今節は倉敷マスカットスタジアムで1試合し、甲子園で5連戦。まずはスワローズ戦。初戦はメッセンジャーが好投しロサリオと糸井の連弾で快勝。雨中止をはさみ、2戦目は秋山が好投のハフと緊迫した投手戦を演じ、ロサリオのタイムリーで2勝。続くジャイアンツ戦は、初戦は菅野が糸井のホームランのみの好投を見せるも岩貞が1点も許さず、桑原からドリスとつないで完封リレー。2戦目は小野が好投するも桑原が打たれて同点に追いつかれたが澤村から中谷が今季チーム初のサヨナラ打を放つ。3戦目は才木が堂々の投球でジャイアンツ打線を抑え、中谷の先制ホームランをはじめとする打棒爆発で3勝。今節は5勝0敗。今季通算23勝21敗で勝率は.523の2位。首位のカープとは4.0差に縮まった。
◎スワローズ5回戦……8-3
タイガースの先発メッセンジャーは初回、2回とランナーを出すも粘りの投球でスワローズ打線を抑える。スワローズの先発石川は老獪な投球でタイガース打線を抑える。2回裏、先頭の糸井がライトフェンスに届くシングルヒットで出ると、中谷のレフトフライは、バットが捕手中村のミットに当たっていて、抗議の結果打撃妨害で無死一二塁に。しかし大山は二塁ゴロ併殺、糸井を三塁に置いて梅野は三塁ゴロと先制機を逸した。3回裏、先頭のメッセンジャーがライト前ヒットで出ると、1死後、糸原の二塁ゴロは山田哲が二塁へ送るも送球が走者メッセンジャーに当たり一二塁に。福留も二塁ゴロに倒れるが、山田哲がまたも二塁へ悪送球。この送球は大きくそれて2者生還で先制点をもらった。なおも福留を二塁に置き、ロサリオがレフトスタンド上段にツーランホームランを放りこむ。負けじと続く糸井はライトスタンドに突き刺さるソロホームラン。なんと一挙5点のビッグイニングを作った。大量の援護をもらったメッセンジャーがピリッとしない。4回表、先頭の坂口を歩かせると、谷内のライト前ヒットで無死一二塁に。大引のライト前ヒットは前進守備のため二塁走者は三塁に止まり、無死満塁に。中村のセンター前2点タイムリーヒット、石川のバントで1死二三塁になり、山田哲の二塁ゴロの間に大引が生還して2点差に迫られる。4回裏、先頭の梅野がヒットで出ると、メッセンジャーはバントを失敗して三振。植田のセーフティバントは投手内野安打となり、糸原が歩いて1死満塁に。福留のライトへの犠牲フライで1点を返して3点差となった。さらにロサリオが歩き、またも満塁に。ここで石川は降板し、二番手は松岡。糸井はレフトフライに打ち取られ、大量点はならず。メッセンジャーは6回表までしっかり抑え、3失点で交代。5回裏は松岡に抑えられ、6回裏は風張が好投。7回表は岩崎がきっちりと抑える。7回裏、秋吉から1死後、糸井がセンターフェンス直撃の二塁打を放つと、2死後、大山が左中間を破るタイムリー三塁打を放つ。梅野のセーフティバントはライン上を転がり三塁ベースに当たって内野安打に。その間に大山が生還して、大きなダメ押し点を加えた。8回表は桑原が三者凡退に切って取り、8回裏は中澤に抑えられる。9回表、マテオがマウンドに。先頭の代打田代にセンター前ヒットを打たれ、山田哲は三塁ゴロで二封。2死後、青木のレフト前ヒットで一二塁と攻められたが、バレンティンをライトフライに打ち取り、試合終了。メッセンジャーはリーグ単独トップの7勝目。ヒーローインタビューは連続ホームランのロサリオと糸井。
◎スワローズ6回戦……2-0
タイガース秋山、スワローズハフの投手戦。秋山は初回から三者凡退と上々の滑り出し。1回裏、植田がセンター前ヒットで出るもハフの牽制球に釣り出されてアウトに。2死後、福留がライト前ヒットを放つが、ロサリオはショートフライとちぐはぐな攻撃。4回表、1死から坂口を歩かせたがバレンティンには三塁併殺打と安定した投球。6回裏、1死から糸原がレフト前ヒットで出ると、福留は右中間を破る二塁打で1死二三塁に。しかしロサリオはショートゴロで糸原が本塁憤死。糸井はライトフライに倒れて先制機を逸した。7回裏、先頭の中谷が今季初安打となるライト前ヒットで出ると、大山との間でヒットエンドラン。しかし大山の打球は二塁へのハーフライナーで中谷は戻れず一塁に送られ併殺に。8回表、先頭の西浦にセンター前ヒットを打たれると、谷内のショートゴロで二進。中村のレフト前ヒットで一三塁とされる。ここから秋山は渾身の投球。代打荒木貴を見逃し三振に取ると、山田哲ライトフライに打ち取り、最大のピンチを脱した。8回裏、スワローズの二番手左腕中尾に対し、代打鳥谷はショートゴロに倒れるが、植田のセーフティバントは一塁畠山が取るも一塁ベースカバーに誰も入らず内野安打に。糸原のバントで2死二塁とし、福留は申告敬遠。ここで三番手近藤一が登板。ロサリオはセンターの頭を越すあわやホームランという当たりの2点タイムリー二塁打を放つ。9回表はドリスが登板。先頭の青木を歩かせるも坂口は一塁ゴロ。守備堅めの山崎が二塁へ送り、一塁へ転送して併殺に。バレンティンを三振に取り、ドリスは14セーブ目。ヒーローインタビューは4勝目をあげた秋山と決勝タイムリー二塁打のロサリオ。
◎ジャイアンツ10回戦……1-0
タイガースの先発は岩貞。1回表、いきなり坂本勇にレフト前に落ちるヒットを打たれるも、牽制で釣りだしてアウトにすると、吉川尚、ゲレーロをフライに打ち取り上々の立ち上がり。2回表、1死から岡本和に内角をうまくさばかれてレフト前ヒットにされ、長野を歩かせて一二塁とされたが、陽を見送り三振に取ると、小林はサードゴロでピンチを脱した。4回表は2死から長野と陽に連打を浴びるも小林を二塁へのフライに打ち取る。4回までジャイアンツの先発菅野の前に一人も走者を出せなかったタイガースだったが、5回裏、1死から糸井がライトスタンドに先制のソロホームランを放つ。糸井はこれが通算150号。中谷のショートゴロは坂本勇の一塁送球がそれてエラーで出塁。大山のヒットと岩貞の四球で2死満塁としたが、植田は外角いっぱいにみごとに投げ込まれて見逃し三振。最少得点にとどまった。6回裏には糸原が左中間を破る三塁打を放つも、福留はショートゴロ、ロサリオは三振、糸井は三塁ファウルフライでここも追加点ならず。結局菅野には1失点完投を許してしまう。しかし岩貞は7回無失点で責任を果たし、8回表は桑原が抑え、9回表をドリスに託す。先頭のマギーにセンター前ヒットを打たれ、代走に吉川大。岡本和はセンターフライ、長野は三振とアウトを重ねるも代打阿部にレフト前ヒットを打たれ、代走立岡。2死一二塁で代打亀井を空振り三振に打ち取り、僅少差を逃げ切った。ヒーローインタビューは今季3勝目の岩貞と、唯一の得点を記念のホームランで叩きだした糸井。
◎ジャイアンツ11回戦……5-4
タイガースの先発は小野。1回表、先頭の坂本勇に右中間を破る二塁打を打たれると、吉川尚の一塁ゴロの間に三進。岡本和を歩かせて阿部を空振り三振に取る。しかし亀井に初球を叩かれ一二塁間を破るライト前タイムリーヒットで先制点を許した。2回表には大城にライトスタンドにソロホームランを打たれて2点差とされた。しかし、ジャイアンツの先発の田口は今季は得意のチェンジアップが決まらない。2回裏、1死から大山がライト前ヒットで出ると、江越がレフト線へ二塁打を放つ。レフトのゲレーロがリバウンドした打球をそらしている間に大山が一気に生還。江越も三進。梅野のライト前タイムリーヒットで同点に追いついた。3回裏、糸原がレフト前ヒットで出ると、糸井もライト前ヒットで続き無死一二塁に。2死後、大山がセンター前に落ちるタイムリーヒットでついに勝ち越した。4回裏には1死から小野がライト前ヒットで出ると、植田もセンター前ヒットで続く。糸原の死球で満塁に。糸井のライトへの大きな当たりは浜風に押し戻されてライトフライになったが、小野が生還して犠牲フライとなり逆に2点差に。田口は5回4失点で降板。小野は尻上がりに調子をあげ、7回2失点で勝利投手の権利を持って降板した。6回裏は宮國に抑えられ、7回裏は上原の前にロサリオの代打鳥谷が四球で出たが、代走熊谷が中谷の初球に二盗を敢行するも盗塁死。結局3人で攻撃を終える。8回表、二番手は岩崎。先頭の岡本和にライト前ヒットを打たれたが、阿部と亀井は連続見逃し三振。長野の打席で桑原にスイッチしたが、これが裏目に。レフトポール際に同点のツーランホームランを打たれてしまった。8回裏は澤村の前に三者凡退。流れはジャイアンツに傾いてきた。9回表、先頭の大城にライト前ヒットを打たれ、代走に吉川大。陽のバントはドリスが動きよく二封。高橋監督のリクエスト申請があったが、判定はそのままアウト。坂本勇を見逃し三振に取ると、吉川尚の打席で一塁に牽制し、陽を刺す。これで流れはタイガースに。9回裏、続投の澤村に対し、1死から糸原、糸井と連続四球で一二塁とサヨナラのチャンス。山崎は空振り三振に倒れたが、中谷の三遊間を破るレフト前ヒットで高代コーチは糸原に本塁突入を指示。前進守備のレフト亀井は焦ったか本塁への送球をそらし、糸原はホームイン。中谷のプロ入り初のサヨナラヒットで劇的な勝利。勝利投手は守備で冴えたドリスが今季初勝利。敗戦投手となった澤村はマウンドでへたりこみ、ダグアウトに戻ってもしばらく顔を伏せたまま動けず。ヒーローインタビューはサヨナラヒットの中谷。
◎ジャイアンツ12回戦……9-1
タイガースの先発は才木。1回表、坂本勇に左中間に二塁打を打たれるも、吉川尚の打席で牽制球で釣り出し、三盗失敗。吉川尚は空振り三振、岡本和はセンターフライと、3人で打ち取った。ジャイアンツの先発は野上。二塁打の糸井を置いて中谷がレフトスタンドに先制のツーランホームランを放つ。なおも大山のヒットとロサリオの内野安打などで1死一三塁と攻めたが、才木はスリーバントを失敗し、植田は三振で2点どまり。3回表、1死から大城にヒットを打たれるも野上のバントは小フライとなり、捕手長坂がダイビングキャッチでアウトに。坂本勇はショートゴロ併殺で難を逃れた。4回裏、先頭の中谷が歩くと、大山の左中間を破るタイムリー二塁打で1点を追加。5回裏は1死から糸原が歩き、福留のライト前ヒットで一三塁に。糸井のセンター犠牲フライでもう1点追加。野上は5回4失点で降板。ジャイアンツの二番手谷岡には6回裏は抑えられたが、7回裏には植田の四球と糸原のレフト前ヒットでチャンスを作る。福留の三振の間に重盗成功で1死二三塁に。糸井の打席で暴投。植田が生還すると、糸井はまたも犠牲フライで1点を追加した。才木は2回以降速球とカーブのコンビネーションよく6回無失点で交代。7回からは藤川が8回まで無失点で抑える。8回裏、三番手池田から大山と代打熊谷の連打でチャンスを作る。熊谷はプロ入り初安打。山崎が移籍後初安打となるレフト前タイムリーヒットで1点を加えると、1死後、植田のレフト前ヒットをゲレーロが弾いて熊谷が生還。2死後、糸原の犠牲フライで9点目をあげた。9回表はモレノが登板。ヒットの坂本勇が吉川尚の三塁ゴロで二進して1死二塁に。岡本和のタイムリーヒットで1点を返された。マギーと亀井の連打で満塁とされ、長野はレフトフライに。中谷が捕球したかと思われたが、落球。三塁審判は捕球せずと判定。中谷は三塁に送球しマギーが三封。二塁へ転送され、亀井は二封と併殺が成立し、試合終了。高橋監督は中谷の捕球を主張したが、タイガースナインはすでにファンにあいさつし、ダグアウトに引き上げてしまう。リクエスト申請はせず、そのまま判定通り。すきっとしない幕切れとなった。ヒーローインタビューはプロ入り初勝利の才木。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩貞祐太 プロ初勝利の才木もよかったけれど、ここは菅野と堂々と渡り合って虎の子の1点を守り抜いた岩貞に軍配を上げよう。この勝利があってこその3連勝、才木の初勝利を呼んだのだから。
野手……糸井嘉男 プロ入り初のサヨナラ打を放った中谷もよかったけれど、ここは今節絶好調の糸井で決まり。ホームランもさることながら、ここぞというところで犠牲フライをしっかり打つなどした点に4番の役割を果たしてくれる働きを見た。。
次節からいよいよ交流戦。まずは甲子園でホークス戦、そしてメットライフドームでライオンズ戦。いきなりパの上位チームとの対戦だが、植田がかき回し、糸井、福留で決めるという得点パターンは崩さず行こう。5連勝でチームは上げ潮。交流戦を制す者、ペナントを制す、だ。
(2018年5月21日記)