愛すれどTigers


岩貞の好投で連敗ストップ

 今節はナゴヤドームでドラゴンズ2連戦。初戦は藤浪の乱調で大敗。第2戦はメッセンジャーが好投したが、吉見を全く打てず、その吉見に決勝タイムリーを打たれて惜敗してこの連戦は2連敗。甲子園でのベイスターズ第1戦は、秋山が初回に先制点を許したのが響いて敗れ、第2戦は能見が好投するも審判の判定と筒香に打たれた不運なタイムリーで敗れ、クライマックス・シリーズの自力進出が現時点でなくなった。第3戦は岩貞が1失点で好投すると、終盤リリーフ陣を若手たちが打ちこんで逆転。連敗を7で止めた今節は1勝4敗。今季通算では55勝69敗3分の勝率.444で5位。マジックナンバーを一気に4に減らした首位のカープとは22.5ゲーム差。2位ジャイアンツとの差は8.0差、3位ベイスターズとの差は4.0ゲーム、4位スワローズとは2.0差。最下位ドラゴンズとは1.0ゲーム差。Aクラスどころか最下位転落の危機が迫ってきた。

◎ドラゴンズ22回戦……3-9
 タイガースの先発藤浪が乱調。1回裏、先頭の大島にショート前に内野安打を打たれると、エルナンデスには四球。森野の打席で捕手坂本誠のパスボールがあり無死二三塁。森野の打球は一二塁間を破ろうかというコースに飛んだが大和が捕球。しかしどこにも投げられずタイムリー内野安打となった。福田のショートゴロの間にエルナンデスが生還して2点目。平田のレフト前タイムリーヒットで3点目を奪われる。高橋周の内野安打と堂上直のレフト前ヒットで満塁とされると、杉山にレフトスタンドに満塁ホームランを打たれて7失点。2死後、大島、エルナンデスの連打と森野への四球でまたも満塁とされたが、福田をサードゴロに打ち取り、やっとこさチェンジ。藤浪は初回でノックアウト。2回表、ドラゴンズの先発バルデスから原口がレフトスタンドにソロホームランを放ち1点を返すと、中谷と大和の連打で無死一三塁とする。坂本はサードゴロ併殺に終わるが、この間に中谷が生還して2点目を返した。4回表には中谷が左中間に二塁打を放ち、守備の乱れもあって三進。大和のレフト前タイムリーヒットで3点目を加えた。タイガースは2回から金田、島本、高橋聡とつないでドラゴンズ打線を抑える。ドラゴンズもバルデスを5回3失点で降ろして、又吉、岡田のリレーでタイガース打線を抑えた。7回裏、安藤が乱闘の福田に二塁打を打たれ、2死までこぎつけたが堂上直にライトオーバーのタイムリー三塁打を打たれて1点を追加されると、杉山にもライト前に落とされてタイムリーヒットでさらにもう1点を失った。8回裏は松田が抑えたが、ドラゴンズには福谷、セプティモの継投で難なく逃げ切られてしまった。
◎ドラゴンズ23回戦……0-1
 タイガースはメッセンジャー、ドラゴンズは吉見の投手戦。1回表、1死から北條がライト前ヒットで出るも高山はサードゴロ併殺。これで吉見が乗る。2回裏、2死から堂上直、阿部の連打と杉山への四球で満塁とされたが吉見をファーストゴロに打ち取ってピンチを脱する。4回表、北條と福留のヒットで1死一二塁とするが、原口はファールフライ、ゴメスはセカンドライナーで得点できず。均衡が破れたのは7回裏、1死から阿部を歩かせ、杉山の三振の時に二盗を決められる。ここで吉見にセンター前ヒットを打たれ、ホームではきわどいタッチプレーになったが判定はセーフ。ビデオ判定に持ちこまれたが覆らず1点を先制された。7回1失点と好投しながらもメッセンジャーは無念の降板。吉見は8回を無失点で投げ切る。8回裏は藤川が抑えて逆転勝利をねらう。9回表、二番手田島に対し1死から北條の四球、高山のライト前ヒットで一発逆転のチャンスを作るも、福留がいい当たりのライトフライ。原口はショートゴロに倒れて惜敗。
◎ベイスターズ20回戦……3-5
 タイガースの先発は秋山。今季初先発とあって肩に力が入ったか、初回につかまる。桑原、石川に連打を浴び、ロペスのレフト線を破るタイムリー二塁打で1点を奪われなおも二三塁に。筒香は見逃し三振に取ったが、宮崎に前進守備のショート北條の右を抜かれるセンター前タイムリーヒットでさらに2点を加えられた。タイガース打線は4回裏まで左腕石田の前に大和の内野安打のみと完全に抑えられていたが、5回裏、ゴメスのレフトスタンドへのソロホームラン、中谷のバックスクリーンへのソロホームランで2点を返し1点差にした。安定した投球を取り戻した秋山は5回限りで降板。6回表、二番手松田がロペスにソロホームランを打たれて2点差に。石田は7回2失点で交代。8回裏は山崎康に抑えられる。7回を島本、8回をサターホワイトで抑えたリリーフ陣だったが、9回表、高橋聡が梶谷にライトポール際にソロホームランを打たれて3点差とされてしまう。9回裏、三上が抑えとしてマウンドへ。2死から中谷、代打柴田が四球、死球で塁に出ると、代打今成のショート内野安打を倉本が一塁へ悪送球して1点を返す。なおも一三塁と攻め立てたが、代打俊介が三振で試合終了。初回の3失点が大きく響いた。
◎ベイスターズ21回戦……2-3
 鳥谷が新人時代以来というサードで先発出場。先制したのはタイガース。ベイスターズ先発山口に対し、4回裏、先頭の北條がレフト線へ二塁打を放つ。続く大和はバントしたが捕手戸柱と接触して守備妨害となり走者を進められず。嫌な流れを断ち切ったのは高山。センター前に弾き返すタイムリーヒットで1点を奪った。タイガースの先発は能見。5回まで1安打とベイスターズ打線を抑えていたが、6回表につかまる。先頭の高城を歩かせ、山口のバントで二進。桑原にセンター前ヒットを打たれて1死一三塁とされると、石川のセンターへの犠牲フライで同点とされる。センター中谷の悪送球で二進され2死二塁に。さらにロペス、筒香と歩かせ満塁とされたところで能見は降板。サターホワイトが宮崎をショートゴロに打ち取りピンチを脱した。6回裏、先頭の北條が歩き、大和のセカンドへの当たりは二塁石川がそらしてライト前に。ところが審判は北條の守備妨害を宣告。金本監督が必死に抗議したが覆らず。1死一塁から再開され、大和は盗塁し、高山は三振の併殺でチャンスを逃した。しかし7回裏、福留がライトスタンドにソロホームランをライナーで叩きこんで勝ち越し。サターホワイトの好投もあり、リードしたまま8回表は藤川が登板。1死から桑原にセンター前ヒットを打たれ、石川のセンター返しは大和が好捕、グラブトスで北條に送るも捕球できず一二塁とされる。ロペスは三振に取ったが、筒香のレフトフライは深く守っていた高山が前進したが捕球できず、目の前で落ちてヒットとなる。バウンドした球が後方にそれ、走者一掃のタイムリー二塁打となり逆転された。タイガースは9回表はマテオが三塁まで走者を進められるもなんとか抑えたが、ベイスターズは8回から須田、山崎康のリレーで逃げ切られた。
◎ベイスターズ22回戦……3-1
 タイガースの先発は岩貞。2回表にロペスにレフトスタンドに入る先制ソロホームランを浴びたが、失投をとらえられたのはそこだけ。初回からベイスターズ打線を寄せつけない。一方、ベイスターズ先発の今永も力のある速球と緩急をつけたカープでタイガース打線を翻弄。2回裏、福留と原口の連打と中谷の四球で2死満塁とするも、岩貞が三振で絶好のチャンスを逃した。今永は7回無失点で降板。岩貞は8回を3安打1失点で降板。8回裏、ベイスターズ二番手の田中を襲う。1死から北條がレフト前ヒットで出ると、上本の右中間へのヒットで三進。返球の間に上本は二進。高山のセンター前へのライナーは桑原が飛びついて捕ろうとするがグラブからこぼれ、北條が生還して同点タイムリーヒットに。二塁走者の上本は直接捕球の確認が遅れ二塁にとどまった。田中の二塁牽制の際に帰塁した上本が足をつり担架で運ばれて退場というアクシデントがあったが、代走には大和。福留は浅いセンターフライに倒れ、ここでマウンドには三番手の須田が上がる。原口が前進守備のレフト関根の頭を越す2点タイムリーヒットで勝ち越し。9回表には二番手マテオがヒットは打たれたもののきっちりと締めくくり、連敗を止めた。ヒーローインタビューは6勝目の岩貞、同点タイムリーヒットの高山、決勝タイムリーを含む猛打賞の原口。

愛すれどTigers週間MVP
投手……岩貞祐太
 連敗で嫌なムードを吹き払う好投。ロペスに一発を食らったが、うまく切り替えてベイスターズ打線を抑えた。味方もその好投に応えてくれて、打線もその好投に応えてくれて6勝目。開幕当初の好調を取り戻しつつある。
野手……中谷将大
 該当者なしか、とも思ったが、甲子園のバックスクリーンに叩きこんだ一発にしびれたので中谷とする。まだムラはあるけれど、今年の経験を自信に変えて、将来は不動のクリーンアップとなってほしい。

 次節は甲子園で2位ジャイアンツと3連戦。カープのマジックナンバー点灯から一気に失速しているだけに、ここはぜひ叩いてジャイアンツをBクラスに落とすくらいの気概で臨んでほしい。1日おいて神宮球場でスワローズ戦。Aクラスに入るためにはスワローズに勝って追い越さなければならない。連敗脱出をきっかけに、一気に調子をあげてほしい。昨シーズンと違い若手が多いのだから、勢いがつけば調子に乗れるのではないか。そのためにも金本監督は若手がのびのびやれる雰囲気を作ってほしい。

(2016年9月5日記)


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