは14.0ゲーム差と変わらず。2位ジャイアンツとの差は7.5差、3位ベイスターズとの差は3.0ゲームで、Aクラス入りが近づいてきた。
◎カープ19回戦……3-10
タイガースの先発岩貞は2回まで絶好調。これが落とし穴となる。3回裏、先頭の石原にレフト前ヒットを打たれると、ジョンソンはバントからバスターヒッティングに切り替え左中間に二塁打。田中には四球を与えて無死満塁とされる。菊池のレフト前タイムリーヒットで1点先取されると、丸へは押し出しの四球を与えて2点目。ルナに左中間を破られ2点タイムリーヒットとなる。新井貴を歩かせたところで岩貞は降板。二番手松田もコントロールがままならず鈴木に押し出しの四球を与えてこの回5点目。下水流はサードゴロでホームゲッツーに取り、石原を敬遠してジョンソンを三振に取り、長い攻撃が終わった。反撃したのは5回表。先頭の代打坂本誠がライトオーバーの三塁打を放つと、江越のライト線へのタイムリー二塁打、1死後狩野がライト前にタイムリーヒットで2点を返す。チャンスは続いたが、福留の併殺で流れが途切れる。6回表には原口のヒットとゴメスの左中間スタンドにワンバウンドで飛びこむエンタイトル二塁打で無死二三塁とチャンスを作る。ここで北條が犠牲フライを放ち、2点差に迫る。タイガースは5回裏をサターホワイトで抑え、6回から島本を投入。イニングをまたいだ7回裏、菊池のヒットと丸への四球で無死一二塁とされ、1死後新井貴にレフト前タイムリーヒットを打たれる。続く鈴木にはライトスタンドに3ランホームランを打たれて試合は決した。8回裏には高橋聡が代打赤松に左中間を破る三塁打を打たれ、菊池のサードゴロの間に1点を追加された。カープは7回から今村、ジャクソン、一岡とつないで逃げ切り。岩貞の突然の乱調がすべてだった。
◎カープ20回戦……2-1
タイガースの先発は能見。坂本誠と2度目のバッテリー。初回は息が合わず苦労する。1死から菊池と丸に連打され一三塁とされる。サインが合わずセットポジションを解いた時にボークを取られ1点を献上。ルナは三振に取るが、新井貴のサードゴロを北條が弾きまたも一三塁に。しかし鈴木はサードゴロで最少失点に抑えた。2回表、カープの先発福井を攻める。1死からゴメスと江越の連打で一三塁とし、北條がレフトへ犠牲フライを放ち同点に。能見は2回裏、會澤のヒット、田中の二塁打で2死二三塁とされるが、菊池を見逃し三振に取り、ピンチを脱した。以降は立ち直り、走者を出しても落ち着いた投球でカープ打線を抑える。タイガース打線は6回表、久々にチャンスを作る。1死から鳥谷が歩き、福留のヒット、ゴメスの死球で満塁に。江越は空振り三振に倒れたが、北條が三遊間に深い当たりのショート内野安打。これがタイムリーヒットとなり、ついに1点リード。福井はこの回限りで降板。カープはヘーゲンズ、一岡、薮田とつないでタイガース打線に追加点を許さない。能見は7回裏に2死を取ったところで安藤と交代。安藤は菊池にヒットを打たれたが、丸を打席に迎えたところで高橋聡に交代。空振り三振に取り、小刻みな継投が成功した。8回裏、マテオが登板。先頭のルナにヒットを打たれたが新井貴は併殺。鈴木への四球、代打松山のヒットでまたも走者を許すが代打安部は三振、無失点で切り抜ける。9回裏、藤川が抑えで登板。田中、丸、赤松を歩かせて2死満塁とサヨナラのピンチを迎えたが新井貴をライトフライに打ち取って辛くも逃げ切った。ヒーローインタビューは2打点の北條。
◎カープ21回戦……3-5
先制したのはカープ。2回裏、藤浪は松山にライトスタンドにソロホームランを打たれてしまう。しかし、それ以降は威力のある速球で押してカープ打線を抑えこむ。カープの先発は九里。4回表、鳥谷、福留の連続四球で無死一二塁とし、原口のレフト前タイムリーヒットで同点とする。なおも一二塁でチャンスは続いたが、ゴメスがフルカウントから空振り三振すると、二塁走者の福留は飛び出していて狭殺。2死二塁とまだチャンスは続いたが今成四球のあと北條は三振で勝ち越しはならず。5回表、先頭の藤浪がショートへの内野安打を打つ。高山のサードゴロで二封され、江越もレフトフライに倒れたが、鳥谷が左中間を破るタイムリー二塁打でついに勝ち越した。6回表にはゴメスがレフトスタンド最前列に飛びこむソロホームランで2点差とし、九里はこの回限りで降板した。7回表は二番手薮田に三者三振に抑えられたが、このまま藤浪の好投が続くと思われた。しかし7回裏、暗転。鈴木、安部に連打を浴び、會澤のバントを藤浪はお手玉した上に一塁へ悪送球。鈴木が一気に生還し1点差に迫られる。無死二三塁から代打岩本は空振り三振に取ったが、田中のファーストゴロをゴメスが本塁へ悪送球。走者一掃のタイムリーエラーとなり逆転を許す。1死二塁から菊池のセカンド内野安打で一三塁とされ、丸に犠牲フライを打たれてこの回4失点。8回表、三番手ジャクソンから鳥谷と福留の連打でチャンスを作るが、原口は併殺。三塁に走者は残ったが、ゴメスは三振。タイガースは8回裏、島本がきっちり抑えたが、9回表、クローザー中崎の前に三者凡退で試合終了。7回の連続失策でつかみかけた流れを手放してしまった。
◎ドラゴンズ19回戦……4-2
メッセンジャーとバルデスの投手戦。メッセンジャーは2回表に先頭のビシエドに内野安打を打たれたが、後続を断つ。4回表は遠藤、平田、ビシエドを三者三振に切って取る。直後の4回裏、それまでバルデスにノーヒットに抑えられていたが、先頭の江越がチェンジアップをとらえてレフトスタンド中段に先制のソロホームランを放つ。さらに6回裏には福留がライトスタンドにソロホームランで1点を追加。7回裏、先頭の中谷がセンター前ヒットで出ると、新井良が送り、メッセンジャー三振のあと北條が前進守備の左中間を深々と破るタイムリー三塁打でバルデスをノックアウトした。8回裏には二番手小熊から福留の四球と原口のヒットで1死一二塁とし、ゴメスのレフト前タイムリーヒットでダメ押しの1点を追加した。あとはメッセンジャーの完封が期待されたが、9回表に乱れる。1死から平田にヒットを打たれると、ビシエドには四球。ナニータにライトオーバーフェンス直撃のタイムリー二塁打を打たれて1点を返された。二三塁となったところでマテオを投入。代打荒木雅のファーストゴロの間に1点を返されたが、堂上直をセカンドフライに打ち取って逃げ切った。ヒーローインタビューは2年ぶりの10勝目をあげたメッセンジャー、ホームランの江越と福留。
◎ドラゴンズ20回戦……5-2
タイガースの先発は青柳。1回表、先頭の大島にセンター前ヒット、盗塁、溝脇のファーストゴロの間に三進とピンチを招くが、ナニータをショートゴロ、ビシエドを空振り三振に取ってピンチを脱した。直後の1回裏、ドラゴンズ先発のジョーダンから先頭の北條がレフト線に二塁打を放つと、大和がバントで送る。江越のファーストゴロで北條が本塁に突入。ビシエドの本塁への悪送球で1点を先取。福留が歩き、原口のセンターフライで江越が三進。ここでジョーダンが暴投。江越が生還して相手のミス連発で2点を先制した。2回以降は両投手の好投で試合は膠着状態となったが、5回裏、北條がレフトスタンドにソロホームランを放ち3点差に。ジョーダンはこの回限りで降板。6回裏は又吉に抑えられる。青柳は6回無失点で降板し、7回表は二番手サターホワイトが抑えた。7回裏、ドラゴンズ三番手の岡田に対し、代打中谷のヒットと盗塁でチャンスを作り、大和が左中間を破るタイムリー二塁打で追加点をあげた。8回表、三番手藤川が誤算。先頭の高橋周に二塁打を打たれ、1死後、代打森野のレフト前タイムリーヒットを浴びる。続く代打福田にもヒットを打たれて一二塁とされたところで藤川は降板。四番手島本に託す。大島をセカンドゴロに取り、二封して2死一三塁に。大島がすかさず盗塁したところ、捕手原口が二塁へ悪送球し、三塁走者が生還して2点差に。しかし代打荒木雅はセンターフライでなんとか抑えた。8回裏、四番手祖父江から福留がライトオーバーの三塁打を放つと、高山のセンター前タイムリーで1点を返し、9回表はマテオで締めて連勝。ヒーローインタビューは4勝目の青柳とホームランを含む猛打賞の北條。
◎ドラゴンズ21回戦……8-1
タイガースの先発は岩崎。1回表、いきなりピンチを迎える。1死から堂上直に二塁打を打たれると、平田を歩かせ福田の内野安打で満塁に。高橋周にはスリーボールとなったところから三振に持ち込み、阿部をショートフライに打ち取って無失点で切り抜けた。ドラゴンズの先発は高卒新人の小笠原。北條が四球で出ると、大和が送り、江越がレフトスタンドに先制の2ランホームランを放つ。4回裏には1死から中谷がセンター前に弾き返すと、高山がライト線に二塁打を放ち、新井良の四球で満塁に。岩崎にも四球で押し出しで1点を追加。北條のサードゴロは二封されたが併殺崩れでさらに1点。大和がレフト線に二塁打を放ちさらに1点を加え、ここで小笠原は降板、山井がマウンドへ。その山井からは5回裏、ヒットの原口と四球のゴメスを置いて高山がレフトスタンドに3ランホームランを放ち、8点という大量得点となった。岩崎は2回以降は変化球をうまく使い、ドラゴンズにチャンスさえ与えない。7回表、近藤にプロ入り初ホームランをレフトスタンドに放りこまれて1点を失ったが、7回1失点と好投した。ドラゴンズは6回以降、佐藤、又吉、福とつないでタイガース打線を抑えたが、タイガースは8回から登板した松田が2イニングを無失点で締めてこのカード3連勝を決めた。ヒーローインタビューは勝利投手の岩崎と、ホームランを放った江越、高山の3人。なお、この日は初代ミスタータイガース、藤村富美男さんの生誕100年を記念した永久欠番デー。選手たちはひさしに10の背番号を縫いこんだ帽子を着用してプレーした。ただ、ヒーローインタビューでそのことについて触れられた江越が何も答えられなかったのはいただけなかった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……能見篤史 今季大きく負け越しているカープ戦で好調の打線をきっちり抑えた。ゲーム差は大きく離されているけれど、残り試合もカープキラーとして少しでもつめてほしい。
野手……江越大賀 安定感はまだまだではあるが、京セラドームでは効果的な一発を放って3連勝に大きく貢献した。カープ戦でもこういう投球ができればいうことはないのだが。期待しましょう。
次節は京セラドームで首位カープと2連戦。今回は深紅のスタンドに圧倒されるどころか、熱烈なタイガースファンの後押しがある。カープに強い能見、前回好投した藤浪で少しでもお返しをしてもらいたい。1日おいて東京ドームでジャイアンツ戦。好調の阿部をなんとか抑えれば、打ち負けることがなくなってきているだけに期待できそう。上位2チームを焦らせるような試合をしてもらえれば、と期待している。
(2016年8月15日記)