開幕３連戦は京セラドーム大阪でのスワローズ戦。強打者のそろったスワローズ打線を投手陣が見事に抑えこんだ。初戦はメッセンジャーが先制点を奪われるもバックの好守備もあり１点にとどめ、新人の近本の初安打が同点タイムリー三塁打となり、リリーフ陣が無失点で踏ん張って延長１１回、代打鳥谷の三塁打からサヨナラ暴投で勝利。第２戦は糸井のホームランの１点を岩貞が１安打無失点の好投で守り、リリーフ陣がまたも無失点で逃げ切った。第３戦は移籍初登板の西が先制され、打線はやはり移籍初登板の高梨の前に１点を返したのみで惜敗。しかしここでもリリーフ陣は無失点。今節は２勝１敗。今季通算２勝１敗で勝率は．６６７の首位。もっとも同率でジャイアンツとベイスターズも首位なのだけれど。２連勝の時点では単独首位だった。この段階で順位云々は関係ないですか。
◎スワローズ１回戦……２－１
タイガースの先発はメッセンジャー。１回表、先頭の坂口にライト前ヒットを打たれ、青木のセンター返しの打球はショート木浪が飛びついて捕球するもどこにも投げられず内野安打に。山田哲のセンター前ヒットを近本が本塁へ好返球。坂口はまわりこんで本塁へ突入するも梅野隆のタッチでアウトに。バレンティンをショートゴロ併殺に打ち取り、無失点で切り抜けた。スワローズ先発の小川の前になかなか走者を出せず、３回裏に梅野隆が今季チーム初安打を放つもメッセンジャーのバントは投手ゴロとなり併殺でチャンスを生かせない。４回表、青木の二塁打、山田への四球で無死一二塁とされる。バレンティンは三振に取ったものの雄平を歩かせて満塁に。村上のライト犠牲フライで先制を許した。５回表、２死から坂口を歩かせ、青木の二塁打で二三塁とされるも山田哲のキャッチャーファールフライは梅野隆が一塁ベンチ前にすべりこんで捕球し、追加点を許さない。６回裏、２死から木浪のショートゴロは廣岡が弾いてエラーで出塁。近本は初球を叩いて右中間を破るタイムリー三塁打となり、同点に追いついた。７回表、１死から中村にライト前ヒットを打たれるも、小川の打席で中村のリードを見て梅野隆が一塁へ牽制球を投じると帰塁が間に合わずアウトに。流れを止める好プレーとなった。両先発は７回を投げて１失点ずつで降板。８回表はジョンソンが来日初登板。１死から青木のヒット、２死からバレンティンへの四球で走者をためるも雄平をショートフライに打ち取りピンチを脱した。８回裏は近藤に抑えられ、９回表はドリスが三者凡退と好投。９回裏、三番手ハフに対し、１死から糸井が歩くも牽制に釣り出されてアウトに。大山はレフト前ヒットでなおも攻めるが福留は投ゴロで延長戦に。１０回表、四番手能見は１死から坂口のセンター前ヒット、青木は二塁ゴロで坂口を封殺したが、山田哲の打席で梅野隆が捕逸し、申告敬遠で一二塁に。しかし代打塩見のバットをへし折るショートゴロでピンチを脱した。１０回裏は梅野雄に抑えられ、１１回表は桑原が西浦、広岡を連続三振に取るなどして打線の奮起を待つ。１１回裏、クローザーの石山に対し、代打鳥谷がフルカウントからライトフェンス直撃の三塁打を放ち、代走に江越。木浪は空振り三振に打ち取られたが、近本の打席で石山のフォークボールが暴投となり、江越が生還して今季初勝利は相手のミスによるサヨナラ勝利。勝利投手は桑原。ヒーローインタビューはサヨナラ勝利を呼んだ代打三塁打の鳥谷。
◎スワローズ２回戦……１－０
タイガースの先発は岩貞。スワローズは石川の両左腕。１回裏、２死から糸井がライトポールを巻く先制ソロホームランを放つ。小川監督のリクエスト申請でも判定は覆らず。両先発はその後も持ち味を生かした投球。３回表、１死から坂口、青木、山田哲を歩かせてしまい、一打逆転のピンチを迎えたが、バレンティンを一塁へのフライに打ち取ると、塩見を空振り三振に打ち取って切り抜けた。５回裏、糸原が二塁山田哲のエラーで出ると、１死後、岩貞のバント見逃しの際に糸原は二盗を成功させた。２死後、木浪が四球を選び、近本に期待が寄せられたが三塁ゴロで得点ならず。６回裏、スワローズ二番手の新外国人投手マクガフに対し、糸井が四球で出るも盗塁死。２死後、福留の四球とナバーロのライト前ヒットでチャンスを作るも糸原はショートフライでまたも本塁が遠い。７回表、先頭の村上を空振り三振に取ったところで岩貞は交代。二番手桑原がきっちり締める。７回裏は三番手五十嵐から代打高山が四球を選びボークで二進するも、近本は空振り三振で再三の追加点機を逸する。８回表はタイガース三番手ジョンソンが三者凡退で抑える。８回裏、スワローズ四番手大下に対し糸井が歩き、ボークで二進。しかし大山はライトフライ、 福留は捕邪飛、ナバーロはショートライナーと最後まで追加点は取れず。９回表、ドリスが三人で締めて最少失点を逃げ切った。勝利投手は無失点の岩貞。ドリスが今季初セーブ。ヒーローインタビューは勝利投手の岩貞と決勝ホームランの糸井。
◎スワローズ３回戦……１－２
タイガースの先発はＦＡ移籍の西。１回表につかまる。先頭の坂口にライト前ヒットを許すと、青木はショートゴロで二封。山田哲は見逃し三振と持ち直したが、バレンティンに今季初安打となるセンターの頭を越すタイムリー二塁打を打たれて先制を許す。返球の間にバレンティンは三進。続く雄平にも左中間を破るタイムリー二塁打を打たれ、２点差とされた。しかし２回以降は絶妙なコントロールで尻上がりによくなり、スワローズ打線を封じていく。スワローズの先発はファイターズから移籍の高梨。３回までは得意のカーブにタイミングが合わず苦しんだが、４回裏に先頭の近本がセンターオーバーの二塁打で出ると、糸井がライト前ヒットで続き無死一三塁に。大山のライト犠牲フライで１点差と迫る。福留はセーフティバントで揺さぶるが、惜しくもファール。さらに糸井が二盗をしかけるも松本直に刺されて２死三塁に。福留は歩いたが、ナバーロがレフトフライで同点はならず。５回裏には１死から梅野隆のヒットと西のバント、代打鳥谷の四球で２死一二塁とチャンスを作るも近本は一塁ゴロでまたも同点機を逸した。６回表、２死からバレンティンにレフトポール際に大きな当たりを食らい、判定はホームラン。しかし京セラドームをよく知る西はすぐにファールとアピール。矢野監督のリクエスト申請の結果、ファール判定され、バレンティンは空振り三振。追加点を許さない。７回裏、スワローズは二番手梅野雄を送る。１死から糸原のレフト前ヒット、梅野隆のバントでチャンスを作るも代打高山は空振り三振でまたも同点はならず。８回表、二番手島本は１死から坂口に死球を与え、青木の二塁内野安打と山田哲の四球で２死満塁とされるが、矢野監督は辛抱の続投。島本は信頼にこたえてバレンティンを二塁へのフライに打ち取った。８回裏は近藤に抑えられ、９回裏は今季初登板の藤川が三者凡退で打線の爆発を待つ。しかし９回裏は抑えの石山の前に三者凡退で逃げ切られ、今季初の敗戦。西は７回２失点の功とだったが残念ながら敗戦投手になってしまった。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……岩貞祐太 自ら招いた満塁のピンチでも動じることなく無失点。リリーフ陣の助けを借りたとはいえ、先発投手陣で最初の勝利。この調子で次回苦手のカープ戦もしっかり抑えてもらいたい。
野手……鳥谷敬 開幕先発を新人の木浪に譲ったが、初戦は意地の代打三塁打でサヨナラのきっかけをつくり、３戦目も代打で四球を選ぶ。３戦目にはショートの定位置につき、新人には負けていないというところを見せてくれた。これこそ矢野監督の狙う競争の効果だろう。
次節は遠征。まずは東京ドームでジャイアンツ３連戦。ジャイアンツと相性の良いガルシアと青柳が先発予定。さらに３戦目には浜地がプロ入り初登板初先発の予定という。若武者が真っ向からジャイアンツ打線に挑む姿を今から楽しみにしている。そしてマツダスタジアムでカープ３連戦。こちらは開幕ローテがそのままあたるが、メッセンジャーに今度こそ勝利を！ 西の移籍後初勝利も期待したい。開幕カード勝ち越しで、特にリリーフ陣の充実が目立ったが、今度は打線が援護する番だ。そのためにも４番打者の大山と、まだノーヒットの福留の活躍が鍵となるだろう。
（２０１９年４月１日記）
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