今節は横浜スタジアムでベイスターズ戦。初戦は秋山が打たれたが、打線が粘って同点に追いつき、引き分ける。2戦目は井納を攻略して大量得点。能見が今季初完投で勝ち、Aクラスを確定させた。第3戦は石田の前に打線が振るわず敗れ、1勝1敗1分。続いて東京ドームでジャイアンツ戦。初戦、畠が上本に頭部死球で退場し、リリーフ陣を打ちこんで快勝。これで2位を確定させた。第2戦は苦手の田口をノックアウトし、リリーフした畠から前日頭部死球の上本がホームランを打つなどして2連勝。ベイスターズが勝利したため、これでジャイアンツのBクラスが確定した。今節は3勝1敗1分。通算で76勝61敗4分、勝率は.555でシーズン2位確定。首位カープとは11.0差。3位ベイスターズとは4.5差。4位ジャイアンツはベイスターズと1.5差。
これでクライマックス・シリーズはベイスターズと甲子園でファースト・ステージを戦うことになる。前節の甲子園で今永やウィーランド、今節は石田に抑えられただけに、油断は禁物。メッセンジャーが二軍登板で猛アピールし、シリーズ初戦を投げる気満々という。
◎ベイスターズ23回戦……4-4
タイガースの先発は秋山。1回裏、レフト前ヒットの桑原将を柴田のバントで送られ、筒香はショートゴロに抑えたが、ロペスにレフトポール際へのツーランホームランを打たれて先制を許した。さらに2回裏、梶谷と高城に連打され、濱口のバントで二三塁と進められて、2死後、桑原将のセンター前に落ちるテキサスヒットでさらに2点を追加された。4回裏には2死から倉本にライト線へ三塁打を打たれ、さらに失点のピンチ。しかしここは桑原将を見逃し三振に切って取る。ベイスターズの先発は苦手の濱口。5回表に先頭の鳥谷のライト前ヒットと大和の四球でチャンスを作るが、梅野はスリーバントをファールにして失敗。代打大山の打席で暴投。一三塁とチャンスを作るも大山はショートゴロ併殺で得点できない。秋山は4回4失点で降板。5回裏は岩崎が抑え、6回表、1死から上本がレフト前ヒットで出ると、糸井がバックスクリーンへツーランホームランを叩きこむ。福留が歩き、中谷がセンター左を破るタイムリー二塁打。桑原将がダイビングキャッチを試みるも届かず、福留は一気にホームイン。中谷も三進。リプレイ検証の結果、判定は変わらず得点が認められ、1点差に詰め寄る。鳥谷が歩き、2死後、梅野も四球。満塁としたところで濱口は降板。代打新井良の代打伊藤隼に対し、ベイスターズは三上を送る。伊藤隼はセカンドフライに終わり、大きなチャンスを逸した。6回裏から桑原謙、高橋聡、マテオがそれぞれ1イニングずつしっかり抑えると、ベイスターズも7回表から砂田、パットンが1イニングずつ抑える。9回表、ベイスターズは切り札山崎康を投入。先頭の代打高山が鈍い当たりの三塁内野安打で出ると代走の江越を俊介が送る。上本が四球を選び、糸井がライト前に同点タイムリーヒットを放った。福留もよくボールを選び、四球で1死満塁に。しかし中谷は空振り三振、鳥谷はセンターフライでここでみ大量得点は取れず。9回裏は藤川が三者凡退で抑えて延長戦に。10回表はエスコバーに抑えられ、続投の藤川が10回裏を抑えると、11回表、続投のエスコバーに対し先頭の俊介が四球で出る。上本が送り、糸井はピッチャーゴロに倒れて走者は二塁に釘付け。福留は敬遠。代打岡崎のレフト前ヒットも前進守備のため俊介は三塁でストップ。ここでエスコバーは降板し、田中健にスイッチ。鳥谷は初球打ちでファーストゴロに倒れ、またも得点できず。11回裏からドリスを投入。ベイスターズは三嶋が12回表を抑えると、ドリスも12回を投げ切り、引き分けに。
◎ベイスターズ24回戦……11-2
ベイスターズの先発は井納。1回表、2死から糸井がライトポールを巻く先制ソロホームランを放ったと思ったら、リプレイ検証でファールに判定が変わり、結局はファーストゴロ。これで井納は立ち直る。タイガースの先発の能見は立ち上がりから低めを突く投球でゴロの山を築く。投手戦になるかと思われたが、3回表1死から能見がチーム初安打となるレフト前ヒットを放つと、俊介もレフト前ヒットで続く。2死後、糸井が歩いて満塁に。ここで福留がレフト前に2点タイムリーヒットを放ち先制。中谷が左中間を破る2点タイムリー二塁打で続くと、鳥谷のセンター前ヒットで一三塁とし、大和のレフト前タイムリーヒットでさらに1点を追加した。井納はこの回限りで交代。4回表、二番手平田に対し、1死から俊介がレフト線へ二塁打を放つと、2死後、糸井がライトの頭を超えるタイムリー二塁打でさらに1点を加えた。5回表にはヒットの鳥谷を置いて岡崎が今季第2号となるツーランホームランを放つ。6回表、三番手三嶋から先頭の上本がレフト前ヒットを放ち、代走は植田。糸井の打席で暴投。植田は二進。糸井は結局四球で一二塁に。福留の打席で嶺井が捕逸し、二三塁とすると、福留はレフトフェンスに当たる2点タイムリー二塁打を放つ。1死後、鳥谷のレフト前ヒットで一三塁とし、大和がレフト前にタイムリーヒットを放ち、ダメ押し点を加えた。11点の援護をもらった能見は、6回裏に先頭の倉本にレフトオーバーの二塁打を打たれ、中谷が後逸する間に三進。桑原将のサードゴロの間に倉本が生還して1点を返される。7回からはエスコバー、砂田、田中健のリレーでタイガース打線は抑えられたが、能見は7回裏に梶谷に右中間スタンドにソロホームランを打たれたものの、わずか93球で完投勝利。ヒーローインタビューは完投勝利でチームのAクラスを確定させた能見。
◎ベイスターズ25回戦……2-6
ベイスターズの先発は石田。2回表、2死から大和と岡崎の連打でチャンスを作るがメンドーサがサードゴロで得点できず。タイガースの先発はメンドーサ。2回裏、1死から宮崎を歩かせ、戸柱のライト前ヒットでこちらも一二塁。ここで柴田はセカンドゴロ併殺。このまま投手戦が続くかと思われた。しかし4回裏、1死から筒香を歩かせ、宮崎のセンター前に落ちるヒットでまたもピンチに。ここで戸柱にレフトスタンドに先制スリーランホームランを打たれ、メンドーサはこの回限りで降板。二番手岩崎は5回裏は抑えたが、6回裏、ロペスにセンター前ヒットを打たれると、筒香にライトスタンドへツーランホームランを浴びる。さらに宮崎のレフト前ヒット、戸柱への四球、柴田のサードへのバントヒットで無死満塁とされ、代打田中浩は見送り三振に取るも、倉本のライト前タイムリーヒットでさらに1点を追加された。なおも続く満塁のピンチで桑原将を見逃し三振に取り、梶谷も空振り三振でそれ以上の失点は防いだが、大差をつけられてしまった。石田が6回無失点で降板すると、7回表、二番手三上から代打高山がレフトスタンドにソロホームランを放ち完封を防ぐと、8回表には三番手パットンから糸井のセンター前ヒットと福留の右中間を破る二塁打で無死二三塁に。中谷のサードゴロで糸井が生還し1点を返すが、福留は二塁に釘付け。鳥谷のセカンドゴロで三進し、もう1点を狙うが大和はショートゴロで追加点はならず。タイガースは7回裏から石崎が2イニングを無失点で抑えて打撃陣の反撃を待つが、9回表、切り札山崎康の前に、先頭で二塁打を放った梅野を三塁まで進めたが、代打伊藤隼、上本が凡退でこの試合何度もあったチャンスを最後まで生かせずに敗れた。
◎ジャイアンツ24回戦……5-1
ジャイアンツの先発は畠。1回表、先頭の俊介が左中間を破る二塁打で出ると、上本はバントの構え。畠の初球は上本の右側頭に当たり、危険球退場となった。上本の代走は森越。二番手に左腕の中川が急遽登板。無死一二塁から糸井のファーストゴロで1死二三塁とし、福留のセカンドゴロで俊介が生還して1点を先制。2回表、1死から梅野がセンター前ヒットを放つと、岩貞が送って俊介のライト前タイムリーヒットを呼んだ。2点をもらったタイガースの先発岩貞は、2回裏に村田にレフトポール直撃のソロホームランを打たれて1点差とされる。しかし、制球が定まらない中、岩貞は粘りの投球。4回裏、先頭の坂本勇を歩かせるも、阿部は空振り三振。村田にレフト前ヒットを打たれるも、長野は空振り三振。中井に死球を与えて満塁とされるも小林は見逃し三振でピンチを脱した。中川が3回を投げて、田原誠に交代。タイガース打線は3回以降リリーフ陣に封じられる。5回裏、2死からマギーを歩かせ、坂本勇の三遊間の当たりは大和が好捕するも内野安打に。ここでも阿部をセカンドフライに打ち取り、ピンチを脱した。岩貞は5回1失点で交代。6回表は左腕池田に抑えられ、6回裏、藤川が1死から長野を三振に取るも暴投で降り逃げに。中井のセカンドゴロで二進を許し、代打宇佐見には死球。しかし代打亀井の難しい当たりのピッチャーゴロを藤川はうまくさばいて打ち取る。7回表、負けられないジャイアンツはマシソンを投入。これが裏目に出る。俊介がレフトスタンドにソロホームランを打ち2点差とすると、8回表には1死から大山が左中間を破る二塁打で出、2死後、大和のレフト前ヒットで一三塁とし、梅野のピッチャー返しはマシソンの足に当たってセカンド方面にそれる強襲タイムリーヒットとなる。さらに代打中谷がバットを折られながらもレフト前に落ちるタイムリーヒットを放ち、4点差とする。ジャイアンツはここでマシソンをおろし、篠原にスイッチ。俊介はここで三塁打を打てばサイクルヒットという場面だったが、ショートゴロに終わった。篠原には9回も抑えられたが、タイガースは7回から桑原、マテオ、ドリスの必勝リレーでジャイアンツを完璧に抑えて岩貞がジャイアンツに今季初勝利。これでタイガースの2位が確定した。ヒーローインタビューはここというところで打点をたたき出した俊介。
◎ジャイアンツ25回戦……5-4
ジャイアンツの先発は田口。立ち上がりはタイガースキラーぶりを発揮していたが、打順が一回りするところでタイガース打線がとらえる。3回表、2死から俊介がショートへの内野安打で出ると、上本のライト前ヒットで一三塁とし、糸井のレフト前に落ちるタイムリーヒットで先制。中谷が歩いて満塁とし、大山のセンター前2点タイムリーで3点差とする。タイガースの先発は岩田。4回裏、1死から村田にソロホームランを打たれ、長野と中井の連打で一三塁とされると、小林のスクイズで1点差と迫られる。ジャイアンツは田口をあきらめ5回表には二番手の畠をマウンドに。しかし前日頭部死球を与えた上本に対しては内角を攻められず、甘い球に。上本はそれを逃さずレフトスタンドにソロホームランを叩きこむ。さらに糸井もライトスタンドにソロホームランを放ち、またも3点差とする。タイガースは6回からリリーフをつぎこむ。石崎、桑原、ドリスが各回それぞれ無失点。ジャイアンツも畠が6回以降は落ち着き、7回まで投げ切ると、8回からは池田が抑える。9回裏、マウンドにはドリス。1死から長野にレフト前ヒットを打たれ、代打亀井に左中間を破るタイムリー二塁打を打たれてしまう。2死後、宇佐見にセンター前タイムリーヒットを打たれて1点差に迫られたが、陽をピッチャーゴロに打ち取って辛くも逃げ切った。岩田が3勝目。ヒーローインタビューは、ジャイアンツがホーム最終戦だったため、セレモニーの関係でなし。
愛すれどTigers週間MVP
投手……能見篤史 ベイスターズ戦で完投勝利。Aクラスを確定させただけでなく、リリーフを休ませ、クライマックス・シリーズで対戦するであろうベイスターズに嫌な印象を植えつけた。さすがはベテラン、ここというところでしっかりと素晴らしい仕事をしてのけた。
野手……俊介 ここにきて先発投手の左右に関係なく一番打者に定着し、ここぞというところで打つだけでなく、守備でもその実力をいかんなく発揮している。次点は上本。頭部死球の翌日、踏みこんで打ったホームランにはしびれた。監督が「今年一番かっこいいホームラン」と絶賛したのも当然。
次節でペナントレースは終了。甲子園球場でドラゴンズ2連戦。クライマックス・シリーズに向け、試合勘を鈍らせないいい頃合いの日程になった。最終戦は安藤投手の引退登板もある。CS放送以外にテレビ中継の予定がないのが残念。
今節は甲子園球場で狩野恵輔外野手の引退試合も行われた。やはり今季で引退を表明したカープ江草投手と対戦し、二塁打を放った。また久々にキャッチャーのポジションにつき、安藤投手の投球を受けた。二軍の試合とはいえ、元チームメイトとの対戦や2009年開幕バッテリーの再現、そして胴上げにスピーチという盛り沢山な構成。江草もタイガースナインに胴上げされた。涙が出そうになるくらい嬉しいではないですか。そして二軍最終戦では掛布二軍監督の退任試合。「胴上げは勝った時にされるもの」とナインからの胴上げに手で×印を作っていたりするところに掛布さんの二軍監督という立場に対する矜持を見た。掛布さんも狩野さんもお疲れ様でした。
高宮和也投手には戦力外通告。一時はジャイアンツの阿部キラーとして鳴らし、左腕中継ぎの一番手だった時期もあった。あと数名は戦力外通告を受けることになるという。また、エリック・キャンベル内野手が帰国。来季の契約は結ばないという。そういう時期が訪れたのだなあ。
早稲田実業高校の清宮幸太郎内野手がプロ志望を表明し、タイガースはすぐにドラフト1位指名をすると宣言。金本監督は高山に続いて当たりくじをひけるか。ドラフト会議も楽しみになってきた。
(2017年9月26日記)