オールスター戦では糸井は一打席だけの出場に終わり、岩貞は打たれてしまったが、メッセンジャーは無失点。糸原は2戦目のセ・リーグ唯一の打点を記録するなど存在感を示した。フレッシュオールスター戦では馬場が清宮から三振を奪い、望月がノーヒットで締めるなど、後半戦に活躍するきっかけになってくれそうだ。
オールスター明けは甲子園でジャイアンツ3連戦。初戦はメッセンジャーが逆転を許し、内海の前に打線が振るわず敗れる。2戦目は岩田が先制を許し、ヤングマンのカープに打線が翻弄され、連敗。第3戦は才木が先制され、メルセデスを打てず、このカードは0勝3敗。横浜スタジアムでのベイスターズ戦は、初戦は東を打てず落としたが、糸井が復帰した第2戦から打線が爆発。2戦目はロサリオの2打席連続ホームランなどで得点を重ね、岩貞が好投し連敗ストップ。3戦目はロサリオの2試合連続ホームランなど4発のホームランとメッセンジャーの好投で2勝1敗。今節は2勝4敗。今季通算37勝42敗1分で勝率は.468の4位首位のカープとは10.0差。
◎ジャイアンツ13回戦……3-4
ジャイアンツの先発は内海。1回裏、2死から福留が初球を叩いてレフト前ヒットを放つと、陽川もレフト前ヒットで続き、ナバーロがライト前に先制タイムリーヒットを放った。大山もヒット性のショートライナーを放つが、坂本勇に好捕され、追加点はならず。タイガースの先発はメッセンジャー。初回を三者凡退と上々の立ち上がりを見せたが、2回表、1死から亀井にレフト前ヒットを打たれると、長野と陽を歩かせて満塁に。しかしここは大城、内海を連続空振り三振でしのぐ。3回以降は本来の安定した投球を見せる。タイガース打線は内海をとらえきれない。4回裏、先頭のナバーロがセンター前ヒットで出ると、大山もセンター前に弾き返して無死一三塁に。しかし、中谷、梅野が連続で浅いフライに倒れ、メッセンジャーは投手ゴロと追加点が入らない。5回表、1死から坂本勇を歩かせ、吉川尚との間にヒットエンドラン。レフト前ヒットとなり、ナバーロが打球処理にもたつく間に吉川尚まで二進。二三塁とされ、マギーには前進守備の三遊間を抜かれてレフト前に2点タイムリーヒットを打たれ逆転された。両先発とも6回を投げ、降板。7回表、二番手望月は先頭の代打田中俊を二塁ゴロに打ち取ったが糸原のエラーで走者を許す。それでも坂本勇は力勝負でレフトフライに打ち取ると、吉川尚はバントで田中俊は二進。マギーをショートゴロに打ち取り、落ち着いた投球。7回裏は上原に抑えられ、8回表はマテオがヒットの岡本和を置いて亀井にレフトポール際に飛びこむツーランホームランを打たれた。8回裏、澤村を攻める。先頭の北條が落ちる球を上からたたいてセンター前にヒットを放つと、福留が右中間に二塁打を放ち二三塁に。陽川は三振に倒れたが、ナバーロのショートゴロの間に代走の植田が生還して2点差に。大山が歩き、代打原口のレフト前タイムリーヒットで1点差に迫った。9回表は藤川が三者凡退と貫録の投球を見せる。しかし9回裏、マシソンの前に三者凡退で逃げ切られてしまった。
◎ジャイアンツ14回戦……2-4
序盤はタイガース岩田とジャイアンツヤングマンの投手戦。先制したのはジャイアンツ。4回表、先頭の吉川尚にセンター前ヒットを打たれると、マギーの一塁ゴロで二進を許す。岡本を歩かせ一二塁とされ、亀井に右中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれる。亀井は二塁をまわったところで狭殺。2死走者なしから陽を歩かせ中井に右中間を破る二塁打を打たれて二三塁に。宇佐見は申告敬遠で満塁。ヤングマンにレフト前に2点タイムリーヒットを打たれる。ナバーロの打球処理のもたつきで、やらずもがなの得点を与えたのも大きかった。3回までヤングマンのカープに手を焼きパーフェクトピッチングをされていたが、4回表、先頭の糸原がライト前ヒットを放つ。しかし植田はショートゴロ併殺。福留もセンターフライとチャンスを作れない。5回表、1死からマギーのヒットと岡本和の二塁打でピンチを作るが、亀井のショートゴロでマギーを三本間で狭殺。陽をショートフライに打ち取り、なんとか切り抜ける。岩田は5回4失点で降板。5回裏、陽川はセンターバックスクリーン手前まで飛ばすセンターフライに倒れたが、ナバーロがライト前ヒット。伊藤隼もライト前ヒットで続き、鳥谷が歩いて満塁に。ここで梅野が左中間フェンスを直撃する2点タイムリー二塁打で2点差に迫る。しかし、代打原口、糸原がボール球を振って空振り三振に倒れ、同点機を逸した。タイガースは6回表と7回表を岩崎がきっちり抑える。ヤングマンは7回2失点で交代。8回表は望月が抑え、8回裏は上原に抑えられる。9回表、能見が登板。2死から長野にヒットを打たれ、吉川尚の打席で二盗。判定はセーフだったが、リクエスト申請で覆り、アウトに。9回裏、マシソンに対し福留、陽川は連続三振に倒れたが、ナバーロはショートのグラブをかすめるセンター前ヒットで出る。伊藤隼、鳥谷が連続四球で満塁に。梅野の打球はレフトの頭上を抜けたかと思われたが、亀井がジャンプしてこれを好捕。抜けていれば走者一掃のサヨナラ打になろうかという当たりだっただけに、惜しかった。
◎ジャイアンツ15回戦……3-5
タイガースの先発は才木。1回表、2死からつかまる。マギーにセンター前ヒットを打たれると、岡本和と亀井を歩かせ、満塁に。陽に右中間を破る走者一掃のタイムリー二塁打を打たれてしまった。3点の援護をもらったのは新外国人左腕のメルセデス。内外角を投げ分ける速球をタイガース打線はとらえきれない。才木は2回表、宇佐見、メルセデス、長野を三者三振に取るなどペースをつかんだだけに、初回の3点はよけいにもったいなかった。2回裏、1死からナバーロが二塁打を放ち、ロサリオの二塁ゴロで三進。しかし梅野は速球に詰まり三塁ゴロ。以降も走者を出しても速球に押されてあと1本が出ない攻撃が続く。才木は5回3失点で降板し、6回表は藤川、7回表は岩崎が抑える。メルセデスは7回無失点で交代。8回表、四番手桑原がマギーと岡本和の連打で無死一三塁とされる。亀井は一塁ゴロでロサリオが走者にタッチしマギーは三塁に釘付け。岡本和は二進。陽に三遊間を抜く2点タイムリーを打たれて5点差に。マウンドには五番手高橋聡。代打石川に二塁打を打たれ代打阿部を歩かせて満塁とされるが、長野を空振り三振に取ってなんとか抑えた。8回裏は野上に抑えられ、9回表はドリスが抑える。9回裏、ジャイアンツは点差があると見て谷岡をマウンドに送る。先頭のロサリオがレフト線に二塁打を放つと、1死後、代打鳥谷のレフト前ヒットで一三塁に。代打伊藤隼が歩いて満塁に。糸原の三塁ゴロ二封の間にロサリオが生還して4点差に。代打原口がセンター前に2点タイムリーを放ち、2点差まで詰め寄り、谷岡は降板。クローザーのマシソンを投入。福留の一塁ゴロで試合終了。またも初顔合わせの外国人投手にやられてしまった。
◎ベイスターズ12回戦……3-10
ベイスターズの先発は東。1回表、北條がレフトスタンドにソロホームランを叩きこみ先制。しかし1回裏、タイガースの先発秋山は桑原将にレフトスタンドに先頭打者ホームランを打たれてすぐに追いつかれる。さらに宮崎と筒香の連打で1死二三塁とされたが、ロペスを三振に取り、倉本をライトフライに打ち取って最少失点で切り抜けた。2回裏、秋山のカウントを取りに行く球をベイスターズ打線に狙われる。バファローズから移籍の伊藤光に死球を与えると、東のバントで二進。柴田には左中間へタイムリー二塁打を打たれ勝ち越される。さらに桑原将のレフト前タイムリーヒットで2点差に。ソトの空振り三振の間に桑原将は二盗。宮崎のセンター前タイムリーヒット、筒香のレフトフェンスに当たるタイムリー二塁打で4点差とされた。秋山は4回裏にも1死から桑原将にライトのフェンスを直撃する三塁打を打たれ、ソトの犠牲フライで失点。4回を投げて5失点で降板。5回表、2死から糸原がセンター前ヒットを放ち、北條が歩いて一二塁のチャンスを作るもナバーロは空振り三振。例によってあと1本が出ない。6回表、東は1死を取ったところで故障で降板。二番手は三上。福留がライト前ヒットで出るも、ロサリオのヒット性の強い当たりは不運にも一塁ライナーに。福留は帰塁できず併殺。流れが完全にベイスターズに行っている象徴的な場面だった。5回裏から望月が登板。6回裏、1死から柴田と桑原将を歩かせたが、ソトは空振り三振。宮崎の打席で梅野が捕逸し二三塁とされたが、宮崎は三塁ゴロ。しかし陽川が一塁に悪送球。ロサリオが後ろにそらし、2点を追加された。それでも望月は筒香を見逃し三振に取る。7回表は三嶋から大山のヒットと糸原の四球でチャンスを作るも北條がライトフライに倒れ、やはり得点できず。7回裏、岩崎がマウンドに。ヒットの倉本を置いて伊藤光にレフトスタンドに移籍第1号となるツーランホームランを打たれてこの試合10失点。8回表、米国帰りの左腕、中後をとらえる。2死から伊藤隼が歩くと、ロサリオの打席で伊藤隼は二塁へ走る。暴投で三進。ロサリオのライトの頭を超えるタイムリーヒットでやっと1点を返す。代打原口の打席でロサリオが二塁へ走り、原口はライト前にタイムリーヒット。梅野もレフト前ヒットで続くが、大山は三塁ゴロでさらなる追加点はならず。8回裏、高橋聡が桑原将に二塁打を打たれてサイクルヒット達成。しかし後続を断ち無失点で切り抜けた。9回表、須田に三者凡退に抑えられ、連敗ストップはならず。秋山がひところの安定感を失っているのが気がかりである。
◎ベイスターズ13回戦……7-5
ベイスターズの先発は石田。2回表、先頭のロサリオがレフトスタンド最上段へ先制のソロホームランを放つ。しかしタイガースの先発岩貞は直後の2回裏、二塁打の筒香を置いてロペスにレフトスタンドに逆転のツーランホームランを打たれてしまう。3回表、1死から糸原がセンター前ヒットで出ると、北條との間でヒットエンドランが決まり、ライト前ヒットで一三塁とする。福留がライト前に同点となるタイムリーヒットを放つと、この試合から復帰の糸井がライトスタンドにスリーランホームラン。さらにロサリオが2打席連続となるソロホームランをまたもレフトスタンド最上段に放ち、この回一挙5点を奪った。石田は3回6失点で降板。4回からは二番手のむと絵がマウンドに。4回裏、2死から倉本にセンター前ヒットを打たれると、伊藤光にはレフト線に二塁打。倉本は一気に本塁を狙うも、福留、北條がストライク返球の中継プレイを見せ、倉本は本塁憤死。岩貞を助ける。5回表、先頭の北條がセンター前ヒットで出ると、2死後、ロサリオがライトフェンス直撃のタイムリー二塁打で1点を追加した。6回表、中後を攻める。二塁打のナバーロに代走は俊介。岩貞の二塁ゴロで俊介は三振。糸原、北條が歩いて満塁に。しかし福留は桑原将へのセンターライナーで得点できず。6回裏、岩貞は先頭の外にバックスクリーンにソロホームランを打たれて4点差とされると、1死から筒香、ロペス、倉本の三連打で満塁とされた。しかし伊藤光を二塁へのフライに取ると、代打中川大はピッチャーゴロに仕留め、最少失点にとどめ、6回3失点で交代。7回表は三上に抑えられ、7回裏、藤川がマウンドに。先頭の柴田を歩かせ、桑原将に右中間を破るタイムリー二塁打を打たれて3点差とされる。2死後、筒香にライト前タイムリーヒットを打たれて2点差とされるが、ロペスは空振り三振でなんとかリードは保った。8回表、勝ちパターンのパットンを投入されて三者凡退に終わる。8回裏、桑原謙が登板。倉本への四球と伊藤光のヒット、代打嶺井のバントで1死二三塁とされ、代打梶谷に対して能見と交代。梶谷を空振り三振に取ると、桑原将はショートフライに打ち取り、同点のピンチを切り抜けた。9回表は砂田に抑えられたが、9回裏、ドリスが三者凡退で締め、連敗ストップ。勝利投手は岩貞。ヒーローインタビューは2打席連発、3打点のロサリオ。
◎ベイスターズ14回戦……11-7
先制したのはタイガース。1回表、ベイスターズ先発の今永に対し、1死から北條福留の連続四球で一二塁とし、糸井のライト前に落ちるタイムリーヒットで1点を奪う。しかしタイガースの先発メッセンジャーは直後の1回裏にソトにレフトスタンドに同点ソロホームランを打たれてしまう。2回表、先頭のナバーロがライトスタンド中段に来日初ホームランを放ち1点リードすると、1死から梅野がレフト前ヒットを放ち、メッセンジャーのバントで二進。糸原が右中間を破るタイムリー二塁打を放ち2点差をつける。3回表にはライト前ヒットの糸井を置いてロサリオがライトスタンドにツーランホームラン。今永は3回5失点で降板。5回表、二番手須田に対し、糸井がライトスタンドにソロホームランを浴びせる。6回表、三番手武藤に対し2死から糸原が歩くと、北條がショートへの内野安打で続く。福留は左中間を破る2点タイムリー二塁打。7点差とする。2回以降好投のメッセンジャーだったが、6回裏、乙坂と桑原将のヒットで1死一三塁とされ、ソトにライトへ犠牲フライを打たれて6点差とされた。7回表、三嶋からナバーロがヒットで出ると代走に俊介。陽川がバックスクリーンに久々のツーランホームランを放ち8点差に。8回表、砂田に対し糸原と福留のヒットで1死一三塁とし、中谷がダメ押しの犠牲フライを打つ。メッセンジャーは7回2失点で交代。8回裏、高橋聡が梶谷にライトスタンドにソロホームランを打たれてしまうが、優勢は変わらず。9回表は中後に抑えられ、9回裏のマウンドには谷川。ソトへの四球と宮崎のヒットで無死一三塁とされ、宮崎の代走柴田には代打佐野の打席で二塁に走られる。佐野にはライト前に2点タイムリーヒットを打たれ、中川大にタイムリー二塁打を浴びる。それでも2死三塁まで粘ったが、楠本にセンター前にタイムリーヒットを打たれて4失点で降板。最後は岩崎が梶谷をショートゴロに打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューは10勝目をあげたメッセンジャー。
愛すれどTigers週間MVP
投手……ランディ・メッセンジャー ジャイアンツ戦は試合は作ったものの逆転を許してしまったが、ベイスターズ戦では打線の援護にも助けられて今季10勝目。外国人投手でシーズン10勝以上は7回目で、郭(L)の記録を抜いた。助っ人エースがまた新たに球史に名を残す。
野手……ウィリン・ロサリオ ついにシーズン前に期待されていた打棒を発揮。今のところ左投手相手が多いので、右投手の外角球への対応がどうなったか気になるところだが、ためをつくって右方向に打つ技術も見せてくれたし、後半こそ期待通りの活躍をしてくれるものと信じて……まだちょっと半信半疑なのです。
次節は甲子園でカープ3連戦。ジャイアンツに3連勝して意気上がるカープに対して、少しでも差を縮めておきたい。次いで神宮球場に移りスワローズ戦。ここはメッセと岩貞で2つはとりたい。北條の調子か上がり、福留、糸井、ロサリオ、ナバーロ、陽川と打線につながりが出てきた。この調子をどこまで維持できるか、注目していきたい。北條は7月の月間MVP候補なんだそうだ。残り9試合大暴れしてタイトルをとってくれよ!
(2018年7月23日記)