今節は甲子園でジャイアンツ3連戦。初戦は天敵田口から5点を奪うが、藤浪がまたも死球から崩れて追いつかれ、結局引き分け。第2戦は岩田がめった打ちを食らって敗れ、第3戦は秋山が無失点の好投を見せ、菅野から2点を奪うもリリーフが追いつかれてまたも引き分け。0勝1敗2分。台風の影響で甲子園のドラゴンズ戦は2試合とも流れる。続く甲子園でのカープ戦は、カープがマジックナンバー1で乗り込んできた。目の前での胴上げは阻止したかったが、2点リードを中谷と陽川のホームランで追いついたものの岩崎が四球から崩れて悔しい1点差負けでカープの優勝が決定した。カープには0勝1敗。今節は0勝2敗2分。通算で68勝54敗3分、勝率は.555で2位。首位カープとは11.0差。3位ベイスターズとは5.5差。4位ジャイアンツがベイスターズと0.5差。
安藤に続いて、狩野が現役引退を発表。長らくタイガースを支えてきたベテランたちがユニフォームを脱ぎ、世代交代がはっきりと進んでいる。中谷の20発到達がそれを物語っているのか。
◎ジャイアンツ20回戦……5-5
ジャイアンツの先発は苦手の田口。1回裏、1死から上本がレフト前ヒットで出ると、糸井の打球は大きく弾んで一塁阿部の頭を越すライト線への二塁打で、二三塁とする。ここで福留がセンター前に2点タイムリーヒットを放ち、先制。2回裏には2死から藤浪が歩くと、俊介のライト前ヒットで一二塁とし、上本のライト前タイムリーヒットで1点を追加。糸井もライト前タイムリーヒットで続き、さらに福留もライト前にタイムリーヒットと、2回で5点差をつけた。タイガースの先発藤浪は、立ち上がりは上々の出来だったが、3回表に長野にレフトスタンドにソロホームランを打たれると、4回表には先頭の坂本勇に死球を与える。この死球から藤浪の投球がまたもおかしくなった。1死後、村田を歩かせ、亀井に右中間へタイムリー二塁打を打たれると、長野にはセンター前に2点タイムリーヒットを打たれ、1点差とされる。ここで石崎と交代。石崎は小林、田口を連続三振に取って流れを引き戻し、5回表も抑える。4回裏には俊介と上本の連打で無死一二塁とするも後続を断たれ、追加点を奪えない。田口は6回5失点で降板。6回表からは高橋聡、マテオ、桑原がそれぞれ無失点で切り抜ける。ジャイアンツも7回は左腕池田が抑え、8回裏には田原誠が登板。先頭の大和が内野安打で出、坂本誠のバントで二進。代打伊藤隼のセカンドゴロで三振と追加点のチャンスを作るが、俊介はレフトフライ。9回表、ドリスで逃げ切りを図るが、先頭の亀井のセカンドゴロを森越が捕球するも体勢を崩して送球が遅れ内野安打にしてしまう。長野の打席で暴投。亀井が二進すると、長野には四球。代打橋本到のレフトへのフライは福留と大和の間に落ちるテキサスヒット。福留が三進しようとする亀井を刺そうと三塁へ送球したがこれが悪送球となり、亀井が生還して同点に追いつかれた。なおも無死二三塁のピンチ。ここで宇佐見と陽を連続三振に取り、寺内はサードライナーに打ち取って、逆転は許さなかった。9回裏はカミネロに抑えられ、延長戦に。10回は藤川、カミネロがそれぞれ抑え、11回からは岩崎が抑える。11回裏、マシソンに対し、1死から俊介が二塁打を放ち、森越のショートゴロの間に三進。しかし糸井はセンターフライでサヨナラの好機を逸した。12回表、岩崎は先頭の寺内に二塁打を打たれ、坂本勇の内野安打で一二塁とされる。ここでなんと阿部が送りバントで1死二三塁に。しかし村田をセカンドフライに打ち取ると、亀井はサードゴロでなんとか無失点で切り抜けた。12回裏、マシソンに対し1死から大山が歩くも、鳥谷は三進。代打中谷の打席で大山が二盗しまたもサヨナラの期待がかかったが、空振り三振で結局引き分け。藤浪の課題がまたも残ってしまった。
◎ジャイアンツ21回戦……2-7
タイガースの先発は岩田。2回表につかまる。先頭の村田にセンター前ヒットを打たれると、1死後、橋本到に死球を与え、小林にレフト前タイムリーヒットを打たれ先制された。レフト中谷がバックホームする間に走者が進み1死二三塁とされる。吉川光のショートゴロはバウンドを合わせそこねた大和が大きく弾いて2点目を献上。なおも一三塁から陽にライト前タイムリーヒットを打たれ、マギーのレフトポール際スタンドへのスリーランホームランでとどめを刺された。岩田は3回6失点で降板。二番手榎田は4回表に先頭の坂本勇をサードゴロに打ち取るも大山の送球がそれてエラーで出塁を許す。阿部にはレフト前ヒットで一三塁とされ、村田を歩かせて満塁に。長野のサードゴロは本封したが、橋本到にセンターに犠牲フライを打たれて7点目を与えた。それでも榎田は走者を出しながらも6回まで1失点のみで投げ切る。7回表は石崎が抑える。ジャイアンツの先発吉川光は大量援護にも守られ、若手選手中心のタイガース打線を翻弄。6回無失点で中継ぎに託す。二番手田原誠、三番手西村の前にタイガース打線は走者を出してもタイムリーが出ない。タイガースも8回から藤川を投入し、9回までジャイアンツの追加点を許さない。9回裏、四番手篠原に対し上本が歩き、糸井のライトスタンドへのツーランホームランで一矢報いるが、反撃もそこまで。岩田の乱調と、有形無形のミスで残念な敗戦となった。
◎ジャイアンツ22回戦……2-2
ジャイアンツの先発は菅野。1回表、1死から上本がセンター前に落ちるヒットで出ると、糸井はファールで粘りフルカウントからレフト前ヒットを放つ。1死一三塁とし、福留は空振り三振したが、その間に糸井が二盗。大山がレフト前に2点タイムリーヒットを放ち、先制した。タイガースの先発は秋山。3回まで走者を一人も許さず、4回表にはマギーと阿部にヒットを打たれて2死一二塁とされるも村田をピッチャーゴロに捕り、得点を許さない。菅野も2回以降は立ち直り、息詰まる投手戦となる。6回表、1死からマギーに左中間を破る二塁打を打たれたが、坂本勇の一塁へのファールフライは大山がカメラマン席まで手をのばし体勢を崩して捕球するのを見てマギーがタッチアップ。大山は判断よく三塁へ送球し、マギーを封殺してピンチを逃れる。タイガースはあえて好投の秋山を6回で下げ、7回から継投策。7回表は高橋聡が抑えたが、8回表、二番手桑原が1死から代打脇谷と代打宇佐見に連打を浴び、陽のセンター前タイムリーヒットで1点差に迫られる。菅野は7回2失点で降板し、8回裏はマシソンに抑えられる。9回表、ドリスが登板するも1死から阿部にあわやホームランというライトフェンス直撃の二塁打を打たれる。代走には重信。村田は三振に取ったが、亀井は敬遠気味の四球で一二塁に。ここで長野にレフト前に同点タイムリーヒットを打たれ、代打橋本到にも内野安打を打たれて2死満塁に。しかし宇佐見を空振り三振に取り、逆転は阻止した。9回裏、カミネロに対し、糸井の内野安打と福留の死球で無死一二塁とするも大山はショートフライ、鳥谷は三振、大和はライトフライとサヨナラのチャンスを逸した。試合は延長戦に入る。10回表はマテオが三者凡退とリズムを作る。10回裏、続投のカミネロから先頭の坂本誠が四球を選び、代走には植田。梅野は頭近くに来た球を強引にバントしキャッチャーフライに倒れる。俊介も体近くに来た球を空振り。球が胸にあたり、俊介は昏倒。代打に中谷が送られ、植田がプロ入り初盗塁を決めるも、中谷は三振。代打陽川も三振でこの回もチャンスを逸した。11回表からは石崎が登板。ジャイアンツ打線を抑え切る。11回裏、新人左腕の池田に対し、糸井がヒットと盗塁で2死二塁とサヨナラのチャンスを作るが、鳥谷は空振り三振。12回表も石崎が抑え、12回裏には西村が登板。先頭の大和がレフト前ヒットで出るも、植田のバントは二封梅野のバントで植田が二進し、中谷は敬遠の四球。代打江越に期待がかかったが、センターフライに倒れ、このカード2度目の引き分け。
◎カープ24回戦……2-3
タイガースの先発はメンドーサ。1回表、先頭の田中を歩かせ、菊池のバントで二進を許す。丸のファーストゴロで三進。松山にセンター前タイムリーヒットを打たれて先制を許した。2回表には安部とエルドレッドの連打を浴び、會澤のセカンドゴロで二封のあと、野村のバントで2死二三塁のピンチを招く。しかしここは田中をセカンドゴロに打ち取り、追加点を許さない。カープの先発は野村。2回裏、1死から中谷がセンター前ヒットで出、2死後、坂本の打席で二盗し同点のチャンスを作るも坂本はサードゴロ。3回表、先頭の菊池にレフト線に二塁打を打たれ、丸のセカンドゴロで三進。松山にはヒット性のファーストライナーを打たれるが大山が好捕。バティスタをセンターフライに打ち取り、またもピンチを脱した。3回裏、糸井と上本博の連打で2死一三塁としたが、福留はセカンドゴロでまたも同点機を逸した。4回表、先頭の安部に死球を与えると、1死後、會澤のライト前ヒットで一三塁とされる。ここで野村にスクイズを決められ、2点差に。しかし直後の4回裏、中谷がバックスクリーンに20号ソロホームランを放ち、再び1点差に。メンドーサは5回2失点で降板。6回と7回は石崎がきっちりと抑える。野村も6回1失点で交代。7回裏、カープ二番手は一岡。代打陽川の今季第1号のソロホームランがバックスクリーン左に飛びこみ、同点に追いついた。8回表、三番手岩崎が菊池と丸に連続四球を与え、松山をレフトフライに打ち取ったところで四番手桑原に交代。ここでバティスタにレフト前にタイムリーヒットを打たれ、またもリードを許した。なおも1死一二塁とされるも、安部の一塁線のライナーを大山が好捕。二塁走者丸が飛び出しており、大山はすかさず二封で1失点にとどめた。8回裏、三番手ジャクソンから上本博がヒットを打つも牽制死。チャンスを生かせない。9回表は高橋聡がきっちりおさえて打線の反撃を待つ。カープは9回裏、抑えの中崎を投入。中谷三振、鳥谷セカンドゴロ、そして代打伊藤隼はショートフライで試合終了。この結果、カープのリーグ優勝が確定。緒方監督の胴上げを、タイガースナインはベンチに残って見つめる。この目に焼き付けようとするように……。
愛すれどTigers週間MVP
投手……石崎剛 せった展開でも信頼して起用されるようになり、投球にも自信がついてきているのがはっきりとわかるようになった。藤川といい石崎といい、リードを許している場面で相手の勢いを食い止める役割をここにきてきっちりと果たしている。
野手……上本博紀 一時調子を崩していたが、しばらくスタメンから外れたりしたのがよい休養になったか、またもバッティングが冴えてきた。右に左に打ち分け、連日のマルチ安打で打率もあがってきた。ただ、守備はなかなか信頼されていないのか、終盤で森越に交代という形ができている。そのため、試合終盤で上本がベンチに引っこんでいるためにチャンスを生かせないというもったいないことになっているのが残念。
次節は甲子園でジャイアンツ戦。翌日はマツダスタジアムでカープ戦。1日おいて神宮でスワローズ戦。翌日から甲子園でベイスターズ2連戦。消化試合という感じのあっちこっちの日程だが、眼下の敵であるジャイアンツ、ベイスターズとの試合には確実に勝利しておきたい。優勝が決まった今、次の目標は2位の確保なのだから。雨で中止になったドラゴンズとの2連戦の予備試合で、メッセンジャーの調整登板ができそうなのは大きい。メンドーサはそれなりに試合は作れるが、やはりメッセンジャーほど絶大な信頼のおける選手とは格が違うのだ。
(2017年9月19日記)