愛すれどTigers


リーグ戦再開もカープに連敗

 今節からリーグ戦が再開。マツダズームズームスタジアムで首位カープと連戦。初戦はメッセンジャーが崩れ、敗戦処理の柳瀬が3本塁打を打たれて大敗。2戦目は互角の戦いをしていたが、激しい雨で能見が崩れ、結局4回途中で降雨ノーゲームとなった。3戦目は勢いづいたカープ打線を岩貞が抑え切れず大瀬良の二塁打をきっかけに大崩れ。打線も大瀬良からヒットは打つが決定打に欠けて完封負け。今節は0勝2敗。今季通算37勝29敗で勝率.561の2位。首位カープとは5.0差と開いた。初戦の先頭打者田中の打球がフェンスのラバーの破れ目に入ってしまうという珍事から、カープに流れが傾き、失策で流れを手放したタイガースと、守備と走塁でミスの少なかったカープとの差がはっきりと出てしまった。

◎カープ10回戦……3-13
 メッセンジャーが不調。1回裏、先頭の田中にレフトオーバーの当たりを打たれる。ボールがどこかに消えてしまい、最初はホームランと判定されたが、リプレイ検証でなんとフェンスのラバーを破って中に入ってしまっていたことがわかり二塁打に変更。菊池のバントは三塁に転がり内野安打となり無死一三塁に。丸はレフトオーバーのエンタイトル二塁打でタイムリーとなり先制される。さらに無死二三塁から鈴木と松山の連続犠牲フライで2点を追加されてしまう。カープの先発はジョンソン。開幕戦はめった打ちにした相手だが、この試合では絶妙のコントロールで内野ゴロの連続。3回表、梅野のファーストゴロはエルドレッドとジョンソンの一瞬の動きの遅れで内野安打となり、メッセンジャーが送り1死二塁に。2死から上本のショート内野安打で一三塁とし、糸井が粘ってセンター前に打ち返し、タイムリーヒットで1点を返した。しかし、直後の3回裏、田中と菊池の連打、丸のライトフライで1死一三塁とされると、鈴木のライト前タイムリーヒットと松山の犠牲フライで2点を返され4点差とされた。メッセンジャーは今季最短の4回5失点で降板。5回裏、二番手柳瀬が大乱調。ヒットの菊池を置いて丸にライトスタンドにツーランホームランを打たれると、1死からヒットの松山を置いてエルドレッドにレフトスタンドにまたもツーランホームランを浴びる。さらに安部には二塁打、石原には四球、ジョンソンのバントで2死二三塁とされ、田中も歩かせて満塁に。そとて菊池にバックスクリーンに満塁ホームランを打たれ、この回だけで8失点で試合は決した。ジョンソンは7回1失点で降板。8回表、二番手加藤に対し、先頭の上本が四球。糸井のレフト前ヒット、代打糸原の四球で無死満塁とする。加藤はここで降板し、三番手は九里。原口が犠牲フライで1点を返し、鳥谷のセカンドゴロで二封される間に代走伊藤隼が生還して2点目を返したが、反撃もここまで。6回からは山本、8回は岩崎がカープ打線を零封したが、九里には9回表も抑えられ、大敗を喫した。
◎カープ11回戦(降雨ノーゲーム)……3-5X
 先制したのはタイガース。カープ先発薮田から2回表2死後、レフト前ヒットの鳥谷を糸原が右中間を破るタイムリー二塁打で返すと、梅野はレフトオーバーのタイムリー二塁打で2点目を叩きだす。しかしカープもすぐに反撃。能見から先頭の鈴木がレフト前ヒットを放つと、2死後、西川と會澤の連続タイムリー二塁打で同点に追いつく。3回裏には田中のヒットと菊池の二塁ゴロエラーで走者をため、丸のライト前タイムリーヒットで勝ち越し。しかし能見はここから踏ん張り、新井貴とバティスタを連続三振に取るなどして追加点は許さない。4回表、先頭の中谷がセンター前ヒットで出ると、鳥谷もセンター前ヒットで続き、糸原は四球で満塁に。梅野の犠牲フライで同点に追いついた。4回表、雨が強くなるなか、能見が苦しむ。西川と會澤の連打、田中への死球で1死満塁とされ、菊池を押し出しの四球。丸には犠牲フライで2点をリードされる。ここで能見は降板。二番手に藤川が告げられたところで試合は中断。1時間以上様子を見て、降雨ノーゲームが告げられた。雨のせいでコントロールが告げられずに苦しむ能見には酷な結果となった。
◎カープ11回戦……0-5
 カープの先発は大瀬良。1回表2死から糸井がライトフェンス直撃のヒットを放つも、鈴木がリバウンドした球を素早く内野に返球し、二塁に向かう糸井は刺される。これで流れがカープに行った。タイガースの先発は岩貞。1死から菊池のサードゴロを鳥谷がこぼし、エラーで出塁。丸を歩かせ、鈴木のレフト前タイムリーヒットで先制を許す。エルドレッドを歩かせ1死満塁のピンチに、バティスタ、西川を連続三振にとって危機を脱した。タイガースは大瀬良を攻めるもあと1本が出ない。2回表、先頭の福留がヒットで出るも中谷、鳥谷とも内野フライで走者を進められない。糸原のヒットで一二塁とするも岡崎は三振。4回裏、2死から大瀬良にレフトスタンドへのエンタイトルつーベースを打たれると、田中にはレフト前に落とされて大瀬良が一気にホームインし、タイムリーヒットとなる。さらに菊池にレフトスタンドにツーランホームランを打たれ、4点差とされた。岩貞はこの回限りで降板。5回以降は藤川、山本、岩崎がそれぞれ1回ずつ好投してカープ打線を封じる。5回表、糸原のヒットと高山の二塁打で2死二三塁とするも、上本は三振。ここでもあと1本が出ない。7回表には鳥谷と梅野のヒットで2死一二塁とするが高山が凡退。大瀬良は7回無失点でリリーフ陣にバトンタッチ。8回裏、五番手は今季初登板の守屋。鈴木とエルドレッドに連打を浴び無死一三塁とされて降板。六番手は高橋聡。エルドレッドの代走野間に二盗を許し、代打松山に犠牲フライを打たれてダメ押し点を奪われた。カープは8回表は中崎、9回表は今村と必勝リレーでタイガース打線を封じ、試合終了。リーグ戦再開の首位争いは悔しい2連敗となった。

愛すれどTigers週間MVP
投手……山本翔也
 勢いづいたカープ打線に対し、敗戦処理とはいえきっちりと抑えて存在をアピールした。高橋聡、岩崎と並ぶ左腕リリーフとして今後もいいところで投げさせたい投手の一人だ。
野手……糸原健斗
 カープ投手陣の速球に押されていた打線の中で、糸原だけはしっかりとタイミングを合わせてとらえていた。ノーゲームとはなったが、第2戦での先制タイムリーヒットなど、ここというところでの好打が目立った。北條、大和、そしていずれ二軍から復帰してくる西岡との定位置争いがますます楽しみだ。

 次節は浜松とナゴヤドームでドラゴンズ戦。そして甲子園でスワローズ戦。ビシエドと平田を欠き、苦しいドラゴンズ。最下位にもがくスワローズとの対戦だけに、カープ戦での連敗をここで挽回してもらいたい。カープに対しては明らかに意識しすぎて先発投手陣が慎重になっていた。その点、打線のつながりの悪い両チームには優位な立場で臨めるだろう。
 二軍では藤浪がかなり復調してきたし、西岡も試合でフル出場できるところまで戻ってきた。新外国人の補強も進めているようだ。低調な打線に喝を入れるような刺激がほしい。育成枠から支配下に戻った西田や二軍では好調な江越、陽川らもいる。
 オールスターのファン投票では、中継ぎ投手でマテオ、捕手で梅野、三塁手で鳥谷、外野手で糸井が選出された。これもチームが好調なればこそ。まだまだあきらめる場面ではない。

(2017年6月26日記)


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