愛すれどTigers


岩田が危険球退場で勝利逃す

 12連戦の最後の3連戦は神宮球場のスワローズ戦。初戦は青柳がエラーから自滅して敗れる。第2戦は秋山が好投しスワローズ打線を抑えこむ。第3戦は岩田が好投するも危険球退場でリリーフの福永が打たれて同点にされ、中谷のタイムリーで勝ち越すも島本が打たれて引き分け。1勝1敗1分けと五分五分の戦い。一日あけて甲子園のドラゴンズ戦は、初戦は西の好投とドラゴンズ又吉の不調で勝つが、2戦目は柳のチェンジアップに手も足も出ず完敗。第3戦は若い清水にプロ入り初勝利を献上。審判による不可解な判定で高橋周をまたも乗せてしまったのが痛かった。このカードは久々の負け越しとなる1勝2敗。今節は2勝3敗1分け。今季通算19勝18敗2分で勝率は.514でカープと同率の3位。首位ジャイアンツとの差3.0と変わらず。

◎スワローズ7回戦……2-4
 スワローズの先発はブキャナン。1回表、糸井が二塁打を放つも大山凡退で先取点ならず。タイガースの先発は青柳。1回裏、先頭の太田のセーフティバントを青柳が一塁へ大きく悪送球。太田は一気に三進。山崎のレフト前タイムリーヒットで1点先取された。青木には一二塁間を抜かれるヒットで無死一三塁に。山田哲の投手ゴロは三塁走者の太田が飛び出し三本間の狭殺プレイとなり、太田はタッチアウト。しかし走者はその間に進塁して1死二三塁に。雄平の犠牲フライで2点目を与えてしまった。2回裏、梅野隆が歩くも盗塁死。高山はレフト線に二塁打を放つが後続を断たれて得点できず。立ち直ったかに見えた青柳だったが4回裏、ヒットの雄平を置いて村上にレフトスタンドにツーランホームランを打たれて4失点でこの回限りで降板。5回表はマルテが二塁打を放つもまたも返せず。5回裏、二番手福永は太田にヒットを打たれるも青木と山田哲を連続空振り三振に取る好投。6回表、近本、糸原の連打で無死一二塁とし、糸井の三塁ゴロで二三塁に進塁。大山はレフトへライナー性の犠牲フライで1点を返す。さらに梅野隆の三塁への当たりは三塁村上がそらしてレフト線へ。このエラーで糸原が生還して2点差に迫った。ブキャナンはここで降板。二番手は左腕ハフ。代打中谷の一塁ファールフライは川端が落球して再度チャンスをもらったが、見送り三振に倒れ、反撃はここまで。6回裏は島本がきっちり抑えるが、7回表もハフに抑えられる。7回裏は藤川、8回裏は能見が無失点で打撃の援護を待つ。しかし、8回は近藤、9回は梅野雄の前にチャンスを作ることもできず、連勝ストップ。初回の青柳の悪送球でスワローズに流れをやったまま引き戻すことができなかった。
◎スワローズ8回戦……3-1
 スワローズの先発は原。1回表、2死から糸井と大山が歩くも福留は見逃し三振で先制ならず。タイガースの先発は秋山。2回裏、先頭の雄平にライト前ヒットを許し、村上の打席で暴投し二進を許す。村上のセンター前ヒットで一三塁とされ、大引にセンター前タイムリーヒットを打たれる。中村には四球で無死満塁とされるが、原を三振に取ると、荒木貴はショートゴロ併殺で最少失点にとどめた。4回表、大山のライト前ヒットと福留の右中間への二塁打で無死二三塁とし、梅野隆のショートゴロの間に大山が生還して同点に。マルテが歩き一二塁として木浪がライト前にタイムリーヒットを放ち勝ち越す。秋山のバントは原が三封し、近本も二塁ゴロで追加点はならず。以降は両投手とも持ち味を出して相手打線を封じる。6回表、福留のライト前ヒットと、マルテのライト前テキサスヒットで1死一二塁とするも木浪はセンターフライ。しかし判断よく福留とマルテがタッチアップから二三塁に進塁。秋山はショートゴロで自らを楽にする打撃ができず。6回裏、青木の二塁ゴロを糸原が弾きエラーで出塁を許す。山田哲はレフトライナーに打ち取り、ここで秋山は降板。二番手の島本は雄平をショートフライに打ち取り、村上は歩かせたが大引をライトフライに打ち取ってピンチを脱した。7回表は二番手マクガフから近本がヒットを打ち、糸原のバントと糸井の一塁ゴロで三進するも、大山のヒット性の当たりはレフト荒木貴に好捕されてまたも追加点はならず。7回裏、三番手藤川が中村を歩かせ代走は渡邊。代打宮本のバントで二進。荒木貴は空振り三振に取ったが西浦と青木を歩かせて2死満塁に。山田哲にはレフトに大きな当たりを打たれたが、風にも助けられてレフトフライでピンチを脱した。8回表は三番手五十嵐に抑えられると、8回裏はジョンソンが三者凡退で一歩も譲らず。9回表、四番手近藤が登板。センター前ヒットの木浪を北條がバントの構えから四球で無死一二塁に。近本の三塁前のバントは近藤が捕って一塁へ悪送球し、木浪が生還して2点差とする。糸原はレフトファールフライに倒れ、糸井は申告敬遠。1死満塁で大山は投手ゴロ併殺と大量点にはつながらず。それでも2点差をドリスが三者凡退で締め、4時間を超える熱戦を勝ち取った。勝利投手は秋山。ヒーローインタビューは勝ち越しタイムリーの木浪
◎スワローズ9回戦……7-7
 スワローズの先発は高橋奎。1回表、近本がセンターオーバーの二塁打を放つと、上本がライト前ヒットで続き無死一三塁に。糸井のセンター前タイムリーヒットで1点を先制。さらに一三塁から大山のライト前タイムリーヒットでさらに1点追加。1死後、一三塁から梅野隆のショートゴロは二塁封殺のみ。梅野隆はヘッドスライディングでセーフとなり、糸井が生還して3点目をあげた。5回表、上本が歩き、二盗。1死後、大山の二塁ゴロで三進するも福留は二塁ゴロで追加点はならず。岩田は低めに球を集める好調さで5回まで無失点。このまま完封ペースかと思われた。6回表、二番手マクガフに抑えられ、6回裏を迎える。2死から青木の頭部に抜けた球があたり、岩田は危険球退場。急遽マウンドに上がった二番手守屋は山田哲をライトフライに打ち取り、流れを引き戻す。7回表、三番手ハフに対し2死から糸井がショート内野安打で出るも大山は一塁へのファールフライ。7回裏、三番手能見は大引の二塁打と村上への四球で1死一二塁とされるが代打西浦は投手頭上への高いフライでインフィールドフライが宣告され、能見は球を見失い捕球できなかったがアウト。代打西田を三塁ゴロに打ち取ってピンチを脱する。8回表、四番手五十嵐に対し1死から雨の龍がセンター前ヒットを放つと、2死後、代打木浪の打席で捕逸があり二進。木浪は敬遠気味の四球で一二塁とし、代打糸原は前進守備の右中間を超える2点タイムリー三塁打を放つ。8回裏、四番手は福永。太田、代打宮本、青木の三連打で無死満塁とされ、山田哲に右中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれる。ここで五番手ジョンソンに交代するが、雄平のレフトオーバーのタイムリー二塁打で1点差に迫られ、大引の投手ゴロで1死三塁に。村上には犠牲フライを打たれて同点に追いつかれた。9回からは梅野雄に抑えられ、六番手の藤川も走者は出すも雄平を空振り三振に取って延長戦に。10回表は梅野雄から梅野隆が二塁打を放つも後続を断たれて得点できず。10回裏からはドリスが抑え、11回表からは近藤に抑えられる。12回表、先頭の大山が投手強襲安打を放つと、高山のバントで二進。大山の代走に江越。梅野隆は申告敬遠で1死一二塁となり、代打中谷が左中間を破る2点タイムリー二塁打を放つ。ここで近藤から中尾に交代。木浪と糸原は連続三振であと1点が取れず。12回裏、島本が登板。山田哲にレフトポール直撃のソロホームランを浴びて1点差とされるもなんとか2死までこぎつけた。しかし村上に右ひじをかする死球を与えると、代打中村の打席で二盗。フルカウントから同点タイムリー二塁打を打たれてしまった。西田をライトフライに打ち取ってなんとかサヨナラ負けだけは阻止ししたが、4時間半を超える長い試合は継投策で苦しんで引き分けに終わった。岩田の危険球退場が大きかった。
◎ドラゴンズ7回戦……7-3
 タイガース西、ドラゴンズ又吉が先発。先制したのはドラゴンズ。2回表、ビシエドにセンター前ヒットを打たれると、阿部の投手ゴロで二封。一塁に木浪が送球するも判定はセーフ。矢野監督のリクエスト申請も判定は覆らず。1死一塁から高橋周にライトポール直撃のツーランホームランを打たれてしまう。2回裏、すぐさま反撃。四球の福留を置いてマルテがレフトスタンドに同点ツーランホームランを放つ。2死後、西がレフト前ヒットを打つと、近本の投手ゴロは又吉が送球をそらし内野安打に。糸原のレフト前タイムリーヒットで勝ち越すと、糸井が歩いて満塁に。大山はセンター前に2点タイムリーヒットを放ち、この回5点を奪う。又吉はこの回限りで降板。3回裏と4回裏は二番手岡田に抑えられる。4回表、大島と高橋周のヒットで2死一二塁とされるも伊藤康は見逃し三振で切り抜ける。5回裏、三番手小熊に対し、四球の福留を梅野が送り、2死後、木浪が左中間を破るタイムリー三塁打を放ち4点差に。小熊には6回裏は抑えられた。7回表、高橋周の二塁打と伊藤康のヒットで無死一三塁とされ、代打福田の二塁ゴロ併殺の間に大島が生還して1点を返される。西は7回3失点で交代。7回裏、四番手の福$に抑えられると、8回表はジョンソンが抑え返す。8回裏、五番手谷元に対し、2死から糸原がよく粘り四球をもぎ取ると、糸井のレフト前ヒットで一二塁に。大山のレフト前タイムリーヒットでまたも1点差に。9回表はドリスが締めてスワローズと同率2位に。ヒーローインタビューは3勝目の西と好リリーフのジョンソン、勝ち越しとダメ押しタイムリーヒットの大山。
◎ドラゴンズ8回戦……1-5
 ドラゴンズ先発の柳に完全に抑えこまれてしまった。タイガースの先発はメッセンジャー。1回表、1死から大島にライト線に二塁打を打たれる。糸井の動きが緩慢で二塁打になった打球だった。平田に四球を与えて一二塁とされ、ビシエドは空振り三振に取ったが、高橋周には右中間を破られ、糸井の動きがまたも緩慢で、一塁走者まで生還する2点打となった。阿部にもライト前にタイムリーヒットを打たれ、3失点。メッセンジャーはこの後は調子をあげただけに、もったいない失点であった。2回表は四球の走者をバントで二進されるも京田のショートライナーで二塁走者加藤が飛び出しており帰塁できず併殺。2回裏1死から梅野が初安打を放つも後続を断たれる。3回裏は柳のチェンジアップの前に
メッセンジャー、近本、糸原が三者三振。4回裏、阿部と福田の連打などで2死一三塁とされるも柳を三振に取って追加点を与えない。4回裏、糸井、大山、福留が三者三振。この6連続三振で完全に柳のペースとなった。5回裏には梅野のショートゴロを強打が悪送球で先頭打者が出塁し、2死後、代打高山のライト線二塁打で二三塁とするも近本はショートライナーで得点できず。メッセンジャーは5回3失点で降板。6回表は守屋が三者凡退に抑え、7回表2死まで走者を許さず京田の打席で能見にスイッチ。能見は京田を空振り三振に取り、この試合もリリーフ陣が踏ん張った。7回裏、2死から木浪が二塁打で出るも代打鳥谷は投手ゴロ。ここでもチェンジアップにタイミングが合わず。8回表、四番手は浜地。平田に二塁打を打たれるもビシエドを三振に取るなどして2死までこぎつけたが、高橋周にレフト前タイムリーを打たれて大きな追加点を与えた。9回表、五番手の福永が福田にバックスクリーン右にソロホームランを打たれ、5点差に。柳は8回無失点で交代。9回裏、二番手ロドリゲスに対し、福留と梅野の連打で無死一三塁とし、マルテの高く弾む三塁ゴロの間に福留が生還して完封は免れたが、反撃もそこまで。最後は代打上本の空振り三振で試合終了。糸井はどこか悪いのか打撃も守備も低調。初回の緩慢な守備でメッセンジャーがいらついていたのが印象的だった。
◎ドラゴンズ9回戦……2-5
 タイガースの先発は才木。1回表、京田のセンター前ヒットと平田とビシエドへの四球で1死満塁とされ、高橋周の一塁線への当たりはマルテのミットの下を抜け、ライトへの2点タイムリーヒットとなって先制を許した。ドラゴンズの先発は高卒2年目の清水がプロ入り初先発。1死から糸原の四球と糸井のセンター前ヒット、大山の四球でこちらも1死満塁とし、福留のセンター前2点タイムリーヒットで同点とする。2回表、ヒットの加藤を清水が送り、2死後、大島の左中間へのフライは福留と近本のちょうど間に落ちてタイムリー三塁打となり、1点を勝ち越される。4回裏、梅野のヒットとマルテの四球で一二塁としたが、木浪のライトへのヒット性の当たりは平田に好捕され、才木のスリーバントはファールとなり2死に。近本のセンターへの頭上を襲う大飛球も大島に好捕され、得点できず。5回表、2死からビシエドに投手強襲ヒットを打たれる。打球は才木のくるぶしに当たり、一度ダグアウトで治療。それでも続投したが、高橋周のライト前ヒットは糸井の返球の間に走者が進み、2死二三塁となった。阿部はレフトフェンス最上部に当たる2点タイムリー二塁打で3点差をつけられた。両者とも5回で降板。後半は両チームとも継投。タイガースは島本、守屋、石崎、能見が無失点リレー。打線の援護を待ったが、ドラゴンズは岡田、ロドリゲス、R・マルティネス、鈴木博のリレーで逃げ切った。

愛すれどTigers週間MVP
投手……守屋功輝
 敗戦処理から始まって、いまやピンチの際に緊急登板を任せられる存在に。岩田の危険球退場の直後を抑えたかと思うと、イニングまたぎもきっちり抑える。中継ぎ投手での安定感はジョンソンにつぐ。顔つきも自信に満ちあふれてきたようだ。
野手……木浪聖也
 近本が調子を落としてきたら、今度は木浪が打ち出した。脅威の八番打者として、上位打線につなぐ役割をしっかりと果たしている。チャンスが近づいてきたら「俺のところにまわせ」と念じているというからすごい。

 次節は東京ドームで2連戦のあと、1日おいて甲子園に戻ってカープ戦。ジャイアンツには6連敗を喫していただけに、ここらで少しでもお返しをしてもらいたいものだ。ジャイアンツはリリーフが弱いので、終盤戦に競り合いに持っていければ勝機は十分ある。カープが調子をあげてきたのは不気味だが、甲子園ではとにかく守り勝つこと。キーになるのはやはり近本か。なんでもいいから出塁して足で攪乱してもらいたい。なにしろ現在盗塁数では山田哲らと並んでトップに立っているのだから。

(2019年5月13日記)


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