今節で交流戦も終了。甲子園球場で6試合。ライオンズ戦は、初戦に糸井の代役俊介の起用が当たり快勝。第2戦は能見がいつもの調子を取り戻せず中村剛に打たれて敗れた。しかし3戦目はメッセンジャーが粘った末に、原口のサヨナラ打で交流戦5割を確定。カードも2勝1敗と勝ち越した。続くゴールデンイーグルス戦は、初戦に原口のホームランで勝ち、交流戦の勝ち越しを決めたが、2戦目は同点で登板したマテオの思わぬ乱調で敗れる。3戦目は小野が好投するも、岸に対しあと1本が出ず0-1と惜敗し、1勝2敗。今節も3勝3敗。今季通算37勝27敗で勝率.578の2位。首位カープは4勝2敗で、3.0差と開いた。交流戦は10勝8敗で4位。今季も交流戦1位はホークス。糸井が最終戦で代打での初安打を放つなど復調気味。昨シーズンはここから脱落していっただけに、よく踏ん張った。
◎ライオンズ1回戦……7-2
ライオンズの先発は野上。2回裏、1死から中谷が四球で出ると、鳥谷のライト前ヒットで1死一二塁に。糸井の代役として先発出場した俊介の左中間を破る先制の2点タイムリー二塁打で先制した。直後の3回表、タイガース先発秋山拓が源田にライトポール際飛びこむソロホームランで1点差とされる。さらに4回表、メヒアに同点となるバックスクリーンへのソロホームランを打たれる。4回裏、取られたらすぐに取り返す。2死から俊介が左中間スタンドに自身甲子園での初ホームランを放ち、1点リード。野上は6回3失点で降板。5回表、二塁打の金子侑が源田のセカンドゴロで三進。1死三塁のピンチで秋山拓は秋山翔を見逃し三振に取ると、浅村をショートフライに打ち取り失点を防いだ。7
回表、1死から水口にセンター前ヒットを打たれると、金子侑のライト前ヒットで一三塁に。ここで秋山拓は降板。岩崎は源田を一塁ゴロに捕り、走者は動けず。秋山翔を歩かせて満塁とされたところで桑原にスイッチ。桑原は浅村の初球打ちにも助けられ、セカンドフライに打ち取る。ただ、風に流されて上本もなんとか追いつくひやりとさせる飛球だった。7回裏、二番手武隈を攻める。先頭の鳥谷が歩き、俊介のバントで二封されるが、梅野はバントを決めて2死二塁に。代打新井良が歩くと、糸原が前進守備のセンターの頭を超える2点タイムリー二塁打で待望の追加点。8回表はマテオがきっちりと抑え、8回裏、三番手ガルセスから高山が死球。荒木が代走に出、福留のライト前ヒットで無死一二塁に。中谷が右中間の一番深いところを破る2点タイムリー三塁打で大差をつける。まだチャンスは続いたが、1死から登板した平井に抑えられ、さらなる追加点はならず。9回表は藤川が金子侑、源田を連続三振に取るなどして締めた。秋山拓が勝利投手に。ヒーローインタビューは3打点の俊介と貴重な追加点叩きだした糸原。
◎ライオンズ2回戦……2-4
タイガースの先発は能見。1回表、2死から秋山翔、浅村を歩かせ、中村にライト前にタイムリーヒットを打たれ、1点を先制された。2回表を三者凡退に取って調子を取り戻したかに見えたが、3回表、またも2死から秋山翔にセンター前にヒットを打たれ、浅村にはレフト前ヒットで一二塁とされると、中村に右中間スタンドにスリーランホームランを放りこまれ、4点差とされてしまう。能見は5回4失点で降板。ライオンズの先発岡本の前に3回まで完全に抑えられていたタイガース打線だったが、5回裏、疲れの見えてきたところを攻める。中谷がレフト前ヒットで口火を切ると、鳥谷のセンター返しの当たりは高く弾んでショート源田が弾き、外野に転がる間に中谷は三進。鳥谷も相手の守備の隙をついて二塁を陥れ、無死二三塁に。俊介のセカンドゴロの間に1点を返し、三進した鳥谷を梅野が犠牲フライで返す。2点差と迫り、流れを引き寄せたかに思われたが、6回裏、1死からセンター前ヒットの福留と左中間を破る二塁打の中谷を置いて、岡本から武隈にスイッチされると、鳥谷はセカンドフライ。俊介はショートゴロと同点機を逸した。タイガースは6回から松田を投入。7回表、内野安打のメヒアを炭谷が送り、外崎は四球。金子侑のライト前ヒットで1死満塁とされる。源田のショートゴロは糸原がジャッグルしたがなんとかホームに投げてフォースアウト。秋山翔を空振り三振に打ち取って追加点を許さない。藤川、高橋とリリーフ陣は最後まで無失点で打線の反撃を待ったが、ライオンズも7回から牧田、シュリッター、増田の必勝リレーでタイガース打線を封じ、逃げ切られた。
◎ライオンズ3回戦……3-2
ライオンズの先発は十亀。1回裏、立ち上がりをとらえる。1死から大和が四球で出ると、高山の一塁線への当たりはメヒアの好捕で一塁ゴロになるも大和は二進。福留がライト前に先制タイムリーを放つ。タイガースの先発はメッセンジャー。2回表、ヒットの浅村と四球のメヒアを塁に置き、2死後、岡田を歩かせて満塁に。ここは十亀をセカンドゴロに打ち取って難を逃れた。3回表は1死から源田にヒットを打たれるも、秋山翔を空振り三振に取り、盗塁を試みた源田を梅野が刺す。しかし4回表、中村を歩かせ、メヒアに速球を狙い打たれてレフトスタンドに逆転ツーランホームランを打たれてしまった。メッセンジャーはそのあとも走者を再三許すも粘りの投球で6回を投げ切って2失点とゲームを作る。6回裏、中谷と原口のヒットで1死一二塁とし、代打伊藤隼がライト前に同点タイムリーを放ち、メッセンジャーの負けを消す。十亀はここで武隈と交代、一三塁のチャンスで代打新井良、糸原が抑えられてしまう。7回は桑原が3三振で抑え、8回はマテオが秋山翔、浅村を連続三振に取るなどして三者凡退。7回裏から8回裏は牧田に抑えられるが、タイガースも9回表はドリスが好投。9回裏、シュリッターに対し代打上本のヒットと岡崎のバントでサヨナラのチャンスを作るも、糸原はショートゴロ、大和は三振と決め手を欠く。延長10回表、高橋聡が炭谷を歩かせると、金子侑のバントと源田の二塁ゴロで2死三塁のピンチに。しかし秋山翔は空振り三振。ピンチを乗り切った。10回裏、先頭の高山が歩くと、福留がセーフティバントで揺さぶる。このバントは捕手の炭谷が落ち着いて一塁に送り、間一髪でアウト、犠打となり、福留は悔しがる。中谷がこの試合5本目のヒットをライト前に転がし、鳥谷敬遠で1死満塁に。ここで原口が内角球に食らいついてレフト前に運ぶサヨナラヒットを放ち、カード勝ち越しを決めた。高橋聡が勝利投手となり、ヒーローインタビューは5安打の中谷とサヨナラタイムリーの原口。
◎ゴールデンイーグルス1回戦……4-2
イーグルスの先発は高卒ルーキーの藤平。1回裏、先頭の糸原がいきなりセンターオーバーの二塁打を放ち、2死三塁と攻めるも福留はレフトフライに倒れる。しかし、2回裏、1死から鳥谷が二塁内野安打で出ると、原口がレフトスタンドに先制のツーランホームランを放つ。岩貞は立ち上がりから好調。3回表、三好にソロホームランをレフトスタンドに運ばれたが、それ以外はイーグルスの強力打線を切れの良い速球と変化球のコンビネーションで寄せつけず。6回表、代打茂木のレフト前に落ちようかという当たりを福留が飛びこんで取るなど、野手も守備で盛りたてた。7回を投げ切り1被安打のみの好投でリリーフに後を託す。イーグルスは藤平を5回で降ろし、6回裏は高梨、7回裏は久保裕でしのぐ。8回表、マテオが三者凡退で1点差を守ると、8回裏、久保裕から追加点を奪う。1死から北條が久々のマルチヒットとなるライト前に落ちるヒットで出ると、高山の右中間を破る二塁打で二三塁とし、福留は敬遠気味の四球。中谷は見逃し三振に倒れたが、鳥谷がセンター前に抜ける2点タイムリーヒットで突き放した。9回表、ドリスは茂木、代打岡島と連続三振に取るが、岡島は振り逃げで出塁。ペゲーロを空振り三振に取る間に岡島は二進。代打聖澤に右中間を破るタイムリー二塁打を打たれて1点を返されたが、ウィーラーをライトフライに打ち取って逃げ切った。ヒーローインタビューは久々の勝利をあげた岩貞と、先制ツーランの原口。
◎ゴールデンイーグルス2回戦……2-8
タイガースの先発は青柳。1回表、茂木、ペゲーロを歩かせて無死一二塁とされる。岡島のバントは岡崎が判断よく三封したが、ウィーラーにセンター前にタイムリーヒットを打たれて先制される。銀次を併殺に取り、1失点にとどめたが、3回表にまた失点。2死からペゲーロ、岡島に連打を浴び、ウィーラーへの死球で満塁に。銀次の一二塁間のゴロは糸原が好捕したが一塁送球はわずかに遅れ、内野安打で1点を追加される。原口が岡島が一気にホームを突くのを見て本塁で刺し、この回も最少失点でとどめる。イーグルスの先発は美馬。3回までは手元で動く球に苦労していたが、4回裏に反撃。先頭の北條がセンター前ヒットを放つと、高山もライト線へのヒットで続き、無死一二塁に。福留のセカンドゴロで二三塁とし、中谷のセンター前に運ぶ軽打がタイムリーヒットとなり、1点差に。1死一三塁とし、鳥谷は内野フライに打ち取られたが、原口がレフトの頭を超えるタイムリー二塁打で同点とした。青柳が5回でマウンドを降り、6回表は二番手岩崎。岡島と銀次のヒットで1死一二塁とするも島内を三振に取ると、藤田のライトフライは前進守備の頭を超えそうになったが中谷が飛びついて捕球し得点を与えない。7回表、岩崎は嶋に四球を与えると、代打西田にはセンター前ヒットを打たれてしまう。ここで桑原が登板。代打三好、ペゲーロ、岡島を連続三振に取り、またも危機を脱した。7回からは福山、ハーマンがタイガース打線を抑える。8回表、必勝を期したマテオをマウンドへ送ったが、先頭のウィーラーを歩かせて、打者銀次の時に二盗を許す。1死後、島内にレフトオーバーのタイムリー三塁打を打たれ勝ち越された。藤田は三振に取ったが、嶋を歩かせ2死一三塁とされる。代打枡田の一塁ゴロは原口が弾き、アウトを取れず島内が生還して2点差に。マテオはここで降板。五番手松田は三好を歩かせて満塁とされると、ペゲーロにバックスクリーンに満塁ホームランを放たれ試合は決した。9回裏、切り札松井裕に対し、2死から大和がレフト線に二塁打を放ったが、梅野が三振して試合終了。終盤にきての大量失点は大きかった。
◎ゴールデンイーグルス3回戦……0-1
イーグルスの先発は岸。1回裏、先頭の高山がライト前ヒットで出ると、上本もライト前ヒットで続く。無死一二塁のチャンスで、中谷三振、福留一塁フライ、原口三塁ゴロと得点できず。3回裏、またも先頭の高山がライト前ヒットを放つが、上本がスリーバントを決めて二塁に送るも、中谷は空振り三振。福留は見逃し三振とチャンスをものにできない。タイガースの先発は小野。初回から毎回のように走者を出すも、併殺などで切り抜け、岸を向こうにまわして一歩も引かない。5回まで無失点。6回表に1死から島内を歩かせ、ペゲーロのライト前ヒットで一二塁とされると、岡島のセンター返しはショート糸原が飛びつくもわずかに及ばず。これがタイムリーヒットとなり先制を許す。それでもウィーラーのショートライナーをしっかり捕った糸原は走者の飛び出していた二塁に送り併殺。さらなる追加点は許さず。直後の6回裏、先頭の福留がヒットで出るも、原口のセンター返しをセカンド藤田が横っとびで捕球し、グラブトスで二封。一塁へ転送されて併殺となり、勢いを止められる。8回裏も1死一三塁のチャンスで福留が併殺。小野は7回1失点の好投でマウンドを降りたが、岸を向こうにまわしてよく投げ切った。タイガースは8回から高橋聡、ドリスとつないでイーグルス打線を封じる。その岸は8回無失点で9回裏、松井裕にバトンを渡す。2死から大和と糸井のヒットで一三塁としたが、俊介のレフトスタンドへの大きな当たりはファール。最後は空振り三振に倒れ、カード勝ち越しはならず
愛すれどTigers週間MVP
投手……桑原謙太朗 ランナーのたまった場面で登板し、思い切りのいい投球でパ・リーグの猛者たちから次々と三振を奪う。手放したバファローズは歯がみしているのではないだろうか。今、金本監督に全幅の信頼を置かれているのは桑原だけではなかろうか。
野手……原口文仁 交流戦5割を決めるサヨナラ打、勝ち越しを決めるホームランと、チャンスに強いところを存分に見せてくれた。原口と中谷が打つと得点できるような気がする。近い将来、不動の4番打者となるかもしれない。
次節からリーグ戦に戻る。まずは週末にマツダスタジアムでのカープ戦。メッセはもちろん、能見も岩貞も調子は上向き。1ゲームでも差を縮めたいところ。カープは交流戦はホークスと同率ながら得失点差などで2位にとどまったが、タイガース同様、好調をキープ。いよいよこの上位2チームでの優勝争いという様相を示してきた。まず週の前半、きっちり調整して首位争いの直接対決を制してほしいものだ。
(2017年6月19日記)