愛すれどTigers


伊藤隼太、代打逆転スリーラン

 マツダズームズームスタジアムで首位のカープ戦。少しでもゲーム差を縮めたい直接対戦だったが、初戦は岩貞がつかまり、1点差まで迫ったが最終回に上本の守備妨害で試合終了という後味の悪い負け方をする。第2戦は小野が打たれたが、打線が抑えの今村をとらえ、ロジャースの逆点打で勝利。第3戦は九里を打ちこみ3点差で迎えた9回裏、ドリスが打たれて同点に追いつかれ、ブルペン総動員で引き分けに持ち込んだ。しかし、この引き分けで自力優勝の可能性がいったんは消滅。1勝1敗1分け。準本拠地である京セラドーム大阪でのスワローズ戦。初戦は中谷のホームランなどで得点し、メッセンジャーが今季初完封。第2戦は秋山が途中で太ももの張りで降板というアクシデントもリリーフ陣の踏ん張りと福留のホームランなどで連勝。さらに第3戦は能見が2発でノックアウトされたが伊藤隼の代打逆転スリーランでリードし、ドリスが打たれて1点差と迫られたがなんとか逃げ切り3勝0敗と今季2度目のカード3タテ。今節は4勝1敗1分。通算で53勝43敗、勝率は.552で2位。首位カープとは9.0差。3位ベイスターズとは3.0差。スワローズ戦の連勝の間にカープがベイスターズに1敗したため、自力優勝の可能性も復活した。

◎カープ15回戦……3-4
 タイガースの先発岩貞が初回につかまる。先頭の田中を歩かせ、菊池のバントで二進。丸には四球で1死一二塁とされると、鈴木にセンター前にタイムリーヒットを打たれ、まず1点を奪われる。2死後、エルドレッドに左中間を破られる2点タイムリー二塁打を打たれ、いきなり3点のビハインド。タイガース打線はカープ先発野村の前に苦しんでいたが、4回表、2死からロジャースが歩き、中谷は右中間を破る長打。ロジャースがホームインしかけたが、なんとワンバウンドでスタンドに入るエンタイトルツーベース。ロジャースは三塁にもどされる。鳥谷が歩いて満塁とするも大和はセカンドゴロで大きなチャンスを逸した。直後の4回裏、先頭の松山にセンター前ヒットを打たれると、エルドレッドはユニフォームをかする死球。安部のショートゴロで二封し1死一三塁とされると、會澤にはファールで粘られた末に三遊間を破るレフト前タイムリーヒットで大きな1点を追加された。岩貞はこの回限りで降板。5回表、タイガースが反撃。先頭の坂本がサード安部の前で大きく弾む内野安打で出ると、代打大山のレフト前ヒット、西岡のセンター前に落ちるヒットで無死満塁に。上本博がライトへの犠牲フライで1点を返すと、福留は徹底した外角攻めを読み、レフト前に運ぶタイムリーヒットで2点差とする。2死後、中谷の四球で満塁としたが、鳥谷のセンター返しの打球はショート田中に取られて二封。同点のチャンスを逸した。5回は岩崎、6回は松田がそれぞれ三者凡退に抑え、7回表、二番手中田から上本博がレフトフェンス直撃の当たりを放つ。松山はフェンスに当たって倒れ、バウンドした球をバックアップの丸が追う間に上本博は一気にホームイン。なんとランニングホームランで1点差に迫る。7回裏は高橋聡が抑え、8回表は中崎から先頭の鳥谷が四球を選ぶも梅野のバント失敗、代打伊藤隼の併殺であと1点がそれぞれ遠い。8回裏は復帰のマテオが抑える。9回表、切り札今村に対し、1死から西岡が今季初の猛打賞となるレフト前ヒット。上本博の空振り三振の間に西岡が二盗するも空振りした上本が捕手會澤の送球するのに当たって守備妨害を取られ、ゲームセット。金本監督の抗議も通らず、選手たちも呆然。後味の悪い結末となった。
◎カープ15回戦……4-3
 タイガースの先発は小野。1回裏、先頭の田中に初球をセンター前に運ばれ、続く菊池にも初球を打たれてライトスタンドに2ランホームラン。わずか2球で2点を奪われた。カープの先発大瀬良に対し、2回表、先頭の鳥谷がヒットで出ると、1死後、梅野の高いバウンドのピッチャーゴロが内野安打となる。小野が送って二三塁としたが、西岡はショートフライ。あと1本がまたしても出ない。3回表、先頭の上本のサードゴロは安部が捕球できずエラーで出塁。そして福留がライトスタンドへ同点ツーランホームランを叩きこむ。4回裏、エルドレッドと安部の連打で無死一二塁とされるも石原のセカンドゴロで併殺をとり2死三塁に。ところが大瀬良を歩かせてしまう。田中のショートへのライナーは大和がタイミングよくジャンプして捕球。ファインプレーに小野は助けられた。5回表、先頭の西岡が歩き、上本博のバントで二進。福留、ロジャースが連続四球で1死満塁に。ここで五番の中谷に代打伊藤隼を出すが、惜しいファールのあと空振り三振。鳥谷のレフトへの大きなフライもフェンス際で失速して松山に取られチェンジ。やはりあと1本が出ない。6回裏、先頭のエルドレッドにセンター前ヒットを打たれると、石原のバントなどで2死二塁に。代打西川を歩かせたところで小野は悔しい降板。二番手岩崎はこのピンチに田中を空振り三振に取る。岩崎は7回も完全にカープ打線を抑えこんだ。カープは7回表に一岡がタイガース打線を抑え、8回表は中崎が登板。2死から鳥谷が一塁への内野安打で出ると、大和がレフト前ヒットでつなぐ。ここで代打は大山。しかしショートゴロで、これまたあと1本が出ない。8回裏、三番手高橋聡が松山にライトスタンドにソロホームランを打たれ、リードを許してしまった。9回表、カープはクローザーの今村を投入。先頭の代打高山のピッチャー返しの打球を今村は取れず、内野安打に。1死後、上本博、福留と連続四球で満塁とすると、ロジャースがレフト線に2点タイムリー二塁打を放ち逆転に成功。やっとここというところの1本が出た。今村は鳥谷を歩かせて二死満塁としたところで降板。しかし大和はヘーゲンズの前にショートゴロで追加点はならず。9回裏、ドリスは2死から鈴木を歩かせるも代打バティスタをショートゴロに打ち取り逃げ切った。勝利投手はホームランを打たれながらも追加点を阻んだ高橋聡。ヒーローインタビューは逆転タイムリーのロジャース。
◎カープ17回戦……5-5
 先制したのはタイガース。カープ先発九里に対し、2死から福留が右中間を破る二塁打を放つと、ロジャースのセンター前タイムリーヒットで生還する。さらに中谷がレフト線を破る二塁打で二三塁とすると、鳥谷の走者一掃のレフト前2点タイムリーヒットで3点差とし、大和の二遊間への内野安打を二塁菊池が一塁へ悪送球し、鳥谷が一気にホームイン。4点差をつけた。タイガースの先発は岩田。1回裏2死から丸を歩かせ、鈴木のレフト前ヒットで一二塁とされると、新井貴にライト前タイムリーヒットを打たれて1点を返された。4回表、2死から高山がライト前ヒットで出ると、上本博が左中間を破るタイムリー二塁打で再び4点差とする。九里は5回5失点で降板。5回裏、安部の内野安打と會澤の四球でピンチを作り、バティスタのライトフライで1死一三塁とされる。田中のセカンドゴロは上本博がファンブルし一塁へのアウトのみ。この間に安部が生還して1点を返された。カープは6回からヘーゲンズがタイガース打線を抑える。6回裏、丸の左中間を破る二塁打と鈴木のライトフライで1死三塁とされ、新井を歩かせたところで岩田は降板。エルドレッドに対しては二番手桑原がショートゴロ併殺に打ち取り、難を逃れる。桑原は7回もきっちりおさえ貫録を見せた。カープは8回にジャクソンが抑え、タイガースは8回はマテオが抑える。9回表、左腕佐藤に三者凡退とリズムを作られると、9回裏、ドリスがその流れに呑まれる。新井貴の二遊間の当たりは二塁森越がよくおさえたが送球できず内野安打に。エルドレッドはセンター前に落ちるテキサスヒットで無死一二塁とされ、エルドレッドの代走には上本崇。1死後、代打松山に一二塁間を破るタイムリーヒットを打たれ、2点差とされる。なおも1死一三塁から代打西川に右中間に落ちる同点の2点タイムリー二塁打を打たれ、なおもサヨナラのピンチ。田中のバントで西川は三進。ここで菊池をショートゴロに打ち取ってサヨナラ負けを防いだ。カープは延長10回表、中崎が抑えると、タイガースは10回裏を岩崎が抑える。11回表は今村に抑えられ、11回裏、続投の岩崎がピンチを作る。1死から安部にレフト中谷が目測を誤り頭を超える二塁打になる。2死から代打白濱のレフト前ヒットで一三塁とされ、打者田中のところで白濱が二盗。田中は四球で満塁に。このピンチで岩崎は菊池を見逃しの三球三振に切って取り、大きなピンチをしのいだ。12回表、一岡に対して1死から大山が右中間を破る三塁打。しかし俊介のセカンドゴロで大山はホームをつかず、代打原口はセカンドフライ。勝ちのなくなったタイガースは12回裏、高橋聡が丸をセンターフライに打ち取ると、松田をマウンドに。鈴木を歩かせたが、新井貴はレフトフライに打ち取る。石原の打席で鈴木に二盗されるも石原は空振り三振で試合終了。4時間半にわたる熱戦は引き分けに終わった。
◎スワローズ16回戦……3-0
 タイガースメッセンジャー、スワローズブキャナンの投手戦。4回までは両投手ともほぼ完璧な立ち上がり。5回表、1死から奥村にセンター前ヒットを打たれると、大引のファーストの頭を越すフライがヒットとなり一三塁とされる。ここで中村が空振り三振、三塁走者の奥村が飛び出してしまい、狭殺プレーでタッチアウト。大きなピンチを脱した。直後の5回裏、先頭の中谷が四球で出ると、鳥谷のセンター前ヒットはショートバウンドでセンター山崎のグラブの下をかいくぐるように後方へ。バックアップのレフトバレンティンは三塁に向かう中谷を刺そうと送球するも、これが大きくそれて中谷は一気にホームイン。相手のミスで1点を先取した。7回裏、先頭のロジャースがライト線に二塁打を放つと、中谷がレフトスタンド中段にツーランホームラン。この追加点が大きかった。ブキャナンはこの回限りで降板。8回は松岡がタイガース打線を抑える。メッセンジャーは6回以降は走者を出してもいらつくことなくここというところは三振でアウトをとる。9回無失点、9奪三振の完封勝利。わずか2時間半ほどで試合終了。ヒーローインタビューは2年ぶりの完封勝利で11勝目をあげたメッセンジャーとツーランホームランの中谷。
◎スワローズ17回戦……4-0
 スワローズの先発は小川。1回裏、2死から福留がライトスタンドに先制のソロホームランを放つ。2回裏には先頭の中谷がレフト線へ二塁打を放ち、鳥谷の一塁ゴロで三進。大和が歩いて一三塁とし、坂本の鈍い当たりのセカンドゴロの間に中谷がホームインして2点目をあげた。2試合連続完投を狙った秋山だったが、3回表2死から坂口を歩かせた際に太ももに異常を訴え、降板。急遽マウンドに上がった松田は山崎をライトフライに打ち取り、アクシデントを救った。3回裏、先頭の高山が三塁打を放ち、福留とロジャースの四球で1死満塁とするも、中谷、鳥谷が凡退でチャンスを逃す。直後の4回表、2死からリベロにテキサス性のライト前二塁打を打たれ、大引きのライト前ヒットで一三塁のピンチを背負うが、中村をショートフライに打ち取り無失点で切り抜けた。松田は5回まで無失点で役割を果たす。5回裏、上本のレフト線への二塁打と福留の四球で無死一二塁とし、ロジャースがライトの頭を越す2点タイムリー二塁打を打ち4点差とする。小川は6回4失点で降板。スワローズは7回から山本哲、中澤のリレーでタイガース打線を抑えたが、タイガースは6回から1イニングずつリリーフを繰り出す。桑原、藤川、高橋聡、ドリスはそれぞれ三者凡退というパーフェクトリリーフ。特に藤川は三者ともフォークボールを振らせて空振り三振。秋山の緊急降板という聞きにリリーフ陣がみごとにこたえた。ヒーローインタビューは先制ホームランの福留、ダメ押しタイムリーのロジャース、スクランブル登板にこたえ今季初勝利の松田。
◎スワローズ18回戦……6-5
 タイガースの先発は能見。2回表、先頭の山田を歩かせたが、続くリベロを併殺に取る。しかし大引の大きなライトフライを福留が一度はグラブにおさめたが大きく弾き、大引は三進。続く中村のサードゴロは大山がファンブルして捕球できず、大引が生還して1点を献上してしまう。スワローズの先発は石川。3回裏、2死から俊介がライトフェンス直撃の二塁打を放つと、北條が歩いて2死一二塁とする。福留の当たりはライト前へのフライ。深めに守っていた坂口が慌てて追うも、手前でワンバウンド。高く弾んだ打球は坂口の頭を越し、走者一掃のタイムリー二塁打となって逆転に成功する。4回表、先頭のバレンティンにレフトスタンドに同点ソロホームランを叩きこまれると、センター前ヒットの山田を置いて、リベロにレフトスタンドにツーランホームランを打たれ、逆転を許した。能見は5回4失点で降板。5回裏、梅野がレフト線に二塁打を放ち、代打上本のライトフライで三進。俊介が三遊間を抜けるレフト前タイムリーヒットを放ち、1点差と迫る。石川はこの回限りで降板。6回は藤川が抑えると、スワローズは松岡が抑える。7回表、続投の藤川が1死から西浦にヒットを打たれ、岩崎にスイッチ。代打大松の一二塁間の当たりは大和がうまくさばきセカンドゴロに。西浦には二進され坂口を歩かせたが、山崎を三振に取ってピンチを脱した。7回裏、スワローズ三番手の石山に対し、1死から鳥谷がレフト前ヒットを放つと、俊介がこの日4安打目となるライト前ヒットで一二塁と攻める。ここで代打伊藤隼がセンターバックスクリーンに逆転のスリーランホームラン。逆に2点差をつけた。8回表はマテオが難なく抑え、スワローズも8回裏、近藤を出してタイガース打線を封じる。9回表、切り札ドリスが登板。先頭の藤井を空振り三振に取るも、梅野がトンネル。降り逃げで生かしてしまう。中村のレフト前ヒットで無死一三塁とされ、西浦のライトへの犠牲フライで1点差に迫られた。代打飯原のセンター返しの当たりはショートに入っていた大和が逆シングルで取ると、二塁へバックトス。中村を二封し、2死一塁に。坂口にライト前ヒットを打たれて一三塁と逆転のピンチに。しかし山崎をピッチャーゴロに打ち取り、なんとか逃げ切ってスワローズを3タテ。勝利投手は中継ぎで好投した岩崎。ヒーローインタビューは逆転代打スリーランの伊藤隼と自身プロ入り初の4安打を放った俊介。

愛すれどTigers週間MVP
投手……岩崎優
 カープ戦ではビハインドで、あるいは同点で無失点を続け、スワローズ戦でも毎試合のように投げて無失点を続けている。リリーフのリズムにも慣れて勝ちパターンのピースとして安心して見られるようになってきた。今後、長期ローではさらに出番は増えるはず。この調子を維持してほしい。
野手……福留孝介
 前節、しっかりと休養をして、今節はここというところでのホームランでチームを引っ張った。夏男の本領はここからだ。。

 次節は東京ドームでジャイアンツ3連戦。打線がかなり調子をあげているだけに、左腕投手陣がしっかりと仕事をしてほしい。青柳が一軍復帰して先発という情報もある。ジャイアンツキラーぶりを発揮してもらいたいところだ。続いて横浜スタジアムでベイスターズ戦。ゲーム差は少し開いたとはいえ、ここで叩いて一気に突き放したい。
 二軍で 藤浪が先発復帰。もう1試合様子を見て一軍にというところまできているようだ。カープを追い上げるには必要不可欠な先発の柱が戻ってくる。藤浪の勝負はここからだ。

(2017年8月7日記)


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