今節は京セラドーム大阪でカープ2連戦。初戦は能見が新井貴に打ちまくられ、打線はジョンソンに完全に抑えられ完敗。第2戦は藤浪が足でかき回されて失点を重ね連敗。2敗と負け越し。1日あけて東京ドームのジャイアンツ戦は、初戦はメッセンジャーの失投を阿部が逃さず決勝ホームラン。打線は苦手の田口から同点ホームランを中谷が放ったのみ。第2戦は青柳が2失点とゲームを作るも大竹の前に打線が沈黙。第3戦は岩貞と高木勇の投手戦で延長戦にもつれ込んだが福留のファイトあふれる好守備に打線がこたえて一矢報いた。1勝2敗と連敗はストップ。今節は1勝4敗。今季通算では51勝62敗3分の勝率.451で4位。首位のカープとは18.0ゲーム差と大きく開き。2位ジャイアンツとの差は10.5差、3位ベイスターズとの差は3.5ゲームで、Aクラス入りの望みはつないでいる。
◎カープ22回戦……0-5
タイガースの先発は能見。2回表、新井貴にレフトスタンドにソロホームランを打たれて先制される。3回表、初球から降ってくるカープ打線に対して慎重にいきすぎる。先頭の田中にセンター前ヒットを打たれると、菊池、丸と連続四球で無死満塁に。新井貴にライトに犠牲フライを打たれて2点目を失ったが、エルドレッドをサードゴロ併殺に打ち取り大量失点は免れた。5回表、二塁打の菊池を塁に置き、またも新井貴にレフト前にタイムリーヒットを打たれて3点目を奪われ、この回限りで降板。6回表には二番手サターホワイトがつかまる。ヒットの鈴木が二盗、原口の悪送球で三進。1死後、石原のライト前にテキサス性のライト前タイムリーヒットを打たれる。ジョンソンが送り、田中のセンター前タイムリーヒットでさらに1点を失い、試合は決定的に。タイガース打線はジョンソンの両サイドを突く投球に翻弄される。7回を2安打無失点と手も足も出ず。8回表からタイガースは松田、高橋聡とつないでカープ打線を抑えたが、カープも8回裏から今村、一岡のリレーでタイガースに反撃を許さず完封リレー。二番手サターホワイトが簡単に追加点を与えたことで流れを完全にカープにもっていかれた。
◎カープ23回戦……2-7
タイガースの先発は藤浪。1回表、2死から丸への四球、松山のヒット、鈴木への死球で満塁とされるが、天谷を三振に取ってピンチを脱した。直後の1回裏、カープ先発の福井に対し、北條が四球を選び、大和のバントで二進。高山が歩き福留のライト前ヒットで1死満塁に。ゴメスは三振に倒れたが、中谷のレフト前タイムリーヒットで2点を奪う。藤浪は3回表からじわじわと追いつめられる。田中が内野安打で出ると、菊池の打席で二盗。捕手鶴岡の二塁悪送球で田中は三進。菊池はこの間三振に倒れ、丸も三振と踏ん張ったが、松山にセンター前にタイムリーヒットを打たれて1点差とされる。4回表には天谷と安部の連続二塁打で同点に追いつかれ、5回表にはヒットの菊池に盗塁を許し、丸の左中間を破るタイムリー二塁打で勝ち越される。さらに松山のセカンドゴロで丸が三進、鈴木のセンター前タイムリーヒットで逆に2点差とされた。福井は2回以降立ち直り、5回2失点でマウンドを降りる。6回裏、二番手大瀬良に抑えられると、7回表にはタイガースも二番手島本が登板。1死から代打新井貴にレフトスタンドにソロホームランを打たれる。鈴木を歩かせ、天谷のレフト前ヒットで一二塁とされると、安部には左中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれ、ここで島本は降板。三番手安藤が代打エルドレッド、田中を三振に取ってなんとか攻撃を止めたが、この3点は大きかった。7回以降は秋山が登板。走者を出しながらもなんとか無失点で抑えたが、カープも7回裏は今村、8回裏は一岡のリレーでタイガース打線を寄せつけない。9回裏、カープ五番手の薮田に対し2死から原口の死球、陽川の四球で走者をためたが、カープは抑えの中崎を投入。北條がセカンドフライで試合終了。最下位のドラゴンズ戦は見下ろせたが、首位のカープの前には自信を失っているように見える。
◎ジャイアンツ17回戦……3-6
メッセンジャーが初回に不運な失点。1死から橋本到にライト前ヒット、坂本勇にセンター前ヒットを打たれ、阿部を歩かせ満塁に。村田のセンター前へのフライは、深く守っていた中谷が飛びつくも取れずテキサスヒットとなり、1点を先制される。さらにギャレットの止めたバットに当たったサードゴロで坂本勇が生還して2点目を与えた。2回裏、ヒットの長野を橋本到が送り、坂本勇のライトフェンス直撃のタイムリー二塁打で3点目を失った。ジャイアンツの先発田口に対し、4回表に反撃。福留が四球を選び、原口がレフト前ヒットを放つと、ゴメスのショートゴロは坂本勇が弾いて無死満塁に。高山のショートゴロ併殺打の間に福留が生還して1点を返す。陽川が歩いて2死一三塁と攻め立てたが、メッセンジャーはショートゴロに終わり、ビッグイニングにならず。5回表、ヒットの北條を置いて中谷がレフトスタンドに同点2ランホームランを放ち、流れを引き寄せたかと思われた。しかし、直後の5回裏、ヒットの坂本勇を置いて、高めに甘く入った速球を阿部がライトスタンドに2ランホームラン。両先発はともに5回限りで降板した。6回裏、二番手安藤が1死から代打脇谷にストレートの四球を与えると、長野の三塁前バントで脇谷は一気に三塁を狙う。ベースカバーが誰もおらず、捕手の原口が必死で走って三塁ベースに入り陽川からの送球を受けてタッチするもセーフ。一三塁から橋本到の打席で長野が二盗。橋本到は一二塁間の緩いゴロだったが間を抜けてライト前タイムリーヒットとなる。坂本勇は併殺に取ってさらなる追加点は防いだが、この1点は大きかった。タイガースは、島本、松田、秋山とつないでジャイアンツ打線を封じたが、ジャイアンツも田原誠、山口、マシソン、澤村のリレーでタイガース打線を抑えて逃げ切られた。
◎ジャイアンツ18回戦……0-3
ジャイアンツの先発は大竹。1回表、先頭の北條がレフト線に二塁打を放つも、大和、高山と内野ゴロに倒れ、福留はセンターフライで得点できず。1回裏、タイガースの先発青柳が1死後、橋本到を歩かせ、坂本勇のセンター前ヒットで一二塁とされると、阿部の左中間へのヒットで橋本到が生還。センターからの返球を三塁陽川が後逸し坂本勇も生還して2点を先制された。5回裏、橋本到への四球と盗塁、阿部、村田への四球で2死満塁とされるもギャレットを空振り三振に取ってピンチを脱した。6回裏には1死から小林誠を歩かせ、大竹のバント、長野への死球で青柳は降板。二番手高橋聡が橋本到をファーストゴロに打ち取って失点を防ぐ。タイガース打線は2回表には原口が、4回表には高山がそれぞれ先頭でヒットを放つも進塁させることもできず。5回表には陽川、坂本誠、青柳と三者三振。8回まで3安打無失点10奪三振と好投された。7回裏は、タイガースはサターホワイトが三者凡退に打ち取るなど反撃を待ったが、8回裏に藤川がギャレットにライトスタンドにソロホームランを打たれて突き放され、9回表は澤村の前に三者凡退となすすべもなく敗れてしまった。
◎ジャイアンツ19回戦……4-1
タイガース岩貞、ジャイアンツ高木勇の投手戦。岩貞は球威のある速球とスライダーのコンビネーションでジャイアンツ打線を圧倒。高木勇は特に好調ではなかったが、決め球であるスライダーをコントロールよく決めて要所を締める。両投手とも無失点で7回表まで進んだが、7回裏に試合が動いた。小林誠がレフトスタンドにソロホームランを放ちジャイアンツが先制。しかし、タイガースも8回表に上本がレフトスタンドに同点ソロホームランを放りこむ。8回裏、サターホワイトが走者を背負いながらもジャイアンツ打線を抑えると、9回表はマシソンが無失点で切り抜ける。9回裏、ギャレットに対してワンポイントで高橋聡がレフトフライに打ち取ると、松田が登板。中井にレフト線に二塁打を打たれサヨナラのピンチ。小林誠のライトライナーを福留が飛びこんで捕るファインプレー。代打堂上剛は歩かせ、長野のライトへのファウルフライはまたも福留が観客席にもう少しで落ちそうになるほど体をのばして好捕。試合は延長戦に。10回表、山口に対し1死から中谷が歩くと、大和のバントで二進。上本は敬遠気味に歩かされ、一二塁とする。ここで北條が右中間を破るタイムリー二塁打を放ち、中継の本塁悪送球もあって2点を奪い三進。鳥谷がレフト線にタイムリー二塁打を放ち、決定的な3点目を取る。10回裏、マテオはエラーなどで走者を許すも阿部をファーストゴロ併殺に切って取って締め、連敗ストップ。ヒーローインタビューは決勝タイムリーの北條。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩貞祐太 勝ち星はつかなかったが、連敗をストップさせる素晴らしい内容の投球。今後、岩崎、青柳とともにジャイアンツキラーとして立ちはだかることのできる投手になる。きっとなる。
野手……福留孝介 連敗中も安定した成績を残しただけでない。ジャイアンツとの第3戦で見せたファインプレー二連発!。これが試合の流れを引き寄せたのは言うまでもない。北條、鳥谷の打席での気合が違った。
次節は横浜スタジアムで眼前の敵ベイスターズと3連戦。相性の良い相手だけに、ジャイアンツ第3戦で作った流れをそのままもちこんで一気に差をつめてほしい。そして甲子園に戻り眼下の敵スワローズ戦。故障者続出ながら食らいついてくるしぶとい相手だけに、ここは着実に叩いて引き離してほしい。そのためにも藤浪には特に好投を期待したい。そして、金本監督には初心に帰ってファンのわくわくするような指揮をとってほしい。インタビューのコメントが、最近特に選手を突き放し過ぎているように聞こえる。
(2016年8月22日記)