横浜スタジアムでのベイスターズ戦は、初戦は上茶谷を打ちこみ、大量援護に守られて青柳が今季初勝利で連敗を止める。第2戦は才木が好投、リリーフ陣も完璧に抑えて連勝。第3戦は9回にベイスターズの守護神山崎康から近本が逆転ホームランを放ち、今季初のカード3タテで、3勝0敗。ナゴヤドームでのドラゴンズ戦は、初戦は西が死球から崩れてビシエドに一発を食らい敗れたが、2戦目は岩貞が我慢の投球でリリーフ陣に託し、糸井のプロ通算301本目のタイムリー二塁打で勝つ。第3戦は大山のホームランの得点を青柳がしっかり守りプロ入り初完封で2勝1敗。今節は5勝1敗。今季通算12勝14敗1分で勝率は.462でカープと同率の4位。首位ジャイアンツとは4.5差。ベイスターズは10連敗で最下位に沈み、カープが連勝して一気に浮上する波乱の展開となった。
◎ベイスターズ4回戦……8-3
ベイスターズの先発は新人上茶谷。1回表、1死から糸原が内野安打で出ると、糸井が左中間を抜く二塁打で二三塁とし、大山のセンター前タイムリーヒットで先制。1死一三塁から福留がライトへ犠牲フライを放ち、2点差とする。タイガースの先発は青柳。1回裏、ソトにヒットを打たれるもロペスはショートゴロ併殺。2回表、中谷がレフトの頭を越す二塁打で出、1死後青柳のバントで三進。近本が左中間を破る技ありのタイムリー二塁打で1点追加。2回裏、宮崎を歩かせるも佐野は一塁ゴロ併殺。4回裏は神里にヒットを打たれたがソトをショートゴロ併殺に。5回表、近本のショートゴロを大和が一塁へ悪送球して出塁。1死後、近本が二盗し、糸井が歩いて一二塁に。大山は見逃し三振に倒れたが、直後の初球を福留がバックスクリーンへスリーランホームラン。梅野のヒットで上茶谷は降板。二番手の笠井の前に中谷は三振したが、期待の新人をKOした。5回裏、筒香を歩かせるも宮崎は三塁ゴロ併殺。6回表、先頭の木浪が二塁打で出、青柳のバントで三進。近本のショートゴロで木浪は本塁突入。捕手伊藤光のタッチは追いタッチになったが判定はアウト。矢野監督のリクエスト申請も判定は覆らず。糸原と糸井が歩いて満塁とするも大山は空振り三振で追加点はならず。7回表、ベイスターズの三番手は砂田。福留の二塁へのフライを外が落球し、梅野のレフト前ヒットと中谷の四球で満塁に。木浪は空振り三振に倒れ、青柳は投手ゴロで本封。2死満塁となったところで近本がセンター前に2点タイムリーヒットを放つ。7回裏、ロペスにヒットを打たれ、筒香の一塁ゴロで二封。宮崎のショートゴロは木浪がバウンドを合わせられず後ろにそらす。1死一二塁から佐野にバックスクリーンへスリーランホームランを打たれて2失点で降板。二番手岩崎は後続を断つ。8回表、四番手藤岡から江越と梅野のヒットでチャンスを作るも中谷は三振して追加点はならず。8回裏は岩崎が柴田を打ち取ると、三番手守屋に交代。ソトにヒットは打たれたが、無失点で終える。9回表は調整登板の山崎康に抑えられたが、9回裏は島本が三者凡退で締めて連敗ストップ。ヒーローインタビューは4併殺でベスターズ打線を抑え今季初勝利の青柳。
◎ベイスターズ5回戦……3-1
タイガースの先発は今季初登板の才木。1回裏、先頭の神里にヒットを打たれるもソトの打席で盗塁死。ソト、筒香を三振に取る快調な滑り出し。ベイスターズの先発は大貫。3回表、2死から近本がセーフティバント。球はフェアゾーンにとどまり内野安打に。糸原がライト前ヒットでつなぎ、糸井のセンター前ヒットで先制する。6回表、大山と福留の連打でチャンスを作り、代打鳥谷の一塁ゴロで二封。一三塁から梅野のセカンドゴロの間に大山が生還して2点差とする。5回まで才木は速球でベイスターズ打線を押していたが、6回裏、1死から神里に二塁打を打たれると、ソトのレフト前に落ちるタイムリーヒットで1点差とされる。さらにロペスにもレフト前ヒットを打たれ、才木は降板。二番手は島本。筒香をセンターフライに、宮崎を二塁ゴロに打ち取り、リードを守る。大貫は6回2失点で降板。7回表は国吉に抑えられ、7回裏は三番手能見が三者凡退と貫録の投球。8回表はエスコバーの前に三者凡退。8回裏はジョンソンが神里とソトを連続空振り三振に取るなどして三者凡退。9回表、三嶋から代打陽川がレフトスタンドにソロホームランを放ち、2点差に戻す。9回裏、ドリスが先頭のロペスにヒットを打たれるも筒香、佐野を空振り三振に取るなどしてきっちり締めた。才木は今季初登板で1勝目。ヒーローインタビューは呉昇桓のチーム外国人投手通算セーブ記録を塗り替える81せ―プ目をあげたドリス。
◎ベイスターズ6回戦……5-3
ベイスターズの先発は今永。1回表、先頭の近本がセンター前ヒットで出ると、糸原が送り、2死後、大山がライトスタンドへ先制のツーランホームランを放つ。タイガースの先発は岩田。初回からゴロを打たせて取る投球でベイスターズ打線を手玉に取る。3回表、二塁打の近本を糸原が送りチャンスを作るも糸井は投手ゴロ、大山は空振り三振で追加点が奪えない。4回裏、筒香にレフトスタンドにソロホームランを浴び、1点差に。5回表には木浪のヒットと近本の四球で走者をためるも後続を断たれ、今永のペースに。6回裏、ソトにライトスタンドに同点ソロホームランを打たれ、試合は振り出しに。7回表、ヒットの木浪を置いて代打上本がレフトフェンスに当たる二塁打を放ち、木浪は一気に本塁をつくもカットに入った大和の好返球で憤死。近本は死球でチャンスをつなぐが、糸原が三塁ゴロでチャンスを生かせず。7回裏、二番手の守屋が先頭の伊藤光にレフトスタンドにソロホームランを打たれてリードを許す。しかし大和をライトフライに取ると、代打梶谷に対しては三番手能見が登板。ファールフライに打ち取ると、神里を一塁ゴロに打ち取り、最少失点でしのいだ。8回表はエスコバーに抑えられ、8回裏はジョンソンが筒香を見逃し三振に取るなどして三者凡退。9回表、ベイスターズは必勝を期して山崎康を送りこむ。先頭の梅野は四球を選び、代走に植田。代打北條のバントは山崎康が一塁にワンバウンド送球し、ベースカバーの柴田がこぼして無死一二塁に。ラミレス監督のリクエスト申請も覆らず。木浪はスリーバント失敗。代打鳥谷はレフトフライで植田が三振。ここで北條の代走に江越。近本はレフトポール際に飛びこむ逆転スリーランを放つ。9回裏、ドリスが登板。1死から柴田にヒットを打たれるも嶺井をショートゴロ併殺に打ち取り、逃げ切った。ジョンソンが来日初勝利。ヒーローインタビューは逆転スリーランの近本。
◎ドラゴンズ4回戦……4-5
ドラゴンズは予告先発の笠原が体調不良で急遽佐藤が先発。1回表、2死から糸井が歩くと、大山はレフト前ヒットで続き、福留も歩いて満塁に。梅野が右中間を破る走者一掃のタイムリー二塁打を放ち、送球の間に三進。まずは3点を先制した。3回表は1死から大山と福留が歩き、梅野の意表をつくセーフティバントで満塁とするも、陽川は浅いレフトフライに倒れ、木浪は空振り三振。大量の追加点の機会をつぶした。佐藤は3回で降板。4回からは二番手又吉が登板し、好投。流れは徐々にドラゴンズへ。タイガースの先発は西。3回までは一人の走者も許さなかったが、4回裏に先頭の平田の肩口に死球を与えると、京田との間にヒットエンドランをしかけられてライト前ヒットで無死一三塁とされる。大島の一二塁間の当たりは糸原が好捕するも内野安打で平田が生還して2点差とされる。ビシエドには徹底した内角攻めを読まれ、レフトスタンドに逆転のスリーランホームランを打たれてしまった。2死後、井領のヒット、加藤のセンター前に抜けそうな当たりは糸原が好捕し二封するも与田監督のリクエスト申請で覆り、又吉のセンター前で満塁にされたが平田を二塁ゴロに打ち取って追加点は許さず。5回裏、1死から大島に左中間を破る二塁打を打たれると、ビシエドは申告敬遠。安部のショートへのゴロは木浪が捕球できずタイムリー内野安打で2点差に。西は6回5失点で降板。ドラゴンズは7回表にロドリゲスをマウンドに。代打上本がセンターの頭を越す二塁打を放つと、近本の打席で加藤が捕逸し上本は三進。近本は叩きつける内野ゴロが高く弾んでタイムリー内野安打となり1点差に迫るも、反撃はそこまで。糸原のバントで近本は二進するも糸井は内角高めを空振り三振。四番手谷元に対して大山はレフトへ強烈なライナーを放つも井領に捕られて同点機を逸した。7回裏は岩崎が走者を出しながらも無失点で切り抜け8回裏は藤川が三者凡退と打線の奮起を待つが、8回表は五番手のR・マルティネス、9回表は鈴木博のリレーの前に打線は沈黙。好調だった西が一つの死球から崩れていったのが誤算だった。
◎ドラゴンズ5回戦……4-2
タイガース岩貞、ドラゴンズ柳が先発。2回裏、2死から糸原がライト線へ二塁打を放つと、梅野が高めの球をうまくさばいてレフトフェンス直撃のタイムリー二塁打で先制する。3回裏、ドラゴンズが反撃。先頭の加藤にライト前ヒットを打たれると、柳のバントで二進。平田のレフト前タイムリーヒットで同点に追いつかれる。福留がボールを弾き、その間に平田は二進。京田は空振り三振に取ったが大島のレフト前ヒットで2死一三塁に。ここでビシエドを空振り三振に打ち取って最少失点でしのいだ。4回表、先頭の福留が二塁打で出ると、1死後、梅野のショートゴロを強打が判断よく三塁へ送球し、福留はタッチアウト。2死一塁から木浪のライト前ヒットで一三塁とし、岩貞の打席で木浪が二盗。加藤は三塁に送球しようとするが、三遊間に投げてしまい球がレフトに達する間に梅野が生還してまたも1点リード。5回裏、1死から平田と京田の連打、大島の四球で満塁とされ、ビシエドは強い当たりのショートライナーに打ち取るが、阿部は三遊間へショートへのタイムリー内野安打。京田も二塁から一気に本塁をつくも木浪の好返球で憤死、同点にとどめた。岩貞は5回2失点で降板。6回裏は二番手藤川が高橋周にヒットを打たれるも後続を断ち無失点。ドラゴンズ柳は6回2失点で田島に交代。7回表、その田島から先頭の代打ナバーロが四球を選び、代走は植田。近本がレフト前ヒットで一二塁とし、上本のバントで二三塁に。糸井が一塁線を破る2点タイムリー二塁打でまたもリード。7回裏、三番手能見が平田と大島にヒットを打たれ、1死一二塁で四番手ジョンソンに交代。ジョンソンはビシエドをセンターフライに打ち取ると、阿部も二塁へのフライに襲え、ピンチを脱した。ジョンソンは8回裏も抑える。9回表は三番手祖父江に抑えられたが、9回裏、ドリスが締めて連敗はせず。勝利投手は今季初勝利の藤川。ヒーローインタビューはピンチで登板して好投したジョンソン。
◎ドラゴンズ6回戦……2-0
タイガース青柳、ドラゴンズ阿知羅の投手戦。1回裏、先頭の平田を歩かせ、京田のバントで二進。大島の二塁ゴロは糸原の送球がややそれて判定はセーフ。しかし矢野監督のリクエスト申請で覆りアウトに。2死三塁のピンチでビシエドを空振り三振に打ち取って無失点で切り抜けた。2回表、大山が甘く入った初球をとらえてレフトスタンドに先制ソロホームランを放つ。4回裏、1死から大島にヒットを打たれるが、二盗を刺し、ビシエドを空振り三振に取る。6回裏は、先頭の松井雅にセーフティバントを決められる。代打渡辺はバント失敗の末、三振。平田の投手ゴロで二封。京田のセンター前ヒットで一三塁とされるも大島を空振り三振に打ち取りピンチを脱した。阿知羅は6回1失点で交代。二番手の谷元に7回表も抑えられる。8回表、三番手R・マルティネスに対し、2死から近本がセンター前ヒットを打つと、糸原の当たりは一二塁間を破る。近本が三塁を狙うと、送球がそれて球はファールグラウンドに。近本は一気にホームイン。待望の追加点が入った。8回裏、先頭の遠藤にレフト前ヒットを打たれると、松井雅の三塁ゴロは大山がバウンドを合わせそこねて大きく弾きエラーで無死一二塁に。代打井領の一塁ゴロはマルテが判断よく二封。一三塁から平田を三塁ゴロ併殺に打ち取ってここも無失点で切り抜けた。9回表、四番手小熊に対し、先頭の福留が歩き代走に中谷。この試合来日初出場のマルテがレフト前にヒットを放って無死一二塁に。梅野のセンター返しの打球は京田の好守に阻まれて二封。木浪の打席で梅野は二盗。木浪は申告敬遠。ここで青柳がそのまま打席に入り、ショートゴロ併殺と無得点に終わったが、9回裏、監督の期待にこたえて青柳は京田に内野安打を打たれるも、大島は三塁ゴロ、ビシエドは見逃し三振、阿部は投手ゴロと後続を断って完封勝利。ヒーローインタビューはプロ入り初完封の青柳。
愛すれどTigers週間MVP
投手……青柳晃洋 ベイスターズ戦で今季初勝利をあげると、ドラゴンズ戦ではプロ入り初完封とみごとな投球を披露。内野ゴロを打たせて取る投球で安心してみていられた。まさに投球開眼。今季は10勝できるという矢野監督の予測も間違いなさそう。
野手……近本光司 山崎康からの逆転ホームランはお見事の一語に尽きる。10試合連続ヒット、そして盗塁も決め、一番打者に定着しつつある。長いシーズン、まだ先はわからないけれど、このペースでいくと新人王は間違いない。ちょっと気が早いか。
次節は甲子園で6連戦。調子の上がってきたカープに秋山や才木、岩田がどう対するかが見もの。打線は相変わらずなかなか爆発しないが、やっと上がってきたマルテが起爆剤になってくれれば。続くベイスターズ戦は今節に続いて一気に叩いておきたい。西も今節のようなことはないだろう。2カード連続の勝ち越しで調子に乗ってきた。この勢いを大切にしてもらいたい。
(2019年4月29日記)