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ロジャース2連発、メッセも初ホーマー

 オールスター明けのカープ戦。ここまで甲子園では優位に進めている。初戦はメッセンジャーが強力打線を封じ込めて取ったが、第2戦は岩貞がつかまり、第3戦は同点で迎えた終盤、マテオがまさかの乱調で連敗。1勝2敗でまたも1ゲーム開いた。しかも糸井と糸原、マテオがそれぞれ故障で登録抹消と、暗雲が立ちこめた。神宮球場に移動して再開スワローズ戦。初戦は糸井にかわって昇格した新外国人ロジャースの2連発と完封は逃したが秋山の好投で取るも、第2戦は能見が打たれてスワローズの連敗を止めるアシストをしてしまう。それでも第3戦はメッセンジャーが来日8年目にして初のホームランを放つなどして快勝。2勝1敗と勝ち越した。今節は3勝3敗。通算で46勝39敗、勝率は.541で2位。首位カープとは9.0差。3位ベイスターズとは1.0差。ここにきて故障者が続出しているが、控えに甘んじていた選手はこれをチャンスと定位置奪取を狙ってほしい。

◎カープ12回戦……2-1
 タイガースの先発はメッセンジャー。1回表、先頭の田中にヒットを打たれてバントなどで2死一三塁とされたが、松山をファーストゴロに打ち取って先制点を許さない。タイガースは西岡がいきなり一番ファーストで起用され、カープ先発野村の初球にセーフティバントを試みるなどらしさを見せる。先制したのはカープ。3回裏、1死から菊池と丸の連打でピンチに。鈴木はセカンドフライに取ったが、松山を歩かせて2死満塁に。ここでエルドレッドをフルカウントから歩かせて押し出しで1点を失う。しかし安部を空振り三振に取り、大量失点は防いだ。4回裏、2死からタイガース打線が反撃。鳥谷がセンター前ヒットで出ると、糸原がライト線へタイムリー二塁打を放ち同点。梅野のレフト前タイムリーヒットで逆転した。5回裏、先頭の西岡が復帰初安打をセンター前に弾き返し、上本のバントで二進。しかし糸井が空振りの際にわき腹を痛めてしまう。糸井の代打高山は空振りで糸井に三振が記録される。福留も凡退して追加点はならず。野村はこの回限りで降板。メッセンジャーは6回1失点でリリーフに後を託す。カープは中田、九里の継投でタイガース打線を抑えたが、タイガースも7回表は桑原が先頭の田中に内野安打を許し三塁まで進まれるも無失点。8回表はマテオが抑え、9回表はドリスが三者三振で逃げ切り。ヒーローインタビューはハーラートップの9勝目をあげたメッセンジャー、同点打の糸原、勝ち越し打の梅野。
◎カープ13回戦……5-9
 タイガースの先発岩貞が乱調。2回表、1死から松山のセンター前ヒット、エルドレッドのライト前ヒットで一三塁とされ、安部を歩かせ満塁に。石原はセンターフライに打ち取ったと思われたが、不慣れなセンターに入っている西岡が跳びこんで捕るもグラブから球は大きく弾きだされ、センター前タイムリーヒットとなる。大瀬良を三振に取って2死満塁としたが、田中にレフト線へ2点タイムリー二塁打を打たれると、続く菊池にも三塁ベース上を通るレフト線への2点タイムリー二塁打でこの回5点を失った。3回表にはセンター前ヒットの鈴木を置いて松山に左中間を破るタイムリー二塁打を打たれる。3回6失点で岩貞は降板。カープの先発は大瀬良。3回裏、糸原のヒットと西岡の二塁打で2死二三塁とするも上本はセンターフライでチャンスを生かせず。4回表、二番手の岩崎が1死から菊池にライト前ヒットを打たれると、丸にはセンターオーバーのタイムリー二塁打、鈴木のライト前ヒットで1死一三塁とされると、松山には犠牲フライを打たれて8点差とされる。岩崎は5回は抑え、6回から伊藤和が登板。7回表に1死から阿部のヒットと石原のファーストゴロをこの試合来日初出場の一塁ロジャースがトンネルして一二塁とされ、大瀬良のバントで2死二三塁に。田中の打席で暴投、9点目を献上した。それでも伊藤和は8回は無失点で抑える。8回裏、糸原の四球と代打伊藤隼のライト前に落ちるヒットで1死一二塁とし、西岡が歩いて満塁。上本は押し出し死球で1点を返した。ここで大瀬良は降板。中崎を引っ張り出す。ロジャースがセンター前に来日初タイムリーヒットを放って2点を追加し、6点差に。9回表は藤川が三者凡退で切り抜ける。9回裏、三番手ジャクソンに対し、鳥谷のヒットと糸原の四球で1死一二塁とし、代打俊介の打席で暴投があり二三塁に進むと、俊介のセカンドゴロで1点を返す。2死三塁で西岡が復帰後初打点となるセンター前タイムリーヒットを放ち、4点差に迫った。ここでカープは切り札今村を投入。上本はショートゴロで試合終了。しかし、一方的な敗戦から相手の勝ちパターンのリリーフ陣を使わせる反撃で希望を持たせた。糸井はこの試合から出場登録抹消。しかしロジャースがタイムリーを放つなど、打撃陣は決して負けていなかった。
◎カープ14回戦……3-14
 カープの先発は中村祐。2回裏、先頭の福留がレフト前ヒットで出ると、中谷が歩いて無死一二塁に。鳥谷のファーストゴロで二三塁とし、糸原がライト前に2点タイムリーヒットを放ち先制する。タイガースの先発は今度こそ初勝利を狙う小野。5回まで切れの良い速球でカープ打線を1安打に抑えこんでいたが、6回表につかまる。1死から菊池と丸の連打で一二塁とされると、鈴木にライト前タイムリーヒットを打たれて1点を返される。松山を打席に迎え、小野は降板。二番手高橋聡が四球を与えて満塁とされ、三番手の桑原につなぐ。しかし桑原は新井貴にセンターへ犠牲フライを打たれて同点にされてしまう。タイガースは6回裏、二塁打の上本博とロジャースの四球で無死一二塁のチャンスを作るも、二番手中田に後続を断たれて得点ならず。7回表、ヒットの會澤を代打天谷に送られ、田中のセンター前タイムリーヒットでついにリードを許した。7回裏、三番手の一岡に対し、糸原のショートゴロは田中の送球がそれてセーフに。梅野のバントで二進。高山は三振に倒れたが、西岡がセンター前に同点タイムリーヒットを放つ。8回表、必勝リレーでマウンドに上がったマテオが誤算。鈴木のピッチャーゴロをマテオが取り損ね、内野安打とされると、1死後、新井貴に右中間を破るタイムリーヒットを打たれる。さらに安部にもライト前タイムリーヒットを打たれ、送球の間に安部は二進。會澤のレフト前ヒットで一三塁とされ、代打岩本に対して山本翔を送る。カープは代打の代打エルドレッドを繰り出し、四球で満塁に。田中にライト線へ走者一掃の三塁打を打たれ、菊池には犠牲フライを打たれる。丸を歩かせると、すかさず二盗。鈴木のライト前タイムリーでさらに1点を追加される。代打バティスタはショートフライに打ち取ったが、糸原が落球。糸原が倒れこむ間に鈴木が生還。糸原は膝を痛めて担架で退場。大和がショートに着く。なんとかの間をショートゴロに打ち取ったが、8点差をつけられてしまった。カープは8回裏、中崎で抑える。9回表、五番手岩崎もカープ打線の勢いを止められない。先頭の安部はセンターフライに取ったが、西岡が落球して無死三塁に。1死後、エルドレッドの犠牲フライで1点追加。田中は投手強襲ヒットで出、菊池に四球。菊池の代走は上本崇。丸の左中間を破る2点タイムリーヒットでなんと13点目を入れられた。9回裏、九里で締められ、まさかの大敗。7回までは互角の試合だったのだが、マテオのエラーですっかり流れがカープに傾いてしまった。
◎スワローズ13回戦……11-1
 タイガースの先発は秋山。1回裏、先頭の山田にセンター前ヒットを打たれ、上田のバントで二進。坂口のセンター前ヒットで山田がホームを突くも高山の好返球でタッチアウト。バレンティンを一塁ファールフライに打ち取り、無失点で切り抜けた。直後の2回表、スワローズの先発ブキャナンから福留がバックスクリーンに先制のソロホームランを叩きこむ。さらに4回表、高山のライトフライかと思われた打球を上田が取れず二塁打に。1死後、ロジャースがレフトスタンドにツーランホームランを叩きこむ。6回表には四球の福留を置いてロジャースが2打席連続のツーランホームランを今度はバックスクリーンにもっていった。さらにセンター前ヒットの鳥谷とライト前ヒットの大和を置いて坂本が左中間を破る2点タイムリー二塁打を放って突き放す。ブキャナンは6回7失点で降板。7回表には二番手ギルメットの前に三者凡退かと思われたが、福留のショートフライを藤井が落球して走者が生きると、2死二塁からロジャースがレフト前にタイムリーヒット。代走俊介のホームインは、一度は捕手中村のブロックでアウトと判定されたが、コリジョンルールが適用されてセーフに。9回表は三番手風張が登板。糸原にかわって再昇格した北條がレフト前ヒットを放つと、高山は四球。1死後、大山がレフトスタンドにスリーランホームラン。11点を奪う猛攻撃となった秋山は2回以降は安定した投球で完封勝利を狙う。9回裏、先頭の坂口に二塁打を打たれると、バレンティンのサードゴロの間に三進。2死後、中村のレフト前タイムリーヒットで1点を返されて完封はならず。それでも後続を断ちみごとな完投勝利。ヒーローインタビューは2ホームランのロジャース。
◎スワローズ14回戦……2-6
 タイガースの先発は能見。1回裏、先頭の坂口を歩かせると、荒木貴、バレンティンの内野ゴロで三進。山田にレフトスタンドにツーランホームランを打たれて先制を許す。スワローズの先発は由規。2回表、1死からロジャースと鳥谷の四球、由規の二塁牽制悪送球で二三塁とチャンスを作り、大和が前進守備のショートの頭を越す2点タイムリーヒットを放ち、同点とする。しかし、能見はピリッとしない。2回裏、先頭の飯原を歩かせると、1死後、西浦にレフト線にタイムリー二塁打を打たれて勝ち越しを許す。2死後、坂口にセンター前にタイムリー二塁打を打たれ、2点差に。タイガース打線は由規の速球に詰まらされ、四球の走者を生かせない。由規は5回を投げて2失点でリリーフにマウンドを譲る。6回表、二番手松岡から西岡が投手強襲の内野安打を放ち、上本の四球でチャンスを作る。しかし、中谷はスリーバント失敗の三振。福留、ロジャースとも外角いっぱいの球を見逃し連続三振。ここで流れが完全にスワローズに。タイガースは5回途中に能見から松田に交代。6回裏、松田は1死から中村に二塁打を打たれると、西浦を歩かせ、代打上田に対して岩崎がマウンドに。上田を歩かせ1死満塁とされ、坂口のセカンドゴロはホームでアウトにしたが、荒木貴には押し出し死球。バレンティンにも押し出し四球。4点差とされた。スワローズは7回から石山、近藤がタイガース打線を抑える。タイガースも7回以降、来日初登板のメンデスが無失点で抑えたが、9回表、ルーキの前にロジャースのヒットは出たものの後続を断たれて連勝は成らず。スワローズは連敗を14で止めた。
◎スワローズ15回戦……5-0
 タイガースメッセンジャー、スワローズ小川の投手戦。先制したのはタイガース。3回表、先頭のメッセンジャーがあわやホームランというライトポール際の当たりを打ったあと、今度は右中間スタンドに来日初ホームラン。小川の好投の前にタイガースの得点はこれだけだったが、スワローズはなぜか5回限りで小川に代打を出してしまう。6回から登板したのは中澤。7回表、代打中谷がレフトポール直撃のソロホームランを放つと、鳥谷のレフト前ヒットで中澤は降板。三番手は石山。大和がレフト線に二塁打を放ち無死二三塁に。梅野のセーフティバントで鳥谷が生還。石山の悪送球で梅野もセーフに。メッセンジャーの打席で梅野が二盗。メッセンジャーと西岡は凡退したが、上本が左中間を破る2点タイムリー三塁打でこの回一気に4得点。メッセンジャーはバックの守備にも助けられ、8回を投げて12奪三振無失点の好投。スワローズは8回から山本哲、土肥とリレーしてタイガース打線を抑えたが、9回裏、ドリスがリベロに来日初安打となる二塁打を打たれるも無失点で締めて快勝。ヒーローインタビューは10勝目をあげハーラートップに並び、来日初ホームランも放ったメッセンジャー。

愛すれどTigers週間MVP
投手……ランディ・メッセンジャー
 球宴前からの好調を持続。首位カープに対して1失点。最下位スワローズには1点も取られない好投で今節2勝を稼ぎ、ジャイアンツの菅野と並ぶ10勝目をあげた。しかもスワローズ戦では待望の来日初ホームラン。後半戦を引っ張るエースとして頼りになる存在だ。
野手……ジェイソン・ロジャース
 来日して早々に昇格。カープ戦ではタイムリーを放ち、初打点をあげると、スワローズ戦では2連発5打点と大活躍。まだ厳しい攻めにはあっていないが、柔軟性とパワーを持ち合わせた意外な拾いものかもしれない。ここからが真価を問われるだろう。

 次節は甲子園でベイスターズ3連戦。1.0ゲーム差と迫ってきているだけに、ここで突き放したい。ジャイアンツ戦で筒香がサヨナラホームランを打つなど、調子をあげてきているだけに、投手陣の踏ん張りに期待したい。続いてナゴヤドームでドラゴンズ3連戦。前回のナゴヤドームでは3連敗を喫したが、打線はあの頃よりも調子が上がってきているので、勝ち越しも狙える。
 故障で降格した糸井、糸原、マテオにかわりロジャース、西岡、北條、メンデスが昇格。西岡はカープ戦で、他の3名はスワローズ戦で結果を残した。層は確かに厚くなってきている。二軍から先発要員として岩田が昇格する予定。昨年から一軍でまったく活躍できなかった鬱憤を晴らすことができるか、こちらも楽しみである。

(2017年7月24日記)


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