愛すれどTigers


リーグ戦再開でいきなりカープに3連敗

 雨天中止の代替となった交流戦第4節は。甲子園球場でマリーンズ戦。メッセンジャーが先制を許し、石川のシンカーに手を焼いて打線も振るわず負け越し。バファローズ戦目は接戦で迎えた9回裏に糸井の同点ホームランで追いついたが、そのまま引き分け。1敗1分で終わり、交流戦は6勝11敗1分で11位に終わり、セ・リーグのチームでは最下位。リーグ戦再開の甲子園球場でのカープ戦は3連敗。初戦は大瀬良を打ち崩せず。2戦目は岩貞が好投するもリリーフの若手投手陣が崩れる。3戦目は5点差を追いついたが9回にドリスが鈴木に満塁ホームランを打たれ大敗。今節は4敗1分。今季通算29勝35敗1分で勝率は.453の6位。首位のカープとは7.5差。それでも中谷、陽川、北條ら若手の打撃が上昇してきたので、まったく絶望的な状況ではない。課題は先制点をとられる先発陣と、ほころびの見えてきたリリーフ陣か。ロサリオが二軍で調子をあげてきたというから、そろそろ一軍に上げるなどしてみてはどうか。

◎マリーンズ3回戦……1-3
 タイガースの先発はメッセンジャー。初回、立ち上がりを攻められる。先頭の荻野貴を歩かせて、藤岡裕のバントで二進。中村に右中間を破られるタイムリー二塁打で先制される。さらに角中に右中間へタイムリー二塁打を打たれ、2点を先行されてしまった。2回表には1死から田村にライト前ヒットを打たれ、石川のバントで二進。荻野貴にレフト前にタイムリーヒットを打たれて3点差とされる。マリーンズの先発石川は交流戦では防御率0点台。この3点は重かった。3回裏、先頭の高山が左中間に二塁打を放つ。さらに梅野がレフト前に運んで無死一三塁に。メッセンジャーのバントで二三塁としたが、糸原は一塁ゴロ。本塁へつっこむ高山を見て一塁平沢が本塁へ送球。三本間の狭殺プレイとなり、高山は三塁に帰塁するも梅野はタッチアウト。糸原はその間に二塁へ。植田は一塁ゴロで得点機を逸した。4回裏、1死から糸井がレフト前ヒットを放つと、2死後、鳥谷の打席で糸井が二盗。鳥谷は歩き、高山がバットコントロールよく外角球をライト前にタイムリーヒット。なんとか1点を返した。6回表、1死から角中にヒットを打たれるも清田のレフトへの打球を福留がランニングキャッチし、飛び出していた角中は帰塁できず一塁アウト。メッセンジャーは7回3失点で降板。マリーンズは5回限りで石川を交代させ、6回から継投。南、大谷、益田がそれぞれ1回ずつ投げる。タイガース打線はそれぞれから先頭打者が出塁するも後続をことごとく断たれて得点できず。タイガースは8回表を伊藤和が抑え、9回表は岩崎が登板。ヒットの角中の代走岡田を清田が送り、鈴木のセンター前ヒットで一三塁とされ、鈴木の代走三木の二盗で二三塁に。しかし平沢を浅いセンターフライに捕ると、田村は投手ゴロでなんとか踏ん張った。9回裏、内の前に三者凡退で試合終了。中継ぎから先頭打者が出塁しながらそれを生かせなかったのが大きかった。
◎バファローズ3回戦……3-3
 タイガースの先発はドラフト1位ルーキーの馬場。プロ入り初登板が初先発。2回表、1死からロメロにレフトスタンドにソロホームランを打たれ先制されるも、その後は持ち前のコントロールを生かし、バファローズ打線を寄せつけない。4回表、先頭の吉田正にライト前ヒットを打たれ、続くロメロのショートゴロは熊谷が二塁送球。高めにそれた球を糸原が好捕してベースタッチし、アウトに。福良監督のリクエスト申請も判定は覆らず。T-岡田の打席で岡崎が捕逸し、1死二塁に。しかしT-岡田は空振り三振。大城はショートへ叩きつけるようなゴロで内野安打。その間にロメロが一気にホームを突くもタッチアウトで追加点を許さない。バファローズの先発は山崎福。5回までノーヒットピッチング。なかなか速球にタイミングが合わない。6回裏、代打山崎憲がセンター前ヒットで出ると、糸原のバントで二進。熊谷の一塁ゴロはT-岡田が後逸し、1死一三塁に。福留はフルカウントからハーフスイングを空振りに取られ三振。熊谷が二盗するも捕手山崎勝の送球にアウトの判定。金本監督がリクエスト申請すると、判定は覆り二盗成功。2死二三塁となり山崎福は降板。二番手黒木に対し、糸井がライト前に逆転の2点タイムリーヒットを放つ。馬場は6回1失点で初勝利の権利を残して交代。7回表は能見が締め、7回裏は近藤に抑えられる。8回表、続投の能見は先頭の代打西野にライト前ヒットを打たれ、宗のバントで二進を許す。ここで三番手桑原を投入。代打小谷野の打席で岡崎が捕逸して西野は三進。小谷野のセンター前に落ちるタイムリーヒットで同点に追いつかれた。安達のバントで小谷野は二進。吉田正のライトの頭を超えるタイムリー三塁打で逆転されてしまった。吉田正は三塁ベースを蹴ったところで足をくじいて退場。代走には武田。ここで桑原は踏ん張ってロメロをライトフライに打ち取り、追加点は防いだ。8回裏は山本由に抑えられ、9回表は伊藤和が走者を出すも無失点で踏ん張る。9回裏、クローザーの増井から糸井が起死回生の同点ソロホームランを左中間スタンドに放りこみ、試合は延長戦に。バファローズは10回裏吉田一が登板。1死から山崎憲の投手強襲安打でサヨナラの走者を出す。2死後、植田も投手強襲安打。しかし山崎憲が二塁から三塁をうかがうと狭殺プレイとなり、タッチアウトでチェンジに。11回裏は澤田がタイガース打線を抑え、タイガースも10回表と11回表は藤川が、12回表は岩崎が抑えてサヨナラのチャンスをうかがう。12回裏、比嘉から陽川が二塁へ詰まった当たりの内野安打で出塁し、岡崎のバントで二進。しかし山崎憲が空振り三振で試合終了。4時間を超える投手戦は引き分けに終わった。
◎カープ9回戦……3-5
 カープの先発は大瀬良。低めにコントロール球を集め、タイガース打線は打ちあぐねる。3回裏、2死から秋山がライト前に、糸原がセンター前にヒットを続けてチャンスを作るも、北條は二塁ゴロで先制できず。タイガースの先発は秋山。球が高めに浮く場面もあったが、そのボール球にカープ打線が手を出してくれたこともあり、3回までは無失点。しかし4回表、丸にライトスタンドら先制のソロホームランを打たれてしまう。それでも4回以降は立ち直りを見せたが、6回表につかまる。1死から田中を歩かせ、菊池にレフトの頭を超えるタイムリー二塁打を打たれる。丸の二塁ゴロで三進。鈴木にはレフトにタイムリーヒットを打たれて3点差とされた。秋山はこの回限りで降板。7回表は二番手尾仲。先頭の野間、続く西川に連続でセンター前ヒットを打たれ、會澤のセンターフライで野間は三進。大瀬良はバントをたてつづけにファウルにしてから三振。しかし田中にセンター前にタイムリーヒットを打たれる。大瀬良は7回無失点で交代。8回表、三番手は今季初登板の福永。1死から鈴木にセンター前ヒットを打たれると、松山の左中間越えのタイムリー二塁打で5点差とされる。8回裏、カープの二番手はジャクソン。1死から代打原口のセンター前ヒット、2死後に糸原の今季初となるライトスタンドにライナーで突き刺さるツーランホームランで一矢報いると、北條と福留が連続四球で2死一二塁とする。ジャクソンは降板し、三番手は今村。糸井が左中間を破るタイムリー二塁打を放つ。なおも二三塁と一打同点のチャンスだったが、カープは中崎を投入。伊藤隼はファウルで粘るもショートフライで惜しくも同点機を逸した。9回表、四番手伊藤和が先頭の會澤を歩かせ、代走に上本崇。下水流のバントで二進。ここで五番手岩崎に交代。田中はレフトフライに打ち取り、菊池を申告敬遠して塁を埋め、丸を二塁ゴロに打ち取る。9回裏、中崎に対して陽川がセンター前ヒットを放つも、後続を断たれ、あと一歩及ばず。
◎カープ10回戦……3-11
 雨天のため試合開始は1時間13分遅れた。タイガースの先発岩貞はその影響もあってか自分のリズムを作れないまま1回表に打たれる。四球の田中を塁に起き、丸にライトスタンドに先制のツーランホームランを打たれた。さらに鈴木のヒットとバティスタへの四球で1死一二塁に。野間の二塁ゴロは二封のみで一三塁に。しかしここで岩貞はよく踏ん張り、會澤を歩かせて満塁にしてから西川をショートゴロに打ち取り、大量失点を防いだ。カープの先発は故障から復帰の野村。1回裏、先頭の糸原が四球で出るも、内外角を突く投球で北條と中谷は連続空振り三振。糸井はレフトフライで試合の流れを持っていかれた。岩貞は2回表に立ち直る。野村、田中、菊池を三者三振に取り、リズムを取り戻した。3回まで野村の前にノーヒットだったが、4回裏、先頭の北條の投手への鈍いゴロは野村が捕りそこねて、記録はヒット。しかし中谷は併殺。糸井がヒットを打つも伊藤隼は一二塁間の当たりをバティスタに好捕されて一塁ゴロと、ちぐはぐな攻め。5回表、またも丸にライトスタンドにソロホームランを打たれてしまう。5回裏、陽川の二塁打と梅野の四球で1死一二塁とするも、代打高山は二塁ゴロ併殺。ここで1点返せなかったのが大きかった。岩貞は5回3失点で降板。二番手は守屋。内野安打のバティスタと四球の野間を會澤に送られ、西川にライトスタンドにスリーランホームランを打たれる。6回裏、北條のヒットで2死一塁としたところで野村は無失点ながら交代。二番手飯田の前に糸井は二塁ゴロ。7回表は尾仲が走者を出しながらも無失点で切り抜ける。7回裏、三番手アドゥワに対し、伊藤隼と鳥谷の四球でチャンスを作り、陽川のタイムリー二塁打で1点を返す。ここで四番手にベテラン永川。1死後、代打原口の2点タイムリーで3点差に。8回表、四番手能見が登板。1死から田中への四球、菊池のライト前ヒット、丸への四球で満塁とされ、鈴木の犠牲フライで1点を返される。8回裏はジャクソンに抑えられ、9回表、五番手福永がマウンドに。1死から西川を歩かせ、下水流にレフトスタンドにツーランホームランを打たれ、試合は決した。2死後、菊池のセンター前ヒット、丸への四球で走者をため、代打松山にセンターのフェンスに届く大きな当たりを打たれる。伊藤隼がよく追いついたが捕球し切れず2点タイムリー二塁打に。大差がついたが、9回裏はカープは今村を投入して締めた。守屋、福永ら一軍定着のチャンスをもらった若手が炎上したのが大きかった。
◎カープ11回戦……6-11
 タイガースの先発は小野。1回表、先頭の田中にライト線へ三塁打を打たれ、菊池のセンターへの犠牲フライで1点先制される。しかしその後は立ち直り、5回表までカープ打線を抑える。カープの先発は岡田。ストライクを先行され、速球を打ち返せない。しかし4回裏、福留がライトポール直撃のソロホームランで同点に追いついた。6回表、先頭の田中を歩かせ、菊池のバントで二進。丸を歩かせ、鈴木のレフト前タイムリーヒットでリードを許す。一二塁で松山を迎え、小野は降板。二番手は岩崎。レフト線へタイムリー二塁打を打たれると、野間には左中間を破られる2点タイムリー三塁打、會澤にはライトへ犠牲フライを打たれてこの回5点を失った。それでも直後の6回裏、先頭の福留が歩き、1死後、陽川の打席で暴投、福留は二進。陽川は四球で一二塁に。高山は浅いセンターフライに倒れたが、鳥谷の打席で岡田は降板。二番手は左腕飯田。鳥谷はレフト前ヒットで満塁に。ここで代打は原口。カープは三番手永川をマウンドに。原口はセンター前に落ちる2点タイムリーヒットを放ち、3点差に詰め寄る。続く代打伊藤隼はセンターフライに倒れたが、7回表は藤川がきっちりと抑える。7回裏、四番手今村に対し、糸原、福留、糸井の四球で1死満塁とし、陽川のライト前タイムリーヒットで2点差に。ここで今村はアドゥワと交代。代打中谷はレフト前に2点タイムリーヒットを放ち、同点に追いつく。一気にリードを広げたいところだったが、鳥谷は二塁ゴロ併殺で逆転はならず。8回表は桑原が抑える。8回裏、続投のアドゥワに対し、先頭の原口がライト前ヒットを放ち代走に梅野。代打植田のバントで二進。糸原の四球と北條のレフト前ヒットで満塁としたが、福留は三塁へのファウルフライ、糸井は投手ゴロで絶好のチャンスを逸した。9回表、ドリスがつかまる。先頭の西川のレフト前ヒットは好走塁で二塁打とされ、代打堂林のバントはドリスが一塁へ悪送球。西川が生還してリードを許す。田中のバントと暴投で堂林は三進。菊池は四球と盗塁。丸を申告敬遠し、満塁で鈴木にレフトポール際に飛びこむ満塁ホームランを打たれてしまった。ドリスはノックアウトされ、能見が登板。ここで冷静にカープ打線を抑えて勢いを止めたのはさすが。9回裏は中崎の前に三者凡退。今季もまた交流戦明けのカープ戦で3連敗を喫してしまった。

愛すれどTigers週間MVP
投手……藤川球児
 どのような場面で登板しても、ただ一人崩れることなく流れをこちらにもってくる投球をしている。速球も往年の火の玉ストレートとまではいかなくとも、かなり切れを取り戻した。貴重な戦力として存在感を示している。さすがやなあ。
野手……陽川尚将
 強引に振り回す打撃から、状況に応じて右方向にヒットを打つなど柔軟性が出てきた。打率も3割りをキープし、5番打者としてもしっかりと打点を稼いでいる。ロサリオやナバーロが昇格しても、中軸としてスタメンで使い続けてほしいものだ。

 次節は関東遠征。まずは横浜スタジアムでのベイスターズ戦。分の良い相手だけに、カープ戦での連敗をここで挽回できればまだ望みをつなぐことができる。そして神宮球場のスワローズ戦。交流戦1位で調子をあげてきているだけに、5月までのような試合はできないかもしれないけれど、相手の弱点を知り尽くしているだけに交流戦の勢いだけでは続かないところを見せてほしい。まずは監督が打順をいじり過ぎないこと。ちょっと打てないとすぐに先発から外す悪癖が出ている。投手交代も含め、もっとどしっと構えていてほしいものです。

(2018年6月25日記)


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