いよいよ開幕。東京ドームでジャイアンツと３連戦。初戦は菅野を積極的な打撃で打ち崩し、開幕投手のメッセンジャーの力投でみごとな勝利。２戦目も苦手の田口を打ち崩したが、藤浪がリードを守れず、岩崎、桑原、藤川らリリーフ陣が打たれて敗れる。３戦目は梅野とロサリオの一発攻勢でリードするも、高山のミスと秋山の失投で岡本和に逆転ホームランを浴び、打線もジャイアンツのリリーフ陣に抑えられて連敗した。今節は１勝２敗。勝率は．３３３で４位。首位カープとは２．０差。
藤浪の自滅などマイナス面もあったが、打線はよく振れており、福留、大山、糸井、梅野、ロサリオがホームランを放つなど長打力ではジャイアンツを上回った。マテオ、ドリス、石崎らしっかりと抑えたリリーフの良さも光る。負け越しはしたが、今季は一味違うというところを見せてくれる３連戦だった。
◎ジャイアンツ１回戦……５－１
タイガースメッセンジャー、ジャイアンツ菅野の先発で開幕。タイガース打線は初回、いずれも初球から打つ積極的な打撃で、三者凡退とはなったが菅野に立ち向かう。その裏のメッセンジャーは先頭の陽にセンター前ヒットを打たれ、吉川尚の一塁ゴロで二進を許す。坂本勇を歩かせてピンチを招いたが、ゲレーロを見逃し三振、マギーをセカンドゴロに打ち取り、無失点で切り抜けた。２回表、タイガース打線が菅野を襲う。１死から福留が今季タイガースの初安打となるソロホームランをレフトポール直撃で放って１点を先取すると、大山のレフト前ヒット、糸原のライト前ヒット、梅野のレフト前ヒットで満塁とし、メッセンジャーは三振したが、高山は高いバウンドの二塁ゴロ。これを吉川尚が辛うじて捕球したが、一塁送球が遅れ、高山もヘッドスライディングの執念を見せてタイムリー内野安打となった。２回裏、長野の打席でレフトポール外側をぎりぎり通過するファールに対し、高橋監督はリクエスト制度を初めて行使。しかし判定は覆らず長野は三進。直後の３回表、２死から福留がセンター前に弾き返すヒットで出ると、大山がライトスタンドいっぱいに入るツーランホームラン。これで試合の主導権を完全に握る。２回以降立ち直ったメッセンジャーだったが、５回裏には長野と小林の連打と菅野のバントで１死二三塁のピンチに。ここで陽を空振り三振に取ると、吉川尚は二塁ライナーとピンチを乗り切った。７回表、１死から鳥谷のレフト前ヒット、糸井のライト前ヒットで一三塁のチャンスを作ると、ロサリオが来日初安打初打点となるレフト前タイムリーヒットを放ち、突き放した。菅野はこの回限りで降板。エースから先発野手全員安打を記録したのは大きい。この試合、１３安打の猛攻劇だった。７回裏、疲れの見えたメッセンジャーは２死から代打新人の田中俊にセカンド内野安打を許すと、やはり代打の新人大城にライト前ヒットを打たれて一二塁とされ、陽にセンター前にタイムリーヒットを打たれてしまう。ここで香田コーチがマウンドで叱咤。吉川尚をセカンドゴロに打ち取って追加点を阻んだ。ジャイアンツは８回から高木京、谷岡とつないでタイガースの追加点を阻んだが、タイガースは勝ちパターンのマテオ、ドリスのリレーで８、９回を抑え切り、開幕戦を制した。ヒーローインタビューは開幕勝利投手のメッセンジャー。
◎ジャイアンツ２回戦……４－８
ジャイアンツ先発の田口に糸井が先制パンチ。１回表、１死から上本がレフト前に落ちるヒットを放つも牽制死。その直後に糸井がライトスタンドにソロホームランを叩きこむ。３回表には１死から上本がセンターの頭を超える二塁打を放つと、糸井が歩きいて一二塁に。ここでロサリオが三遊間を破るレフト前タイムリーヒットで１点を追加すると、福留のライト前タイムリーヒットでさらに１点追加。ここで二塁走者のロサリオが牽制死となるも、大山のセンターオーバーのタイムリー二塁打で福留が一気に生還して４点差とした。タイガースの先発藤浪はここまで走者を出しながらも無失点で抑えていたが、３回裏につかまる。先頭の吉川尚に三遊間の深いところへ飛ぶショート内野安打を許すと、坂本勇に四球。ゲレーロはセカンドフライにとり、マギーは投手ゴロで２死二三塁となんとか抑える。しかし、岡本和にセンター前に弾き返され２点を返された。それでも５回裏には三者凡退と調子をあげてきた。６回表、先頭の糸原がレフト前ヒットで出ると、梅野が送り、藤浪は四球で１死一二塁に。俊介はライトフライに倒れ、打席に上本を迎えたところで田口は降板。二番手谷岡の前に上本は三塁ゴロでチャンスを逸した。６回裏、今度は藤浪がピンチを招く。先頭の岡本和にレフト前ヒットを打たれると、長野、小林と連続四球で無死満塁に。代打阿部が告げられたところで二番手岩崎に交代。阿部には押し出しの四球で１点差に。それでも陽、吉川尚を連続三振に取ったが、坂本勇にセンター前同点タイムリーを打たれてしまう。７回表には澤村に抑えられると、７回裏、桑原がつかまる。先頭のマギーに二塁打を打たれ代走に吉川大。岡本和を歩かせ、１死後小林にセンター前タイムリーヒットを打たれ、ついに勝ち越しを許す。代打田中俊、陽と連続三振にとったが、桑原が打たれたのは大きかった。８回表、復帰の上原の登板でジャイアンツに完全に流れを持っていかれる。三者凡退に終わった直後の８回裏、藤川がつかまった。先頭の吉川尚に二塁打を打たれ、坂本勇は見逃し三振にとるもゲレーロを歩かせ、２死後、岡本和にレフトスタンドにスリーランホームランを放りこまれて試合は決した。９回表、カミネロの前に先頭の代打鳥谷が投手強襲のヒットを放つも、代打西岡は空振り三振、代打伊藤隼はセンターフライ、糸井は空振三振と反撃はならず。藤浪の見極め時がポイントとなる試合だった。
◎ジャイアンツ３回戦……２－３
先制したのはタイガース。ジャイアンツ先発の野上から梅野が左中間スタンドへ先制のソロホームランを放りこむ。さらに４回表、先頭のロサリオが来日第１号となるソロホームランをレフトスタンド上段へ叩きこみ２点差とする。続く福留が四球を選び、大山のショートゴロで二封されたものの一塁はセーフの判定。ここで高橋監督がリクエスト制度を使用。ビデオ判定でアウトとなり、流れが変わった。タイガースの先発は秋山。３回まで快調に抑えていたが、４回裏、坂本勇にセンター前ヒットを打たれると、続くゲレーロのあたりはセンターライナー。これを高山がグラブに当てて弾き、二塁打とされ無死二三塁に。マギーは空振り三振にとったが、岡本和にレフトスタンドに逆転のスリーランホームランを放たれてしまった。秋山は６回３失点で降板。タイガース打線は６回表、２死からロサリオがセンターの頭を越す二塁打を放ち、福留が歩いてチャンスを作るが、ここで野上は交代。二番手澤村の前に大山はショートフライで同点機を逸する。タイガースは７回から石崎が好投してジャイアンツ打線を封じて味方の反撃を待つが、７回表は続投の澤村に、８回表は上原の前に走者を出せない。９回表、クローザーのカミネロに対して１死から福留が二塁打を放ち、俊足の島田を代走に贈って同点機を作るも大山は空振り三振、糸原はセカンドゴロに倒れ試合終了。高山は自らのミスをバットで返すことができなかった。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……ランディ・メッセンジャー さすが大黒柱。開幕投手を任されただけのことはある。必ずしも絶好調ではなかったが、カープを要所で決めてジャイアンツ打線を翻弄。特にゲレーロとマギーを抑えたことで、３試合とも爆発させないようにしたのはたいしたもの。今季もエースとして投手陣を引っ張っていってくれそうだ。
野手……福留孝介 初戦いきなり菅野からレフトポール直撃のホームランを放つと、開幕戦猛打賞。残りの試合でもいいところで好打を放つ。守備でも好返球を見せるなど、その姿は衰えを見せない。
変則日程で次節は横浜スタジアムのベイスターズ戦は２連戦。関西に戻り京セラドーム大阪でドラゴンズ３連戦。ベイスターズも２敗、そしてドラゴンズは３連敗とあまりよいスタートを切れなかった両チームに対し、好調打線がどれだけ得点を重ねてくれるか楽しみだ。２年目の小野、ベテランの能見が先発ローテーションに入ってくることが予想される。藤浪は今節の敗戦をどれだけ糧にできるか。とりあえずひとまわり当たるまで、各チームの手探りの駆け引きが続くだろう。
（２０１８年４月２日記）
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