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金本監督辞任、矢野監督へ

 甲子園球場でのジャイアンツ戦。メッセンジャーが打たれて、難敵メルセデスを打ち崩すも追いつけず敗戦。この試合でジャイアンツのAクラスが確定した。続く甲子園球場でベイスターズ戦。岩田が好投するも今季初勝利はならず。しかしリリーフの今永を打って連敗阻止。この試合の翌日、金本監督が解任に近い辞任を発表した。金本監督最後の試合はナゴヤドームでのドラゴンズ戦。相手のミスもあり、延長戦を中谷のタイムリーで制した。今節は2勝1敗。今季通算62勝79敗2分で勝率は.440の6位。
 金本監督の後任は矢野二軍監督。突如の一軍監督依頼に悩んだ末、受諾した。二軍で見せた超積極野球が一軍で実を結ぶか。志半ばで退任することになった金本監督の胸中やいかに。重荷を背負って船出することになった矢野二軍監督はどこまで金本監督のつくりかけたチームを開花させられるか。ともかく誤算だらけのシーズンが終了した。

◎ジャイアンツ25回戦……4-9
 ジャイアンツの先発はメルセデス。1回裏、糸原のショートゴロを坂本勇が弾き、出塁。島田のバントは捕手小林の前に転がり二封。しかし福留のライト前ヒットで島田は快足をとばし一三塁に。大山の二塁ゴロの間に島田が生還して先制する。タイガースの先発はメッセンジャー。初回から快調に飛ばすが、3回表、1死から坂本勇、田中俊の連打とマギーへの四球で満塁とされ、岡本和は見逃し三振に取ったが阿部のライト線への2点タイムリー二塁打で逆転される。4回表、1死から小林にライト前ヒットを打たれる。メルセデスのバントはキャッチャーフライになったが、坂本勇のヒットで一二塁にされる。田中俊のライト前ヒットで小林が一気にホームを突くも、板山の好返球で本塁憤死。ここは追加点を許さず。5回表、2死から阿部を歩かせると、陽はライトの頭を越すタイムリー三塁打で3点差に。5回裏、梅野がライト前に落ちるヒットで出ると、板山がセンター前ヒットで続き一二塁に。植田が送り二三塁とし、代打鳥谷の一塁ゴロの間に梅野が生還し2点差とする。6回表は岡本洋が三者凡退で退け、6回裏に反撃。島田がレフト線へ二塁打を放つと、福留の二塁ゴロで三進。大山は左中間にタイムリー二塁打で1点差に迫る。ここでメルセデスは降板、二番手は畠。ナバーロの打席で畠は暴投。うまく抑えた小林が三塁に送球するもこれがそれて大山が生還し同点に追いついた。7回表、三番手桑原が岡本和にレフトスタンドにソロホームランを打たれ、1死から長野と陽の連打で一三塁とされる。ここで小林のスクイズが決まり、2点差にされた。7回裏からは山口俊に抑えられる。8回表、望月が坂本勇にヒットを打たれ、田中俊のバントで二進。マギーのタイムリー二塁打で3点差とされると、岡本和に2打席連続となるツーランホームランを打たれ、5点差に。9回表は岩崎が三者凡退で締めたが、9回裏には菅野に三者凡退に抑えられて試合終了。ジャイアンツの3位が確定した。
◎ベイスターズ25回戦……2-1
 ベイスターズの先発はウィーランド。2回裏、1死から陽川と梅野の連打で一三塁とするも板山は二塁ゴロ併殺で先制のチャンスを逸した。タイガースの先発は岩田。ソトと嶺井のヒットで2死一三塁とされ、倉本のセンター前タイムリーヒットで先制される。ベイスターズは4回裏から濱口が登板し、三者凡退に抑えられる。6回裏には砂田の前に植田が三振。代打中谷が出ると三嶋にスイッチ。中谷はレフトポール際に同点ソロホームランを放つ。ベイスターズはすぐに今永にスイッチして後続を断つ。7回表は能見が抑える。7回裏、1死から大山がライト線へ二塁打を放つと、陽川はセンターオーバーのタイムリー二塁打で勝ち越し。梅野の二塁ゴロで三進。しかし板山は三振に倒れ追加点はならず。8回表は藤川が抑え、8回裏はバリオスに抑えられる。9回裏、ドリスがソト、桑原将、嶺井を三者三振に打ち取り、今季の甲子園最終戦を勝利で飾った。能見が勝利投手。ヒーローインタビューはなく、金本監督がお詫びの挨拶をして締めくくった。
◎ドラゴンズ25回戦……4-3
 金本監督最後の采配となった。タイガースの先発は竹安。1回裏、今季限り引退の荒木雅にライト前ヒットを打たれたが、京田の二塁ゴロで二封。大島の打席で京田は二盗。大島にセンター前に先制タイムリーを打たれる。ドラゴンズの先発は柳。2回表、先頭の大山がセンター前ヒットを打つと、1死後、梅野の投手前のゴロをなぎがそらし、内野安打となる。一二塁として2死後、板山のセンター前タイムリーヒットで同点とする。以降は竹安と柳はテンポよく抑えていく。5回裏、1死から平田にセンター前ヒットを打たれると、高橋周の右中間を破る二塁打で平田が一気に生還して勝ち越される。しかし松井雅のレフトライナーで高橋周が飛び出し二封併殺。1失点でとどめた。6回裏は荒木雅との対戦のため高橋聡が登板し、ライトフライに打ち取る。1死一塁から三番手岡本が登板し、後続を断つ。7回表はプロ入り初登板の石川翔に抑えられる。7回裏、四番手望月は1死からアルモンテの二塁打と平田への四球、高橋周への死球で満塁とされたが、松井雅はレフトフライ、代走遠藤がホームを突くもレフト伊藤隼のバックホームで憤死。無失点で切り抜けた。8回表はロドリゲスに抑えられ、8回裏は能見が荒木雅にヒットを打たれるが、二盗を試みるも梅野が刺し、無失点に抑えた。9回表、佐藤が登板。1死後、陽川が歩いて代走に植田。大山の打席で暴投。植田は二進。大山のレフト前ヒットで一三塁とする。大山の二盗に松井雅が二塁へ送球するも投手の佐藤がよけて野手がベースカバーに入っておらずセンター前に抜け、植田が生還し同点に。1死二塁から中谷は空振り三振。ここで今季限り引退の岩瀬が登板。代打にかつての僚友福留が出、空振りの三球三振。逆転はならず。9回裏、桑原が三者凡退に抑え、試合は延長戦に。10回表、岡田に抑えられる。10回裏は藤川が登板。先頭の平田を歩かせたが後続を断つ。11回表、祖父江に対し、1死からセンター前ヒットの植田が大山三進の時に二盗。中谷がレフト前タイムリーヒットを放ち、ついに勝ち越し。11回裏、抑えのドリスが荒木雅最後の打席を三塁ゴロに打ち取るも堂上にセンター前ヒットを打たれるが、後続を断ち逃げ切った。金本監督の最後の試合を僚友でもあった藤川が勝利投手として飾った。金本監督とナインはレフトスタンドにあいさつ。ナゴヤドームのファンからの拍手と金本監督の現役時代のヒッティングマーチで送られた。やはり今季限りで退任するドラゴンズの森監督と握手を交わして金本監督はグラウンドを去った。荒木雅と岩瀬の引退セレモニーのため、ヒーローインタビューはなし。

愛すれどTigers週間MVP
投手……竹安大知
 今季最終戦でプロ入り初先発。荒木雅と岩瀬の引退試合というムードに流されず、2失点で切り抜けた。本来なら、今季もっとチャンスを与えられてもよかった好素材だけに、来季の飛躍が期待される。
野手……中谷将大
 金本監督に最後の白星を贈る決勝打。今季は期待をことごとく裏切ってきたが、このタイムリーが来季につながることを期待してあえてMVPとした。

 新聞報道によると、阪神電鉄本社筋の介入で金本監督は詰め腹を切らされた模様。退任の会見は異例ともいえる写真、ビデオ撮影NGのものだったらしい。来季こそチームを建て直すという気持ちでいただけに、無念ではあったろうが、重い荷物をおろした安堵感が最終戦の名古屋でーむでの表情に見て取れた。福原、藤井、藤本の3二ノコーチが一軍に昇格し、片岡ヘッドコーチは辞任。空席の二軍監督の人選に、ドラフト指名など、まず始めなければならないことは多い。矢野新監督には明るさ前回で指揮をとってもらいたいものだ。

(2018年10月15日記)


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