愛すれどTigers


能見、藤川、ベテランの妙味

 トレード期限ぎりぎりでホークスの飯田優也投手と松田遼馬投手の交換が決まった。飯田は先発も中継ぎもOKという左腕。今季二軍でくすぶっていた若手同士の交換ということで、それぞれ新天地での活躍を期待したい。また、育成登録だった歳内投手が支配下登録に変わり、一軍のマウンドに上がれるようになった。一時は中継ぎで一軍に定着した実績もある。戦力補強はこれで終了。ベテラン頼みの中継ぎ投手陣に刺激を与える存在になってもらいたい。
 今節は甲子園でカープ3連戦。初戦は岩田が先制点を許し、打線はジョンソンの前に振るわず敗れる。2戦目は才木が好投。九里を打ち崩して連敗ストップ。第3戦は藤浪の自滅で大敗。このカードは1勝2敗。神宮球場でのスワローズ戦は、初戦は小野の不調で落とし、1試合台風で流したあとの2戦目は石川を攻略し、メッセンジャーは打たれたが、藤川らリリーフ陣がよく抑え、スワローズのリリーフを打ちこんで最終回には大量点を奪い勝ち、1勝1敗。今節は2勝3敗。今季通算97勝45敗1分で勝率は.464の5位。首位のカープとは11.0差。

◎カープ12回戦……1-3
 タイガースの先発は岩田。1回表、先頭の田中を歩かせ、菊池にレフトスタンドに先制のツーランホームランを打たれた。カープの先発はジョンソン。1回裏、糸原が三塁強襲ヒットで出ると、北條がライト前ヒットで続く。しかし福留は外角球を空振り三振。糸井は内角球を一塁ゴロ。2死二三塁となり、ロサリオはショートゴロと絶好の同点機を逸した。2回から立ち直った岩田だが、4回表、先頭の鈴木にヒットを打たれると、バティスタのショートゴロで二進。新井のレフト前ヒットで一三塁とされてしまう。しかしここは安部、石原を連続空振り三振に取って切り抜けた。4回裏、1死からロサリオがレフト線に二塁打を放つもナバーロは一塁ゴロ。2死三塁とチャンスは続いたが陽川はショートゴロに倒れて得点できず。5回裏、先頭の梅野が歩き、好投の岩田をおろして代打に大山を送るも投手ゴロ併殺。直後に糸原がヒットを打つというちぐはぐな攻め。岩田は5回2失点て手で交代。6回表、二番手の望月は丸を空振り三振に取るも鈴木に真っ向勝負を挑んでレフトスタンドにソロホームランを打たれてしまった。7回裏、陽川が四球で出ると、梅野のバントで二進。代打俊介のセンター前タイムリーヒットで1点を返す。ジョンソンはここで降板。二番手はフランスア。糸原、北條が連続空振り三振で流れを断ち切られた。8回表、三番手は岩崎。丸のヒットとバティスタへの四球、安部への死球で2死満塁とされるも石原をライトフライに打ち取り、追加点を許さず。しかし8回裏、中軸がフランス兄打ち取られる。9回表、四番手は岡本。代打西川を歩かせて田中のバントで二進を許すが、菊池は三塁ゴロ。西川は三進。丸の二塁左を襲う痛烈なゴロを糸原が好捕して二塁ゴロに仕留め、最終回に望みをつなぐ。9回裏、クローザーの中崎が登板。2死から代打鳥谷が歩き、代走に植田。代打原口のライト前ヒットで一三塁とするも、糸原は内角いっぱいの速球を見逃し三振で試合終了。岩田のいきなりの2失点が重かった。
◎カープ13回戦……6-3
 タイガースの先発は才木。1回表、2死から丸を歩かせ、鈴木の打席で暴投。丸は二進し、鈴木も四球。松山にセンター前に落ちるタイムリーヒットを打たれ先制される。カープの先発は九里。1回裏、糸原と北條の連続レフト前ヒットでチャンスを作るが伊藤隼はセンターフライに倒れ、糸井は二塁ゴロ併殺で得点できず。才木は2回表、丸、鈴木と連続三振に取り調子をあげる。3回裏、四球の梅野を才木が送って1死二塁とし、糸原は三塁への内野安打で一二塁に。北條が三遊間を破るレフト前タイムリーヒットで同点とする。続く伊藤隼は一二塁間を破るライト前タイムリーヒットで勝ち越し、2死後ロサリオが歩いて満塁に。ナバーロのライト前2点タイムリーヒットで突き放す。4回裏、ヒットの梅野才木が送れず、糸原の投手ゴロは併殺崩れで2死一塁に。しかし北條がレフトの頭を越すタイムリー二塁打を放ち、追加点をあげた。5回表、代打阿部の二塁ゴロは糸原が弾いてエラーで出塁を許す。田中のヒットで無死一二塁とされたが、菊池は空振り三振。丸はセンターフライと2死までこぎつけた。それでも鈴木にレフト前タイムリーヒットを打たれ、3点差にされる。松山のショートへの強い当たりは北條が好捕し、最少失点にとどめた。5回から二番手アドゥワが登板。三者凡退に抑えられ、流れがカープに傾きかける。6回表、先頭のバティスタにレフトスタンドにソロホームランを叩きこまれたところで才木は交代。二番手の能見が三者凡退でカープの流れを断ち切る。6回裏、ヒットの陽川を梅野が送り、代打原口のレフト前タイムリーヒットで3点差に戻した。7回表は藤川がきっちり抑え、7回裏には左腕の飯田がマウンドに。糸井の四球と陽川のヒットで2死一三塁と攻めたが梅野はショートゴロでダメ押し点が取れない。8回表は桑原が登板。鈴木を空振り三振に取るも下水流のヒットとバティスタへの四球で一二塁に。しかし代打新井を見送り三振に取ると、會澤も空振り三振でピンチを脱した。8回裏は中田に抑えられたが、9回表、ドリスが三人で締めて甲子園での連敗を止めた。才木が3勝目。ヒーローインタビューは猛打賞の北條、タイムリーのナバーロ、代打成績5割超えでタイムリーヒットの原口。
◎カープ14回戦……3-9
 タイガースの先発、藤浪が自滅。試合開始直前にゲリラ豪雨に見舞われ、1時間12分遅れで開始された試合だったが、1回表、先頭の田中を歩かせると、安部のセンター前ヒットで一三塁とされる。丸を歩かせ満塁とし、鈴木のショートゴロは二封するも併殺崩れで田中が生還してまず1点を与える。松山を歩かせてまたも満塁とし、西川には左中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれる。岩本を歩かせてまたまた満塁としたところで藤浪は降板。二番手には急遽岡本が上がる。磯村のライト前2点タイムリーで5点差をつけられたが、岡田はスリーバント失敗、田中をライトフライに打ち取り、なんとかチェンジ。1回裏、カープ先発の岡田に対し1死から北條が歩くと、2死後、福留がバットを折りながらもレフト前ヒットで一二塁とチャンスを作ったが、ロサリオは二塁ゴロで得点できず。3回裏、移籍後初打席の岡本がプロ入り初安打となるセンター前ヒットを放ち、糸原の四球と北條のセンター前ヒットで満塁に。伊藤隼は空振り三振に倒れたが、福留がセンター前に落ちるタイムリーヒットで1点を返す。しかしロサリオは三振、ナバーロは投手ゴロでビッグイニングを作れず。直後の4回裏、安部の四球と丸の二塁打で無死二三塁とされ、鈴木にライトへ犠牲フライを打たれてしまう。しかし岡本は5回裏までしっかりと投げて、試合を落ち着かせた。カープは岡田を4回限りで見限り、5回から6回までアドゥワを起用。タイガース打線はアドゥワに抑えられる。6回表、タイガース三番手の高橋聡はヒットの田中を安部に送られ、丸の三塁ゴロで三進を許し、鈴木にレフト前にタイムリーヒットを打たれ、6点差に。高橋聡は7回表はきっちりと抑える。6回から7回は一岡に抑えられ、8回表、岩崎がヒットの安部を置いて丸にライトポール際にツーランホームランを打たれてしまう。8回裏、中田に対し、1死から北條がレフトの頭を越す二塁打を放つと、伊藤隼が歩き、福留の右中間を破る2点タイムリー二塁打で6点差にまで戻す。9回表は望月が抑えたが、9回裏は永川に締められて連勝ならず。
◎スワローズ10回戦……2-8
 タイガースの先発は小野。2回裏、バレンティンにレフトスタンドに運ばれるソロホームランで先取点を奪われる。3回表、タイガースも反撃。スワローズの先発カラシティーに対し、先頭の糸原が二塁打で出ると、北條のセンター前ヒットで一三塁とし、福留がレフト前タイムリーヒットで同点とする。糸井が歩いて無死満塁に。ロサリオのショートゴロは二封がやっとで北條が生還して勝ち越す。しかし続くナバーロはショートゴロ併殺で大量点はならず。4回裏、1死から山田哲が歩き、バレンティンの打席で牽制球がそれて山田哲は二進。バレンティンを歩かせ、雄平の一塁ゴロで二封し2死一三塁とされると、西浦の打球はショート北條の頭をわずかに超えるセンター前タイムリーヒットとなり、同点とされる。5回表、2死から福留のセンター前ヒットと糸井のショートへの鈍い当たりはショートがどこにも投げられず内野安打に。しかしロサリオは三塁ゴロで得点ならず。5回裏、なんとカラシティーにレフトスタンドにソロホームランを叩きこまれ、リードを許す。小野は5回3失点で降板。6回表、ナバーロのヒットと陽川の死球で無死一二塁とするが、原口はショートゴロで二封。代打鳥谷の打席でカラシティーのワンバウンドの球を中村が弾き、暴投で原口が二進。鳥谷の一塁ゴロは三本間の狭殺プレイとなりナバーロがタッチアウト。糸原が歩いて満塁とするも、北條は一塁へのフライで逆転ならず。6回裏、二番手望月が1死からバレンティンにレフト前ヒットを打たれると、雄平のライト前ヒットで一二塁に。西浦はセンターオーバーの2点二塁打で3点差に。藤井のライト前ヒットで一三塁とされ、藤井には二盗を許す。中村の打席で原口が三塁走者が飛び出したのを刺し、中村は三振。若い投手を盛りたてた。カラシティーは6回2失点で交代。7回表は中澤に抑えられ、7回裏は能見が抑える。8回表、風張にも抑えられ、追いつめられていく。8回裏、四番手桑原が山田哲にレフトスタンドにソロホームランを打たれ、バレンティンにもライト前ヒットを打たれ、雄平の三塁ゴロは陽川の送球がそれて無死一三塁に。1死後、藤井の一塁ゴロはロサリオが打者走者にタッチしてアウトを取るが、三塁走者が生還してさらに1点を追加された。中村には死球を与え2死一三塁とされ、谷内のライト前タイムリーヒットでさらに1点を追加された。9回表、新外国人選手のウルキデスから先頭の糸原がヒットを放つが、後続を断たれて締められた。
◎スワローズ11回戦……10-4
 スワローズの先発石川を初回から攻める。1回表、先頭の糸原が左中間を破る二塁打で出ると、北條がセンター前に先制のタイムリーヒットを放つ。センター青木が打球処理をもたつく間に北條は二進。2死後、福留がセンターバックスクリーン直撃のツーランホームランを放ち、3点を先制。しかしこの試合のメッセンジャーは不調。1回裏、先頭の坂口にライト前ヒットを打たれると、青木のライト線へのタイムリー二塁打で1点を返される。山田哲のセンターフライで青木は三進。バレンティンにセンターへの犠牲フライを打たれて1点差に迫られる。4回表、1死から梅野がライトフェンス直撃の二塁打を放つと、2死後、糸原、北條が歩き、満塁に。ロサリオが押し出しの四球を選び、2点差とする。しかし糸井は空振り三振でビッグイニングは作れず。4回裏、先頭のバレンティンのショートゴロを北條が悪送球。雄平のライト前ヒットで無死一二塁とされると、西浦は2球バント失敗の後、バントの構えからヒッティングに切り替えライト前に運んで満塁に。藤井はハーフスイングで空振り三振。中村も空振り三振に取ると、代打畠山は三塁へのフライに打ち取り、無失点で切り抜けた。5回表は二番手星に抑えられ、5回裏、ついにメッセンジャーはつかまる。先頭の坂口に四球を与えると、青木は一塁の頭を越すライト線への二塁打で無死二三塁に。山田哲にはセンター前に2点タイムリーヒットを打たれ、同点に。しかしバレンティンをショートゴロ、雄平を三振に打ち取り2死二塁とし、西浦は歩かせたが藤井をショートゴロに打ち取り勝ち越しは許さず。メッセンジャーはこの回限りで降板した。6回表も星に抑えられ、6回裏は桑原が抑える。7回表は近藤の前に得点できず、7回裏は藤川が山田哲、バレンティンを連続空振り三振に取るなどして試合は動かず。8回表、四番手風張から俊介が四球を選ぶと、梅野のバントで二進。中谷がレフト線へタイムリーヒットを放ち、ついに勝ち越し。8回裏、続投の藤川が雄平を三振に取るなどして2死に。しかし藤井を歩かせ中村のセンター前ヒットで一三塁とされる。代打川端のショートの頭上を襲う当たりを北條がジャンプして捕球。同点のピンチを切り抜けた。9回表、五番手のウルキデスを攻める。ロサリオのレフト前ヒットで代走に大山。代打岡崎のバントはウルキデスが二封を狙うも悪送球で無死一三塁に。福留がレフトの頭を越すタイムリー二塁打でまず1点。無死二三塁から陽川が歩き満塁とするも俊介のセンター前の当たりは青木に好捕され1死に。それでも梅野が前進守備の一二塁間を抜くタイムリーヒットで2点目。ここでウルキデスは降板。左腕中尾から中谷はバットを折られながらもセンター前に落ちるタイムリーヒットで3点目。糸原は押し出し四球で4点目。北條がセンターへ犠牲フライを打ってこの回5点の猛攻。9回裏、ドリスが登板。青木と山田哲のヒットで1死一三塁とされるもバレンティンを空振り三振、雄平をショートゴロに打ち取り、試合終了。中継ぎで好投の藤川が今季2勝目。ヒーローインタビューは決勝タイムリーの中谷。

愛すれどTigers週間MVP
投手……能見篤史、藤川球児
 劣勢でもマウンドに登りしっかりと自分の役割を果たすベテランの姿から、若い先発投手たちは学ぶところが多いはず。かつて福原や安藤が果たした役割を両ベテランが担っている。
野手……北條史也
 内角の裁きはうまかったが、外角が苦手とされていたのもファウルで粘れるようになり、体勢が崩れてもしっかりとバットを振れるようになった。7月の月間MVP候補にも挙がっているという。昨年苦しんだ分、正遊撃手候補が逆襲を始めた。

 長期ロードは神宮で始まった。次節はナゴヤドームでドラゴンズ2連戦。2日空いて京セラドームに移りスワローズ2連戦。変則日程で調子を保つのが難しいだろうが、猛暑の中涼しいドーム球場が続くのは有利かもしれない。ドラゴンズはなかなか調子が上がってこないだけに、連勝したい。スワローズはリリーフが不安定なので、早めに先発を引きずり降ろして連勝したい。ここで4つ取って波に乗るのだ! いつもこんなことばかり書いてるなあ。

(2018年7月30日記)


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