セ・パ交流戦も中盤。ヤフオクドームでのホークス戦は、初戦はメッセンジャーとミランダが踏ん張り、リリーフ陣も粘って引き分け。第２戦は青柳がホークス打線を翻弄し、打線も和田を打ちこんで勝つ。第３戦は大竹の前に完敗。カード１勝１敗１分。ホークスとはほぼ互角の戦いをしてみせた。京セラドーム大阪でのバファローズ戦は、初戦は西が古巣相手に苦戦。終盤に逆転を許した。第２戦は岩田が好投したが早く退いたため、１点差を守る展開になり、ドリスが自分のエラーなどで自滅しサヨナラ負け。第３戦はガルシアが５点を失うも、終盤に打線が追いつき、今節２度目の引き分け。今節は１勝３敗２分。今季通算３３勝３０敗４分で勝率は．５２４の３位。首位カープとの差は３．０。
◎ホークス１回戦……２－２
ホークスの先発は左腕ミランダ。１回表、１死から糸原が歩き、糸井のセンターオーバーの二塁打、大山の四球で満塁のチャンスを作るも、福留は空振り三振。梅野のセンターフライで無得点に終わる。４回表、先頭の福留が歩き、梅野のバントは投手前内野安打となる。１死後、高山のライト前タイムリーヒットで先制し、なおも１死一三塁で北條のスクイズが決まって２点差とする。タイガースの先発はメッセンジャー。３回まで快調に飛ばしていたが、４回裏、先頭の福田にライトポール際に飛びこむソロホームランを打たれて１点差とされる。５回裏、ヒットの走者明石は２死から釜元の打席で飛び出して一二塁間の狭殺プレーでアウトに。ミランダは６回２失点で降板。７回表は二番手甲斐野の前に三者凡退。８回表は三番手椎野の前にやはり三者凡退。９回表はもとタイガースの松田遼がマウンドに。１死から梅野が歩きマルテの打席で二盗。マルテも四球でチャンスを作るが高山は空振り三振。北條は二塁ゴロでかつての盟友の前に無得点。メッセンジャーは８回まで早打ちのホークス打線に助けられて完投ペース。９回裏、ヒットの釜元を高谷に送られ、２死までこぎつけたが、今宮にレフト前に打たれ、福留が頭から跳びこんで捕りにいくもショートバウンドでグラブに収まるレフト前タイムリーヒットとなり、同点に追いつかれる。今宮の代走は周東。グラシアルの打席で二盗を試みるも梅野が刺す。工藤監督のリクエスト申請も判定は覆らず延長戦に。１０回表は森から糸井がヒットを放つも大山は打ちあげて二塁へのフライに倒れる。１０回裏は藤川がグラシアルを空振り三振、デスパイネは歩かせ代走に真砂。ここで松田宣、明石を連続空振り三振に取る。１０回表はモイネロの前に三者凡退。１１回裏、小野を送りこむが１死から釜元を歩かせ能見に交代。高谷のバントで２死二塁に。福田は申告敬遠。高田を投手ゴロに打ち取り試合は最終回に。１２回表、武田から高山がセンター前ヒットを放つと、北條が送り、近本は左ひじに死球。糸原のセンター返しはショート高田が好捕しグラブトスで二封。糸井は歩いて２死満塁と絶好のチャンス。しかし大山は好球を見逃し逃げる球を空振りして三振。１２回裏、ドリスはグラシアルにショート内野安打を打たれ、代走に川瀬。ドリスの牽制悪送球と暴投で三塁まで進まれる。ここからがドリスの真骨頂。真砂をフォークで空振り三振に取ると、松田宣はショートゴロで走者は釘づけ。明石はレフトフライに打ち取り、サヨナラを期待してベンチ前まで出てきていたホークスナインをがっかりさせた。４時間半を超える長い試合も引き分けに終わった。
◎ホークス２回戦……８－２
タイガースの先発は青柳。序盤からていねいな投球で持ち味であるゴロを打たせて取る投球。３回裏、先頭の内川の三塁ゴロを大山が弾き、釜元と甲斐の内野ゴロで三塁まで進める。福田の二塁ゴロは糸原が好捕するも紙一重で一塁はセーフ。タイムリーヒットとなり先制を許した。ホークスの先発は和田。４回表、１死から原口がライト前テキサスヒットで出ると、梅野がレフトスタンド中段に運ぶ完璧な当たりの逆転ツーランホームランを放つ。６回表、糸井のレフト前ヒット、大山の内野安打、原口の三塁ゴロで１死二三塁とし、梅野が低い球に食らいついて三遊間を破る２点タイムリーヒットを放つ。ここで和田は降板。二番手は高橋純。６回裏、福田に右中間ホームランテラスに飛びこむソロホームランを打たれて２点差とされるが、７回表、続投の高橋純から北條がライト前に二塁打を打ち、代走は植田。近本のバントで三進。糸原が右中間を破るタイムリー三塁打で１点を加えると、糸井は歩き、２死から原口のタイムリーヒットで突き放す。高橋純はこの回までで降板。８回表、松田遼からヒットの丸木の代走荒木を置いて植田がプロ初となるツーランホームランを放ち、試合は決まった。９回表は嘉弥真に抑えられたが、タイガースは８回を島本、９回を守屋で締め、快勝。カープがこの日ファイターズ戦で高卒ルーキーの吉田輝星に敗れていたため、１．５まで差が縮まった。
◎ホークス３回戦……０－３
タイガース高橋遥、ホークス大竹両若手左腕の投手戦。２回裏２死から松田宣に高いバウンドの投手ゴロを内野安打にされたが、塚田はセンターフライ。このあとはヒットを許さず。３回表、先頭の高山がセンター前ヒットで出ると、北條がバントを決め、、近本の二塁ゴロで高山は三進。しかし糸原はショートフライで得点ならず、以降はタイガースも走者を出せず。４回裏は１死から内川を歩かせるもデスパイネを併殺。７回裏、ついに試合が動く。先頭の今宮にレフト前ヒットを打たれると、内川にもレフト前ヒットで無死一二塁とされる。デスパイネを空振り三振に取るも、グラシアルを追いこんでインコースに投げた変化球をレフトスタンドに運ばれ、スリーランホームランで先制される。８回表は２死から高山がライト前ヒットを放つも、北條はライトフライで反撃ならず。８回裏、二番手は地元福岡出身の浜地。２死から釜元を歩かせ二盗を許すも内川を空振り三振に取り、故郷に錦を飾る。９回裏、完封目前の大竹をおろし、クローザーの森を投入。三者凡退で完封リレーを許した。
◎バファローズ１回戦……４－６
タイガースの先発は西。古巣相手に痛い一発を食らう。１回裏、２死からヒットの吉田正を置いてロメロにセンターバックスクリーンへ先生のツーランホームランを浴びた。バファローズの先発は成瀬。スワローズ時代はよく打ちこんでいた相手。２回表、１死から原口がレフト前ヒットで出塁。梅野がレフトファールラインぎりぎりに落ちるタイムリー二塁打を放つ。一度は原口にタッチアウトが宣告されたが、矢野監督のリクエスト申請で判定が覆り、１点を返す。梅野は返球の間に三進。マルテの鈍い当たりの三塁ゴロの間に梅野が生還して同点に追いついた。この後は西も成瀬も絶妙のコントロールでそれぞれの打線を翻弄。試合は動かず、成瀬は６回２失点で交代。７回表、二番手比嘉からライト前ヒットの原口に代走は荒木。梅野のバントで二進し、マルテはレフト前にタイムリーヒットを放ち勝ち越す。吉田正の返球がそれる間にマルテは二進し、代走に木浪。後退した三番手海田から高山がレフト前にタイムリーヒットを放ち、２点差とした。７回表にも糸原のヒットと糸井の袖口をかする死球でチャンスを作ったが、海田にかわって四番手エッブラーが登板。大山は三塁ゴロ併殺、代打鳥谷はセンターフライと追加点はならず。西は好投を続けていたが、８回裏に息切れ。小田と代打後藤駿に連打を浴び、無死一三塁とされると、福田のレフト前タイムリーヒットで１点差とされる。代打鈴木昂のバントで二三塁とされ、無念の降板。二番手藤川は吉田正を歩かせて満塁とし、ロメロを空振り三振に打ち取った。しかし西野の打席で暴投し、同点に追いつかれると、西野のライトフライは前進守備の糸井の頭上を越えて２点タイムリー二塁打となった。９回表はクローザー増井の前に２死から高山が歩いたが代打福留は空振り三振に倒れ、悔しい逆転負け。
◎バファローズ２回戦……２－３
タイガースの先発は岩田。１回裏、先頭の福田は二塁内野安打、そして二盗。１死後、吉田正の一塁ゴロで福田は三進。ロメロを歩かせ、中川のライト前タイムリーヒットで先制点を許す。２回裏、１死から若月のヒットと鈴木昂の内野安打でピンチを作るも後続を断つ。バファローズの先発は山岡。３回まで木浪の二塁打のみに抑えられていたが、４回表、糸原のライト前ヒットは糸原の好走塁で二塁打となり、糸井のセンター前タイムリー二塁打で同点に追いつく。しかし後続を断たれて逆転ならず。４回裏、大城の三塁ゴロを大山の悪送球で生かしてしまうが、武田をセンターフライに打ち取ると、若月の打席で大城を牽制で釣り出しタッチアウト。岩田のベテランらしい落ち着いたプレーが光る。５回裏、鈴木昂を歩かせ、福田のバントで二進。福田は一塁でベースカバーの糸原と交錯し、アウトの判定も西村監督はリクエスト申請。ここは覆らず一塁はアウト。佐野の二塁ゴロで三進。とかと吉田正をライトフライに打ち取って切り抜けた。６回表、ヒットの糸原は糸井の三塁ゴロの間に二進。大山のレフト前タイムリーヒットで勝ち越した。岩田は５回１失点で交代。６回裏、二番手の守屋が１死後中川にセンター前ヒットを打たれて大城の打席で牽制悪送球。大城は歩かせ一二塁に。代打後藤駿に対し、三番手に能見。五嶋を一塁ゴロに打ち取り、代打伏見は歩かせて満塁とされるも鈴木昂を投手ゴロに打ち取ってピンチを脱した。７回表、２死からヒットの高山が二盗してチャンスを作るも木浪は二塁ゴロで追加点ならず。７回裏、四番手島本は福田に二塁打を打たれ、佐野のバントで１死三塁に。しかし吉田正を二塁ゴロに取ると、ロメロを空振り三振に取ってピンチを脱した。８回裏は藤川が抑え、９回表はエップラーに抑えられる。９回裏、クローザーのドリスが先頭の代打小島にライト前ヒットを打たれると、福田のバントはドリスが一塁へ悪送球して無死一三塁に。代打小田の打席で福田は二盗。小田は三塁ゴロに打ち取るも、吉田正にセンター前に同点タイムリーヒットを打たれ、ロメロの打席で吉田正は二盗。１死二三塁とされてロメロにレフトへサヨナラの犠牲フライを打たれ、逆転負け。
◎バファローズ３回戦……５－５
序盤はバファローズ田嶋とタイガースガルシアの投手戦。４回裏、先頭の吉田正にレフト前ヒットを打たれ、ロメロは空振り三振に取るも、中川の打席で吉田正に二盗を許し、中川も空振り三振に取ったが大城に右中間にタイムリー二塁打を打たれて先制される。さらに５回裏、先頭の若月に三塁内野安打を打たれ、安達のバントで二進。福田のライト前ヒットで一三塁とされ、鈴木昂は見逃し三振に取ったが、吉田正にレフト前に軽打されタイムリーヒットとなる。ロメロのショートゴロは北條が焦ってこぼし満塁に。中川のセンター前２点タイムリーヒットで４点差とされると、大城のライト前タイムリーヒットで５点差とされてしまった。６回裏は二番手小野を投入。１死一二塁とされるも鈴木昂をショートゴロ併殺に取って切り抜ける。６回まで田嶋にノーヒットに抑えられていたタイガース打線が、７回表に反撃。チーム初安打の糸原と四球の糸井を置いて、田嶋は降板。二番手ディクソンに対し、大山のライト線を破るタイムリー二塁打で１点を返すと、二三塁から原口の犠牲フライで２点目。梅野の一塁ゴロの間に大山が生還してこの回３点を返した。７回裏は三番手の島本がロメロに投手強襲ヒットを打たれるも、二塁ゴロで入れ替わった走者小田の二盗を梅野が刺す。西村監督のリクエスト申請も判定は覆らず。８回表は三番手海田から２死二塁チャンスを作るも糸原は凡退。８回裏は守屋が三者凡退に抑える。９回表、クローザーの増井に対し、糸井と原口が歩き、原口の代走に荒木。２死一二塁で代打福留がセンターオーバーフェンス直撃の２点タイムリー二塁打を放ち、同点に追いつく。福留の代走は木浪。高山への四球で増井は降板。五番手近藤に対し、植田はショートゴロ。９回裏は能見が三者凡退に抑えて試合は延長戦に。１０回表は続投の近藤に抑えられ、１０回裏は佐野に二塁打を打たれたところで能見からドリスにスイッチ。ロメロを申告敬遠し、小田のバントは三塁大山が猛チャージを賭けて三封。大城の二塁ゴロで２死二三塁とされるも後藤駿を一塁ゴロに打ち取ってピンチを脱した。１１回表は左腕山崎に抑えられる。１１回裏、七番手藤川は１死から安達に二塁打を打たれ、福田の打席で暴投し三進を許す。ここで福田を三塁へのファールフライに打ち取ると、代打小島を見逃し三振に取る。１２回表、先頭の植田が歩き、近本のバントで二進。糸原のショートゴロで三進。糸井は申告敬遠で一三塁とされ、七番手の比嘉が大山と勝負。しかし大山は空振り三振に倒れてしまう。それでも１２回裏、浜地が三者凡退に抑えて、５時間近い総力戦をなんとか引き分けた。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……島本浩也 ここというところでの登板が増えてきて、その期待に見事に応えるようになってきた。持ち前の思い切りのよい投球で１点も許さないという場面にきっちりと結果を出している。このままでは岩崎あたり、出番がなくなるのではないかと思わせるくらい。
野手……梅野隆太郎 ホークス戦で和田から打ったホームランの素晴らしかったこと。この１発だけで今節のＭＶＰは決まり。梅ちゃんバズーカに加え、梅ちゃんウォールと呼ばれるワンバウンド捕球も日増しにその価値を高めている。だからこそオールスターファン投票でセ・リーグのトップを走っているのだ。
次節は倉敷と甲子園でイーグルス戦。そして交流戦最後のカードは甲子園でのライオンズ戦。どちらもパ・リーグの優勝争いにからむ好調同士。どちらのカードも勝ち越してなんとか交流戦５割をキープしたいところ。近本の不調がてきめんにチーム成績に響いているだけに、そろそろ再び調子をあげていってもらいたい。カープが交流戦でかなり調子を落としているだけに、なんとか順位をひっくり返したいところなのだが。
（２０１９年６月１７日記）
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