今節から交流戦開始。まずはZOZOマリンスタジアムでマリーンズ3連戦。初戦は石川をはじめとするマリーンズ投手陣を攻略し、一軍昇格すぐの俊介の活躍で大勝。2戦目は能見が無失点の好投を見せ、リリーフも好投して連勝。3戦目は高山が先頭ホームランを打つも唐川に打線が封じられ、メッセンジャーもマリンの風にてこずり惜敗し、2勝1敗。続いて甲子園でファイターズ3連戦。初戦は岩貞が好投し、勝ちパターンに持ち込んだがドリスの乱調で敗れる。2戦目は青柳の荒れ球を岡崎が好リードし、また13年目にして初めてのホームランで逆転勝利を飾る。3戦目は小野が好投しながらもリードを許すが、増井の自滅と延長11回にファイターズがミスを連発したのに乗じて岡崎がこれまたプロ初のサヨナラ打を放ち、2勝1敗。今節は4勝2敗。今季通算31勝21敗で勝率.596で2位。首位カープも4勝2敗と同様に勝ち越したため、1.0差は変わらず。交流戦は6連勝のバファローズを追う2位でカープ、イーグルス、ホークスと並ぶ。
◎マリーンズ1回戦……15-7
マリーンズの先発は石川。1回表、高山が歩き上本三振の間に二盗。糸井がライトスタンドに先制のツーランホームランを放つ。タイガースの先発秋山は初回から高めに球が浮き、苦しい投球。2回裏1死から、井口のレフト前ヒット、パラデスのレフト前に落ちるテキサスヒットで一二塁とされ、三木にレフト線にタイムリーヒットを打たれる。高山がクッションボールの捕球に手間取る間に2者生還し、同点に。さらに2死後、大嶺翔にレフトスタンドにツーランホームランを浴びで逆転を許した。しかし、石川もピリッとしない。3回表、高山のライトスタンドへのソロホームランで1点差とすると、4回表、二塁打の俊介は石川の牽制悪送球で三進し、梅野のスクイズが決まって同点に追いついた。5回表、四球の上本が二盗し、糸井があるいて無死一二塁に。福留の三遊間の当たりは三塁大嶺翔のグラブをすりぬけてレフト前タイムリーヒットとなり勝ち越し。1死後、石川は降板し、二番手は左腕土肥。鳥谷のレフト前ヒットで満塁とし、糸原のセカンドゴロは鈴木がバックホームするも糸井の足が早くフィールダーズチョイスで2点差に。さらに俊介がレフト線へ2点タイムリー二塁打を放ち、4点差に。1死二三塁から梅野もレフト線に2点タイムリー二塁打で6点差に。大差のついた中で秋山が苦しむ。5回裏、荻野、清田、角中の三連打で無死満塁とされ、鈴木へは押し出しとなる死球を当てる。井口の犠牲フライ、鈴木のレフト前タイムリーヒットでこの回3点を返されたが、なんとかリードを保って5回を投げ切った。6回表、三番手高野から糸井が歩き、福留の二塁打で無死二三塁とする。キャンベルは三振したが、鳥谷のサードフライは大嶺翔が落球して1死満塁に。糸原のショートゴロは本塁封殺となったが、俊介が3打席連続となる2点タイムリー二塁打でまたも5点差に。7回表、大嶺祐から上本が歩き、二盗。1死後、福留の三遊間を抜けるタイムリーヒットで6点差とすると、9回表は東條から糸井が歩き、1死後中谷のレフトへの二塁打で二三塁とする。鳥谷のセカンドゴロの間に糸井が生還して7点差とすると、とどめは糸原のレフトオーバーのタイムリーヒットで8点差をつけた。タイガースは6回から桑原、高橋聡、岩崎、藤川とつないでマリーンズ打線を沈黙させて快勝。藤川は角中を見逃し三振に取り、NPB通算1000奪三振を達成。勝利投手は大量点に助けられた秋山。ヒーローインタビューは江越にかわって一軍に昇格し、すぐの先発起用に3二塁打4打点の俊介。
◎マリーンズ2回戦……5-0
先制したのはタイガース。マリーンズの先発チェン・グァンユウに対し、2回表、先頭の中谷がセンター前ヒットで出ると、1死後、大和もセンター前ヒットで続き、俊介が四球を選んで満塁に。ここで梅野がレフト前に2点タイムリーヒットを放つと、返球の乱れの間にそれぞれ進塁して1死二三塁と攻め立てる。高山のセカンドゴロの間に俊介も生還して3点差とする。タイガースの先発能見は援護点をもらい、マリーンズ打線を抑える。4回表には先頭の大嶺翔に二塁打を打たれるも、荻野をショートゴロに打ち取って進塁を阻むと、清田を浅いセンターフライ、井口をサードゴロに打ち取って得点を許さない。しかしタイガース打線も3回以降はチェンの前にチャンスは作るが決定打を欠き追加点を奪えない。結局チェンには6回まで投げさせてしまった。7回は松永、8回は有吉の前に無得点。能見は快調に投げ続け、完封も視野に入ってきた8回裏、疲れが見えてきた。2死から三木にヒットを打たれると、パラデスを歩かせてしまう。ここで能見は無念の降板。二番手桑原は大嶺翔をセカンドフライに打ち取り、得点を許さない。9回表、四番手益田をタイガース打線が襲う。先頭の梅野が歩き、高山のセカンドゴロで二封される。代走に荒木が入り、北條のレフト前ヒットで一気に三進。一三塁のチャンスで糸井がレフト前にタイムリーヒットを放ち待望の追加点を入れると、福留のライト前ヒットで満塁とする。中谷のセカンドゴロの間に北條が生還、5点差とした。福留が一二塁間にはさまれる間に糸井がホームを突くもタッチアウトでさらなる追加点はならず。9回裏はマテオが2死から井口にヒットを打たれるも角中を三振に切って取って逃げ切り。ヒーローインタビューは惜しくも完封は逃したが2勝目をあげた能見。
◎マリーンズ3回戦……1-8
マリーンズの先発唐川から1回表に高山が先頭打者ホームランをバックスクリーン左に放ち先制したが、唐川はそれ以降は低めに球を集めるていねいな投球。高山と上本はマルチヒットを記録したが、糸井、福留、中谷のクリーンアップトリオはノーヒット。糸原は猛打賞を記録したが、俊介、梅野はノーヒット。打線が完全に分断された。タイガースの先発はメッセンジャー。1回裏、大嶺翔にセンター前ヒットを打たれるとサントスのバントで二進を許す。2死後。角中を歩かせ、鈴木の打球はレフトフライ。風を読み違えたか、高山が一瞬バックし、あわてて前進。スライディングキャッチを試みるも手元で弾み、後ろにそらせて2点タイムリー二塁打にしてしまう。続く根元には右中間を破るタイムリー二塁打でたたみかけられ、この回3失点。しかし、2回以降は風を味方につけてマリーンズ打線を抑える。5回裏、先頭の大嶺翔を歩かせ、サントスのセカンドゴロと清田のライトフライで三進を許す。角中の三遊間の当たりは糸原がなんとか抑えたがどこにも投げられず大嶺翔の生還を許した。メッセンジャーは7回には2死一二塁のピンチを招いたが、角中を三振に取ってこの回限りで降板。8回裏、二番手伊藤和が打たれる。鈴木に死球を与え、1死後、パラデスのライト前に落ちるヒットで一三塁とされると、三木にレフト線に2点タイムリー二塁打を、田村にセンターオーバーのタイムリー三塁打を打たれ、2死後、サントスの来日初安打で田村も生還させてこの回4失点と一方的な展開に。マリーンズは8回を大谷、9回を内と必勝リレーで逃げ切り。昨年に食らった3タテのお返しはできなかった。
◎ファイターズ1回戦……2-4
タイガースの先発は岩貞。立ち上がりからチェンジアップをうまく使い、ファイターズ打線を翻弄。特に四割打者の近藤に対しては最初の打席は四球を与えたが、続く3打席は凡打に打ち取り打線を分断する。先制したのはタイガース。ファイターズの先発高梨から4回裏に原口がレフトポール際のスタンドにソロホームランを叩きこむ。5回裏には先頭の岩貞がセンター前ヒットを放つと、糸原が右中間を破るタイムリー二塁打で2点目を追加した。上本のバントなどでなおも2死三塁と攻め立てるも糸井は三振。6回裏、1死から鳥谷がライト前ヒット、中谷がセンターオーバーの二塁打と二三塁のチャンスを作った。しかし、ここで登板した二番手鍵谷に対し岡崎がスクイズを試みるも低めの球にバットを当てられず、本塁に突入した鳥谷はタッチアウト。そして岡崎は空振り三振で得点できず。直後の7回表、先頭のレアードに二塁打を打たれ、大田のセカンドゴロで三進。1死三塁の場面で岩貞は降板。二番手の桑原が大野に三遊間を破られるタイムリーヒットを打たれて1点差とされる。続く中島卓のバントは桑原がファンブルして1死一二塁とされた。代打矢野のレフトライナーを高山が好捕し、西川はセカンドゴロで同点は免れる。7回裏、三番手公文に対し、代打北條が歩き、糸原のバントで代走大和が二進。上本は三振したが高山はレフト前ヒットで2死一三塁とするもここでも糸井は三振。8回表はマテオが三者凡退で抑え、8回裏、四番手玉木の前に無得点に終わるが、9回表、ドリスを投入。しかしドリスはこの試合球威がなく、レアードに三遊間深いところに打たれ、糸原が懸命に抑えるも内野安打に。大田は四球で大野のバントで1死二三塁に。中島卓のセーフティバントが決まり、同点に。一塁荒木がホームへ送球したため1死一三塁に。中島卓がすかさず二盗し、松本の三塁線を破るレフト前2点タイムリー二塁打で逆転された。西川にもヒットで続けられ、田中賢の一塁へのゴロは三塁走者が飛び出しタッチアウト。ここで岩崎にスイッチ。近藤は歩かせて満塁とされるが、中田はサードファールフライでさらなる追加点は防いだ。9回裏、クローザーの増井に対し大和の三塁ゴロは石井一が取れず先頭を出すも糸原と代打福留は連続は連続三振。高山のライト前ヒットで同点のチャンスを作ったが糸井が三振して試合終了。追加点のチャンスをつぶしたのとドリスが先頭打者を出して崩され、岩貞の勝利を消してしまった。
◎ファイターズ2回戦……4-2
タイガースの先発は青柳。1回表、先頭の西川に三遊間を抜くかという当たりを打たれるも鳥谷が好捕。しかし一塁には間に合わず内野安打に。中島卓の投手へのバントを青柳が一塁へ悪送球し、ボールがファールグラウンドに転がる間に西川は三進。無死一三塁で近藤にライト前に先制タイムリーヒットを打たれる。中田のショートゴロで1死二三塁とされ、レアードのライトへの犠牲フライで2点目を奪われた。ファイターズ先発メンドーサの前になかなかチャンスを作れなかったタイガース打線だったが、3回裏に岡崎がセンター前ヒットで出ると、青柳が送り、1死二塁に。ここで糸井がセンター前にタイムリーを放ち1点差とする。4回裏、先頭の鳥谷のライトへの飛球は二塁手との間に落ち、鳥谷は一気に二塁へ進んで二塁打となる。糸原のセカンドゴロで鳥谷は三進。そして岡崎がプロ入り初となる逆転ツーランホームランをレフトポール際に運び、逆転した。メンドーサは5回3失点で降板。6回表、1死から田中賢が歩き、大田のライト前ヒットで1死一二塁に。大野のショートゴロで二封したが、大田のスライディングに足をとられた上本の一塁送球がそれて一塁はセーフ。金本監督の抗議で守備妨害かどうかのリプレイ検証が行われたが、守備妨害にはあたらず。代打杉谷に対してマウンドには二番手岩崎が上がる。するとファイターズは代打の代打に矢野を送りこみ、四球で満塁に。西川をセンターフライに打ち取りピンチを脱した。ファイターズは6回に鍵谷、7回に宮西と勝ちパターンの投手を投入。タイガースも7回表、高橋聡を送ると、中島卓、近藤、中田を三者三振に取る。8回表はマテオがレアード、田中賢を連続三振に取り、大田にヒットを許すも大野をセカンドゴロに取って無失点で切り抜けた。8回裏、四番手マーティンに対し、先頭の福留が歩くと、代打荒木のバントで二進。鳥谷の右中間へのタイムリーヒットで2点差とする。9回表、ドリスが登板。先頭の代打松本にセンター前ヒットを打たれ、西川のセーフティバントが投手前ヒットとなり、中島卓のバントで1死二三塁に。しかし、ドリスは四割打者の近藤にフォークを決めて空振り三振。中田の捕手へのファールフライは岡崎がフェンスぎりぎりで捕球してなんとか逃げ切った。勝利投手は青柳。ヒーローインタビューは逆転のプロ入り初ホームランの岡崎と中継ぎで三者三振の高橋聡。
◎ファイターズ3回戦……4-3
タイガースの先発は小野。4回までは毎回走者を出すも落ち着いて後続を断つ。ファイターズの先発は米国帰りの村田。3回裏、1死から糸井がライト前ヒットと盗塁。上本が歩き、高山のセンター前タイムリーヒットで先制する。村田は4回を投げて降板。5回裏には二番手公文に抑えられる。6回表、先頭の西川にレフト前ヒットを打たれると、松本のバントで二進。レアードのセンターオーバーのタイムリー二塁打で同点に追いつかれた。続く中田にもセンター前タイムリーヒットを打たれて勝ち越される。それでも小野は7回2失点と好投。次回の登板に望みをつないだ。ファイターズは6回から谷元、宮西、マーティンとつないでタイガース打線を封じ込める。8回表、タイガースは二番手に高橋聡を投入。西川を三振に取ると、すぐに桑原にスイッチ。松本を三振、レアードをレフトフライに打ち取り、追加点を許さない。9回表、四番手藤川は中田をショートフライに打ち取るも、糸原が取れず返球が遅れる間に二塁を陥れられ二塁打とされる。田中賢の二塁ゴロで中田は三進。打者大田の時に高めに浮いた球を捕手梅野がパスボールして中田が生還、2点差とされる。9回裏、ファイターズは切り札増井を投入。福留、中谷、鳥谷が三者連続四球で無死満塁とし、糸原の鈍い当たりのセカンドゴロは二封がやっと。その間に福留が生還し1点差と迫る。なおも1死一三塁で代打原口が同点となるセンター前タイムリーヒットを放つ。試合は延長戦に。10回表は鍵谷が、10回裏はドリスがそれぞれ抑え、11回表、マテオが2死から田中賢の四球と大田のヒットでピンチを作るも大野をセンターフライに打ち取り、なんとか切り抜けた。11回裏、ファイターズはエスコバーを起用。先頭の大和が歩き、鳥谷のバントは捕手の大野が二塁へ悪送球し無死一二塁に。代打北條のバントはエスコバーが三塁へ送球。タイミングはセーフだったが、判定はアウト。金本監督の抗議も通じず。1死一二塁で原口はショートゴロ。併殺かと思われたが、ショート中島の送球を松本が弾いてオールセーフ。1死満塁で打席には岡崎。フルカウントからファールを連発して粘り、レフト前にサヨナラタイムリーヒットを放った。勝利投手は最後に登板したマテオ。ヒーローインタビューはサヨナラヒットの岡崎。
愛すれどTigers週間MVP
投手……能見篤史 好投しながらも打線の援護がなく勝利数がのびなかったのが、今回のマリーンズ戦では打線の援護に恵まれ、またマリンの風を利用して変化球を決めるベテランらしい投球で久々の2勝目。完投こそ逃したが、規定投球回数に達して、セ・リーグの防御率1位に躍り出た。
野手……岡崎太一 ファイターズ戦ではまさかの逆転ホームラン、そしてサヨナラ打と、プロ入り初の主役に。梅野の陰に隠れて今季も二番手捕手というポジションながら、地道に努力を続けてきたのを野球の神様はちゃんと見ていたのだなあ。こういう選手が活躍してくれると、本当に胸が熱くなる。
次節は京セラドーム大阪で6連勝と絶好調のバファローズと3連戦。負のスパイラルに入ったジャイアンツとの違いを見せてやろうじゃないですか。糸井が古巣相手にどんなバッティングをするかも楽しみ。続いてヤフオクドームでホークス戦。こちらはパ・リーグ2位で交流戦も同率2位という強敵。準本拠地である京セラドームならばアウェーの不利はなく、逆にファンの声援はホーム並みになるはず。ヤフオクドームではあまり勝てていないけれども、苦手意識を払拭してもらいたい。岩貞の復調、小野の好投は好材料。二軍では藤浪や西岡が結果を出している。離脱した駒が戻ってくると、ますます層が厚くなる。
(2017年6月5日記)