甲子園球場で6連戦のあと休みなしでマツダスタジアムに移動して9連戦という過密日程の予定だったが、西日本を襲った記録的大豪雨のため、甲子園は23年ぶりに3試合連続中止に。さらに広島県全域が水害に襲われたために、マツダスタジアムの3連戦も中止と決定した。これがシーズン終盤に組みこまれ、さらなる過密スケジュールになる模様。その時点でタイガースは優勝争いに残ってくれていればいいのだけれど。まずはドラゴンズ戦。初戦はメッセンジャーが10失点という予想外の大乱調で大敗。それでも打線は活発で5点差まで追い上げた。2戦目は藤浪が4失点で降板したあと、梅野のホームランなどで流れを変えて逆転勝利。このカードは1勝1敗。3日間の中止のあとの続くベイスターズ戦は、岩貞がエラーがらみの1失点の好投を見せるも雨中止で元に戻った打線が走者を毎回のように出しながらあと1点が遠く、完封リレーで敗れて0勝1敗。今節は1勝2敗。今季通算35勝38敗1分で勝率は.479。現時点で4位だが、オールスターまでの他チームの勝敗で順位の変動はあろう。ただし首位のカープとは7.0差。まさかこの状態で前半戦が終わるとは。
◎ドラゴンズ12回戦……5-10
タイガースの先発メッセンジャーが不調。1回表2死を簡単に取ったが、平田に右中間に二塁打を打たれると、ビシエドのピッチャー返しの打球をグラブの先端に当てて内野安打に。一三塁とされアルモンテにはユニフォームをかする死球で満塁に。高橋周にライト前2点タイムリーヒットを打たれて先制される。さらに一三塁から福田にライト線に2点二塁打を打たれ、いきなり4失点。ドラゴンズの先発は小笠原。1死から熊谷が歩き、福留のライト前ヒットで熊谷は三進。福留はNPB通算3000塁打の記録を達成した。続く陽川がレフト前にタイムリーヒットを放ち、まずは1点を返す。3回表、平田とビシエドの連打で無死一二塁とされるがアルモンテは二塁併殺打。三塁に走者を残すも高橋周を投手ゴロに打ち取って追加点を許さず。4回裏、2死から梅野が左中間を破る二塁打で出ると、メッセンジャーが歩き、糸原がレフト線へタイムリー二塁打でさらに1点を返した。メッセンジャーは徐々に調子をあげていたが、5回表、2者三振のあとビシエドに右中間に二塁打を打たれると、アルモンテのショートゴロは熊谷が後ろにそらし、バックアップの北條がバックホームするもセーフ。二塁を狙ったアルモンテは梅野が好送球で刺す。この1点が流れをドラゴンズに呼びこんだ。6回表、1死から福田のセンター前ヒットと松井雅のバントが内野安打となり一二塁に。小笠原はスリーバント失敗で2死となったが、大島を歩かせて満塁とされ、京田にライト前2点タイムリーヒットを打たれる。平田の三遊間の当たりは熊谷が好捕するも内野安打となりさらに1点を追加され、ここでメッセンジャーは降板。二番手のマテオもビシエドに左中間に2点タイムリー二塁打を打たれ、10失点となった。6回裏、俊介がセンター前ヒットで出、2死後代打大山が歩いて一二塁に。糸原の二塁ゴロは高橋周が一塁送球をそらし、俊介が生還して1点を返す。代打に中谷が出たところで小笠原は降板。二番手佐藤にショートゴロに打ち取られ、この回も1点どまり。7回表は三番手高橋聡が登板。1死から福田に四球。松井雅のバントは大山が一塁に送球するも糸原のベースカバーが遅れて悪送球となり二三塁に。代打荒木雅はショートゴロ。北條が本塁に返球し、福田は三本間に狭殺。その間に荒木雅は二進。大島をショートフライに打ち取り、無失点で切り抜けた。7回裏は岩瀬に抑えられ、8回表のマウンドは今季初登板の望月。平田、ビシエドを連続三振に取る小気味よい投球。8回裏、又吉が登板。北條と原口の連打でチャンスを作るも後続を断たれて反撃ならず。9回表、望月は、工藤、代打モヤ、福田を三者空振り三振とこれまた気持ちよい投球。9回裏、新人の清水が登板。先頭の伊藤隼がセンター前ヒットで出ると、福留が歩き代走は山崎。陽川のショートゴロは三封。ナバーロのレフト前ヒットで満塁とし、代打鳥谷のセンターへの犠牲フライで1点を返す。さらに北條がセンター前にタイムリーヒット。5点差まできたが、原口は三振で試合終了。メッセンジャーのノックアウトが大きな誤算となった。
◎ドラゴンズ13回戦……6-5
タイガースの先発は藤浪。2回表、先頭のビシエドを歩かせ、アルモンテの二遊間の当たりを北條が好捕して一塁はアウトになったがビシエドは二進。2死後、福田を歩かせ、松井雅のセンター前ヒットは中谷が本塁へ送球。ビシエドはホームを狙うも憤死と思われたが、森監督のリクエスト申請で判定は覆り、ホームインが認められた。コリジョンルールで走路をあけてタッチしたのでタイミングが遅れてしまった。続く大野は見逃し三振で嫌な空気は断ちきる。3回表、2死から平田を歩かせ、ビシエドの三遊間の当たりは北條が飛びつくも捕れずレフト前ヒットで一三塁に。アルモンテのピッチャー返しは野手の間を抜けてセンター前タイムリーヒットに。アルモンテの二盗で二三塁とされ、高橋周にレフトの頭を越す2点タイムリー二塁打を打たれて4点差とされた。ドラゴンズの先発は大野雄。コントロールよく攻められ、なかなかチャンスを作れない。3回裏2死から糸原が歩き、北條のレフト前ヒットでチャンスを作るも福留は二塁ゴロ。4回裏、1死からナバーロが左中間を破る二塁打を放つと、2死から大山が歩き、梅野が左中間スタンドにスリーランホームランを放ち1点差と迫った。藤浪は立ち直ったかに見えたが、6回表、1死から福田を歩かせ松井雅の打席で藤浪が牽制悪送球で福田は二進。松井雅にも四球で一二塁とされ、藤浪は降板。二番手は能見。大野雄のバントで二三塁とされるも大島をショートフライに打ち取り無失点で切り抜けた。6回裏、陽川がレフトオーバーの二塁打を放つと、アルモンテが打球処理にもたつく間に三進。ナバーロはレフトへヒット性のライナー。アルモンテが飛びついて捕るが返球できる体勢になく、犠牲フライとなり陽川が生還して同点に追いついた。さらに中谷の二塁打で大野雄は降板。二番手佐藤の前に大山、梅野が連続空振り三振で勝ち越しはならず。7回表は藤川が抑え、7回裏、代打鳥谷が歩き代走は熊谷。糸原のバントで二進。しかし後続を断たれてまたも勝ち越しのチャンスを逸した。8回表は桑原がナバーロの不慣れなレフト守備でレフトオーバーの二塁打を打たれるが、無失点で切り抜ける。8回裏、三番手祖父江が登板。1死からナバーロがレフト前ヒットを放つと、代走は俊介。中谷は三振に倒れるが、大山の打席で俊介が二盗。大山はライト線へ勝ち越しの三塁打を放つ。さらに梅野の鈍い当たりの二塁ゴロが内野安打となり、大山が生還して2点差とする。9回表、クローザーのドリスがマウンドに。先頭の亀澤にレフト前ヒットを打たれると、大島は二塁ゴロで二封。代打藤井の一塁ゴロは陽川が球をこぼしてエラーで出塁を許す。さらに平田のセンター前ヒットで満塁とされる。ビシエドの一塁ゴロの間に大島が生還して1点差に詰め寄られるが、アルモンテを空振り三振に取って辛くも逃げ切った。桑原が2勝目。ヒーローインタビューは流れを変えるホームランとダメ押しの内野安打で4打点の梅野と同点犠飛のナバーロ、勝ち越し三塁打の大山。
◎ベイスターズ11回戦……0-1
タイガースの先発は危険球退場以来の岩貞。1回表、桑原将にセカンドの後ろに落ちるテキサスヒットを打たれ、神里のバントで二進を許す。宮崎はセンターフライに退けたが、筒香を歩かせてしまう。しかしここはソトを空振り三振に取ってピンチを脱した。ベイスターズの先発は今季初先発の井納。2回裏、1死から中谷が一塁ソトの前でイレギュラーバウンドする幸運なライト前ヒットを放つ。鳥谷の二塁ゴロで二進。梅野は四球で一二塁とするも、岩貞が三振でチャンスを生かせない。3回表、1死から桑原将に右中間を破る二塁打を打たれたが、神里は三振に取る。宮崎のショートゴロは北條が後ろに弾いて桑原将は生還。エラーで先制された。さらに筒香のヒットとソトへの四球で満塁とされたが、柴田はレフトフライに打ち取り最少失点で切り抜けた。5回裏、四球の鳥谷を梅野が送り、代打原口。ここはショートゴロで鳥谷は三進。糸原はヒット性のレフトライナーを放つも筒香の正面でアウト。同点機をまたも逸した。6回表、二番手の能見は筒香にセンター返しの打球を打たれるも北條が好捕して一塁アウト。ラミレス監督のリクエスト申請も判定は覆らず。失策の分を取り返そうという気概あるプレイが見られた。その北條は直後の6回裏、先頭でレフト前ヒットを放ち、代走は植田。福留三振の間に植田は二盗。またもラミレス監督はリクエスト申請をするがこちらも覆らず。陽川はレフトフライに倒れ、ナバーロは四球。ここで井納は降板し、二番手は砂田。中谷は見逃し三振に倒れる。7回表は藤川が抑え、7回裏、ベイスターズの三番手は三上。鳥谷が投手強襲のヒットで出ると、梅野のバントで二進。しかし代打伊藤隼は三振。梅野が歩いて一二塁としたが、植田はレフトフライでまたも同点ならず。8回表は桑原謙、8回裏はパットン、9回表はドリスがそれぞれ好投。9回裏、クローザーの山崎康に対し先頭の代打大山はヒット性のセンターライナーを放つが、桑原将のダイビングキャッチで惜しくもアウト。鳥谷は一二塁間を抜くライト前ヒットで出ると、代走は熊谷。梅野は四球を選び、一二塁とする。しかし伊藤隼、糸原が連続空振り三振で辛くも逃げ切られた。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩貞祐太 北條のエラーで失った1点のみの好投。しかし5回を投げたところで代打を出される不運。そしてそのまま負け投手になってしまう不運。防御率は1点台でわずか3勝どまりとは本当に今季は勝ち運に見放されている。オールスターで大瀬良あたりからツキをもらってきてくれたらいいのにね。
野手……梅野隆太郎 ドラゴンズ戦の逆転勝利の立役者。荒れ球の藤浪を必死にリードし、久々の登板の岩貞をうまく乗せるなど、キャッチャーとしても存在感を見せつけた。まだまだ原口との正捕手争いは続くだろうが、かの近鉄バファローズの有田梨田コンビのように2人正捕手というのがあってもいいではないか。
次節はオールスターゲーム。出場選手以外は実践勘が鈍るので、調整が難しいが、なんとか効果的な練習で調子を維持していってほしい。もっともこの長期中止で糸井や福留を休ませることができたのは大きいかもしれない。オールスター明けから甲子園でジャイアンツ3連戦。1日あけて横浜でベイスターズ3連戦。日程にも余裕があり、なおかつ得意の横浜スタジアムということで、後半戦開幕ダッシュの可能性が見えてきた。とにかく先発ローテーションとレギュラーメンバーの固定が課題だ。よいオールスター休みを送ってほしい。
(2018年7月9日記)