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交流戦首位のBsに勝ち越し

 今節はパ・リーグ本拠地で6試合。準本拠地である京セラドーム大阪のバファローズ戦は、初戦にエース金子から大量得点。秋山が踏ん張り先勝。第2戦は好投していた能見が突如崩れて同点とされ、サヨナラ負けを喫したが、3戦目にメッセンジャーが不調ながらも粘りの投球を見せ、中谷の攻守にわたる活躍で接戦をものにする。交流戦首位のバファローズに2勝1敗と勝ち越した。苦手とするヤフオクドームでのホークス戦は、初戦にバンデンハークに完璧に抑えられ完封負けを食らったが、2戦目は青柳の荒れ球にホークス打線がバッティングを狂わされて打ち勝つ。3戦目は小野が立ち上がり自滅のような形で打たれ、ホークスの外野守備陣のファインプレーの連発で好機をものにできず、1勝2敗。今節は3勝3敗。今季通算34勝24敗で勝率.586で2位。首位カープは4勝2敗で、2.0差と開いた。交流戦は7勝5敗と少し後退してイーグルスと並ぶ5位。しかし、福留が不調、糸井が故障でスタメン落ちをしている中で上本、鳥谷、糸原が後期に好打しよく踏ん張っている。

◎バファローズ1回戦……11-4
 タイガース先発の秋山が初回に打たれる。先頭の駿太を歩かせ、西野のファーストゴロは原口が秋山にトスするもわずかに遅れて内野安打に。安達の打席で二塁走者の駿太が飛び出し梅野が刺し、安達も見逃し三振で2死一塁とする。しかしロメロにレフト前ヒットを打たれ、一二塁とされると、小谷野にはセンター前に弾き返されタイムリーヒットで1点先制される。さらに中島にレフト線へタイムリー二塁打を打たれ1点追加され、なおも二三塁と攻め立てられたが、T-岡田を見逃し三振に取って大量失点を防ぐ。タイガース打線は金子千の緩急自在の投球に翻弄されていたが、3回表、糸原がライト前にチーム初安打を放つと、梅野が送り1死二塁に。糸井はセンターフライに打ち取られたが、上本が右中間を破るタイムリー二塁打で1点を返すと、高山もセンター前タイムリーヒットで続き、同点に。福留の四球で2死一二塁とし、原口のセンター前タイムリーヒットで勝ち越すと、鳥谷がライトスタンドへスリーランホームランを放ち、一気に突き放す。6回裏、1死から糸原が歩き、梅野のバントで二進。糸井が今度はセンター前にタイムリーヒットを放ち、4点差に。上本の打席で糸井が二盗。上本が四球で2死一二塁にしたところで金子千は降板。二番手は左腕大山。高山のショートゴロは安達が三塁へ悪送球。ボールがベンチに入ったため、テイクワンベースで糸井が生還して5点差に。福留が歩いて満塁とすると、三番手ヘルメンがマウンドに。原口のレフトへの2点タイムリー二塁打で7点差をつけた。秋山は毎回のようにヒットを打たれる苦しい投球ながら、よく粘って失点を防ぎ、8回を投げて12被安打ながら1回の2失点にとどめた。バファローズは8回から新人の小林が登板し、無失点。9回裏、二番手松田が武田の二塁打と若月のレフト前ヒットで無死一三塁とされると、1死後、代打大城にレフト線にタイムリー二塁打を打たれ、1点を返される。さらに二三塁のピンチで安達のショートゴロの間に若月が生還して2点目を失う。それでもロメロをセカンドゴロに打ち取ってなんとか逃げ切った。勝利投手は5勝目の秋山。ヒーローインタビューは勝ち越しタイムリーを含む3打点の原口。
◎バファローズ2回戦……4-5
 バファローズの先発は東明。1回表、糸井の四球、高山のライト線二塁打、福留の四球で1死満塁と攻め立て、原口のショートゴロは併殺崩れとなり糸井が生還して1点を先取。さらに4回表、原口が左中間を破る二塁打を放つと、鳥谷のレフト前ヒットで無死一三塁とし、中谷がレフトスタンドにスリーランホームランを放りこむ。東明はこの回限りで降板。能見は抜群のコントロールとコンビネーションでバファローズ打線を翻弄していたが、5回裏、T-岡田にライトスタンドにソロホームランを運ばれ1点を返される。さらにバファローズは5回から赤間、7回は近藤、8回は黒木と若い投手が踏ん張りタイガース打線は走者を出すことができない。6回裏、西野のライト前ヒットと安達のレフト線を破る二塁打で無死二三塁とされ、ロメロに詰まった当たりながらショート糸原のグラブを弾くセンター前タイムリーヒットを打たれて1点を返される。小谷野にはセカンドの頭を超えるライト前タイムリーヒットで1点差に迫られ、能見は降板。二番手桑原の暴投で無死二三塁とされるも、中島は一塁ゴロ、T-岡田はショートゴロでランナーを釘づけに。代打駿太に死球を与えて2死満塁とされ、代打モレルにレフト前に同点タイムリーヒットを打たれてしまう。7回からタイガースは岩崎が好投し、試合は9回に。タイガースは切り札平野から鳥谷、糸原、代打俊介の連打で2死満塁とするも糸井が一塁ゴロで得点できず。9回裏、マテオが伊藤光を歩かせ、武田のバントで二進。西野を歩かせて塁をつめる。安達のセンター前ヒットで満塁とされ、ロメロにショートの右を抜くタイムリーヒットを打たれてサヨナラ負け。
◎バファローズ3回戦……3-2
 タイガースの先発はメッセンジャー。立ち上がりコントロールが安定しない。1回裏、2死から安達にライト前ヒットを打たれると、ロメロを歩かせ一二塁とされ、小谷野に三遊間を破るレフト前タイムリーヒットを打たれる。続く中島の打席でサイン違いの球を梅野がパスボールして二三塁としてしまうが、中島はピッチャーゴロに打ち取って最少失点にとどめた。直後の2回表、バファローズ先発のディクソンを攻める。先頭の福留が歩き、原口の一二塁間を破るライト前ヒットで無死一三塁とする。鳥谷のセンター返しの打球はショート安達に抑えられ併殺をとられたが、その間に福留が生還して同点に。その後は両先発が立ち直ったが、5回表に均衡が敗れる。1死から鳥谷が左中間を破る二塁打で出ると、中谷の打席で暴投。鳥谷を三塁に置き、中谷がセンター前タイムリーヒットを放ち、勝ち越す。6回表、糸井が四球で出ると、上本が送り、高山のファーストゴロで糸井は三進。福留のセンター前タイムリーヒットで2点差とする。ディクソンはここでヘルメンと交代。原口の打席で福留が今季初盗塁を決めたが、原口はファーストゴロで大量得点はならず。球数が増えたメッセンジャーは6回裏につかまる。中島にライトに大きな当たりを打たれるが、中谷がフェンスにぶち当たりながらもしっかりと捕えてアウトに。2死から武田に左中間に二塁打を打たれると、代打モレルに左中間を破られるタイムリー二塁打を打たれ、1点差とされた。代打駿太に対して二番手桑原が登板。セカンドゴロに打ち取り同点にはさせず。桑原は7回も抑え、古巣に恩返し。バファローズは7回から近藤、黒木、平野と勝ちパターンの継投でタイガース打線を抑えて勝機をうかがうが、8回裏はマテオが前日のお返しと三者凡退で抑えると、9回裏もドリスが三者凡退で逃げ切った。メッセンジャーはハーラートップの7勝目。ヒーローインタビューは決勝タイムリーとファインプレーの中谷。
◎ホークス1回戦……0-3
 タイガースの先発は岩貞。立ち上がり、球が高めに浮くところをとらえられる。1回裏、1死から今宮にサードベースに当たって大きく跳ねるレフト線への二塁打を打たれると、柳田にセンター前にタイムリーヒットを打たれ、先制された。さらに3回裏、センター前ヒットの今宮を置いて柳田にレフトホームランテラス上のフェンスに当たるツーランホームランを打たれ、3点差とされた。ホークスの先発はバンデンハーク。1回表に糸井がセンター前ヒットを打って以降、ノーヒットに抑えられていたが、6回表に糸井がセンター前ヒットを放ち、代走に新井良が出る。続く上本はセンター前に落ちるテキサスヒットで無死一三塁とし、高山の打席で上本は二盗。無死二三塁のチャンスを作ったが、高山は浅いレフトフライに倒れ、福留はボールと確信して見送った球をストライクに取られて見逃し三振。原口はファーストフライに倒れ、得点機を逃した。岩貞は4回以降立ち直り、7回を投げ切って3失点で降板。8回裏は藤川が三者凡退とホークス打線を抑える。しかし、ホークスは7回から森、岩嵜、サファテの必勝リレーでタイガース打線を封じ、タイガースは完敗。球審原の打者に厳しい判定で両チームとも打撃の感覚が狂ってしまったような試合だった。
◎ホークス2回戦……5-1
 ホークスの先発は若い松本裕。2回裏、福留、原口が歩くと、鳥谷のセカンドゴロで二三塁と進む。中谷も四球を選び、1死満塁に。ここで糸原がライト線に2点タイムリー二塁打を放ち、先制。2死後、上本がレフト線を破り2点タイムリー二塁打となってこの回一挙4点とリードした。タイガースの先発青柳の荒れ球に戸惑ったホークス打線は腰が引けた早打ちで走者を出しても返せない。5回裏、先頭の明石を内野安打で出し、松田のショートゴロで二進を許す。2死後、代打福田を歩かせ、川崎のライト前タイムリーヒットで1点を返されたが、青柳は5回1失点とホークスの強打線を抑えこんだ。ホークスは松本裕を4回限りで降ろし、5回から二番手笠原を投入。8回表、先頭の福留の肘に死球。原口も歩き、無死一二塁とする。鳥谷のセンター返しの打球は二塁川崎に捕られ、そのまま二塁を踏み一塁へ転送して併殺に。2死三塁となったところで、中谷の打席で暴投。労せずして貴重な1点を追加した。中谷が故郷福岡での初安打となる二塁打を放つも、糸原は二塁ゴロでさらなる追加点はならず。タイガースは6回裏は高橋聡、7回裏は桑原がホークス打線を抑え、8回裏には岩崎を投入。2死後、柳田を歩かせ、デスパイネのヒットでピンチを作るが、中村晃を三振に取り、無失点で切り抜けた。ホークスは9回表、三番手岡本でタイガース打線を抑えたが、9回裏、マテオが三者凡退で逃げ切り、青柳は3連勝。ヒーローインタビューは先制タイムリーの糸原。
◎ホークス3回戦……2-5
 タイガースの先発は小野。1回裏、川崎を歩かせ、今宮のバントと柳田への四球で1死一二塁とされ、デスパイネにライト前に先制タイムリーヒットを打たれる。中村晃を歩かせて満塁とし、明石に押し出し四球を与えてさらに1点を追加された。ホークスの先発は今季初登板の山田。2回表、2死からヒットの鳥谷が中谷の打席で暴投により二進。中谷が歩いて一二塁とし、大和がレフト前にヒットを放ち、鳥谷が一気にホームを突くも中村晃の好返球で憤死。これで流れが大きくホークスに傾いた。3回裏、1死からデスパイネを歩かせ、中村晃のセンター前ヒットで一二塁とされると、松田の右中間フェンス直撃のタイムリー二塁打でさらに1点を追加された。5回表、梅野のレフトスタンドにうまくすくい上げて運ぶソロホームランで1点を返したが、山田の前に打線がつながらない。山田は5回で交代。6回表は五十嵐に抑えられる。6回裏、明石の二塁打と1点を追加された。5回表、梅野のレフトスタンドにうまくすくい上げて運ぶソロホームランで1点を返したが、山田の前に打線がつながらない。山田は5回で交代。6回表は五十嵐に抑えられる。6回裏、明石の二塁打と1点を追加された。5回表、梅野のレフトスタンドにうまくすくい上げて運ぶソロホームランで1点を返したが、山田の前に打線がつながらない。山田は5回で交代。6回表は五十嵐に抑えられる。6回裏、明石の二塁打と甲斐への四球で2死一二塁とされたところで小野は降板。岩崎が川崎をライトフライに打ち取り、追加点を阻んだ。7回表、三番手森を攻める。1死から大和のヒットでチャンスを作り、梅野のサードゴロで大和は二封されたが、梅野は上本の打席、暴投で二進。上本が歩いて2死一二塁とし、代打糸原のライト前タイムリーヒットで1点差に迫った。7回裏、藤川が今宮にいきなり二塁打を打たれ、暴投で三進を許す。柳田、ジェンセンと連続三振に打ち取ったが、中村晃、松田に四球を与えて満塁とされる。ここで明石を三振に取り、なんとか無失点で食い止めた。8回表は岩嵜から四球でチャンスを作るなどしたが、無得点。8回裏、高橋聡が先頭の上林にセンターオーバーの三塁打を打たれる。甲斐を三振、川崎をキャッチャーフライにしとめたが、今宮のライト前タイムリーヒットでついに追加点を奪われると、柳田のレフト前への当たりを大和が飛びこんで捕ろうとするも届かずタイムリー二塁打となり、3点差とされてしまった。9回表はサファテに抑えられ、交流戦初のカード負け越し。

愛すれどTigers週間MVP
投手……青柳晃洋
 校長ホークス打線のつわものたちの腰が引けてしまっていた。荒れ球がいいところに決まり、狙い球を絞らせず、5回1失点で2試合連続の勝利。もう少しイニングをのばせたらリリーフ陣への負担も減るのだが、相手打線のリズムを狂わせる投球に今後も期待できる。
野手……糸原健斗
 北條との併用だが、ここぞというところでコンパクトに振り切り、タイムリーを連発。守備面ではまだ不安は残るが、プロのスピードにも慣れ、ショートの定位置をつかみかけてきている。北條、大和らとの競争に勝つことができるか。

 次節は甲子園球場で6連戦。リーグ3位のライオンズと、リーグ1位のイーグルスと当たる。ベテランを休ませながら、若手と中堅の競争でここまで交流戦を勝ち越してきているが、まずは表ローテのライオンズ戦でしっかりと勝ち越して、調子の上がってきた岩貞と青柳でイーグルスを翻弄してほしい。まずは先制し、リードを保ったまま盤石のリリーフ陣につなぐという今年の勝ちパターンをしっかりと作ることだ。交流戦を勝ち越して乗り切っていける可能性は高い。ただ、中軸に当たりが出ていないのが気になる。地元甲子園で満員のタイガースファンから力をもらっていただきたい。

(2017年6月12日記)


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