今節は関東遠征。まずは東京ドームでジャイアンツ２連戦。初戦は３試合連続完封と波に乗る菅野を初回に攻略し、秋山が真っ向勝負でジャイアンツ打線を抑えて勝つ。２戦目は岩貞が阿部、坂本勇、長野、マギーにホームランを浴びて７点差をつけられるも終盤２点差まで追い上げて惜敗。１勝１敗と五分に。１日おいて横浜スタジアムでベイスターズ３連戦。初戦はメッセンジャーがよく粘り、打線も井納を攻略して先勝。雨で１試合流した翌日の２戦目は藤浪が四球の連発で先制されたが今永とパットンを打ちこんで逆転勝利。リーグ２０勝一番乗りを果たし、勝ち越しを１０にのばした。今節は３勝１敗。今季通算２２勝１２敗で勝率．６４７で首位。２位カープとは１．５差。ベテランと若手がかみあいいいムードになっている。選手たちに自信がみなぎっているのがテレビで見ていてもわかる。
◎ジャイアンツ６回戦……４－２
ジャイアンツの先発は３試合連続完封中の菅野。タイガース打線がその記録を初回に断ち切る。先頭の高山のテキサス性の当たりはレフト線のフェアゾーンに落ち、二塁打となる。北條が送り１死三塁とし、糸井のライト前タイムリーヒットで１点先制する。福留は見逃し三振に倒れたが、原口のライト前ヒットで２死一三塁とし、鳥谷のレフト前タイムリーヒットでさらに１点を追加した。タイガースの先発は秋山。２回裏、マギーにレフトポールを直撃するソロホームランで１点差に迫られる。しかし３回表、強く叩きつけて三塁内野安打で出た北條を置いて、福留がライトスタンド最前列へ２ランホームランを放ち、秋山を援護する。４回裏、阿部のテキサスヒットとマギーの左中間を破る二塁打で１死二三塁のピンチを招くが、長野を空振り三振に取ると、石川を歩かせて満塁とし、小林をショートゴロに打ち取って最大のピンチを脱した。７回裏、石川にレフトスタンドにソロホームランを打たれて２点差とされるが、この２失点だけで７回を投げ切った秋山は後をリリーフ陣に託す。タイガース打線は立ち直った菅野の前に追加点をあげられなかったが、菅野も８回限りでマウンドを降りた。８回裏はマテオが２死から阿部にヒットを打たれたがマギーをファーストファールフライに打ち取る。９回表は二番手山口鉄から中谷がホームラン性の特大ファールを打つなどしながらも攻略できず。９回裏、ドリスが登板。２死から代打亀井に二塁打を打たれるも、代打村田の鈍い当たりのショートゴロを北條が素早い動きで送球してアウトにし、試合終了。ヒーローインタビューはジャイアンツから新人の年以来の先発勝利をあげた秋山。
◎ジャイアンツ７回戦……７－９
タイガースの先発は岩貞。先頭の石川を歩かせ、中井のショートゴロは北條が弾いて無死一二塁。１死後、梅野が捕球し損ねたのを見て走った石川を、梅野はすぐに拾い上げ三塁で刺す。しかし阿部にライトスタンドに先制のツーランホームランを放りこまれてしまった。ジャイアンツの先発大竹寛に対してタイガース打線も反撃。２回表、四球の福留を置いて中谷があわやホームランというレフトフェンス最上部に当たる二塁打を放ち無死二三塁とすると、鳥谷がライトへ犠牲フライを打って１点を返す。さらに糸原のレフト前タイムリーヒットで同点に追いついた。しかし岩貞はいつものボールの切れがない。ヒットの石川と四球の中井を置いて坂本勇にライトスタンドにスリーランホームランを打たれると、１死後マギーにもレフトスタンドにソロホームランを叩きこまれて４点差をつけられる。４回裏には長野にソロホームランを浴び、この回限りで岩貞はマウンドを降りた。５回裏、二番手松田が坂本勇にライトスタンドへ運ばれるソロホームランを打たれると、阿部には死球、マギーも歩かせ、２死後、小林にタイムリー二塁打を打たれて７点差をつけられる。ところが、ここからが今季のタイガース打線の粘り。６回表、福留と中谷の連打と鳥谷の四球で無死満塁とすると、糸原もよく選んで押し出しの四球。２死後、高山のライト前タイムリーヒットでさらに１点を追加。北條が左中間を超える２点タイムリー二塁打で３点差まで追い詰める。６回裏は藤川が、７回裏は高橋聡が、８回裏は岩崎がそれぞれよく抑えてジャイアンツに追加点を許さない。大竹寛は６回途中で山口鉄と交代。７回表はマシソンに抑えられ、８回表は池田から原口のヒットでチャンスを作るも、２死からカミネロが登板して反撃が続かない。それでも９回表、糸井がセンター前ヒットで出るも福留の併殺で走者が消えた。それでも中谷がレフトスタンドに２点差に迫るソロホームランを放ち、鳥谷も四球で続く。カミネロはコントロールを乱していたが、糸原はハーフスイングをストライクと判定されて三振に終わり試合終了。大差で負けていたのが気がつけば２点差の接戦に。大竹寛に勝ち星を与えたものの、実質はノックアウト。負けはしたが、タイガースの強さを相手に強く印象づけることのできた試合だった。
◎ベイスターズ５回戦……４－１
タイガース先発メッセンジャーとベイスターズ先発井納の投手戦。先制したのはタイガース。４回表２死から中谷がセカンドに叩きつけるゴロで内野安打。鳥谷は左中間の深いところへ二塁打を放つと、中谷は一気にホームをついて１点を奪う。しかし、直後の４回裏、１死からロペスに二塁打を打たれると、筒香はショートフライに打ち取ったが宮崎にセンター前に同点タイムリーヒットを打たれる。そこから両投手は走者を出しても粘りの投球。６回表、先頭の糸井が四球で出るも福留の打席で井納が投球する前に盗塁を試み、吊りだされるような形になって二塁でアウトに。福留もレフトライナーでチャンスを逸したかに思われたが、中谷がレフトスタンドに勝ち越しのソロホームランを放ち、ベテランのミスを助ける。８回表には福留と鳥谷がそれぞれライトスタンドにソロホームランを放ち、３点差とする。井納はこの回限りで降板。メッセンジャーは７回１失点９奪三振でリリーフに後を託す。８回裏は高橋聡が宮崎、戸柱を連続三振に取るなどしてきっちりおさえる。ベイスターズも９回表、須田がタイガース打線を抑えたが、９回裏はドリスが荒波にライトオーバーの二塁打を打たれるも三塁を欲張った荒波を糸井、大和がみごとな返球で三塁に刺し、倉本を三振に打ち取って締めた。メッセンジャーはハーラートップの５勝目。ドリスも１４セーブとトップを走る。ヒーローインタビューは先取点の好走塁に勝ち越しのソロホームランと活躍した中谷。
◎ベイスターズ６回戦……４－２
タイガースの先発藤浪は立ち上がりから不安定。１回裏、先頭の桑原将を歩かせると、梶谷の一二塁間を抜くかと思われた当たりはセカンド大和が好捕するも一塁へ悪送球してしまい、無死二三塁に。ここでロペスにセンター前２点タイムリーヒットを打たれてしまう。しかし、筒香を打ち取ると、暴投や四球で１死一二塁とされたが田中浩を併殺に打ち取って大量失点は防いだ。タイガース打線はすぐに反撃。ベイスターズ先発の今永から、２回表、原口が左中間のフェンスに当たる二塁打を放つと、鳥谷は左中間を破るタイムリー二塁打でまず１点を返す。今永の暴投で三進すると、北條の犠牲フライで同点に。藤浪は毎回のように走者を出す苦しい投球ながらも７回を２失点で粘る。今永も６回を投げて２失点で降板。７回表は二番手の山崎康、８回表は三番手の三上にタイガース打線は抑えられ、タイガースも８回裏はマテオが三者凡退でいいリズムを作り、勝負は９回に。９回表、クローザーのパットンに対し、先頭の大和がレフト前ヒットを放つと、糸井が歩いて無死一二塁に。ここまでいい当たりも風で押し戻されたり野手の正面をついて無安打だった福留だが、ここで四番の役割を果たす。一二塁間を破るライト前タイムリーヒットでついに勝ち越し。原口にショートゴロで二三塁とし、鳥谷は死球で満塁。２死後、代打糸原がセンター前タイムリーヒットを放ち、２点差に。９回裏はドリスが三者凡退で締めて、ベイスターズに連勝。マテオが今季３勝目。ヒーローインタビューは決勝打を放った福留。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……秋山拓巳 ジャイアンツのエース菅野と投げ合い、堂々たるピッチングで今季２勝目をあげた。ここまで好投してもなかなか勝ち運に恵まれなかったが、これをきっかけにローテーションの一角を担う存在感を増していくことだろう。
野手……福留孝介 ここ一番での勝負強さは今季も健在。中押しのホームラン、決勝のタイムリーと、四番打者の役割を全うしている。若い中谷などもがんばっているけれど、そのインパクトの強さで福留に軍配。
次節は甲子園に戻りドラゴンズ３連戦。ビシエドとゲレーロに当たりが出始めているだけに要注意。不用意な一発だけは注意してほしい。そこさえ防げば本拠地甲子園での戦いでけに有利に進めることができるだろう。続いて神宮球場でスワローズ戦。山田に本来の打棒が戻ってきているだけに、前後の打者をきっちりと抑えてほしい。今季初めて６試合すべてナイター。デーゲームをはさむよりもリズムは作りやすいはず。いずれも下位チーム相手だけに、取りこぼしはしないように気をつけてほしいものだ。
（２０１７年５月１５日記）
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