今節は神宮球場でスワローズ３連戦。初戦はエラーが響いて逆転負け。２戦目は青柳が大きく崩れ、石川の老獪な投球にひねられて敗れたが、３戦目は秋山の粘りの投球と近本の効果的なホームランで勝ち１勝２敗。続く甲子園球場でのカープ戦。初戦は高橋遥がまたも一発を食らって大敗。２戦目は西が打たれるも大山の逆転サヨナラホームランで勝ち、３戦目は望月が打たれるも３点差を８回裏に一気にひっくり返して２勝１敗。今節も３勝３敗。今季通算４９勝５３敗５分で勝率は．４８０で４位。首位ジャイアンツとの差は８．０と広がった。
糸井が二盗の際に足を負傷して登録抹消。陽川が昇格したが、ここは高山が外野の一角をものにするチャンス。世代交代はこういうところから始まるのだ。
◎スワローズ１５回戦……３－４
スワローズの先発はブキャナン。１回表、１死から糸原が三塁廣岡のエラーで出塁。糸井がライト前ヒットで続き、大山がライト線へタイムリー二塁打で先制する。福留は空振り三振。ソラーテの打席で中村が捕逸。糸井が本塁へ突入するもそらした球がまっすぐ跳ね返ってきて中村が糸井をタッチし、得点ならず。それでも２回表、ソラーテのライトスタンドへのソロホームランで２点差とする。ただ、ブキャナンはこの後立ち直り、手元で動く球にタイガース打線はてこずる。タイガースの先発はガルシア。４回まで快調にスワローズ打線を抑えていたが、５回裏、奥村を死球で出すと、ブキャナンのバントで二進。廣岡の三塁ゴロで三進。青木の一塁ゴロはマルテが捕球をもたつき一塁ベースカバーのガルシアも送球を後逸してタイムリー内野安打にしてしまい、１点差に。６回裏、１死から四球の雄平を置いて中村にレフトスタンドに逆転のツーランホームランを打たれてしまう。奥村のヒットと代打西田への四球で２死一二塁にしたところでガルシアは降板。二番手の守屋は廣岡をショートゴロに打ち取るが、糸原が弾いてしまいタイムリーエラーとなり２点差に。この１点が大きかった。ブキャナンは６回限りで交代。７回表は二番手近藤から代打鳥谷がヒットを放つも後続を断たれる。７回裏は三番手浜地が、８回表は三番手ハフが、８回裏は四番手能見がそれぞれ抑え、９回表、スワローズは抑えにマクガフを投入。福留のセンター前ヒットとソラーテのライト線への二塁打で無死二三塁と同点のチャンス。ソラーテの代走に植田。マルテは四球を選び、満塁に。代打高山の三塁ゴロで二封の間に福留が生還して１点差に迫る。なおも１死一三塁と攻め立てるが、原口はショート正面へのライナー、近本の打席で高山が二盗し、近本は申告敬遠。糸原はライトフライに倒れ、あと一歩というところで追いつくことができなかった。
◎スワローズ１６回戦……２－１１
スワローズの先発はベテラン左腕石川。２回表、マルテがレフトポール際に先制のソロホームランを放つ。青柳は上々の立ち上がりを見せたが、３回裏、先頭の中村に死球を与えると１死後、石川のバントで二進。太田にライト線へタイムリー二塁打を打たれて同点とされる。さらに４回裏、先頭の青木に死球を与えると、山田哲を歩かせる。雄平の一塁ゴロはマルテが判断よく二封。しかし村上にライトスタンドにスリーランホームランを打たれて３点差とされる。青柳はこれで動揺したか中村と奥村の連続二塁打でさらに１点を失い４点差に。５回裏には山崎晃にヒットを打たれるも青木を二塁ゴロ併殺に取る。ところが山田哲を歩かせ、雄平の二塁打と村上への申告敬遠で満塁とされ、中村には押し出し四球で５点差に。石川からマルテのホームランの１本しかヒットを打てていなかった打線だが、６回表、１死から近本がセンター前ヒットを放ち、２死後、糸井の打席で近本は二盗。しかし糸井の一二塁間の打球は山田哲が好捕。二塁ゴロとなり得点できず。矢野監督のリクエスト申請も判定は覆らず。６回裏、二番手の能見がきっちり抑える。スワローズも７回から継投。７回表は梅野雄の前に三者凡退。７回裏、三番手岡本が雄平にライトスタンドにソロホームランを打たれて６点差に。８回表は三番手五十嵐に対する。梅野隆の二塁打と高山のセンター前ヒットで１死一三塁とし、近本が歩いて満塁に。ここでソラーテはライトへ犠牲フライを放ち、５点差に戻す。高山は返球の間に三進。糸井の打席で近本が二盗。しかし糸井は空振り三振で反撃もここまで。８回裏、続投の岡本は奥村のヒットと廣岡の四球で無死一二塁とされるが、植田と山崎晃を凡退させて２死までこぎつけた。ところが代打バレンティンにセンター前にタイムリーヒットを打たれると、山田哲にはレフトスタンドにスリーランホームラン。９点差となり試合は決まった。９回表は平井の前に三者凡退で試合終了。青柳のコントロールが突如乱れてしまったのが大きかった。
◎スワローズ１７回戦……５－３
スワローズの先発は山田大。２回表、１死から福留のセーフティバントが決まり、マルテの死球で一二塁とする。原口の大きなセンターフライで福留は三進。北條が歩いて満塁としたが、秋山はショートゴロでチャンスを逸する。タイガースの先発は秋山。立ち上がりから飛ばす。２回裏、バレンティンを見逃し三振、雄平を空振り三振に取ると、村上は歩かせたが中村は平凡なライトフライで抑える。３回表、２死から糸井の内野安打と大山の左中間を破る二塁打で二三塁と攻めるも福留は二塁ゴロに倒れ、なかなか得点できない。３回裏、太田にレフトスタンド最前列に入る風に助けられたソロホームランを打たれ、先制点を許してしまう。５回裏、中村にヒットを打たれると、奥村の投手ゴロは秋山が二塁へ送球するもわずかにそれて野選となり一二塁に。山田大のバントは捕手原口が判断よく三封。太田のセンターフライで奥村は三進し、青木の一二塁間を破るライト前タイムリーヒットで２点目を失い、秋山は５回限りで降板。６回表、糸井がレフトフェンス直撃の二塁打で出ると、大山のレフト前タイムリーヒットで１点差に。大山は返球の間に二進。２死後、原口のショートゴロは一塁村上が捕球し損ね、その間に大山が生還してタイムリー内野安打で同点に。北條の左中間を破るタイムリー二塁打で一気に原口が生還し、ついに逆転。代打鳥谷のところで山田大は降板。二番手の梅野雄には後続を断たれる。梅野雄は７回も続投で抑えられた。６回裏、二番手島本はバレンティンと雄平の連打で無死一二塁とされるも、村上を空振り三振に取り、中村を二塁ゴロ併殺に打ち取って切り抜けた。７回裏は三番手岩崎が三者凡退に抑える。８回表は三番手近藤から原口が二塁打を放つも追加点はならず。８回裏は四番手ジョンソンが青木、山田哲を連続三振に取ると、バレンティンも三塁へのフライと盤石のリリーフぶり。９回表、四番手五十嵐からヒットの糸原を置いて近本が初球をライトスタンドへもっていくツーランホームランで
３点差とする。９回裏、抑えの藤川は雄平にライトスタンドにソロホームランを打たれて２点差とされるも、村上、中村、奥村を三者三振に切って取り、締めた。勝利投手は久々の秋山。ヒーローインタビューは勝ち越しタイムリーの北條。
◎カープ１９回戦……５－１１
カープの先発は大瀬良。２回裏、先頭のマルテがレフト前ヒットで出ると、原口の一塁へのフライはバティスタの頭をこえるヒットとなり無死一三塁。高山のレフト線へのタイムリー二塁打で先制する。北條の三塁前の鈍い当たりはメヒアがどこにも投げられず満塁となり、高橋遥のショートゴロは本封となったが、近本のセンターへの犠牲フライで２点目を奪う。北條も三進し一三塁に。糸原が歩いて満塁となり、糸井のライト前２点タイムリーヒットで４点差とする。なおも一三塁としたが、大山の打席で糸井が二盗。緒方監督のリクエスト申請で判定は覆り、アウトに。しかもスライディングの際糸井は足を痛めて３回表から島田と交代した。タイガースの先発は高橋遥。３回まで完璧に抑えていたが、４回表、西川、菊池涼、バティスタの三連打で１点を返される。無死一二塁で鈴木の三塁ゴロは大山がこぼして辛うじて二封のみ。１死一三塁から松山の打席で鈴木が二盗。原口が二塁送球する間に菊池涼が本盗し、２点差に。松山は三振に取ったが、會澤のヒットで一三塁とされ、メヒアにライトポール際に飛びこむ逆転スリーランホームランを打たれてしまう。しかし、両投手とも大量失点以降は立ち直ってそれぞれ無失点で１点差のまま試合は動かず。大瀬良は６回４失点で交代。７回裏は菊池保に抑えられる。高橋遥は７回５失点で交代。８回表、二番手守屋がバティスタを歩かせ、代走に野間。鈴木の打席で原口が捕逸して野間は二進。鈴木のセンター前ヒットで１点を追加された。そのあとメヒアの申告敬遠、三好のヒットで２死満塁とされるも代打坂倉をショートフライに打ち取り最少失点に抑える。８回裏、三番手の今村から島田とマルテの二塁打で１点を返し１点差とする。９回表、三番手浜地は１死から菊池涼にヒットを打たれるも野間を投手ゴロに打ち取る。しかし、浜地は二塁に悪送球し、併殺どころか１死一三塁とされてしまい、鈴木は申告敬遠。安部のセンター前２点タイムリー、會澤の２点タイムリー三塁打、田中広の犠牲フライで６失点。エラーの代償は大き過ぎた。９回裏、四番手中村恭の前に抑えられ、思いもよらぬ大敗を喫してしまった。
◎カープ２０回戦……６－５
タイガースの先発は西。２回表、ヒットの鈴木、死球の會澤、四球のメヒアと１死満塁とされ、小園にライト前にタイムリーヒットを打たれて先制を許すも、床田のショートゴロで本封、西川はライトフライと最少失点にとどめた。カープの先発は床田。１死から大山が歩き、梅野の右中間を破るタイムリー二塁打で同点に。２死後、西のライト前ヒットで一三塁とし、近本のライト前タイムリーヒットで勝ち越す。糸原の死球で満塁とするも、福留は一塁ゴロで大量点はならず。３回表、菊池涼にレフト前ヒットを打たれると、バティスタのレフトフライはソラーテがフェンス際で取れず同点二塁打となる。鈴木のショート内野安打で一三塁とされ。松山の左中間を破る２点タイムリー二塁打で２点差とされた。１死後、メヒアの一塁への内野安打で一三塁とされ、小園のショートゴロの間にさらに１点を追加され３点差とされた。カープは３回から二番手遠藤が登板。タイガース打線は変化球に翻弄される。５回表、鈴木にヒットを知打たれるも、松山の打席で牽制死。最初はセーフの判定だったが、矢野監督のリクエスト申請で覆り、アウトに。松山は空振り三振、會澤は二塁ゴロときっちり抑える。６回裏、１死から北條が歩き、代打高山のライト前ヒットと近本の四球で満塁に。遠藤から代わった三番手中村恭から糸原の押し出し四球で２点差に迫るも、後続を断たれて逆転はならず。西は６回５失点で降板。７回表、二番手能見が抑え、７回裏は菊池保に抑えられる。８回表は三番手島本が會澤を歩かせ、三好の打席で一塁牽制もベースカバーがおらず會澤は二進。三好のバントで三進。小園の二塁ゴロで會澤が本塁を突くも狭殺。２死二塁から代打磯村を一塁へのファールフライに打ち取り、切り抜ける。８回裏は五番手中崎に抑えられ、９回表は岩崎が三者凡退に抑える。９回裏、抑えのフランスアに対し、マルテがセンター前ヒットを放つと、ソラーテが歩き無死一二塁に。ここでこの日初めて四番を外された大山が右中間スタンドに逆転サヨナラスリーランを放ち、劇的な勝利。勝利投手は岩崎。ヒーローインタビューはサヨナラホームランの大山。
◎カープ２１回戦……６－５
カープの先発は九里。１回裏、二塁打の近本は高山の二塁ゴロの間に三進。福留の二塁ゴロで生還して１点を先制。タイガースの先発は望月。２回表、ヒットの鈴木と四球の松山を置いて會澤のセンター前タイムリーヒットで同点にされる。しかし後続を断ち、リードは許さず。３回表、二塁打の菊池を鈴木がセンター前タイムリーヒットで返し、勝ち越しを許す。５回表、西川のショート後方のフライは、北條と高山の間に落ちるテキサスヒットで二塁打に。菊池涼のバントで三進。２死後、鈴木を歩かせ、松山と會澤の連続ライト前タイムリーヒットで２点を追加される。メヒアの打席で望月は降板。二番手守屋の暴投で松山の代走の野間が生還して、４点差とされる。メヒアは三振。守屋は６回表、小園、九里、西川を三者三振に取り４連続三振でカープの勢いを止める。６回裏、１死からマルテとソラーテが歩き、大山のショートへの内野安打は緒方監督のリクエスト申請も覆らず満塁に。梅野のライト前タイムリーヒットで３点差とする。代打糸原に対し、二番手は中村恭。糸原、原口と連続三振で一気に追いつくことはできず。７回表は能見がバティスタにヒットを打たれるも後続を断つ。７回裏は三番手菊池保に抑えられ、８回表は四番手は町がメヒアにヒットを打たれるも後続を断ち、切り抜ける。８回裏、四番手今村に対し、マルテとソラーテの連打で一二塁とし、大山のセンターの頭を越す２点タイムリー二塁打で１点差に。梅野のバントで大山は三進。糸原を迎えてカープはフランスアをマウンドに送る。糸原のセンター前に落ちるヒットは大きく弾んで野間の頭を越し、タイムリー二塁打となり同点に。バックアップの西川はボールをこぼしてしまい糸原は三進。糸原の代走は植田。陽川の高く弾むショートゴロで植田はホームへつっこみ、田中広のバックホームをかいくぐり勝ち越しのホームを踏む。９回表、藤川が三者凡退で逃げ切り、連勝。勝利投手は浜地。ヒーローインタビューは１点差に迫る二塁打の大山、同点打の糸原、決勝のホームを踏んだ好走塁の植田。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……岩崎優 今節の登板では一人の走者も許さぬ好投。リードの場面でもリードされている場面でも表情を変えずにきっちりと抑える仕事にんぶりを発揮。いまや勝ちパターンに欠かせないリリーバーとなった。
野手……大山悠輔 スワローズ戦では今ひとつで、ついに四番から六番に打順を降格されたが、そのカープ戦で逆転サヨナラホームラン。さらに翌日は３点差の劣勢を跳ね返す勢いをつける２点タイムリーと、大きく存在感を見せてくれた。四番の座を結果を出して取り返してもらいたい。
次節はナゴヤドームでのドラゴンズ戦で９連戦となり、１日おいて東京ドームでのジャイアンツ戦。鬼門ナゴヤも、この勢いで突破できるか。ジャイアンツ戦は今季相性のいいドームだけに、不安定な相手のリリーフ陣を叩いてはやく５割に戻してほしいものである。そのためにも帰国して調整値をすませて再来日したメッセンジャーの復調具合がどうなのか、早く知りたい。青柳が崩れてしまっているだけに、キャリア十分な大黒柱に早く戻ってもらいたいのだ。
（２０１９年８月１１日記）
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