今節は京セラドーム大阪でのカープ戦。1敗でもすればカープにマジックナンバーが再点灯という状況で迎える。初戦は小野が打たれて大きく差をつけられたが、野村を打ち崩して追い上げるも大差で敗戦し、カープにマジック27が点灯した。第2戦は2ヶ月半ぶりの一軍マウンド藤浪の復帰戦。投手の大瀬良に与えた死球から乱れ始め、5回ともたずに降板。終盤追い上げたが届かず2連敗。第3戦は岩田が好投。追いつかれるも福留のサヨナラ犠飛で3連敗は阻止し、1勝2敗。ナゴヤドームのドラゴンズ戦。初戦は秋山のプロ入り初ホームランを含むナゴヤドームでは初の4ホーマーで圧勝。第2戦は青柳がドラゴンズ打線を荒れ球で翻弄し、打線も爆発して連勝。第3戦は能見が踏ん張るも同点で延長戦となり、鳥谷の決勝打で3勝。今節は4勝2敗。通算で60勝48敗、勝率は.556で2位。首位カープとは8.5差とかわらず。カープのマジックは24に。3位ベイスターズとは4.5差。秋山と青柳の復帰でピンチだったローテーションに一定のめどがつき、糸井の復帰で打線につながりが生まれたのが大きい。カープにマジックが再点灯したが、このまますんなりとマジック減らしに協力することはないだろう。
◎カープ18回戦……6-11
タイガースの先発は小野。1回表、先頭の田中に左中間を破る二塁打を打たれると、菊池のライト前ヒットで無死一三塁に。続く丸にライトスタンドにスリーランホームランを叩きこまれる。しかしタイガースもすぐに反撃。カープ先発野村に対し、1死から西岡が打った一塁ゴロはベースカバーの野村との競走になり、セーフ。福留が歩いて一二塁とすると、2死後、中谷が左中間を破る走者一掃の二塁打で1点差とする。3回表、先頭の丸を歩かせると、鈴木のレフト線への二塁打で無死二三塁とされる。松山の高いフライはセンター前に落ちるテキサス性の2点二塁打となり、味方の援護を吐き出してしまった。エルドレッドには死球で一二塁とされ、1死をとったところでメンデスと交代。メンデスはここは會澤を併殺に取る。4回表、1死後、田中のセンター前のヒットを高山が後逸し、二塁打にしてしまう。菊池を歩かせたあと、丸にライト前にタイムリーヒットを打たれる。一三塁から鈴木のサードゴロで菊池を三本間にはさむも、梅野が三塁へ悪送球して菊池が生還。二三塁となり、松山にはセンター前に2点タイムリーを打たれる。エルドレッドの打席でメンデスはボークを取られ、松山は二進。エルドレッドのレフト前タイムリー二塁打でさらに1点を失う。2死後、會澤を歩かせ、野村にライト前タイムリーヒットを打たれ、この回6失点。メンデスはこの回限りで降板。5回以降は、石崎が2イニング、藤川が2イニング、岩崎が1イニングそれぞれ無失点で切り抜けただけに、ここでの9点差は大きかった。5回裏、タイガースが反撃。先頭の梅野がセンター前ヒットで出ると、北條もレフト前ヒットで続く。2死後、福留がライトスタンドにスリーランホームランを放ち、6点差に。6回裏には1死から鳥谷がレフト線へ二塁打を放つと、2死後、梅野のライト前タイムリーヒットで1点を返し5点差とする。野村はこの回で降板。カープは点差はあったが一岡、中崎、今村の必勝リレーで逃げ切り、再びマジックナンバー27が点灯した。
◎カープ19回戦……3-5
タイガースの先発は2ヶ月ぶりの藤浪。1回表、田中にセーフティバントを決められ、菊池のセンター前ヒットで無死一二塁。丸の一塁ゴロで二三塁と進められ、鈴木を歩かせ満塁に。松山の当たりはレフトフェンス際で大山が追いつくも捕球できずタイムリーヒットとなり1点を先制される。しかし、ここから藤浪は西川と安部を連続三振に取ってピンチを脱した。3回表、故障を訴えた大和にかわり、北條がショートに。先頭の鈴木を歩かせ、松山の打席で二盗を許す。松山の一塁ゴロで三進。西川には左中間を破るタイムリー二塁打を打たれ、安部にもライト前にタイムリーヒットを打たれて3点差とされる。藤浪はこの試合、大瀬良と菊池に死球を与え、右打者に対して思い切った攻めができなくなる。5回表、先頭の鈴木を歩かせて2死後、安部の内野安打、石原への四球で満塁とされると、ここで交代。岩崎が大瀬良を三振に取ってピンチは脱した。カープの先発大瀬良の前に5回まで得点できなかったタイガース打線だが、6回裏に反撃。1死からロジャースが二塁打で出ると、中谷の打席で大瀬良が暴投。中谷三振で2死三塁から鳥谷の左中間を破るタイムリー二塁打で1点を返す。北條も左中間を破るタイムリー二塁打を放ち、1点差と迫った。代打伊藤隼が四球でつないだが、ここでマウンドに上がった二番手中田に、坂本はセンターフライで追いつけず。直後の7回表、三番手高橋聡が先頭の鈴木を歩かせ、松山は三振に取ったが西川の打席で鈴木に二盗を許し、西川のヒットで一三塁に。安部をレフトフライに打ち取ったところで四番手桑原が登板。新井貴にレフト前にタイムリーヒットを打たれる。2死一三塁から代打岩本のレフトポール際の当たりは、最初はファールの判定だったがリプレイ検証でフェアと判定され、タイムリー二塁打に。この2点が大きかった。タイガースは8回から石崎、藤川のリレーで追加点を許さず。カープも7回裏は一岡で抑えるが、8回裏、中崎をとらえる。1死から鳥谷と北條が続いて四球。代打高山は三振に倒れたが、坂本がライト前にタイムリーヒットを打ち、2点差に迫った。しかし、9回裏は今村で逃げ切られ、連敗。カープのマジックは26に。
◎カープ20回戦……5-4
タイガースの先発は岩田。1回表、先頭の田中を歩かせ、1死後、丸の打席で二盗を許す。ここで丸にセンター前タイムリーヒットを打たれ、1点を先制される。カープの先発は福井。3回裏、先頭の坂本が歩くと、岩田はバントの構え。フルカウントから見送り死球で一二塁とする。西岡の一塁ゴロで1死二三塁とすると、北條が落ちる球をすくいあげてセンター前タイムリーヒットで同点とする。さらに福留がレフト前にタイムリーヒットを放ち、逆転。5回裏、先頭の岩田が歩き、西岡の二塁ゴロで二進。北條が歩き、福留のライト線へのタイムリー二塁打で1点を追加。さらにロジャースがセンターへの犠牲フライを放ち、3点差とした。5回まで1失点と持ちこたえていた岩田が、6回表につかまる。先頭の田中にレフト前ヒットを打たれると、菊池にもレフト前ヒットで無死一三塁に。丸の打席で菊池が二盗、丸には四球で無死満塁とされる。ここで鈴木にライトへ犠牲フライを打たれ、2点差に。松山への四球は、暴投となり菊池が生還して1点差とされる。新井貴の打席で桑原に交代。新井貴は空振り三振に取ったが、安部にライト前に同点タイムリーヒットを打たれてしまう。この後は、カープは6回からブレイシア、7回からジャクソンがタイガース打線を抑え、タイガースも7回は500試合登板の高橋聡が無失点。8回はマテオが、9回はドリスが抑えた。9回裏、カープは中田が登板。先頭の代打俊介がレフト前ヒットで出ると、梅野のバントで二進。西岡は敬遠気味の四球で、一二塁とする。北條は6球ファールで粘り、10球目を叩いて三遊間を破るレフト前ヒットで1死満塁とし、福留のセンターへのサヨナラ犠牲フライで連敗阻止。ドリスが勝利投手に。ヒーローインタビューはサヨナラ打を含む3打点の福留。
◎ドラゴンズ18回戦……10-4
ドラゴンズの先発は鈴木。1回表、2死からこの試合先発復帰した糸井がライト線に二塁打を放つと、ロジャースが歩き一二塁に。中谷のライト前に落ちるヒットで糸井が生還して1点先制。鳥谷が歩いて満塁とし、大山のレフト前2点タイムリーヒットで復帰登板の秋山に早くも打線が援護。3回表、1死をとったところで鈴木に故障があり、降板。急遽伊藤準が登板し、ここはタイガース打線は抑えられた。しかし、5回表、北條がレフトスタンドにソロホームランを叩きこむと、6回表、2死から二塁打の坂本を置いて秋山がプロ入り初となるツーランホームランをライトスタンド上段に運び、6点差をつけた。5回まで無失点で抑えていた秋山だったが、6回裏、京田にソロホームランを打たれて1点を失う。7回表、ドラゴンズ三番手の新人左腕笠原から糸井がライトフェンスを越えるソロホームランで1点を返すと、ヒットの中谷と死球の鳥谷を置いて大山がレフトスタンドにスリーランホームランを放ち、試合を決した。7回裏、先頭のゲレーロに二塁打を打たれた直後、秋山は右手の親指を気にしてベンチで治療。それでもマウンドに戻り、1死後、藤井にライト線にタイムリー二塁打を打たれるも、この回を投げ切った。ドラゴンズは8回から祖父江がタイガース打線を抑える。タイガースも8回から伊藤和を投入。8回裏は無失点に抑えたが、9回裏、ヒットの大島を置いて福田にレフトスタンドにツーランホームランを打たれる。それでも後続を断ち、快勝。ヒーローインタビューは今季10勝目とプロ入り初ホームランの秋山。
◎ドラゴンズ19回戦……8-1
タイガースの先発は青柳。1回裏、2死から大島を歩かせ、ゲレーロに右中間を破るタイムリー二塁打を打たれ、先制される。直後の2回表、ドラゴンズ先発の若松に対し1死から中谷が死球で出ると、鳥谷が歩いて一二塁とする。ここで大山がセンター前に同点のタイムリーヒットを放てば、鳥谷は三進。梅野のレフトへの犠牲フライであっさり逆転した。4回表、先頭の福留がライト前ヒットで出塁。1死後、鳥谷の右中間を破るタイムリー二塁打で1点を追加。5回表には先頭の西岡がレフト前ヒットを放ち、北條の打席で初球に二盗。北條が送って三進。糸井のライト線へのタイムリー二塁打でさらに1点を加えると、福留のライトスタンド最前列に飛びこむツーランホームランで突き放す。若松はこの回限りで降板。二番手の小熊は6回からタイガース打線を抑えていたが、8回表、中谷のピッチャー返しの打球を取れずセンター前ヒットに。鳥谷のライト前ヒットで一三塁とし、大山もピッチャー返し。小熊はこれも取れずセンター前へのタイムリーヒットとなった。青柳は適度に荒れながらも2回以降は無四球で、6回まで一人の走者も許さない好投。7回裏には先頭の大島にヒットを打たれるがゲレーロを併殺に打ち取る。完投勝利が見えてきた8回裏、先頭の藤井を歩かせ、1死後、代打遠藤にライト前ヒットを打たれて一二塁とされる。代打工藤に対し、青柳は降板。二番手石崎は工藤を見逃し三振に取ると、京田をセンターフライに打ち取ってピンチを脱した。9回表、三番手はファイターズから移籍の谷元。先頭の北條がセンター前に落ちるヒットで出ると、糸井はファーストゴロで二封。糸井の代走に伊藤隼。俊介がライトの頭を超える二塁打で二三塁とし、中谷のライトへの犠牲フライでダメ押しの8点目を入れた。9回裏は藤川が三者凡退で締めて、連勝。ヒーローインタビューは久々の4勝目をあげた青柳。
◎ドラゴンズ20回戦……3-2
ドラゴンズの先発は小笠原。1回表、先頭の俊介がレフトフェンスに当たる三塁打を放つと、上本が久々のヒットとなるレフト線へのタイムリー二塁打で先制する。タイガースの先発は能見。2回裏、2死から武山にライトスタンドに同点のソロホームランを打たれてしまう。直後の3回表、先頭の上本が四球で出ると、糸井のライト前ヒットで無死一三塁に。福留のショートゴロ併殺の間に上本が生還してまたも1点リード。5回表には俊介の内野安打と糸井、福留の四球で2死満塁のチャンスを作るが、大山はセカンドフライで追加点を奪えない。5回裏、2死からゲレーロにレフト前ヒットを打たれると、福田のセンター前ヒットで一三塁とされ、松井佑に同点のセンター前タイムリーヒットを打たれてしまう。両先発投手とも5回2失点で降板。以降はリリーフ勝負となる。6回表、二番手祖父江に対し、四球の鳥谷を北條が送り、梅野のセンターフライで鳥谷は三進。代打伊藤隼も四球で、祖父江は降板。三番手は又吉。俊介にも四球で満塁とするが、上本がライトフライに終わり、勝ち越しはならず。6回裏、二番手石崎は武山と京田を歩かせ、2死一二塁としたところで三番手高橋聡に交代。大島を空振り三振に取り、勝ち越し点を与えない。7回は又吉、桑原がきっちりおさえる。8回表、続投の又吉に対し鳥谷が二塁打を放ち無死二塁とするも北條はスリーバント失敗、梅野、代打西岡も凡退であと1本が出ない。8回裏はマテオが抑え、9回からはドラゴンズは田島を投入してタイガース打線を抑える。9回裏、岩崎が京田、荒木雅、大島と三者三振で切って取り延長戦に。10回表、田島に対し北條がヒットで出、梅野が送り、代打ロジャースが四球とチャンスを作るも俊介はセンターフライで膠着状態が続く。10回裏はドリスが抑え、11回表、マウンドには岩瀬。先頭の森越がタイガース移籍初安打をレフト前に放つと、糸井もセンター前ヒットで続く。福留のライトフライで森越は三進。代打中谷の三振の間に糸井が二盗して2死一三塁とする。鳥谷がここでレフト前に決勝タイムリーヒットを打つ。岩瀬が降板し、谷元がマウンドに。北條はライトフライに倒れ、1点リードで11回裏の守りに着く。続投のドリスが代打工藤、代打藤井、京田を三者空振り三振に仕留めて逃げ切り。勝利投手は最後に締めたドリス。ヒーローインタビューは決勝打の鳥谷。
愛すれどTigers週間MVP
投手……秋山拓巳 復帰戦でプロ入り初ホームラン。さらにはドラゴンズ打線を寄せつけない好投でプロ入りはじめてシーズン10勝を記録。メッセンジャー不在の中、ローテーションの柱として頼れる存在が帰ってきた。ここから1つでも勝利を上積みしていけば、最多勝争いにもかんでいけるのではないか。
野手……鳥谷敬 2000凡安打まであと14本と迫る。ドラゴンズ戦では連日の猛打賞で打率を一段と上げた。チャンスメーカーとして、またチャンスでの確実な打棒といい、2000凡にはあっという間に達するのではないか。
次節は関東遠征。最下位スワローズと3連戦。真中監督が辞意を表明するなど、状況もよくないチーム相手だけに、1つも落とせない。続いて東京ドームでジャイアンツ戦。ベイスターズに連勝し、Aクラスを目前にしている相手だけに、その勢いをなんとか止めたい。藤浪が先発予定ということなので、ジャイアンツ戦できっかけをつかんでくれればと願うばかり。
大和が落ちれば北條が踏ん張り、高山が落ちても糸井、俊介が活躍と、層の厚さを感じさせるようになった。リリーフ陣に少し疲れが見えてきただけに、石崎がせった展開で使えるとまた投手のやりくりがうまくまわる。簡単にカープに優勝させるのではなく、追いつき追いぬく気概で臨んでほしい。のこ遠征が終われば甲子園に帰ってくる。あと一息だ。
(2017年8月21日記)