愛すれどTigers


秋山、新人以来の完封勝利

 今節はビジターで6連戦。東京ドームのジャイアンツ戦は、初戦は秋山が新人の年以来8年ぶりの完封勝利。打線もロサリオに待望の特大ホームランが出るなど爆発。しかし、翌日以降は打線が湿り切ってしまった。2戦目はメッセンジャーがゲームを作るも吉川光を打ちあぐねて敗れ、3戦目は新人谷川が先発して度胸満点の投球を見せたが阿部の一発に泣き連敗。ジャイアンツ戦は1勝2敗。続くはマツダズームズームスタジアムのカープ戦。初戦は能見が初回から菊池とバティスタの連続ホームランなどで大量点を失い、惨敗。2戦目は小野が悪いなりに粘りの投球をしたがリリーフのマテオが3者連続押し出し四球と乱調。3戦目は雨で流し、2敗。今節は1勝4敗。今季通算16勝17敗で勝率は.485の3位。首位のカープとは5.5差。

◎ジャイアンツ7回戦……9-0
 タイガースの先発は秋山。1回裏、坂本勇のファウルチップを梅野が大きく弾いてしまったが、グラウンドに落ちる前に飛びこんで捕球し、三振に。このプレーで流れをつかんだ。ジャイアンツの先発は山口俊。2回表、1死から福留が四球を選ぶと、糸原はユニフォームをかする死球。高山は左の爪先をかする死球だったが判定はボール。高山のアピールに金本監督がリクエスト申請し、ビデオ判定で覆って死球が認められ1死満塁に。梅野の二塁ゴロは、併殺を狙った二塁吉川尚のトスを坂本勇がそらしてエラーでまず1点。秋山のレフト前に落ちるタイムリーヒットで2点目を奪うと、鳥谷はライトへ犠牲フライで3点目。3回表にはロサリオがレフト最上段の看板に当たるソロホームランで1点を追加。4回表には秋山がレフトポール際に飛びこむソロホームランで2打点目。5回表は1死から糸井がセンターの頭を越す二塁打で出ると、ロサリオと糸原の四球で2死満塁に。ここで高山がセンター前に2点タイムリーヒットを放ち、7点目。山口俊を5回でノックアウトした。自らの打点も含む大量の援護で、秋山は快調に投げる。6回まで散発2安打と1四球で二塁を踏ませない快投。7回裏、1死から岡本和にライト前ヒット、亀井の一二塁間の当たりは糸原が好捕するも間一髪で送球が間に合わず内野安打となり1死一二塁に。しかし長野を三塁ゴロ併殺に打ち取り、唯一のピンチを脱した。ジャイアンツは6回以降左腕中川が登板。タイガース打線は8回までノーヒットに抑えられた。しかし9回表、三番手篠原に対し2死から植田がセンター前ヒットで出ると、糸井がライトスタンドにツーランホームラン。ダメ押しの一打を放った。9回裏、新人の年以来の完封勝利を狙う秋山は、1死からゲレーロにあわやホームランという大きな当たりのフェンス直撃の二塁打を打たれる。しかしゲレーロは三塁を欲張りレフトからの中継プレーが決まって憤死。マギーをショートゴロに打ち取り今季チームの初完封勝利をあげた。ヒーローインタビューは投打に主役の秋山。
◎ジャイアンツ8回戦……1-3
 タイガースの先発メッセンジャーは立ち上がりを攻められる。1死から吉川尚を歩かせ、けゲレーロの打席で二盗を許す。ゲレーロの三塁ゴロで飛び出した吉川尚を大山が二塁でアウトにすべく送球するが、間一髪でセーフ。金本監督がリクエスト申請したが判定は覆られず野選で1死一二塁に。2死後、岡本和にレフト前にタイムリーヒットを打たれ、続く亀井にもセンター前タイムリーヒットを打たれて2点先制される。2回裏には2死から坂本勇を歩かせ、吉川尚のヒットでピンチを作るもゲレーロを空振り三振にとる。3回裏も2死から亀井を歩かせる。長野の投手強襲のヒットで亀井が三塁を狙うもバックアップのロサリオの好送球でアウトに。ジャイアンツの先発は吉川光。狙い球が絞れず苦戦する。4回表、先頭の植田が左中間を破る二塁打を放つも、糸井、ロサリオ、福留が凡退で得点できず。5回表は先頭の糸原が歩き、大山の投手ゴロの間に二進。梅野の右中間へのタイムリー二塁打で1点を返したが、後続を断たれて同点はならず。6回表、植田と糸井の四球で無死一二塁とすると、吉川光は降板。二番手は澤村。ロサリオはいい当たりのショートライナーに倒れるが、福留の打席で小林が捕逸し1死二三塁に。しかし福留は空振り三振。糸原はサードフライと抑えられた。6回裏、亀井のソロホームランで3点目を奪われたメッセンジャーはこの回限りで降板。7回表、続投の澤村に対し、大山がセンター前に落ちるテキサスヒットで出ると、代打原口のセンター前ヒットで無死一二塁に。しかし代打山崎の打席で大山は牽制死。代打の代打高山は一塁ゴロに倒れるが、原口は二進。ここで俊介は空振り三振とチャンスを生かせない。7回裏は帰国後初登板のマテオが抑え、8回表、三番手のマシソンに対し植田が四球を選ぶが、糸井、ロサリオが凡退。福留の打席で植田は二盗しチャンスを作るが福留が空振り三振。8回裏、今季初登板の才木はヒットのゲレーロの代走吉川大を代打田中俊に送られ、岡本和に死球でピンチを招くが、亀井は三塁ファウルフライ、長野は三振と落ち着いてピンチを脱した。9回表、クローザーのカミネロから糸原が四球を選ぶも鳥谷、原口ともボール球に手を出して凡退。高山の打席で暴投。2死二塁とし、高山はファウルでさんざん粘るがボール球に手を出し空振り三振で試合終了。チャンスをクリーンアップトリオがことごとくつぶしてしまう展開になってしまった。
◎ジャイアンツ9回戦……2-4
 タイガースの先発は新人谷川。初回から快調に飛ばしていたが、3回裏につかまる。1死から坂本勇と吉川尚の連打で一二塁とされる。ゲレーロはライトの大きなファウルフライを糸井が好捕。その間に走者が進み2死二三塁に。そして阿部にライトスタンドにライナーで突き刺さる先制スリーランホームランを打たれてしまった。谷川は4回3失点の悔しいデビュー。ジャイアンツの先発はベテランながら今季初登板の内海。5回表までは低めに決まる変化球に手を焼いていたが、6回表に反撃。先頭の今季初先発出場の江越がライト線に二塁打を放つ。1死後、糸井のレフト前に落ちるヒットで一三塁とする。ここで内海は降板。二番手宮國がマウンドに。ロサリオは三振に倒れたが、福留の打席で糸井が二盗。福留はよく粘ってセンター前に2点タイムリーヒットを放つ。1点差として、5回からは藤川、7回はマテオが好投。ジャイアンツも7回は澤村、8回は上原が好投。8回裏、岩崎が1死から岡本和にセンター前ヒットを打たれると、亀井を歩かせて一二塁に。長野のショートゴロで二封。小林の打席で岩崎が暴投し、大きな1点を献上してしまった。9回表、クローザーのカミネロが登板。1死から糸原の二遊間のゴロは吉川尚が好捕し、一塁に送球するも糸原がベースをかけぬけてセーフに。高橋監督がリクエストを申請したが、判定は変わらず。しかし西岡は空振り三振。原口は二塁へのフライで万事休す。新人の谷川を打線が援護できなかった。
◎カープ7回戦……1-14
 タイガースの先発は能見。初回1死から菊池にレフトスタンド上段にソロホームランを打たれると、続くバティスタには低めをすくいあげられてレフトスタンド最前列に入るソロホームランを浴びる。鈴木にはレフトオーバーのシングルヒットで続けられ、2死後、安部に左中間を破るタイムリー三塁打を打たれ、野間には死球を与えて一三塁に。石原の打席で暴投。安部が生還して4点目を失うと、石原にはレフトスタンドにツーランホームランを打たれていきなり6点差をつけられる。さらに2回裏、1死から菊池を歩かせ、バティスタに左中間にタイムリー二塁打を打たれる。2死から新井に左中間フェンス直撃のタイムリー二塁打を打たれ、安部の三塁ゴロは三塁大山の悪送球で新井が生還し、2回で9点差と試合は決した。能見は3回からなんとか立ち直ったが、時すでに遅し。5回裏、二番手は今季初登板の山本翔。先頭の安部を歩かせ、野間はショート内野安打。石原を歩かせて無死満塁に。1死後、田中の犠牲フライでさらに1点を追加された。ジョンソンのチェンジアップに翻弄されたタイガース打線は、糸井が3安打したものの得点は6回表に江越が今季第1号となるソロホームランをバックスクリーン左に放ったのみ。ジョンソンは7回1失点でリリーフに後を託す。3イニング目に入った山本翔は7回裏1死から石原にセンター前ヒットを打たれると、エルドレッドを歩かせ、2死後菊池にスリーランホームランをレフトスタンドに運ばれる。さらにバティスタにもまたバックスクリーンに飛びこむソロホームランを打たれて今季最多失点となる14点目を記録された。8回表、二番手アドゥワに対し、1死から江越が振り逃げ、西岡が四球と走者をためるが、糸井とロサリオは打ちあげてチャンスを生かせない。8回裏、三番手石崎は安部のヒットと野間への四球、そして原口の捕逸と代打坂倉への四球で2死満塁に。ここでなんとか田中を空振り三振に取って辛うじて失点は免れた。9回表、三番手中村恭に対し三者凡退で試合終了。いきなりの初回6失点は大き過ぎた。
◎カープ8回戦……1-6
 この試合もカープが先制。タイガースの先発小野は2回裏、松山のヒット、安部への四球で無死一二塁とされ、野間は空振り三振に取ったが、會澤に死球を与え、大瀬良にライト線へ2点二塁打を打たれる。それでも後続を断ち、大量失点は防いだ。4回裏、二塁打の會澤、四球の田中を塁に置き、2死一二塁とされるも、菊池の打席でワンバウンドの球を捕手梅野がこぼすのを見た會澤に三塁を狙われたのを梅野が好送球で刺してピンチを脱した。タイガース打線はカープ先発大瀬良に抑えられていたが、5回表にこの試合から一軍昇格の板山がレフトスタンドにプロ入り第1号となるソロホームランを放りこんで1点差とする。6回表には1死から糸原が二塁打を放つも糸井、福留と凡退。この試合もクリーンアップトリオが機能しない。7回裏、代打エルドレッドのヒット、田中への四球で無死一二塁とされ、小野は降板。二番手のマテオに託したが、これが誤算。菊池のセンター前ヒットで満塁とされ、バティスタにライトへ犠牲フライを打たれて追加点を許す。鈴木を歩かせて満塁にされると、2死後、安部、野間、會澤に三者連続押し出しの四球を与えて試合をぶち壊し、降板。三番手には移籍初登板の尾仲。エルドレッドの代走で出ていた上本崇をレフトフライに打ち取ってなんとかチェンジに。8回表はジャクソンに抑えられ、8回裏は石崎が三者三振の快投。しかし9回表、一岡の前に三者凡退で連敗。小野は悪いなりに抑えていただけに、投手交代のタイミングを誤った。今季初めてロサリオを5番に入れ、4番に福留を座らせた新打線も機能しなかった。

愛すれどTigers週間MVP
投手……秋山拓巳
 他に誰がいる?
野手……江越大賀、板山祐太郎
 正直なところ該当者なしとしてもよかったのだけれど、キャンプからファームで鍛え直したがなかなか出番をもらえなかった両者が必死で球に食らいつき、ついにそれぞれホームランを放ったのを見て、思わずこのまま打ちまくってロサリオからクリーンアップの座を奪い取るくらいになってくれと思う。二軍で流した汗は嘘をつかないぞ。次は陽川、北條の番だっ!

 次節はまずは甲子園球場でベイスターズ戦。ここまでまだこの相手には負けがない。自信を持って迎え撃つことができる。連敗で苦しんだ分を取り返せ。続いてはナゴヤドームでドラゴンズ戦。もうナゴヤドームは鬼門ではない。なかなか本調子にならないドラゴンズだけに、ここで勝ち越していかなければ。
 カープ戦は植田が発熱で2試合欠場。とたんに打線が完全につながらなくなってしまった。わずか数試合でもう欠かせない戦力になっているのだ。若者の成長の早さに驚嘆した。足を使える江越、植田で一二番を組むのは面白い。とにかく打線がこうも湿っていては勝てる試合も勝てない。ロサリオは打撃フォームを一本足打法にしたそうだが、これがうまく決まればよいのだが……。

(2018年5月7日記)


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