愛すれどTigers


長期ロード勝ち越しも甲子園で3連敗

 今節は長期ロード最終となる横浜スタジアムでベイスターズ3連戦。初戦は井納から大量得点を奪い能見が好投して圧勝。第2戦は高山が新人猛打賞回数のチーム新記録を作るなどして久保康をノックアウトし藤浪が打線の援護に守られて好投し連勝。第3戦は高山の満塁ホームランでペトリックを打ち崩し、メッセンジャーも自ら猛打賞で3連勝。長期ロードを勝ち越し、3位ベイスターズに0.5ゲーム差と迫る。久々に甲子園に戻ったスワローズ第1戦は、岩崎が鵜久森に満塁ホームランを打たれて敗れ、第2戦は青柳がバレンティンに3ランを打たれて敗れ。第3戦は岩貞が上本のエラーから失点を重ね、打線は苦手山中にいいようにあしらわれて。3連敗。今節は3勝3敗。今季通算では54勝65敗3分の勝率.454で5位。マジックナンバー13をともした首位のカープとは19.0ゲーム差。2位ジャイアンツとの差は8.0差、3位ベイスターズとの差は3.5ゲーム、4位スワローズとは1.0差。Aクラス争いが激しくなってきた。

◎ベイスターズ17回戦……9-3
 ベイスターズの先発は井納。1回表から打線が爆発。上本のレフト前ヒット、高山のライト前ヒット、福留の四球で1死満塁にすると、原口の三遊間を破るレフト前タイムリーヒットで1点を先制。中谷が右中間フェンス直撃の2点タイムリー二塁打を放ち、二三塁から今成の犠牲フライで4点目。坂本誠の右中間を破るタイムリー二塁打でこの回5点を先取した。2回表、高山のセンター前ヒット、福留の四球、原口のセンター前ヒットで無死満塁とし、中谷がセンター前にタイムリーヒットを放つ。さらに今成のショートゴロは併殺崩れとなりさらに1点を追加した。3回表、北條の内野安打、高山のヒットで1死一二塁とし、福留のレフトフェンス直撃のタイムリー二塁打で1点、二三塁から原口が犠牲フライを放ちもう1点と追加点を重ね、3回表を終わった時点で9点差をつけた。タイガースの先発能見は初回から速球主体で押しに押し、4回裏には1死一二塁のピンチを作るもロペスをサードゴロ併殺に取ってピンチを脱した。5回裏、ヒットの飛雄馬を置いて戸柱にライトスタンドに2ランホームランを打たれ、6回裏には先頭の倉本に三塁への内野安打を打たれ、宮崎のサードゴロで二進を許す。ここで筒香に強烈な当たりのライトへのタイムリーヒットを打たれて3点目を与えたが、後続を断ち、8回3失点の好投。ベイスターズは井納が4回以降立ち直り、6回から砂田、8回には新外国人投手のブロードウェイ、9回には加賀とつないでタイガース打線を抑えたが、打線の反撃はなく、9回裏は松田が梶谷と戸柱の三振を含む三者凡退で締めて連勝。ヒーローインタビューは3打点の中谷。
◎ベイスターズ18回戦……5-1
 ベイスターズの先発は久保康。1回表、2死から高山の二塁打、福留と原口の四球で満塁と攻め立てるが、中谷がファールフライで得点ならず。タイガースは藤浪が先発。1回裏、先頭の桑原にヒットを打たれたが、盗塁を坂本誠が刺す。石川の内野安打と盗塁でピンチを作るも宮崎は三振。筒香を歩かせ、ロペスを三振に取ってピンチを脱した。3回表、四球の上本を北條が送り、高山が内角球を曲芸のように体を回転させてライトフェンス直撃のタイムリー二塁打で先制。福留のレフト前ヒットで一三塁とすると、原口の打席で久保康が暴投。高山が生還して2点目を加えた。3回裏、1死から桑原に死球を与えたが、藤浪の牽制が決まりタッチアウト。ここから藤浪が乗る。4回表、先頭の坂本誠がレフトスタンドにプロ入り第1号となるソロホームランを放つと、1死から上本が内野安打で出塁。北條がセンター前ヒットで続き、高山は死球で満塁に。福留のファーストゴロで二封されるも、ショート倉本が一塁へ悪送球し二者生還で5点差をつけた。4回裏、2死から梶本にライトスタンドにソロホームランを打たれ1点を返される。さらに5回裏、2死から石川のヒットと宮崎のライトフェンス直撃の二塁打で二三塁とピンチを招くも筒香を空振り三振に取り、藤浪は7回1失点の好投。ベイスターズは4回途中からブロードウェイ、6回以降は砂田、加賀、須田、三上と1イニングずつの継投でタイガース打線を封じたが、砂田から高山がライト線に二塁打を放ち、今季12度目の猛打賞。新人の猛打賞記録としてはチームトップだった坪井を抜いた。8回裏、二番手高橋聡が1死から宮崎の二塁打と筒香への四球でピンチを作ると、三番手サターホワイトを投入。ロペス、梶谷を連続空振り三振に取ってピンチを脱した。9回裏はマテオが締め、連勝。ヒーローインタビューは先制タイムリーと猛打賞新人記録の高山。
◎ベイスターズ19回戦……9-3
 先制したのはタイガース。2回表、ベイスターズ先発のペトリックに対し2死から今成が内野安打で出ると、メッセンジャーがライト前ヒット、上本が四球で満塁に。ここで北條がレフト前に先制タイムリーを放つ。しかし続く高山はサードゴロで1点どまり。2回裏、タイガースの先発メッセンジャーは先頭の梶谷にセンターオーバーの三塁打を打たれ、倉本を歩かせて無死一三塁に。高城は2球続けてセーフティスクイズを試みるもファール。三振に打ち取る。ペトリックもバントをしてきたがキャッチャーフライに。桑原をセンターフライに打ち取り無失点で切り抜けた。4回表、2死からメッセンジャーがセンター前ヒットを放つと、上本もセンター前ヒットで続き、北條が歩いて満塁に。高山はライトスタンドにプロ入り初の満塁ホームラン。6回表、先頭のメッセンジャーが左中間を破る二塁打を放つと、上本、北條が歩いてまたも満塁で高山。ここでペトリックは降板。二番手ブロードウェイから高山はライト線に2点タイムリー二塁打を放つ。無死二三塁として福留がとどめの2点タイムリーヒットをセンター前に弾き返し、9点差をつけた。ベイスターズはこのあと子すぎ、加賀のリレーでタイガース打線を抑える。メッセンジャーは6回裏、二塁打の筒香を置いて寺本にタイムリーヒットを許し、6回1失点でリリーフに後を託す。7回裏、二番手安藤が1死から桑原にヒットを打たれ、石川はセカンドゴロ二封のみ。2死一塁からロペスにレフトスタンドに2ランホームランを打たれてしまう。しかしか、8回は島本、9回は秋山が好投し、逃げ切り。4連勝で3位ベイスターズに0.5ゲーム差と迫る。ヒーローインタビューは前日に続き、満塁ホームランなど6打点を稼ぎだした高山。
◎スワローズ20回戦……3-5
 タイガースの先発は岩崎。1回表、2死から山田の二塁打とバレンティンへの四球でピンチを作るも鵜久森を三振に取り、ピンチを脱した。しかし3回表、比屋根、荒木貴の連打、荒木貴の盗塁で無死二三塁に。山田は三振に打ち取ったがバレンティンを歩かせ満塁に。鵜久森に初球を拾われレフトスタンドに先制の満塁ホームランを浴びた。岩崎はこの回限りで降板。4回表、二番手秋山は2死から山田のヒットと盗塁、バレンティンの四球で一二塁とされ、またも鵜久森にセンター前にタイムリーヒットを打たれた。5点差とされた5回裏、スワローズの先発デイビーズをつかまえる。坂本誠の二塁打、上本の四球でチャンスを作り、高山がライト線に走者一掃の三塁打を放つ。福留のショートゴロは大引がみごとな送球を見せるも福留は全力疾走で一塁を駆け抜け内野安打に。高山が生還して2点差と迫った。タイガースは6回以降松田、安藤、藤川、サターホワイトとつないで走者を許しながらも無失点で打線の反撃を待つが、スワローズも6回以降、平井、松岡、ルーキ、秋吉のリレーでタイガース打線を封じて逃げ切られた。
◎スワローズ21回戦……2-5
 青柳が初回に失点。坂口を歩かせ、三輪にレフト前ヒットを打たれる。高山がボールをこぼす間に走者が進み無死二三塁に。山田のサードゴロの間に坂口が生還して1点を先制されると、バレンティンのショートゴロの間に三輪にも生還され、2点目を許した。スワローズの先発は通算150勝がかかる石川。3回裏、坂本誠のセンター前ヒットを青柳が送り、上本が歩いて1死一二塁に。ここで北條がセンター前タイムリーヒットで1点を返すが、高山と福留はいずれもタイミングを狂わされて外野フライと打線がつながらない。6回表、先頭の坂口にレフト前ヒットを打たれ、三輪のバントで二進。山田に死球を与えると、バレンティンにはフルカウントから左中間スタンドに3ランホームランを打たれ、青柳はこの回限りで降板。7回からは松田が、9回は島本が抑えて打線の反撃を待つ。8回裏、代打狩野のレフトスタンドへのソロホームランで1点を返し、9回裏には2死から代打鳥谷がセンター前に落ちるテキサスヒットで出塁すると、大和は四球を選ぶ。ここで石川に強い代打ゴメスが起用され、一発同点のチャンス。石川は完投目前で秋吉にマウンドを譲る。ゴメスは三振で試合終了。石川の150勝をアシストした上に、スワローズに抜かれて5位に陥落してしまった。
◎スワローズ22回戦……1-3
 1回裏、苦手の山中から先制。上本が左中間を破る二塁打で出ると、北條が送って1死三塁に。ここで高山がセンターへ犠牲フライを打って1点を奪う。わずか6球の鮮やかな先制攻撃だったが、この後が続かない。100kmそこそこのスライダーと130km台の速球を内外角に投げ分けられ、ヒットは出るが連打がない。タイガースは岩貞が初回から速球で押し、カウントを有利にしながらも決め手を欠く。5回表、先頭の坂口のサードゴロを三塁上本がファンブルしてしまい出塁を許す。荒木貴のバントは捕手坂本と交錯して守備妨害となり走者の進塁を許さなかったが、山田のライト前ヒットで一二塁とされ、バレンティンにはフルカウントから甘く入った球をレフト前に弾き返されるタイムリーヒットで同点を許した。鵜久森はセンターフライに取って2死としたが、打者西浦の時に岩貞のフォークず大きく跳ねて暴投となり二三塁としてしまうと、西浦はレフト前に2点タイムリーヒットで勝ち越しを許した。岩貞はこの回限りで降板。タイガースは6回以降は松田、サターホワイト、安藤、藤川とつないでスワローズ打線を抑えたが、山中を最後までとらえられず、完投勝利を許してしまった。なお、藤川はこの試合でプロ入り通算600試合登板を果たした。

愛すれどTigers週間MVP
投手……ランディ・メッセンジャー
 11勝目をあげた試合、自ら猛打賞で本塁にも返り、チームのムードを盛り上げるのに貢献した。メッセで勝つとチームも盛り上がる。藤浪の調子が一定しない今季、まさにエースとしての存在感を増している。
野手……高山俊
 ベイスターズ戦では久保康から曲芸のような内角打ちの二塁打などで猛打賞とペトリックからの満塁ホームランと、新人の打点では岡田の記録に並ぶ。課題は守備。特に甲子園ではまだまだミスも多く、本拠地を味方につけていない。攻守走そろった好選手となる可能性を秘めているだけに、そちらでもMVP球の活躍を見せてほしい。

 次節はナゴヤドームで最下位ドラゴンズと2連戦。調子をあげてきている相手だけに油断は禁物。1日おいて甲子園に戻りベイスターズ戦。Aクラスに入るためには横浜スタジアムに引き続きとにかく引きずりおろすようにしなければならない。スワローズ戦でタイミングを狂わされた打線をどう立て直すか。ここにきて金本監督はバントを多用し始めたが、ここは初心に戻って足でかき回す作戦をもっともっと見たい。シーズンも終盤。昨年までのような失速は見たくないものだ。

(2016年8月29日記)


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