愛すれどTigers


中谷が3試合連続ホームラン

 今節は東京遠征。長期ロードも今節で終わり。まずは神宮球場でのスワローズ戦。初戦は小野が打たれたが、石川を打ち崩して同点に。しかし桑原がサヨナラ打を打たれて惜敗。第2戦は岩田が崩れたが、打線が原樹を打ち、快勝。第3戦は秋山が悪いながらも粘りの投球で11勝目をあげ2勝1敗。東京ドームのジャイアンツ戦。初戦は苦手の田口から3点を奪うも青柳が途中で崩れ、岩崎のリリーフ失敗で落とす。第2戦は菅野にかわって先発した新人谷岡を打線が粉砕。能見が久々の勝利。第3戦は藤浪と畠の投手戦。しかし藤浪がピンチで降板すると、桑原が打たれ完封リレーで敗れ、1勝2敗。今節は3勝3敗。通算で63勝51敗1分、勝率は.553で2位。首位カープとは7.5差と少しだけ縮んだ。カープのマジックは一度消えたが再点灯し19に。3位ベイスターズとは2.5差。藤浪が本来の投球に戻りつつある。ここでローテーションに入ってくると、先発はかなり楽になる。カープはベイスターズに3試合連続サヨナラ負けを食らうなど、投手陣に疲れが見えてきたうえに、鈴木の骨折による戦列離脱というアクシデントがあり、絶対的な強さはない。失速とまではいかないが、減速しているのは確かだ。まだまだわからんよ。

◎スワローズ19回戦……4-5
 タイガースの先発は小野。2回裏、2死から中村にレフトスタンドに先制のソロホームランを打たれる。しかし、タイガースもスワローズの先発石川に一発攻勢。2死から中谷がレフトスタンドに同点ソロホームランを放つと、続く大山もレフトポール際に勝ち越しのソロホームランを叩きこむ。鳥谷の二塁打、北條の四球で追加点のチャンスが続いたが、坂本が空振り三振で1点のリードにとどまった。4回裏、先頭の山田にレフト前ヒットを打たれると、リベロのレフトライナーは中谷が一度前進してすぐにバックしたが追いつけず二塁打となり、2死二三塁に。藤井のセンター前同点タイムリー、中村のセンターへの犠牲フライで逆転され、奥村を打席に迎え1球投げたところで小野が足が踏ん張れない状態になり、石崎に交代。奥村は一二塁間を破るライト前ヒットで1死一三塁に。石川のセーフティスクイズが決まり、2点差に。直後の5回裏、途中出場の梅野がセンター前ヒットを放つと、俊介がレフトスタンドに同点のツーランホームランを放つ。6回表、北條のヒットで1死一塁としたところで代打ロジャース。ここで石川は降板。二番手の石山に後続を断たれ、試合は膠着状態に。6回裏は岩崎が抑え、7回表は近藤に抑えられる。7回裏、続投の岩崎は先頭の坂口にヒットを打たれ、山崎のバントで1死二塁に。バレンティンは空振り三振に取ったが、山田には死球を与え一二塁に。リベロの当たりはセンター前に落ちそうになるが、俊介が跳びこんで好捕し、ピンチを逃れた。8回表は松岡に抑えられ、8回裏には高橋聡が登板。藤井と中村の連打で無死一三塁とピンチを招き、奥村の打席で中村に二盗を許す。しかし奥村、代打西田を連続三振に切って取ると、坂口をセカンドゴロに打ち取り、ピンチを脱した。9回表、ルーキの前に三者凡退に終わる。9回裏、桑原がマウンドに。先頭の山崎にレフト線に二塁打を打たれると、バレンティンは敬遠気味の四球。山田をセカンドゴロ併殺に打ち取り2死三塁までこぎつけたが、リベロのセンター前に落ちるテキサス性のサヨナラヒットを打たれ、連勝ストップ。
◎スワローズ20回戦……7-4
 タイガースの先発は岩田。1回裏、先頭の坂口をセカンドへの内野安打で出すと、山崎がレフト前ヒットで続き、バレンティンのレフト前タイムリーヒットで1点を先制される。山田は併殺に取ったが、リベロと荒木貴を歩かせて2死満塁に。ここは西浦を一塁ライナーに打ち取って最少失点で切り抜けた。スワローズの先発は原樹。3回表、北條がレフト前にチーム初安打を放つと、坂本もライト前ヒットで続く。岩田はスリーバント失敗に終わるが、糸井のレフト前タイムリーヒットで同点に。そして2死後、福留のライトスタンドへのスリーランホームランで突き放す。岩田は2回以降も苦しい投球。4回裏、リベロにライトスタンドにソロホームランを打たれると、西浦のレフト前ヒット、原樹の内野安打などで2死一三塁とされる。ここは坂口をセンターフライに打ち取った。5回表、糸井がライトスタンド最上段へのソロホームランで3点差とするも、5回裏、ヒットの山崎を置いてバレンティンに左中間スタンドにツーランホームランを打たれて1点差とされる。山田を歩かせ、2死後、西浦と西田の連打で2死満塁とされたところで、藤川に交代。代打中村をショートゴロに打ち取り、リードを守る。6回表は二番手石山に抑えられたが、藤川も6回裏無失点で切り抜ける。7回表、三番手近藤に対し、2死からロジャースがライト前ヒットを打つと、中谷がレフトスタンドに2試合連続のツーランホームランを放ち、3点差と突き放す。スワローズは8回から山本哲、中澤のリレーでタイガース打線の追加点を阻むが、タイガースも7回からマテオ、桑原、ドリスの必勝リレーで逃げ切り。藤川が今季2勝目。ドリスはセーブを30の大台に乗せた。ヒーローインタビューは試合を決定づけたホームランの中谷。
◎スワローズ21回戦……6-3
 スワローズの先発は新人の星。1回表、1死から上本がセーフティバントで出ると、福留の打席で二盗。福留は三振に倒れたが、ロジャースのセンター前タイムリーヒットで1点先制。 タイガースの先発は秋山。直後の1回裏、先頭の坂口にセンター前ヒットを打たれ、1死後、バレンティンのレフト前ヒットで一二塁に。山田はショートゴロで二封。二塁上本が一塁へ悪送球し、球がそれる間に坂口が生還して同点に追いつかれた。しかし、2回表、鳥谷のソロホームランでまたもリード。3回表には先頭の糸井がライト線に二塁打を放つと、上本のバントで三進。福留が歩き、ロジャースは三振に倒れたが、中谷がレフトスタンドにスリーランホームランを叩きこみ、突き放す。3回裏、ヒットの坂口を置いてバレンティンにレフトスタンドにツーランホームランを打たれて2点差とされるが、4回表に北條のヒットと糸井の四球で2死一三塁とし、上本のセンター前タイムリーヒットで3点差とする。5回表には2死から鳥谷の四球、北條のヒット、坂本の死球で満塁と攻めるも秋山がショートゴロに倒れて追加点はならず。星は5回6失点で降板。6回表、二番手山本哲から糸井のヒット、ロジャースの四球、中谷のサードゴロエラーで2死満塁とまたもチャンスを作るが、鳥谷がレフトフライに倒れ、またも得点ならず。7回表には坂本のヒットと糸井の四球で2死一二塁とするも大山は三進。再三のチャンスをものにできず。それでも秋山は低めをていねいに突く投球で5回裏から8回裏まで一人の走者も出さない好投を見せる。9回表には村中の前に三者三振とスワローズに流れがくるかと思われたが、9回裏、ドリスが締めて連勝。ヒーローインタビューはメッセンジャーと並ぶ11勝目をあげた秋山。
◎ジャイアンツ17回戦……3-6
 ジャイアンツの先発は苦手の田口。得意のスライダーを逆方向に打ち返すことで攻略をはかる。1回表、俊介がレフト前ヒットで出ると、上本が送り二進。糸井はセンターフライに倒れたが、福留が左中間を破るタイムリー二塁打で俊介を返して先制点を奪う。タイガースの先発は青柳。1回裏、1死から二塁打のマギーが坂本勇のセカンドゴロで三進。阿部にライト前にタイムリーヒットを打たれて追いつかれた。2回表、鳥谷のセンター前ヒットと北條のライト前ヒットで無死一三塁とし、梅野は三振に倒れたが、青柳がバントをたてつづけにファールで失敗したあと、前進守備の間を抜く左中間へのタイムリー二塁打で勝ち越す。青柳はプロ入り初打点。俊介もライト線へのタイムリーヒットで続き、2点差とする。なおも1死一三塁と攻め立てたが、上本のセカンドゴロはマギーと坂本勇の好守に阻まれ併殺で、さらなる追加点を奪えず。青柳は4回まで好投していたが、5回裏に崩れる。先頭の橋本到にライト前ヒットを打たれ、続く宇佐見にライトスタンドに同点ツーランホームランを浴びた。2死後、マギーにセンター前ヒットを打たれ、坂本勇には四球。一二塁とされたところで阿部を打席に迎え、マウンドを降りた。二番手は岩崎。ライト前タイムリーヒットを打たれて勝ち越しを許すと、一三塁から村田にレフト前にタイムリーヒットを打たれる。亀井にもライト前タイムリーヒットを打たれ、この回打者一巡で5失点。タイガースは6回から石崎、8回は伊藤和が好リリーフでジャイアンツ打線を抑え切っただけに、5回裏の青柳と岩崎の乱調は大き過ぎた。田口は3回以降も毎回のように走者を出すも連打が出ず、6回3失点で降板。7回表は西村、8回裏はマシソン、9回裏はカミネロの必勝リレーの前に打線は沈黙。カープが勝ったため、三度マジック点灯となった。
◎ジャイアンツ18回戦……8-4
 ジャイアンツの先発は新人の谷岡。菅野の体調不良で急遽二軍からあがってきてプロ入り初先発となった。1回表、先頭の糸井は空振り三振。しかし上本のレフト前ヒット、福留のセンター前ヒットで1死一三塁とチャンスを作る。ここはロジャース三振、中谷三塁ゴロと先取点はならず。2回表、先頭の鳥谷が歩くと、1死後、坂本誠がレフト前ヒットを放つ。能見のバントは谷岡の正面に転がり三封。しかし糸井がこのバント失敗を打ち消すようにライトスタンドに先制のスリーランホームランを放つ。続く上本が四球を選び、福留のレフト前ヒットで2死一二塁とすると、ロジャースが右中間を破る2点タイムリー二塁打を放ち、一挙5得点。谷岡は3回5失点で降板。タイガースの先発は能見。3回まではフォークが決まり快調に投げていたが、4回裏につかまる。先頭のマギーを歩かせると、1死後、阿部にセンター前ヒットを打たれる。村田には際どいコースのボール判定のあとに甘く入った球をとらえられ右中間にタイムリー二塁打を打たれた。1死二三塁から長野は空振り三振に取ったが、石川に右中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれた。それでも宇佐見を一塁ゴロに打ち取って2点差でとどめる。能見は5回3失点でリリーフに試合を託す。ジャイアンツは4回から若い左腕中川を出し、タイガース打線を抑える。タイガースも6回表から桑原を投入。桑原は7回2死まできっちりおさえ、宇佐見に対しては高橋聡が三振に仕留める。7回表、前の回から投げていた田原誠を攻略。1死からロジャースがレフト線に二塁打を放ち、代走に大山。2死後、鳥谷は敬遠の四球。北條がレフト線へのタイムリーヒットを打って、待望の追加点を取った。8回表にはかつては苦手にしていた山口鉄が登板。しかし昔日の球威はなく、先頭の森越が歩くと、1死後、代打俊介がセンター前ヒットでつなぐ。福留が歩いて満塁とし、大山がレフトフェンス直撃の2点タイムリー二塁打でダメ押し。8回裏、マテオは1死から陽に内野安打を打たれ、2死後、坂本勇のセンター前ヒットで一二塁とされる。阿部のライト前タイムリーヒットで1点を返されたが、村田をショートゴロに打ち取って最少失点でしのぐ。ジャイアンツは9回表は宮國が抑えたが、タイガースも4点差ながらドリスを投入。代打亀井、宇佐見を連続三振に取るなどして三者凡退で逃げ切り。能見が後半戦初勝利となる4勝目。ヒーローインタビューは中継ぎで好投の桑原。
◎ジャイアンツ19回戦……0-6
 タイガース藤浪、ジャイアンツ畠の投手戦。1回裏、藤浪はマギーと阿部のヒットで2死一二塁と攻められたが、村田をレフトフライに打ち取り、無失点で立ち上がる。3回裏は1死から陽を歩かせるがマギーの打席で二盗を試みた陽を坂本誠が刺し、マギーは見逃し三振。四球を出しても冷静さを失わない。タイガース打線は、畠のコーナーを突く投球に手を焼き、5回までノーヒットに抑えられていたが、6回表、先頭の北條がレフトフェンス直撃の二塁打を放ち、先制のチャンスを作る。坂本誠が送って1死三塁とし、藤浪は空振り三振に倒れたが、糸井は四球を選ぶ。ここで代打伊藤隼が起用されるも、落ちる球で空振り三振。畠からの唯一のチャンスを逸した。7回裏、1死から村田に死球を与えると、亀井の打席で代走重信が二盗。亀井に右中間を破るタイムリー二塁打を打たれ、先制を許した。長野の打席で坂本誠が外すよう構えたが逆球となり捕球できず暴投で亀井は三進。長野を歩かせ一三塁とする。ここで藤浪は降板。ここまで9奪三振と好投していただけに、悔しい降板となった。二番手は桑原。小林のセーフティーバントは初球はファールとなったが、2球目は投手と一塁手の間に絶妙に転がり、代走橋本到がホームイン。小林もセーフと内野安打になった。代打脇谷のヒットで満塁とされ、陽にはセンター前に抜ける2点タイムリーを打たれる。桑原は1死も取れずに交代。三番手は石崎。マギーの打席でランエンドヒット。二塁森越は判断よく本塁へ送球したが、なんと石崎がカットしてしまい、二塁走者に一気にホームインされてしまう。記録は二塁のフィールダースチョイス。坂本勇には四球で1死満塁に。阿部の犠牲フライでさらに1点を追加され、この回6失点という6回までの緊迫した投手戦が嘘のような大差をつけられた。畠は7回無失点11奪三振で交代。8回表はマシソンの前に三者凡退。8回裏、四番手岩崎は2死から連打を浴びるが後続を断ち無失点で打線の反撃を待つ。9回表、カミネロの前に糸井がヒットで出るも代打板山は三進、福留のライトへの強い当たりも長野に好捕され、2安打完封で完敗。

愛すれどTigers週間MVP
投手……秋山拓巳
 今節も秋山が頼り。完投こそ逃したが、球が走らないと見るとワインドアップからセットポジションに切り替えるなど、工夫して安定した投球を見せてくれた。今やローテーションの柱である。
野手……糸井嘉男
 先発復帰をしてから、タイガース打線が活性化した。故障による離脱がありながらも今季も移籍1年目ながらホームランを2ケタに乗せた。超人の本領発揮はこれからだ。

 次節はいよいよ甲子園に帰還。最下位スワローズ、5位ドラゴンズと6連戦。本拠地に帰って、ここのところずっと勝ち越している相手というのはいいめぐり合わせだ。ただ、カープもお客さんのジャイアンツとスワローズが相手だけに、なかなか簡単には負けないだろう。例年ここから失速が始まっているだけに、今年はその轍を踏まないでほしい。メッセンジャーは米国で手術をし、すぐにリハビリのために再来日。むろん投げられるわけではないが、精神的支柱がいるだけでも違うと思うぞ。
 ファイターズをリリースされたメンドーサ獲得の噂もあるが、リリースされたのには理由があるはず。もし獲得するにしても、そのあたりの事情をちゃんと調査してからになるだろう。プロスカウトである久保田氏の力量が問われる。

(2017年8月28日記)


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