今節は調子の落ちてきたスワローズと甲子園で3連戦。初戦は青柳が好投し、原から梅野が決勝打を放って先勝。第2戦は若い高橋奎に苦しめられたがハフを打ちこんで2連勝。第3戦は息詰まる投手戦の末、糸原のサヨナラ打でカード3連勝。続く横浜スタジアムのベイスターズ戦は、初戦は西が筒香のホームランで先制されるも打線がこつこつと1点ずつ返して逆転勝利。第2戦はメッセンジャーが審判の判定にいらつき自滅して大量リードを許したが、完封目前の上茶谷を最終回の反撃で引きずり降ろし、1点差まで迫る惜敗に持っていった。第3戦は久々の登板のガルシアが完封して移籍初勝利打線も苦手の濱口から3発のホームランを放ちノックアウトして2勝1敗と勝ち越した。今節は5勝1敗。今季通算26勝22敗2分で勝率は.542の3位。首位カープとの差は2.5と縮まった。2位ジャイアンツとはわずか0.5差。
◎スワローズ10回戦……3-2
スワローズの先発は原。1回裏、1死から糸原が歩くが二盗失敗で2死走者なしに。四球の糸井を置いて大山がレフト前ヒットを放ち一三塁とすると、福留が二塁左を抜くライト前タイムリーヒットで先制する。タイガースの先発は青柳。2回表、雄平と村上の連打で無死一二塁とされ、坂口のバントで二三塁に。川端の一塁ゴロはマルテがバックホームするも梅野隆が走者と交錯してボールをこぼし雄平はセーフで同点に。さらに1死一三塁のピンチが続いたが、中村の高く跳ねるショートゴロを木浪が好捕して併殺に取り、逆転は許さず。4回裏、1死から福留が左中間フェンスに当たる二塁打で出ると、梅野隆の三塁線の当たりはベースにあたって大きくはあがりタイムリー二塁打となる。さらにマルテが死球でつなぐと、木浪は初球を狙いすましてライト前にタイムリーヒットを放ち、2点差とする。6回裏、梅野隆の死球とマルテの四球で1死一二塁のチャンスを作るも木浪はショートゴロで二封、代打鳥谷は二塁ゴロと追加点は取れず。青柳は走者は許しても併殺で切り抜ける投球で6回1失点で交代。7回表、二番手能見が村上にレフトスタンドにソロホームランを打たれて1点差に詰め寄られる。スワローズは7回裏はハフを投入し三者凡退。8回表、三番手ジョンソンは代打宮本にヒットを打たれ、太田のバントで二進。青木の打席で宮本に三盗を許し、青木は歩かせる。しかし山田哲と雄平を連続空振り三振に取ってピンチを脱した。8回裏はマクガフから大山がヒットを放つも後続を断たれる。9回表、ドリスは1死から坂口を歩かせたが代打バレンティンをバットをへし折る三塁ゴロ併殺に打ち取り、逃げ切った。ヒーローインタビューは4勝目の青柳と決勝タイムリーの梅野隆。
◎スワローズ11回戦……3-2
スワローズの先発は高橋奎。1回裏、近本が二塁内野安打で出ると、糸原の打席で二盗。糸原は三振、糸井の一塁ゴロで近本は三進。大山の死球で一三塁とするも福留は三塁ゴロで先制点はならず。タイガースの先発は岩田。2回表、バレンティンを歩かせ雄平の二塁打で無死二三塁とされるも、村上はショートライナー。中村を歩かせて満塁とし、廣岡を二塁ゴロ併殺に打ち取り先制点は許さず。2回裏、先頭の梅野隆がレフトポール際に先制のソロホームランを叩きこむ。3回表、高橋奎の内野安打も坂口のショートゴロで二封。青木は歩かせたが山田哲を計算通りのショートゴロ併殺に打ち取る岩田らしい投球。4回表、今度はバレンティンに同点ソロホームランをレフトスタンドに持っていかれ、雄平の内野安打、村上の三塁ゴロは大山の送球がショートバウンドして一塁中谷の足が離れエラーで一二塁に。中村のバントと廣岡への四球で1死満塁とされるも高橋奎は空振り三振、坂口は一塁ゴロでここもピンチを切り抜ける。5回表、1死から山田哲に二塁打を打たれ、2死後、雄平のセンター前ヒットで本塁へつっこんでくるのを近本がストライク返球で刺す。5回裏は近本のヒットと糸原の三塁ゴロエラーで2死一二塁とし、重盗が決まって二三塁とチャンスを作るも大山は三塁ゴロで、こちらもホームが遠い。高橋奎は5回1失点で降板。6回裏、二番手は近藤。福留の右中間を破る二塁打を梅野隆が送って1死三塁とするが、中谷、木浪はともに内野ゴロでこれまた得点できず。7回表、二番手藤川は代打宮本を空振り三振に取るも坂口と青木の連打で1死一二塁とされる。しかし山田哲を空振りの三球三振に取ると、バレンティンも連続の空振り三振で流れを呼びこむ。7回裏、三番手ハフから代打上本がショート内野安打を放ち、廣岡の一塁悪送球で二進。近本が送って三進。2死後、糸井のセンター前タイムリーヒットでついに勝ち越し。大山のレフト前ヒットはバレンティンがお手玉をしている間に糸井が一気に生還して2点差とする。8回表はジョンソンが三者凡退に抑え、8回裏は五十嵐に抑えられる。9回表、ドリスが代打太田、代打田代を連続空振り三振に取るも、坂口を歩かせ、青木の打席で走られ二進。青木のセンター前タイムリーヒットで1点差と迫られるも山田哲はショートゴロで逃げ切った。ヒーローインタビューは決勝打の糸井、勝利投手の藤川、10セーブ目を記録したドリス。
◎スワローズ12回戦……1-0
タイガースの高橋遥、スワローズのブキャナンの投手戦。2回表、ヒットの雄平を村上と中村の内野ゴロで三塁まで進ませてしまったが、廣岡を空振り三振に取り切り抜ける。3回裏、2死から近本がライト前ヒットで出るも上本の打席で二盗に失敗。5回表、1死から廣岡のショートゴロは北條が弾いてエラーで出塁。ブキャナンに送られるも山田哲を空振り三振に取る。6回表、1死から青木とバレンティンの連打で一三塁とされるも、雄平の一塁ゴロで青木は本塁憤死。村上のセンター頭上を襲う飛球も近本がランニングキャッチで得点を許さない。6回裏、今度は近本と上本の連打で1死一二塁とするも糸井のセンター前のライナーはのびすぎてアウトに。大山は二塁へのフライでこちらも得点ならず。高橋遥は6回無失点で交代。二番手藤川は7回表、中村を歩かせ廣岡のバントで二進。代打川端のセンターフライで中村は三進。山田哲を歩かせて坂口を三塁ゴロに打ち取りまたも得点は許さず。ブキャナンも6回無失点で交代。7回裏は近藤から梅野隆のヒットと北條の四球でチャンスを作るも糸原の打席でハフに交代。糸原は二塁ゴロに終わる。8回表、ジョンソンは青木の四球と村上のヒットで2死一二塁とされるも中村を見逃し三振に取り、一歩も譲らず。8回裏は続投のハフとマクガフのリレーに抑えられ、9回表はドリスが廣岡のセーフティバントの送球をわずかに外して無死一塁とされるも後続を断つ。9回裏、1死から梅野隆とマルテが歩き、北條のレフト前ヒットで満塁に。糸原がライト横を破るサヨナラヒットで3連勝。ドリスが勝利投手。ヒーローインタビューはサヨナラ打の糸原。
◎ベイスターズ10回戦……3-2
タイガースの先発は西。1回裏、神里を歩かせるも宮崎をショートゴロ併殺に取る。しかしヒットのソトを置いて筒香にレフトスタンドに先制ツーランホームランを打たれてしまった。3回裏には1死から宮崎とソトに連打を浴びるが、筒香は外角いっぱいを突く見逃し三振。ロペスにはあわやホームランというファールを打たれるもサードゴロに打ち取って切り抜ける。ベイスターズの先発は今永。3回までノーヒットに抑えられていたが、4回表、糸原は肘に死球。糸井のショートゴロは内野安打となり、大山のレフト前ヒットで満塁に。福留がセンターへ犠牲フライを放ち1点差に。なおも二三塁と攻め立てたが、梅野はショートゴロ併殺で逆転ならず。5回裏、2死から宮崎を歩かせ、ソトのセンター前ヒットでまたもピンチを迎えるが、筒香を空振り三振に取って追加点を与えない。6回表、糸井と大山が連続四球、1死後、梅野のショート内野安打で満塁に。マルテのレフトへの犠牲フライで同点に追いつく。6回裏は守屋が抑え、7回表、近本がライト線の三塁打でチャンスを作ると2死後に大山がレフトライン上に落ちるタイムリー二塁打でついに勝ち越し。7回裏は続投の守屋が1死取ったところで代打乙坂に対して能見をぶつける。乙坂は空振り三振。神里にはヒットを打たれたが宮崎をショートゴロに取ってリードを保つ。8回表は三嶋に抑えられる。8回裏、四番手藤川がソトを歩かせ代走に桑原将。筒香の二塁内野安打はソトが二塁をオーバーランして戻れずタッチアウト。ロペスを空振り三振に取ると、代打佐野は歩かせるが石川を火の玉ストレートで空振り三振に。9回表はエスコバーに抑えられたが、9回裏はドリスが登板。大和にヒットを打たれ、代打柴田のバントと大和の三盗で1死三塁に。ここで神里を投手ゴロに取ると宮崎はショートゴロで試合終了。勝利投手は守屋。ヒーローインタビューは決勝打の大山。
◎ベイスターズ11回戦……5-6
タイガースの先発はメッセンジャー。決めに行った内外角いっぱいの球をことごとくボールと判定されていらつく。2回裏、筒香に際どい球を投げ続け結局四球。ロペスにも同様の判定で四球。筒香の盗塁に梅野が二塁悪送球で無死一三塁に。伊藤光にも四球で満塁に。中井の三塁ゴロは大山が三塁ベースを踏んでからバックホーム。筒香は狭殺プレーでタッチアウトに。2死一二塁から大和を歩かせるも上茶谷を空振り三振に取り、無失点で切り抜けた。ベイスターズは上茶谷が先発。タイガース打線は全くタイミングが合わず。5回表、先頭の福留がライト線に二塁打を放ち、梅野が送って三進。しかし中谷は浅いセンターフライで福留は帰れず。木浪は申告敬遠でメッセンジャーは投手ゴロと、チャンスを生かせず。5回裏、神里とソトの連打で1死一二塁とされると、筒香にはここも際どい球をボールと判定されて満塁に。ロペスにライトへ犠牲フライを打たれて先制点を許した。6回裏、柴田のヒットと大和への死球で一二塁とされ、上茶谷のバントはメッセンジャーが判断よく三封。しかし神里を歩かせて満塁とされ、宮崎のセンター前タイムリーヒットで2点目を入れられる。ソトのショートライナーは木浪が好捕したが、筒香にレフトの頭を越す2点タイムリー二塁打を打たれると、ついにメッセンジャーは降板。二番手の谷川がロペスのセンター前2点タイムリーヒットを打たれて6点差に。谷川は7回裏は無失点。8回裏は浜地が抑える。9回表、それまで手も足も出なかった上茶谷に対して反撃。完封を意識したか、低めに集めていた球が高めに浮くところを近本が狙い撃ちセンター前に落ちるテキサスヒット。糸原はライト線を破る二塁打で無死二三塁とし、糸井がレフトスタンドにスリーランホームランを放ち3点差に迫る。さらに大山の二塁内野安打で上茶谷は無念の降板。二番手エスコバーから福留は空振り三振。梅野の打席で山崎康がマウンドに。梅野の二塁への強い当たりを柴田が弾いてセンター前ヒットとし、一三塁に。2死後、木浪の打席で梅野が二盗。木浪はライト前2点タイムリーヒットで1点差に迫った。しかし、代打鳥谷がレフトフライに倒れて連勝ストップ。それでも最終回に山崎康を投入させたのは大きかった。
◎ベイスターズ12回戦……7-0
ベイスターズの先発は天敵濱口。しかし1回表、近本がライトスタンドに先頭打者ホームランを叩きこむと、2回表にはセンターオーバーの三塁打の梅野を置いてマルテがレフトスタンドにライナーで突き刺さるツーランホームラン。さらに中谷もレフトスタンド上段へ美しい放物線のソロホームランで続く。2死から近本がセンター前ヒットで出、糸原の四球で一二塁とする。糸井の一塁ゴロはベースカバーの濱口が落球し、その間に近本が一気にホームインして5点差とする。濱口はここで降板。二番手国吉には後続を断たれたが、苦手の濱口を早い回でKOしたのは大きかった。タイガースの先発はガルシア。大量点をバックに快調な投球。4回裏、宮崎のヒットとソトの三塁ゴロエラーで無死一二塁とされたが、筒香は空振り三振。ロペスの投手ゴロはガルシアが二塁へ投げるも送球がそれてセーフ。バックアップの木浪が判断よく三塁オーバーランの宮崎を刺して2死一二塁とし、伊藤光を一塁ゴロに打ち取りピンチを脱した。国吉に抑えられていた打線も、5回表に大山がレフトスタンドにソロホームランで追加点を奪う。6回表は砂田に抑えられ、6回裏は、2死からソトを歩かせ筒香にライト線へ二塁打を打たれ二三塁とされるも、ロペスの二塁頭上を襲うハーフライナーを糸原が好捕して失点は許さず。7回表、続投の砂田から糸井がヒットを放つと、四番手藤岡に交代。大山の打席で糸井が二盗。アウトの判定も矢野監督のリクエスト申請で覆る。大山の一塁ゴロで糸井は三進。梅野がレフト線にタイムリー二塁打を放ち、7点差とした。8回表は石田に抑えられ、9回表はパットンに抑えられたが、ガルシアは7回以降走者を許さず、移籍初勝利を完封で飾った。ヒーローインタビューは完封勝利のガルシア。
愛すれどTigers週間MVP
投手……オネルキ・ガルシア シーズン序盤、自分の投球を見失ってしまった助っ人が、二軍での調整を経て復活した。先シーズンのドラゴンズ時代を思い出させる投球で移籍初勝利。しかも今季初完封。夏に向けてこれまでの分も取り返してもらいたい。
野手……梅野隆太郎 一時3割りを切っていた打率も復調し、福留にかわって5番を打った試合でも好打を連発。今節は打線が日替わりで―ヒーローを生んだが、6試合安定していたのはこの梅野。リード面でも連日の1点差試合をよくリードした。
次節は甲子園でジャイアンツ戦。前回の東京ドームで2連勝したが、まだ4つ負け越しているのだ。カード勝ち越しで2位に浮上したい。そしてマツダスタジアムに移動して首位を走る絶好調のカープ戦。前回の3連敗をぜひ返してほしい。これが終わると交流戦に入る。ひとつでも勝ち越しを多くして臨んでほしいものだ。
オールスターのファン投票、中間発表が公開され、タイガースは現在は梅野、ジョンソン、そして近本がそれぞれのポジションでトップ(近本は3位だが、外野手3枠に入っている)という。やはりチームは勝たねばならんね。
(2019年5月20日記)