愛すれどTigers


9点差を大逆転!カープを3タテ!首位奪取

 今節は神宮球場でスワローズ3連戦。初戦はブキャナンから高山が先頭打者ホームランを放ったものの秋山を援護できず敗れる。2戦目は岩貞が先制されたが苦手の山中を打ち崩して勝ち、3戦目は石川をめった打ちにし、藤浪が四球を出すものの要所を締めて3勝目を挙げ、2勝1敗。甲子園球場に戻り、2ゲーム差で追う首位のカープと直接対決。初戦はメッセンジャーが打たれて4点差をつけられたが、加藤が四球連発で自滅し逆転勝利。2戦目はプロ初登板初先発の福永が6失点。続く松田も3失点と9点差をつけられたが、今度は岡田が自滅し、リリーフ陣も攻略して9点差をひっくり返す大逆転で連勝。3戦目は能見が立ち上がりを無失点で乗り越えて、打線も九里を攻略し、鳥谷、福留らのベテラン勢の力でなんと3連勝。今季初めて同一カード3連勝を記録し、ついに単独首位に立った。今節は5勝1敗。今季通算19勝11敗で勝率.633で単独首位。2位カープとは1.0差。カープは菊池の欠場が響いたが、タイガースは上本の負傷の穴を北條や糸原がよく埋め、若手とベテランがうまくかみ合ってきた。

◎スワローズ4回戦……1-4
 スワローズ先発のブキャナンから1回表、高山がバックスクリーンに先頭打者ホームランを叩きこみ、流れをひきこんだかと思われたが、2回裏、タイガース先発の秋山は2死から中村にレフトの頭を襲う飛球を打たれ、高山のグラブにあたって落ち、二塁打とされた。続く谷内にレフト前タイムリーヒットを打たれ、同点とされる。タイガース打線は前回同様ブキャナンの手元で動く球にてこずる。3回表、秋山の四球と上本の内野安打、糸井の四球で1死満塁としながらも福留がファーストゴロで併殺。5回表には高山と糸井のヒットで2死一三塁とするも福留はショートゴロでまたもチャンスを逸した。6回裏、1死から山田の内野フライを内野陣がお見合いし、不運な内野安打となると、バレンティンのヒットで一二塁とされる。雄平のファーストゴロはキャンベルがファンブルし辛うじて二封。2死一三塁とされると、雄平が二盗。しかしここは竹内をセカンドゴロに打ち取り、ピンチを脱した。7回裏、中村に右中間を破る三塁打を打たれると、1死後、代打大松のセカンドゴロで中村が思い切りよくホームへ向かい、上本がバックホームするも及ばずフィールダーズチョイスでとうとう1点リードを許してしまった。坂口にヒットを打たれたところで秋山は降板。二番手松田は大引を三振に取ると、山田は歩かせたがバレンティンはサードゴロに打ち取り、最少失点にとどめた。8回裏、三番手岩崎は雄平にヒットを打たれると、梅野のパスボールで二進を許し、さらには竹内のバットが梅野のミットにあたり打撃妨害で無死一二塁に。中村が送って二三塁とされ、移籍初登板の柳瀬に交代。谷内にセンター前に抜ける2点タイムリーヒットを打たれてしまった。鵜久森、坂口の連打で満塁とされたが、柳瀬はよく踏ん張り大引と山田を凡退させてなんとかスワローズ打線を断ち切った。スワローズは7回までブキャナンが1失点と好投し、8回表は石山が、9回表は秋吉がタイガース打線を抑えこんだ。秋山は2試合連続で試合を作るも援護なく連敗。
◎スワローズ5回戦……8-4
 タイガースの先発は岩貞。1回表、坂口にセンター前ヒットを打たれると、大引のバントで二進。三塁鳥谷へのゴロは捕球するも投げられず内野安打となり1死一三塁に。バレンティンは三振に取ったが雄平への足下への投球が爪先に当たり死球で満塁に。中村に押し出し四球を与えて先制の1点を献上。それでも荒木貴をセカンドゴロに打ち取り、最少失点に抑える。岩貞は尻上がりに調子がよくなり、その後は失点を許さない。スワローズはタイガースキラーの山中を先発に。アンダースロー独特の浮きあがる球を凡フライにすることが多く、なかなかつかまえられない。6回表、先頭の荒木郁がレフト前にヒットを放つと、バレンティンがもたつく間に二塁を陥れる。上本のバントは山中の送球が遅れ、フィールダースチョイスで無死一三塁に。糸井の叩きつける一塁ゴロは内野安打となり、荒木郁が生還して同点に。福留と高山は凡退したが、鳥谷のセンター前タイムリーヒットで上本が生還してついに逆転した。岩貞は6回裏を三人で抑えて交代。7回はルーキと桑原がそれぞれ抑えるが、8回表、三番手の新外国人ギルメットをタイガース打線がつかまえる。糸井が歩き、福留のライト前ヒットで無死一三塁とし、高山は三振したが鳥谷のファーストゴロは荒木貴がバックホームするも糸井の足が早くフィールダースチョイスでホームイン。糸原の四球で満塁とし、岡崎はスクイズを2回ファールで失敗してから浅いフライに倒れるも、代打中谷がバットを折りながらレフト前に運び2点タイムリーヒットとなって4点差と突き放す。8回裏、必勝を期してマテオを送りこんだが、大引と山田の連打でいきなりピンチに。バレンティンはセカンドフライ、雄平はセカンドゴロで二封し、2死一三塁までこぎつけたが、雄平への死球で満塁に。代打大松には押し出し四球で1点を献上すると、荒木貴の打席で岡崎がパスボールしさらに1点を与え、荒木貴のピッチャーゴロはマテオがファンブルして捕球できず三塁走者の生還を許して1点差まで迫られた。代打鵜久森はセカンドフライでなんとかリードは守る。9回表、スワローズは原樹を起用。大和が高いバウンドのセカンド内野安打で出たが、江越はスリーバントを失敗してしまう。ここで福留が左中間を破るタイムリー二塁打で大和が一塁から長躯ホームインし2点差をつけると、代打北條はショート大引のグラブの先を弾くレフト前タイムリーヒットで3点差に。鳥谷がライト前ヒットでつなぎ、糸原のレフトの頭を越すタイムリー二塁打で4点差をつけた。9回裏、ドリスが登板。坂口のヒットと大引への四球で無死一二塁とするも、山田をショートゴロ併殺に取り、2死三塁からバレンティンを見逃し三振に取って逃げ切った。ヒーローインタビューは4安打の福留。岩貞が今季2勝目をあげた。
◎スワローズ6回戦……7-1
 タイガースの先発藤浪は1回裏2死から山田、バレンティンに連続四球を与え、雄平の内野安打で満塁とされるも武内をセンターフライに打ち取り、難を逃れる。スワローズ先発の石川に対し、毎回走者を出しながら得点できていなかった打線も、3回表に攻略。先頭の中谷がライトフェンス直撃の二塁打で出ると、上本のファーストゴロで三進。2死後、福留がセンターへタイムリーヒットを放ち、1点先制した。4回表には梅野が風に助けられたレフトスタンド最前列に落ちるソロホームランで追加点をあげると、5回表には猛攻撃。先頭の中谷がレフトスタンドにソロホームランを叩きこむと、1死後、ヒットの糸井を置いて福留がライトスタンドに2ランホームランを放りこむ。2死後、北條と鳥谷の連打でチャンスを作り、梅野のライト前タイムリーヒットでさらに1点を追加。続く藤浪も今季初安打となるセンター前タイムリーヒットでこの回5点を奪い石川はここで降板。二番手ギルメットには中谷が打ち取られ、打者一陣したところで攻撃はストップ。ギルメットには6回まで、三番手近藤には8回まで、四番手山本には9回まで無失点と抑えられたが、大量得点に守られた藤浪は5回裏に中村と谷内に連続四球を与え、大松のセカンドゴロで進塁を許し、坂口の内野ゴロで1点を失っただけの好投。7回までもちこたえたが、8回裏、大引、山田にまたも連続四球を与え、バレンティンをファーストファールフライに打ち取ったところでこの試合3安打の雄平を迎える。ここで藤浪は降板。二番手の岩崎は雄平に内野安打を許して1死満塁とするも鵜久森を見逃し三振、中村をショートゴロに打ち取って失点はしない。9回裏、三番手の藤川が先頭の谷内を歩かせるも後は3人で切って取って締めくくった。藤浪が3勝目。ヒーローインタビューはホームランを含む猛打賞と、四球に苦しむ藤浪を好リードした梅野。
◎カープ7回戦……8-5
 タイガースの先発はメッセンジャー。1回表、1死から安部の一二塁間を襲うゴロを上本が好捕するも間一髪で内野安打に。この時に上本が足を痛めて担架で運ばれるアクシデントが起こり、ショートの糸原がセカンドにまわり、北條がショートに。しかし、安部の二盗を梅野が刺し、丸もセカンドゴロでピンチを脱した。しかし、2回表、エルドレッドに左中間スタンドにソロホームランを運ばれ先制される。4回表、1死から丸を歩かせ鈴木のセカンドゴロで二進。西川に左中間を破るタイムリースリーペースヒットを打たれて1点を追加されると、エルドレッドに2打席連続となる2ランホームランを右中間スタンドに運ばれて4点差と開く。カープの先発加藤の荒れ球に手を焼いていたタイガース打線だったが、4回裏に反撃。2死から鳥谷と糸原の連続四球と加藤の暴投で二三塁とし、梅野のライト前タイムリーヒットで1点を返した。5回裏、先頭の高山の死球、糸井のセカンドゴロを西川がトンネルし、1死一二塁とすると、福留の打席で加藤は暴投。二三塁から福留も四球で満塁に。ここで加藤は降板。二番手中田に対し、中谷は空振り三振、鳥谷はセンターフライと大きなチャンスを逸した。メッセンジャーは6回まで追加点を許さず投げ切る。6回裏、カープ三番手ブレイシアに対し、2死から代打江越と高山が連続四球で出ると、北條が三遊間を破るレフト前タイムリーヒットで1点を返す。ここで四番手一岡が登板。糸井はセンター前に落ちるテキサス性のタイムリーヒットで1点差に迫った。7回表、二番手岩崎が無失点でリズムを作ると、7回裏に続投の一岡に襲いかかる。先頭の中谷がレフト前に二塁打を放つと、鳥谷はバントを失敗してしまうが、四球で一二塁とする。糸原のバントで1死二三塁とし、梅野が左中間を破る逆転の2点タイムリー三塁打を放つ。さらに代打原口がライト前に落ちるタイムリーヒットで1点を追加すると、高山のセカンドゴロで二進。北條は歩いて一二塁とし、糸井はライト前タイムリーヒットでさらに1点、福留のレフト線へのタイムリー二塁打で4点差とした。8回表、三番手高橋聡が先頭の丸にヒットを打たれ、桑原に交代。暴投で二進させたが鈴木は見送り三振に取る。西川のセカンドゴロは糸原が弾いて1死一三塁とされ、エルドレッドのレフト前タイムリーヒットで3点差と迫られる。しかし、代打ペーニャ、代打新井貴をそれぞれ凡退させて最少失点にとどめた。8回裏、カープは若い左腕の高橋樹でタイガース打線を抑えたが、9回表、ドリスの前に2死から安部の振り逃げと丸の四球で走者をためるも鈴木が空振り三振。さすがにしぶといカープ打線もタイガースのリリーフ陣からは大量得点とはいかなかった。勝利投手は1点ビハインドの場面で好投した岩崎。ヒーローインタビューは逆転タイムリーの梅野。
◎カープ8回戦……12-9
 球史に残る大逆転劇であった。タイガースの先発は新人の福永。プロ入り初登板初先発初甲子園で緊張したか、初回から狙ったところに球がいかない。1回表、先頭の田中を歩かせ、安部の左中間を破るタイムリー二塁打で1点を先制される。丸を歩かせ、暴投で二三塁とされると、鈴木にセンターへの犠牲フライを打たれる。西川の二塁打でなおもピンチが続くが、エルドレッド、石原を打ち取ってなんとか初回を乗り切った。しかし2回表、2死からヒットの安部を置いて丸に右中間スタンドに入る2ランホームランを打たれてしまう。3回表は無失点で切り抜けたが、4回表、先頭の田中にヒットを打たれると、安部の三振の間に二盗を許す。丸のファーストゴロは中谷が弾いてエラーで1死一三塁に。鈴木のレフト線への二塁打で田中が生還。西川の強いセンター返しは北條が好捕して三塁走者の狭殺プレーとなり、2死目を取るが、エルドレッドの強烈なピッチャーライナーは福永のグラブを弾き投手強襲のタイムリーヒットとなった。4回6失点で福永は降板。苦い初登板となった。5回表は二番手の松田が打たれる。石原のセンター前ヒット、岡田のバント、田中のライト前ヒットで1死一三塁とされ、安部のライト前タイムリーヒットで2点を奪われると、返球の間に安部は二進。丸の左中間を破るタイムリー二塁打で9点差とされた。カープの先発は岡田。4回まで鳥谷のヒットの身に抑えられ完敗ムードが漂う。5回裏、先頭の鳥谷が歩き、岡田のボークで二進。糸原のセカンドゴロで三塁まで進むと、梅野のセンター前タイムリーヒットでやっと1点を返した。6回表は続投の松田が抑え、6回裏を迎える。先頭の高山が四球で出ると、北條のレフト線への二塁打で無死二三塁に。糸井のセカンドゴロの間に高山が生還し、7点差に。2死から中谷の四球で一三塁とし、鳥谷の一塁への当たりは堂林のミットをかすめるタイムリー内野安打になり6点差に。糸原が歩いて満塁とすると、梅野の打席で石原がパスボールをして中谷が生還し5点差に。梅野も四球でまた満塁。ここでカープはたまらず二番手中田をマウンドへ送るが、原口が押し出しの四球を選んで4点差に。そして高山がライト線へ走者一掃の三塁打を放ち、ついに1点差に迫った。7回表、高橋聡が抑え、7回裏へ。カープ三番手薮田に対し、1死から代打江越と中谷が連続でレフト前ヒットを放つと、鳥谷のセカンドゴロを西川が大きく弾く。江越は一気にホームへ。バックアップのショート田中が本塁へ送球するも、江越は石原のタッチをかいくぐってホームイン。ところがカープの緒方監督が抗議し、リプレイ検証となる。20分近い中断のあと、審判の判定はアウト。同点機を逸したと思われたが、糸原がライト前にタイムリーヒットを放ち、ついに追いついた。そして梅野がライトの頭を越す2点タイムリー三塁打でついに勝ち越し。8回表はマテオが走者を出しながらも抑えると、8回裏、カープはオスカルをマウンドに送る。先頭の高山がセカンド内野安打で出ると、すぐに二盗。北條のセカンドゴロで三進し、糸井のサードゴロの間に生還して3点差をつけた。9回表はドリスが登板。先頭の田中にライト前ヒットを打たれ、安部を三振に取ったが、丸の打席で暴投で一気に三塁に進まれる。さらにまたフォークを後ろにそらし、田中がホームを突くも梅野は素早くドリスに送球しタッチアウト。そして丸を三振に取って逃げ切った。勝利投手は今季初勝利の高橋聡。ヒーローインタビューは1点差と迫る満塁での三塁打を放った高山と、同点打の糸原、そして3試合連続となる勝ち越し三塁打の梅野。
◎カープ9回戦……6-0
 タイガースの先発能見が立ち上がり苦しむ。1回表、先頭の田中にレフト前ヒットを打たれ、堂林の打席で二盗。堂林は空振り三振に取ったが、丸と鈴木に連続四球で1死満塁に。ここで新井貴、ペーニャを連続空振り三振に取ってピンチを脱した。2回以降は尻上がりに調子をあげ、得点を許さない。カープの先発九里に対し、タイガース打線は序盤てこずったが、4回裏、北條の四球と糸井のライト前ヒットでチャンスを作る。ここで福留はセーフティバントをして見せるなど走者を進める姿勢を見せ、セカンドゴロで1死二三塁とする。中谷は三振したが、鳥谷がライト前に2点タイムリーヒットを放ち、先制。5回表、會澤のヒットと田中への死球で1死一二塁と攻められたが、堂林を三振に取ると、丸の一塁への難しいゴロを中谷が好捕し、ここもピンチをしのいだ。6回表は、先頭の鈴木に右中間を破る二塁打を打たれ、新井貴を歩かせて無死一二塁のピンチを招く。ここでペーニャをセカンドフライ、安部を三振に取ったところで能見は降板。二番手桑原が會澤をショートゴロに打ち取ってまたもピンチを切り抜けた。6回裏、先頭の北條がレフト前ヒットで出ると、糸井が歩き、福留のライト線へのタイムリー二塁打で待望の追加点をあげた。無死二三塁から代打伊藤隼は凡退したが、鳥谷がセンター前に2点タイムリーヒットを放ち、九里は降板。二番手オスカルには後続を断たれる。7回は桑原と高橋樹がそれぞれ無失点で切り抜け、8回表は岩崎が抑える。8回裏、続投の高橋樹から糸井がセンター前ヒットで出て大和が代走。福留は歩き、荒木がライト前ヒットで無死満塁に。鳥谷がライトへ犠牲フライを放ち、ダメ押しの1点を追加。9回表、藤川がマウンドに。先頭の安部にはヒットを打たれたが、後続を断って締めた。能見が今季初勝利。ヒーローインタビューは先制打の鳥谷と追加点を放った福留。

愛すれどTigers週間MVP
投手……能見篤史
 開幕から勝ち星のなかった能見が、ついに打線の援護を得て今季初勝利。リリーフ陣もよく抑えて完封リレーで勝利をものにした。プロ入り通算100勝に向け、ここから一気に連勝していってほしい。
野手……梅野隆太郎
 神宮でも甲子園でも逆転劇の立役者となった。ここというところで盗塁を刺し、相手の勢いをそいだのも大きい。野村克也元監督に直接配球について質問に行くなど、正捕手となるべく賢明な姿勢が実を結びつつある。

 次節は東京ドームでジャイアンツ2連戦。勢いづいた打線が連続完封を続ける菅野をどう打ち崩すか。1日おいて横浜スタジアムでベイスターズ戦。相性のいい相手だけに、油断せず着実に勝ってお客さんになってもらわねば。日程の関係でローテーションの谷間を埋める必要がないのも、いい感じ。昨年のカープを思わせる勢いを感じる。交流戦までこの調子でセ・リーグの各チームを叩いていってもらいたい。

(2017年5月8日記)


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