愛すれどTigers


敬遠暴投で連敗脱出

 今節はまず甲子園でドラゴンズ3連戦。初戦は若い鈴木を攻略し、秋山がチーム初完投で先勝。2戦目は能見とバルデスの投手戦で高山が決勝打を放ち連勝。3戦目はジョーダンに抑えられ、メッセンジャーも粘りの投球を見せたが惜敗。2勝1敗と勝ち越した。すぐに移動して神宮球場でスワローズ3連戦。初戦は岩貞がスワローズ打線に打ちこまれて敗れ、岩貞は二軍降格。2戦目は藤浪が中村への死球からコントロールを乱し、自滅。3戦目は新人の小野がプ入り初登板初先発もホームラン攻勢で降板。しかしやはり新人の星を攻略し、ルーキの敬遠暴投が決勝となるなど相手の自滅で連敗を3で止めた。今節は3勝3敗。今季通算25勝15敗で勝率.625で首位。2位カープとは2.5差と離す。ドラゴンズの左腕二人にタイミングを崩された打線と岩貞、藤浪の乱調で一時の勢いが止まったが、敬遠暴投という珍プレーで勝つなど、まだまだツキは残っている。前節に書きもらしたが、3・4月の月間MVPにメッセンジャーが選出され、首位躍進の象徴となった。

◎ドラゴンズ7回戦……8-1
 ドラゴンズの先発は高卒2年目の若い鈴木。1死から大和が歩き、糸井のファーストゴロはビシエドが後逸して一二塁に。福留は三振に倒れたが、その間に重盗が決まり2死二三塁とする。中谷があわやホームランというレフトへの当たりをファールにしたが、次の球をレフトスタンドに運び、打ち直しのようなスリーランホームランで先制。タイガース先発の秋山は3回表に先頭の京田にセカンド内野安打を打たれたが、荒木雅を空振り三振に取ると、二盗を試みた京田をみごと刺し、ピンチを脱する。以降の秋山は尻上がりに調子をあげる。しかし5回表、2死から京田にショート大和の頭を越すテキサス性の二塁打を打たれ、荒木のレフト前タイムリーヒットで1点を返された。5回裏、ヒットの大和を塁に起き、糸井三振の間に大和も盗塁死でチャンスがついえたと思われたが糸井、中谷の連続四球で鈴木は降板。二番手の新外国人左腕アラウホに対し、鳥谷も四球で2死満塁に。ここで糸原がレフト線へ走者一掃の3点タイムリー二塁打を放ち、大きく差をつける。6回裏も続投のアラウホから、ヒットの大和を置いて糸井がライトスタンドにダメ押しのツーランホームランを放ち試合は決した。秋山は6回以降走者を許さず完投ペース。8回裏、三番手の阿知羅に対して秋山は打つ気なくベースから遠く離れて立っていたのに、ボールスリーとなったため、わざとボール球を振って三振するという余裕。9回表、1死から平田にセンター前に落ちるヒットを打たれるも、ゲレーロのレフトフェンス直撃かと思われる大きなフライを高山が好捕。抜けたかと思った平田は二塁まで走っており、慌てて帰塁するも、高山から大和とつないで一塁へ送球すると帰塁が間に合わず併殺となり試合終了。秋山は今季チーム初の完投勝利。ヒーローインタビューは完投勝利の秋山、先制ホームランの中谷、満塁で二塁打を放った糸原。
◎ドラゴンズ8回戦……2-1
 タイガース能見、ドラゴンズバルデスの投手戦。序盤から両投手ともテンポよく投げ込み一歩も譲らない。先制したのはタイガース。5回裏、2死から原口がレフトスタンドにソロホームランを放つ。タイガースはこのホームランがなんとこの試合の初安打。能見はプロ入り1500投球回を達成したが、7回表につかまる。先頭の京田にセカンド内野安打を打たれると、続く大島にライト前に落とされ無死一二塁に。打者ビシエドの打席で暴投し、二三塁と進まれる。ビシエドは見逃し三振に取ったが、平田に低めの変化球をうまく拾われセンター前タイムリーヒットで同点とされる。ここで二番手桑原に交代。ゲレーロの背中に当たる死球で満塁とされるが、堂上を空振り三振、代打藤井をショートゴロに取りピンチを脱した。8回表、続投の桑原は1死から荒木雅にセンター前ヒットを打たれ、高橋聡に交代。京田のバントで2死二塁とされ、大島に死球を与えたところでマテオと交代。マテオはビシエドをセカンドゴロに打ち取り、ピンチを脱した。8回裏、1死から原口が歩き代走に荒木郁が入る。梅野のバントで二進し、途中出場の高山がセンターオーバーのタイムリー二塁打で再びリード。代打上本の四球と大和の内野安打で満塁と攻め立てるも糸井はレフトフライで追加点はならず。9回表、ドリスが登板。先頭の平田にセンター前ヒットを打たれ、ゲレーロの鈍い当たりの三塁ゴロで二進。代打亀澤の打球はドリスのグラブをかすめる内野安打となり1死一三塁とされたが、松井雅のセーフティースクイズはファーストへのファールフライとなり、代打高橋周を空振り三振に取って逃げ切った。勝利投手は中継ぎでピンチを脱したマテオ。ヒーローインタビューは決勝打の高山と先制ホームランの原口。
◎ドラゴンズ9回戦……1-2
 ドラゴンズの先発はジョーダン。1回裏、大和と原口のヒットで2死一二塁とし、中谷のライト前タイムリーヒットで先制する。しかし、2回以降はジョーダンの手元で動く球にタイミングを狂わせられ、追加点が奪えない。糸井のノーヒットで打線が分断されてしまった。タイガースはメッセンジャーが先発。3回表は2死から京田、荒木雅の連打でピンチを作るも平田を見逃し三振に取り、ピンチを脱した。しかし5回表、先頭の松井雅にライト線に二塁打を打たれると、ジョーダンのバントで三進。京田の高く弾むピッチャー後の間に松井雅が生還し、同点とされる。8回表、1死から荒木雅に左中間を破る二塁打を打たれると、平田にライトオーバーのタイムリー二塁打を打たれついにリードを許す。四球が続いて1死満塁と攻められたが、工藤、代打藤井を連続空振り三振に取って最少失点にとどめた。メッセンジャーは8回2失点ながら12奪三振でマウンドを降りる。8回裏、1死から二番手三ツ間が登板。原口が歩き、代走荒木郁が盗塁。中谷はレフトフライに倒れ、鳥谷に対しては岩瀬が登板。鳥谷が歩いて2死一二塁とするも上本が凡退して同点機を逸する。9回表は二番手岩崎が三者三振といいリズムを作るが、9回裏、クローザーの田島に抑えられ、カード3連勝は成らず。メッセンジャーが好投したが、打線がジョーダンをとらえきれず惜しい敗戦となった。
◎スワローズ7回戦……2-4
 タイガースの先発岩貞がまたも初回に失点。先頭の荒木貴を歩かせ、坂口のサードゴロは鳥谷が好捕して二封。しかし山田にセンター前ヒットを打たれ、雄平のセカンドゴロで二三塁とされると、バレンティンを歩かせて満塁に。ここで大引が右中間にタイムリーヒット。福留が焦ってボールを取りこぼしたこともあり、これが二塁打となって2点を先制される。さらに3回裏、1死から山田にセンター前ヒットを打たれると、雄平には肩口へ死球。バレンティンのライト前タイムリーヒットで3失点。岩貞は5回限りで降板した。スワローズは先発予定の山中が故障し、原樹が急遽先発。思い切りのよい投球にタイミングが取れず、5回まで1安打と抑えられる。6回表、先頭の代打伊藤隼がライトスタンドにソロホームランを放ち、高山と北條の連打でさらにチャンスを拡大したが、糸井、福留、中谷と凡退してホームランの1点どまり。タイガースは6回から松田が登板し、走者を出しながらも抑える。スワローズは7回表にルーキ、8回表に石山を投入。8回表、高山のライトスタンドへのソロホームランで1点差とするが、直後の8回裏、藤川がバレンティンに代わり端の初球をレフトスタンドに叩き込まれ、また2点差とされてしまう。9回表は秋吉の前に先頭の福留がライト前ヒットを放つも後続を断たれて連敗。
◎スワローズ8回戦……3-8
 先制したのはタイガース。スワローズの先発小川から、2回表、先頭の原口がセンター前に落ちるヒットで二塁まで到達。続く鳥谷がセンター前にタイムリーヒットを放つ。しかし後続が断たれて追加点はならず。3回裏、タイガースの先発藤浪が自滅。先頭の小川を歩かせると、坂口、藤井を連続三振に取るも山田を歩かせ、雄平の打席で暴投。2死二三塁から雄平にライト前に2点タイムリーを打たれて逆転を許した。雄平二盗でバレンティンを歩かせ、またも一二塁とされると、今浪にライト線へ2点タイムリー二塁打を打たれ、3点差をつけられる。4回裏、先頭の大引を歩かせたところで藤浪は降板。二番手岩崎が坂口にヒットを打たれたものの後続を断ち無失点で切り抜けた。岩崎は5回も無失点と安定した力を見せる。6回裏、三番手松田が先頭の大引に二塁打を打たれ、バントの構えをした小川にストライクが入らず歩かせる。坂口はバントを失敗させて三振に取り、代打大松のサードゴロで二封し、2死二三塁までこぎつける。だが、山田にライトスタンドへ痛恨のスリーランホームランを打たれてしまう。7回表、小川に反撃。先頭の代打キャンベルがレフト前ヒットを放つと、鳥谷、代打伊藤隼もヒットで続いて1死満塁に。ここで小川は降板。二番手近藤から中谷は押し出しの死球。高山の犠牲フライで2点を返した。直後の7回裏、四番手藤川が先頭のバレンティンを歩かせ(代走は上田)今浪のバントで二進。中村のライトオーバーの二塁打で1点を追加された。スワローズは8回からギルメットが抑え、タイガースも8回裏は高橋聡が無失点。9回表、ギルメットから糸原と岡崎のヒットで2死一二塁とするも上本が凡退して試合終了。藤浪がまたも右打者の内角をつけず、四球で自滅してしまった。
◎スワローズ9回戦……5-4
 タイガースは小野がプロ入り初登板初先発。スワローズは星が先発。今季ドラフト2位の新人対決となった。先制したのはスワローズ。2回裏、内野安打の雄平を置いてバレンティンがバックスクリーンにツーランホームランを放つ。しかし直後の3回表、タイガースは高山がライトスタンドに、続く上本がレフトスタンドにそれぞれソロホームランを叩きこみ、すぐに同点に追いつく。3回裏、坂口にライトスタンドにソロホームランを打たれてふたたびリードを許すと、5回裏には藤井の高いバウンドのピッチャーゴロが内野安打となり、暴投で二進を許す。山田がすかさずセンター前に弾き返すタイムリーヒットで2点差をつけられた。雄平をショートゴロに類封殺に打ち取ったところでバレンティンを迎え、小野は降板。二番手桑原がバレンティンを三振、今浪をセカンドゴロに打ち取って追加点は許さず。タイガース打線は4回以降星を打ちあぐねるが、7回表、タイガース打線が食い下がる。1死から代打キャンベルが四球で出ると、代打伊藤隼がライト線への二塁打で二三塁とし、星は降板。二番手のルーキに対し、高山がセカンドへの高いバウンドの内野安打で1点差と迫り、上本も三遊間への当たりをショートが止めて二塁へ送球するも間一髪セーフとなりタイムリー内野安打となって追いついた。糸井の一塁ゴロで2死二三塁とし、福留は敬遠。ところがこれが暴投となり、三塁走者高山が生還してついに逆転した。7回裏は岩崎が走者を出しながらも無失点で切り抜け、8回裏はマテオが三人で片づける。スワローズも8回は石山、9回は近藤がタイガース打線を抑えて9回裏、ドリスが登板。大引の投手強襲安打と、代打上田のバントをドリスが弾いてエラーで走者をためる。坂口のバントで1死二三塁とされ、代打大松を歩かせて満塁に。ここで山田、雄平を連続の空振り三振に打ち取り、なんとか逃げ切り、連敗を止めた。ピンチで登板して追加点を防いだ桑原が3勝目。ヒーローインタビューはホームランと内野安打で2打点を記録した高山。

愛すれどTigers週間MVP
投手……秋山拓巳
 三振が多く、四球が少ないという抜群のコントロールでついに今季チーム初完投勝利。しばらくは週の頭での先発が続く。自信を取り戻したかつてのホープは、頼れるローテーション投手となった。
野手……高山俊
 一時の不調から脱し、ドラゴンズ戦での決勝た、そして神宮で2ホーマー。代打で好調な伊藤隼と競うように打った。ここから本来の好打者ぶりを見せてくれるものと信じている。

 次節は甲子園に戻りジャイアンツ、ベイスターズとそれぞれ3連戦。先発投手のコマがそろわないジャイアンツを今のうちにカモにしておきたい。さらにはベイスターズはここで一気にお客さんにしてしまいたい。ここまで両チームに対してはいい感じで試合ができているだけに、交流戦前に勢いをつけておきたいところだ。二軍落ちの岩貞にかわり、横山、青柳、島本らが先発候補としてあがっている。また、小野にはもう一度チャンスが与えられそうだ。そして勝負の交流戦を迎える。

(2017年5月22日記)


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