今節からセ・パ交流戦。まずは甲子園でホークスと3連戦。初戦はメッセンジャーが好投しながらも味方の援護がなく、ドリスが打たれて敗れる。2戦目は高橋遥がホークス打線に捕まり連敗。3戦目は秋山がホークス打線を抑えるもやはり味方の援護がなく3連敗。続くはメットライフドームでのライオンズ戦。初戦は岩貞が強力打線を抑えこむも打線が菊池の前に沈黙。2戦目は多和田を引きずり降ろし、糸井が満塁ホームランを放ち、谷川のプロ入り初勝利で大勝。しかし3戦目は榎田を攻めきれず、藤浪が途中から好投したが最後は崩れて大敗し、1勝2敗。今節は1勝4敗。今季通算24勝26敗で勝率は.480の3位。首位のカープとは5.0差。ホークスとの第1戦で鳥谷は最後までベンチを温め、連続試合出場記録は1939試合でストップ。交流戦でいきなりホークス、ライオンズと強豪に当たった不運もあったが、打線が苦しく、ついにロサリオは二軍降格。かわりに昇格した陽川が今季初ホームランを放つなど、収穫もあった。それにしてもなんでこんなに打たれんのか。片岡、平野亮打撃コーチの手腕が問われる。
◎ホークス1回戦……0-1
タイガースの先発はメッセンジャー。1回表、2死から中村晃にセンター前ヒットを打たれると、柳田には左中間に二塁打を打たれ、二三塁のピンチを招く。ここでデスパイネを見逃し三振に打ち取り、以降は安定した投球。ホークスはこれまで中継ぎで投げてきた岡本健が指の豆をつぶした千賀の代役で先発。1回裏、先頭の植田が歩き、糸原のレフト前ヒットで無死一二塁のチャンス。福留のセンターフライで植田が三進。糸井は空振り三振に取られたが、中谷の四球で満塁に。しかし大山がセンターフライに倒れて、岡本健もこの後は安定した投球に。3回裏、植田がライト線のヒットで二塁を狙うも上林の好返球で二塁憤死。ホークスが守りで岡本健を盛りたてる。4回裏は大山のレフト前ヒットとロサリオのセンター前のテキサスヒットで2死一三塁としたが、梅野はセンターフライで得点ならず。岡本健は4回無失点で役割を果たした。5回裏、二番手嘉弥真に対して2死から糸原が四球を選ぶも牽制で釣り出されてアウト。6回表、上林、今宮を連続三振に取ったが中村晃にレフト前ヒットを打たれた。柳田は三塁ゴロ。送球がそれ、ロサリオの足がベースから外れて判定はセーフ。しかし柳田がフェアグラウンドに残っているのを見たロサリオがタッチアウトを狙って追いかける。その間に三塁を狙った中村晃を見て二塁に送球し、狭殺プレイで中村晃をアウトに。ロサリオが走者をよく見ていて冷静にプレイしメッセンジャーを助ける。6回裏は二保に抑えられるが、7回裏、続投の二保に対して先頭の梅野がライト前ヒットで出ると、メッセンジャーが送り、植田の四球で1死一二塁に。ここでホークスはモイネロを投入。糸原はあわやホームランというファウルを放つも、三進。福留も空振り三振でまたもチャンスを逸した。8回裏、五番手加治屋に対し、1死から中谷がヒットで出るも、大山の三塁ゴロで二塁憤死。金本監督のリクエスト申請も判定は変わらず。それでもロサリオのレフト前ヒットで一二塁にチャンスを広げ、梅野の内野安打で満塁に。代打伊藤隼は空振り三振でここでも決め手を欠く。9回表、二番手ドリスがマウンドに。先頭の今宮を空振り三振に取るも、フォークがバウンドし、今宮は一塁に走る。梅野の一塁送球は今宮に当たってセーフに。中村晃のライト前ヒットでピンチに。ここで柳田は三遊間を抜くレフト前タイムリーヒットを放ち、ついに1点が入った。城所はバントの構えからヒッティングに切り替えて二塁へのフライに。川島のセンター前ヒットで1死満塁とされるが、松田宣の三塁ゴロで本塁封殺。代打福田は空振り三振と最少失点で切り抜けた。9回裏、ホークスの抑え、森に対し、四球の植田を糸原が送り、福留も歩いて1死一二塁と同点のチャンス。しかし糸井は三塁へのファウルフライに倒れ、中谷は空振り三振で試合終了。鳥谷の出番はなく、連続試合出場は1939試合でストップした。
◎ホークス2回戦……3-6
ホークスの先発は石川。1回裏、先頭の植田が歩き、糸原の打席で二盗。糸原の二塁ゴロで三進。福留がセンターへの犠牲フライで1点先取した。2回裏、大山と梅野のヒットで1死一二塁とするも、高橋遥のバントはキャッチャー前に転がり三封。植田はライトフライでチャンスを生かせない。3回裏、2死から糸井がレフト前ヒットで出てすかさず二盗。中谷の投手強襲ヒットで一三塁に。大山の打席で石川が暴投し、糸井が生還。労せずして2点差とした。しかし、タイガースの先発高橋遥は4回表につかまる。先頭のデスパイネの三塁ゴロは大山の悪送球でセーフに。1死後、上林と甲斐の連打で満塁とされ、石川は三振に取り2死としたものの川島を歩かせて押し出しで1点差とされると、今宮のレフト前2点タイムリーヒットで逆転された。5回裏、先頭の植田がまたも四球で出、糸原とのヒットエンドランはショートゴロとなり、1死二塁に。福留のセンター返しの当たりは今宮に好捕されショートゴロとなり、その間に植田は三進。糸井の打席で石川はまたも暴投。同点に追いついた。石川は5回3失点で降板。6回表、1死から代打塚田にセンターバックスクリーンに飛びこむソロホームランを打たれると、四球の川島を置いて今宮にこれもバックスクリーンに入るツーランホームランを打たれ、3点差に。ここで高橋遥は降板。二番手尾仲は中村晃の二塁打とデスパイネへの四球などで2死一二塁とされたが、松田宣を二塁ゴロに打ち取り、追加点は許さず。尾仲は7回は上林、甲斐、塚田を三者三振に取る好投。ホークスは二番手のベテラン寺原が6回裏を抑える。7回裏、代打板山のセンター前ヒットでチャンスを作るが、植田は三進。ここで三番手嘉弥真が登板。糸原も福留も変則左腕の前に手も足も出ず。8回表は岡本が無失点で切り抜けると、8回裏は加治屋に抑えられる。9回表、モレノが登板。2死から西田にヒットを打たれ、上林の打席で二盗を許す。上林は申告敬遠。甲斐の打席で重盗を決められて二三塁とされるも、甲斐を三振に取って味方の反撃を待つ。9回裏、抑えの森から伊藤隼と代打鳥谷の連打で1死一二塁と攻めるが、植田のショートゴロで二封。最後は糸原が空振り三振で反撃もそこまで。痛い連敗を喫した。
◎ホークス3回戦……2-5
タイガース秋山、ホークス中田の投手戦。3回までは両者ともすきのない投球。4回表、先頭の今宮にレフト前ヒットを打たれ、中村晃の打席で暴投。中村晃には四球で無死一二塁に。柳田のショートゴロは強い当たりで植田は弾いたがなんとか二封し、1死一三塁に。デスパイネの左中間を破るタイムリー二塁打で1点を失ったが、本塁を突いた柳田は中継プレイが決まり憤死。2死二塁から松田宣はセンターフライで最初あ失点にとどめた。直後の4回裏、先頭の植田が二塁へ内野安打。糸原の一塁ゴロで二進。福留の二塁ゴロで三進と同点のチャンス。しかし、糸井は二塁へのフライに倒れ、同点機を逸した。以後、7回まで両投手は走者を出しても動じず緊迫した試合展開に。先に動いたのはタイガース。8回表、好投の秋山にかえて岩崎を出すが、これが裏目に。1死から今宮を歩かせ、中村晃のライトへの大きなフライを糸井が目測を誤って追うも届かず、タイムリー三塁打に。柳田を歩かせ代打川島の打席で二盗を許し、川島も歩かせて満塁に。ここで岩崎は降板。三番手の岡本は松田宣を歩かせて押し出しでさらに1点を献上。西田の三塁ライナーで走者が飛び出し、大山は三塁にベースタッチに行くがわずかに遅くセーフ。甲斐のレフト前2点タイムリーヒットでこの回4点を失った。8回裏、1死からロサリオ、代打鳥谷が歩いて一二塁に。代打伊藤隼の打席で暴投。二三塁から伊藤隼も四球で満塁に。代打板山のセンターへの犠牲フライで1点を返すと、糸原も四球でまたも満塁に。中田にかわり加治屋がマウンドに。ここで福留がレフト前に久々のタイムリーヒットを放ち2点目を奪う。なおも満塁のチャンスは続いたが、糸井は三塁ゴロで一気の逆転はならず。9回表はモレノが三者凡退で抑え、味方の反撃を待つ。9回裏、抑えの森が登板。2死からロサリオのセンター前ヒットと鳥谷のライト前ヒットで一二塁とし、伊藤隼は四球で2死満塁に。一発逆転のチャンスとなったが、原口はレフトフライで試合終了。秋山の早めの交代で流れが変わってしまった。
◎ライオンズ1回戦……0-2
ライオンズの先発は故障から復帰して不安の残る菊池。1回表、先頭の植田がセンター前ヒットで出ると、北條の打席ですかさず二盗。北條が歩き、一二塁に。しかし大山はレフトフライに倒れ、原口はショートゴロ併殺で先制のチャンスを逸した。タイガースの先発は岩貞。先頭の秋山翔にレフトポール際に飛びこむ先頭打者ホームランを打たれてしまう。2回表、先頭の糸井が二塁内野安打で出ると、中谷の打席で菊池が一塁へ牽制悪送球。糸井は二進。中谷は三振。ロサリオの打席で菊池が暴投し、糸井は三進。ロサリオも三振で2死となり、江越も空振り三振で同点はならず。3回裏、1死から秋山翔のセンター前ヒットと源田への四球で一二塁とされ、2死後、山川にレフト前にタイムリーヒットを打たれて2点差とされる。菊池は回を追うごとに調子をあげてきたが、5回表、先頭の中谷がライトスタンドにあと少しで入るかという三塁打を放ったが、ロサリオと江越が連続三振。梅野は四球を選んだが、植田も三振。本塁が遠い。岩貞も4回以降は危なげない投球でライオンズの山賊打線を封じる。7回裏、1死から中村を歩かせ、炭谷のバントで二進。金子侑のレフト前ヒットで一三塁とされ、金子侑の二盗を許したが、秋山翔は三振で追加点を与えない。菊池は6回無失点で降板。7回表は野田と平井の継投に抑えられ、8回表、ワグナーにも抑えられる。8回裏、岩貞は先頭の源田にヒットを許すも牽制球で釣り出し二塁タッチアウト。後続を断って完投。9回表、増田に対して大山は内野安打と暴投で二塁へ。しかし原口と糸井が平凡なフライに封じられると、中谷の三塁ゴロは球の勢いが死んで中村はどこにも投げられず2死一二塁に。代打福留は外角いっぱいを見逃し三振で完封負け。またも好投の先発投手を見殺しにしてしまった。
◎ライオンズ2回戦……10-5
ライオンズの先発は多和田。1回表1死から糸原がライトの頭を超える二塁打を放つ。福留のセンター前ヒットで一三塁とし、糸井のライト前タイムリーヒットで先制した。タイガースの先発小野は変化球が決まらない投球。2回裏、1死から外崎に右中間への二塁打を打たれると、メヒアの打席で三盗を許す。2死後、森を歩かせ二盗を許すが、金子侑を三塁ゴロに打ち取ってなんとか無失点で切り抜ける。しかし3回裏、ヒットの源田を置いて山川に逆転ツーランホームランを打たれてしまう。4回裏、先頭の外崎を歩かせると、1死後、森の打席で暴投し外崎は二進。森を歩かせ一二塁に金子侑を歩かせ満塁とされ、秋山翔にライト線へ2点タイムリー二塁打を打たれた。5回表、やっと多和田をつかまえる。2死から二塁打の糸原を置いて福留がセンター前にタイムリーヒットを放った。糸井、中谷と歩いて満塁としたが、代打伊藤隼はレフトフライに倒れ、同点機を逸した。5回裏、小野は二番手谷川に交代。山川のヒット、栗山への四球、外崎のバントで1死二三塁とされたが、メヒアを三振に取ると、森は申告敬遠で満塁に。金子侑の二塁ゴロは間一髪アウト。辻監督のリクエスト申請も判定はアウト。なんとか無失点で切り抜ける。6回表、ついに多和田をつかまえた。1死から大山と梅野の連打で一二塁とし、2死後、多和田は降板。二番手は左腕の野田。糸原はライトへタイムリーヒットを放ち、2点差に。福留が歩いて満塁とすると、糸井の逆転満塁ホームランがライトスタンドに突き刺さる。なおも中谷、代打山崎の連続四球で野田は降板。三番手の松本も鳥谷に四球でまたも満塁に。しかしここは大山の見送り三振で2度目の満塁は生かせなかった。6回裏は岩崎が好投。7回表は二塁打の梅野、四球の糸原と出塁。松本は降板。二番手小石からは福留が四球で満塁にし、糸井のレフト犠牲フライで1点を追加。7回裏、続投の岩崎は山川にソロホームランを打たれたが、後続を断ち3点差にとどめた。8回表は小石に抑えられ、8回裏は藤川が貫録の投球。9回表、武隈に対し、1死から福留がライトフェンス直撃の二塁打を放つと、代走に江越。糸井のセンターフライで三進。中谷が歩き、山崎のレフト線へのタイムリー二塁打で1点を追加。さらに二三塁から鳥谷のライト前へのタイムリーヒットで久々の10点目を記録した。9回裏、桑原が四球と植田のエラー、メヒアへの死球で2死満塁とされたが守りを一塁ゴロに打ち取り試合終了。今季交流戦初勝利をあげた。谷川がプロ入り初勝利。ヒーローインタビューは満塁弾などで6打点と大暴れの糸井。
◎ライオンズ3回戦……5-10
タイガースの先発は久々の一軍となった藤浪。1回裏、先頭の秋山翔にセンター前ヒットを打たれると、源田のショートゴロは植田がバウンドを合わせそこねて大きく後ろにそらし無死一三塁に。浅村は見逃し三振に取ったが、山川の打席で源田が二盗、梅野は二塁に投げるもセーフ。その間に浅村が本塁を突き、重盗で1点を先制された。山川は三塁ファウルフライに打ち取ったが、メヒアにセンターの頭を越すタイムリー二塁打を打たれて2点目を失った。ライオンズの先発はタイガースから移籍した榎田。3回表、鳥谷の死球、梅野のショートゴロを源田が後逸して1死一三塁と同じように攻め立てる。しかし植田は二塁ゴロ併殺。すぐに北條に交代させられてしまった。4回表、糸原と糸井のヒットで1死一二塁とするも中谷と陽川は凡退。榎田の前に本塁が遠い。5回表は鳥谷の死球と大山のライト前ヒットでチャンスを作るが、梅野のバントは榎田が三塁へ送り、一度はセーフの判定。しかし辻監督のリクエスト申請の結果、判定はアウトに。北條、糸原が凡退でまたもチャンスを生かせない。4回まではライオンズ打線を黙らせる投球をした藤浪だったが、5回裏、1死から金子侑がライト前ヒット。秋山翔の打席で藤浪が牽制悪送球、金子侑は二進。秋山翔のライト前ヒットは、糸井が弾いて送球が遅れ、その間に秋山翔が生還。源田の打席で秋山翔が二盗。源田のレフトフライで三進。浅村のセンター前タイムリーヒットで4点差とされた。6回表、福留と糸井が歩き、中谷のレフトフェンス直撃のタイムリー二塁打で1点を返す。陽川がライト前2点タイムリーヒットで続き、1点差に迫った。6回裏、1死から外崎のレフト線への二塁打、斉藤彰、森への死球で満塁とされたところで藤浪は降板。二番手岩崎の初球のチェンジアップを金子侑にうまくセンター前にもっていかれ、2点を失う。秋山翔には四球でまたも満塁に。源田は二塁ゴロ本封で2死をとり、モレノに交代。しかしモレノは浅村に押し出しの四球、山川にレフト線に走者一掃のタイムリー二塁打を打たれて一挙6失点となった。榎田は7回3失点で降板。タイガースは7回裏から尾仲が好投した。8回表、二番手平井から四球の糸井を置いて陽川がレフトスタンドにツーランホームランを放つ。しかし反撃はそこまで。9回表、武隈の前に三者凡退で試合終了。
愛すれどTigers週間MVP
投手……ランディ・メッセンジャー 今季最高の投球といってもよかった。続投で完投させてもよかった。それでもドリスにかけたのは仕方ないか。DH生の使えるパ・リーグ主催試合なら続投もあっただろうが、甲子園の試合というのが裏目に出た。秋山、岩貞と今節は3人の好投を打線が見殺しにしてしまった。
野手……糸井嘉男 本当なら該当者なしといきたいところだが、ライオンズ戦の産まれて初めてというグランドスラム1発でMVPとしたい。ロサリオに代わり4番に座った、その値打ちを示したといえる。
次節は甲子園で6連戦。まずはバファローズ戦。ジャイアンツに連勝して意気上がる打線をメッセンジャー、秋山がいかに抑えるか。続いてはマリーンズ戦。投手陣の頭数がそろっていない相手だけに、打線の奮起が待たれる。能見をリリーフ要員として昇格させたが、いくら唯一の左腕リリーフとはいえ岩崎の使い方は気の毒としかいいようがないので、能見にかかる期待は大きい。鳥谷が記録が途切れてから何か吹っ切れたように好打を見せ始めたのも好材料。今節の負けをここで取り戻してもらいたいところだ。
(2018年6月4日記)