今節は甲子園球場でドラゴンズ戦。初戦は秋山と小笠原の投手戦となったが、竹安、才木、ドリスのリリーフ陣の好投で接戦をものにした。竹安は一軍デビュー戦がプロ入り初勝利。2戦目は2ヶ月ぶりにメッセンジャーが先発。ブランクを感じさせない快投を見せた。二番手の石崎がプロ入り初勝利。そして打線が引退する安藤に大量点を贈りものとする。今節は2勝通算で78勝61敗4分、勝率は.561でシーズン2位。首位カープとは10.0差。3位ベイスターズとは4.5差。
安藤、狩野に続いて新井良が引退。特に新井良は移籍選手とは思えないくらいファンに愛された。新井良は引退発表会見の前に胴上げという珍しいケースになった。
◎ドラゴンズ24回戦……2-1
タイガース秋山、ドラゴンズ小笠原の投手戦。1回裏、2死から糸井が歩き、福留の打席で二盗。福留のライト前ヒットで一三塁とするが、中谷が空振り三振で得点機を逸した。2回表、先頭の福田にライト前ヒットを打たれ、2死後、遠藤のショート内野安打と武山への四球で満塁とされるが、小笠原をライトフライに打ち取り、無失点で切り抜ける。6回表、均衡が破れる。1死から友永に死球を当てると、高橋周の打席で友永は二盗を試みるも、梅野の好送球でアウトに。しかし高橋周を歩かせ、福田のライトオーバーのタイムリー二塁打で1点を先制された。直後の6回裏、糸井のライトスタンドに飛びこむソロホームランですぐに同点に。秋山は6回1失点で降板。7回表、プロ入り初登板の竹安が代打亀澤を空振り三振に取り、遠藤と武山は外野フライに取り、三者凡退のデビューを果たす。7回裏、大山と植田の連打、江越の死球で1死満塁とし、俊介の一塁へのゴロは高橋周が弾くも二塁亀沢がバックアップして一塁はアウト。しかしその間に大山が生還して、1点リードを奪う。8回表、三番手は高卒新人の才木がプロ入り初登板。マスクはここから新人の長坂がかぶる。先頭の代打藤井を歩かせたが、京田はライトフライ、友永は空振り三振。しかし高橋周のヒットと福田への四球で2死満塁に。ここで井領をレフトフライにとってここも無失点で切り抜けた。ドラゴンズは8回裏をジョーダンと又吉のリレーで抑えたが、9回表、ドリスが三者凡退で締めて、最多セーブを記録した。ヒーローインタビューは同点ホームランの糸井、セーブ王を決定づけたドリス、プロ入り初出場で初勝利をあげた竹安。
◎ドラゴンズ25回戦……6-1
タイガースの先発はメッセンジャー。骨折からの復帰登板は、ドラゴンズ打線が若手中心だったとはいえ、満点の投球。初回を三者凡退で抑えると、2回表2死から、松井雅、3回表は石川、ジョーダン、京田、4回表は友永、遠藤、福田と7者連続三振。ここで規定投球回数に達したため、連続奪三振記録はリーグ2位でとどまった。しかし、CSに向けて、万全の調整ができた。先制したのはタイガース。1回裏、ドラゴンズ先発ジョーダンに対し、1死から植田がセンター前ヒットを放つと、糸井のピッチャーゴロの間に二進。福留のライト前タイムリーヒットで一気にホームインした。5回表には石崎が登板。1死から阿部を歩かせ、2死後、石川のセンター前ヒットで一三塁とされる。続く代打亀澤のレフトへのヒット性のライナーを福留がジャンピングキャッチでアウトにし、1点差を守る。5回裏、ドラゴンズは1失点のジョーダンに代えて三ツ間を送る。代打高山がライト線へ二塁打を放つと、1死後、植田が四球を選ぶ。糸井のライトフライで高山は三進。福留が歩いて2死満塁とし、大山が右中間を破る走者一掃の3点タイムリー三塁打を放ち、突き放した。鳥谷も四球を選び、通算1000四球を記録。6回表は岩崎が、6回裏は福谷が、7回表は藤川がそれぞれ抑える。7回裏、続投の福谷から福留がライトスタンドへソロホームランを叩きこむと、続く大山もレフトスタンドにソロホームランでダメ押し。8回表、マウンドには引退登板の安藤。金本監督自らボールを持ってマウンドで渡す。しかし石川にプロ入り第1号となるソロホームランを打たれてしまう。代打の野本にも三遊間に強い打球を打たれるが、やはり引退を表明している新井良が好捕してアウトに。ここで安藤はマウンドを降り、後を託されたのは高卒新人の才木。友永にテキサス性のセンター前二塁打を打たれたものの後続を断ち安藤の引退試合に花を添えた。8回裏は小川に抑えられたが、9回表、続投の才木が先頭の福田は歩かせたものの、松井佑、阿部を連続空振り三振に取り、最後は加藤をライトフライに打ち取って締める。メッセンジャーのあとを受けた石崎がプロ入り初勝利。安藤の引退セレモニーのため、ヒーローインタビューはなし。安藤はマウンドであいさつをし、藤川、福留、鳥谷から花束を受け取ると、ナインから胴上げで引退を飾った。次いで新井良も胴上げ。最後は両者がグラウンドを一周してファンに別れを告げた。
愛すれどTigers週間MVP
投手……竹安大知、才木浩人 消化試合とはいえ、CSをにらんでの若手起用にこたえた。竹安は一軍デビューを三者凡退で飾り、初勝利まで着いてきた。才木は初戦こそ満塁のピンチを作ったが、2戦目は安藤のあとを受けて堂々の無失点投球。来季に向けて夢はふくらむ。
野手……大山悠輔 初戦は勝ち越しのランナーとしてホームを踏み、2戦目は満塁で三塁打と勝負強いところを見せた。試合を重ねるごとに成長する新人に、来季への期待料込みでMVPだ。
クライマックスシリーズが始まる。ドラゴンズ最終戦が雨で延びたために、フェニックスリーグで調整するはずが、ドラゴンズ戦で試合の勘を維持することになった。それでもメッセンジャーの復帰は大きな材料。ここまできたら、もう少し野球を見る楽しみを先にのばしてもらいたい。
(2017年10月11日記)