愛すれどTigers


上本絶好調も故障で長期離脱

 今節は甲子園球場で6連戦。ベイスターズ戦は1試合を雨で流したが、初戦は秋山の好投に打線もこたえて今季初完投で取ると、スライド登板の2戦目はメッセンジャーが投打の活躍でリーグ最多の5勝目をあげ、2勝。続くはドラゴンズ戦。初戦は貧打線となり延長11回にミスから失点して敗れる。2戦目は小野が苦しい投球をするも、上本が打ち植田が走り勝利をもぎ取る。3戦目は岩貞が苦しい投球をするがドラゴンズの拙攻に助けられ終盤追い上げられるも辛くも逃げ切り2勝1敗と勝ち越し。今節は4勝1敗。今季通算15勝13敗で勝率は.536の2位。首位のカープとは3.0差。

◎ベイスターズ3回戦……7-1
 タイガースの先発は秋山。4回まで梶谷のヒット1本に抑える好投。ベイスターズの先発は今永。1回裏、先頭の上本が左中間へ二塁打を放つと、植田のバントで三進。糸井が初球狙いの左中間を越すタイムリー二塁打で先制。ロサリオの二塁ゴロで三進し、福留は手首に死球で一三塁に。糸原のセンター前タイムリーヒットで2点目を取ると、俊介もセンター前にタイムリーヒットで3点目を奪う。4回裏には糸原と俊介の連打で無死一二塁とし、梅野のバントで二三塁に。秋山がレフト前に落ちるタイムリーヒットを放てば、1死一三塁から上本の犠牲フライでさらに1点を追加。植田のレフト前に落ちるヒットで一三塁とすると、糸井のセカンドへの鈍い当たりはどこにも投げられずタイムリー内野安打となった。今永は4回6失点で降板。5回表、先頭のロペスにレフト線に二塁打を打たれるが、宮崎を二塁ゴロに取ると、ロペスを三塁に置いて梶谷、柴田と連続三振でピンチを脱した。5回裏は砂田に抑えられるが、6回裏、三嶋から上本がレフトスタンドにダメ押しのソロホームランを放つ。7回はそのまま三嶋に抑えられ、8回は平田に抑えられたが、秋山は後半も快調に飛ばし、完封ペース。9回表、ルーキー以来の完封を目前として代打宮本と代打乙坂に連打を浴び、倉本は二塁ゴロで二封。1死一三塁から筒香にレフトへ犠牲フライを打たれて完封を逃す。ロペスにもライト前ヒットを打たれたが、宮崎をファーストフライに打ち取り、完投勝利。ヒーローインタビューは先制打を含む2打点の糸井と完投で2勝目の秋山。
◎ベイスターズ4回戦……4-2
 タイガースの先発はメッセンジャー。1回表、先頭の乙坂にライト線を破る二塁打を打たれると、大和のバントで三進を許す。筒香は二塁ゴロで走者をくぎ付けにしたが、ロペスに左中間を破るタイムリー二塁打を打たれて先制点を許した。しかし続く宮崎はレフトフライに打ち取って最少失点で切り抜けた。ベイスターズの先発は東。先頭の上本はセンター前に抜けそうな当たりを二塁柴田に捕られるも内野安打。植田のバントで二進したが、後続を断たれて同点にはならず。4回表、先頭の筒香に左中間に二塁打を打たれると、ロペスはライトフライに打ち取ったかと思われたが、糸井が強い浜風に計算を誤り、手前に落ちてしまった上にボールの行方を見失うなどして二塁打にしてしまう。無死二三塁のピンチで、宮崎を見逃し三振に取ったメッセンジャーは、梶谷を二塁ゴロに打ち取る。ゴロゴーで飛び出した梶谷を上本が本塁で刺し、2死一三塁に。嶺井は申告敬遠で満塁とし、東を空振り三振に打ち取って無失点で切り抜けた。5回表、ついに東をとらえる。先頭の糸原がセンター前ヒットで出、2死後、メッセンジャーがライト前ヒットで一二塁とすると、上本が左中間を破る2点タイムリー二塁打で逆転した。東は6回2失点で無念の降板。7回裏、二番手三嶋に対し、糸原がレフト前ヒットを放つと、ヒットエンドランをしかける。俊介はセンター前に落ちるテキサスヒットで無死一二塁に。梅野のバントで二三塁とすると、代打鳥谷は申告敬遠で満塁に。上本はここでもレフト前に2点タイムリーヒットを放ち、大きな追加点をあげた。8回表は二番手桑原謙が登板。先頭の大和に左中間に二塁打を打たれると、筒香は見逃し三振、ロペスはレフトフライと順調にアウトカウントを重ねたが、宮崎にライトの頭を超えるタイムリー二塁打を打たれ、1点を返された。それでも梶谷は見逃し三振に打ち取って追加点は許さず。8回裏はエスコバーに抑えられたが、9回表、ドリスが2死から四球を出したものの最後は乙坂を投手ゴロに打ち取って逃げ切り10セーブ目をあげた。ヒーローインタビューはリーグトップの5勝目をあげたメッセンジャーとこの試合全打点をたたき出した上本。
◎ドラゴンズ6回戦……1-5
 タイガースの先発とは高橋遥。3回表2死から京田にセンター前ヒットを打たれると、アルモンテの打席で二盗を許し、アルモンテにライト前タイムリーヒットを打たれて先制点を許した。ビシエドにもヒットを打たれて一三塁とピンチは続いたが、福田をセカンドゴロに打ち取り、最少失点でしのぐ。ドラゴンズの先発小笠原はていねいな投球でタイガース打線を抑える。4回裏、先頭の福留がレフト前ヒットで出ると、糸原のセカンドゴロを二塁阿部がトンネルし、無死一三塁に。俊介のショートゴロ併殺の間に福留が生還して同点に追いついた。ここから先は重い展開。6回表、アルモンテにライト線に二塁打を打たれ、1死後福田を歩かせて一二塁に。ここで阿部をショートゴロ併殺に打ち取り、高橋遥は6回1失点で降板。6回裏、四球の福留とヒットの俊介を塁に置き、2死一二塁のチャンスを作るも原口はセカンドフライに倒れ、小笠原も6回1失点で降板した。ここからはリリーフ勝負。7回表はモレノが抑える。7回裏、ドラゴンズの二番手祖父江に対し、代打は鳥谷。ショートゴロに倒れるが、鳥谷はこの打席でプロ通算2000試合出場を記録した。8回表、桑原が抑えると、8回裏は祖父江が続投。2死から福留が歩き、糸原のセカンドゴロをまたも阿部がトンネル。2死一三塁のチャンスも俊介は一塁ゴロでついえた。9回表をドリスが抑え、サヨナラの機会をうかがう。9回裏、鈴木博に対し、1死から代打伊藤隼と上本の連打で一二塁とチャンスを作るが、植田は浅いレフトフライ、糸井はサードフライと鈴木博の速球に押されてしまった。延長戦に入り、10回表は岩崎が、10回裏は谷元がそれぞれ抑え、11回表、マウンドには藤川。ビシエドのショートゴロの送球を守備固めの山崎憲が落球。1死後、亀澤の投手前バントは藤川が逆を突かれて取れず、一二塁に。平田は一塁へのファウルフライ。エラーしていた山崎憲が必死になってポケットキャッチした。しかし大野奨を歩かせて満塁とされると、代打モヤには押し出しの四球。大島に対しては高橋聡が登板。しかしセンターの頭を越す走者一掃の3点タイムリー二塁打を打たれ、試合は決した。11回裏、田島の前に代打大山が久々のヒットを放つも、上本は三振で試合終了。中盤のチャンスで糸井とロサリオが打てず打線が分断されたのが痛かった。
◎ドラゴンズ7回戦……7-2
 タイガースの先発は小野。1回表、先頭の大島にセンター前ヒットを打たれると、京田の打席で二盗。京田の二塁ゴロで三進。アルモンテを歩かせて1死一三塁のピンチにビシエドを二塁ゴロ併殺に打ち取りピンチを脱した。ドラゴンズの先発は新外国人の左腕ガルシア。1回表、上本が歩くと、植田の打席で二盗。しかしこの時すべりこんだ際に左ひざを痛め、担架で退場。代走は大山。植田は四球で無死一二塁に。糸井も歩いて満塁とし、ロサリオがレフト前に2点タイムリーヒットを放って先制した。2回裏、1死から坂本がセンター前ヒットを放つと、小野のバントで二進。大山のレフト前ヒットで坂本は一気に本塁を突く。追いタッチとみた審判はセーフを宣告したが、森監督がリクエスト申請し、ビデオ判定の結果アウトに。追加点のチャンスを逸した。3回裏、先頭の植田がセーフティバントで出ると、糸井の一塁ゴロで二封。糸井はすぐさま二盗。ロサリオのショート京田への強襲ヒットで糸井が生還し、1点を追加した。4回表、1死からビシエドにレフト前ヒットを打たれると、福田にもレフト前ヒットを打たれる。ビシエドは一気に三塁を狙うも、福留の好返球でタッチアウト。しかし高橋周にライト前ヒットを打たれて1死一二塁とされ、アルモンテのライト前タイムリーヒットで1点を返される。5回表には、先頭のガルシアにセンター前ヒットを打たれると、大島、アルモンテを歩かせて1死満塁とされる。ここでもビシエドを三塁ゴロ併殺に打ち取って、大きなピンチを脱した。5回裏、1死から福留が三塁内野安打で出ると、糸原のショートゴロで二封。2死一塁から糸原が二盗し、俊介のセンター前タイムリーヒットで3点差とした。6回裏、ドラゴンズは二番手伊藤準がマウンドに。1死からライト前ヒットの植田を置いて糸井がライトスタンドに突き刺さる今季甲子園では初めてとなるツーランホームランを放つ。7回表、小野は先頭の藤井を歩かせ、大島の一塁ゴロで二進。2死後、アルモンテを歩かせて一二塁に。ビシエドにはライト前に落ちるタイムリーヒットを打たれ、ここで降板。二番手はモレノ。福田を投手ゴロに打ち取り、追加点は許さず。7回裏は続投の伊藤準に抑えられ、8回表は桑原が抑える。8回裏、三番手の藤嶋に対し、先頭の植田が四球で出ると、糸井の打席で盗塁。糸井三振のあと、ロサリオがレフト線を破るタイムリーヒットを放ち、ダメ押し。9回裏は岩崎がきっちりおさえて締めた。小野が3勝目。ヒーローインタビューは出塁がすべて得点にからんだ植田と4打点のロサリオ。
◎ドラゴンズ8回戦……7-5
 タイガースの先発は岩貞。1回表は三者凡退と上々の立ち上がり。しかし、2回表につかまる。先頭のビシエドにセンター前ヒットを打たれると、福田の三遊間の当たりは植田のグラブを弾いてレフト前ヒットに。無死一二塁から平田にライト前にタイムリーヒットを打たれ、先制される。堂上に死球を与えて無死満塁とピンチは続く。ここで木下拓を空振り三振に取ると、R.マルティネスは打ち気なく見送り三振。大島を二塁ゴロに打ち取って最少失点でとどめた。ドラゴンズの先発は2年目にして一軍初登板のR.マルティネス。やはり初回は三者凡退に倒れたが、2回裏に反撃。ロサリオのヒットと福留の四球、糸原の一塁ゴロで二封されて1死一三塁に。ここで高山は強い当たりの二塁ゴロ。堂上が打球の処理をもたつき一塁に送るのがやっとでロサリオが生還して同点とする。3回表、京田のヒットとアルモンテへの四球で一二塁とされるが、ビシエド、福田、平田をいずれも平凡なフライに打ち取りピンチを脱した。4回裏、先頭の糸井のヒットとロサリオの二塁内野安打で無死一三塁とチャンスを作る。ロサリオが盗塁死のあと、福留がレフトに犠牲フライを放ち、勝ち越す。6回表、2死から平田と堂上の連打と代打阿部への四球で満塁とされたが、代打藤井を空振り三振に打ち取って逆転のピンチを脱した。6回裏、二番手谷元に襲いかかる。糸井がレフト前に落ちるテキサスヒットで出ると、すかさず二盗。大野奨が暴投を捕れず糸井は三進。ロサリオが歩いて無死一三塁に。福留の二塁ゴロは堂上がバックホームするも間に合わず、野選となって1点を追加。さらに糸原が歩き無死満塁に。ここで高山はライトフェンス際まで届く犠牲フライを放ち、さらに1点を追加。原口はセンターフライに倒れ2死一三塁に。代打伊藤隼の一塁ゴロはビシエドがバウンドを合わせそこねて後逸し、さらに1点を追加。鳥谷のレフトオーバーの2点タイムリー二塁打でこの回5点のビッグイニングを作った。岩貞は6回1失点で降板。7回表、二番手は高橋聡。2死からアルモンテとビシエドの連打で走者をためるが、福田を空振り三振に打ち取る。7回裏、三番手藤嶋に対し、糸井がヒットと盗塁で1死二塁に。福留のセカンドゴロで三進。糸原、高山の連続四球で満塁と攻めたが大山はサードゴロでチャンスを生かせず。8回表、三番手石崎が内野安打の平田と四球の亀澤を置いて代打高橋周にバックスクリーンにスリーランホームランを打たれて3点差とされる。8回裏は笠原に抑えられ、9回表はクローザーのドリスが登板。先頭のアルモンテにライトスタンドにソロホームランを打たれて2点差と迫られる。さらにビシエドの内野安打、平田のレフト前ヒット、亀澤のレフト前ヒットで1死満塁と逆転のピンチを迎える。それでも松井雅を浅いレフトフライに打ち取り、最後は代打工藤を空振り三振に取って辛くも逃げ切った。ヒーローインタビューは2勝目をあげた岩貞。

愛すれどTigers週間MVP
投手……秋山拓巳
 ここまでわずか1勝と苦しんでいたが、ベイスターズ戦では低めにきちっと決まるようになり、チームの今季初完投勝利を飾って甲子園連戦の頭を取った。これをきっかけに昨シーズンのいい時の調子を取り戻してほしい。
野手……上本博紀
 6打数連続安打を含む大暴れで一番打者に定着。二番の植田とともに俊足コンビで相手をかき回してもらえる形が整った、と思うとなんとドラゴンズ戦で盗塁の際に膝を傷めて長期離脱。好事魔多しとはこのことか。きちっとリハビリしてまた大暴れしてほしい。

 次節はビジター6連戦。まずは東京ドームでジャイアンツ戦。一時は8連勝と波に乗ったジャイアンツだったが、ベイスターズ戦でストップ。連敗と連勝の差が激しい相手だけに、ここからまた連敗と期待したいが、ことこのカードに関してはジャイアンツが妙に自信を持って臨む。甲子園での3連敗を、ドームできっちりとお返ししてもらいたい。続いてはマツダスタジアムでカープ戦。鬼門になりつつある球場だが、カープはリリーフ陣が打たれて追いつかれるなど万全とはいえないだけに、前回のように足をからめていけば勝機はおおいにある。交流戦前の山場を迎えたが、ここは両カードとも勝ち越して乗り切っていきたい。
 上本の離脱は大きいが、これで鳥谷や大山にまたもチャンスが巡ってきた。二軍からは江越が満を持して昇格。大きいのを狙って振り回すことなくチャンスをつかんでほしい。

(2018年5月7日記)


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