愛すれどTigers


近本、新人安打数単独3位に

 今節は甲子園球場でのスワローズ2連戦とカープ戦、そしてベイスターズ戦というシーズン終盤ならではの細切れのカード。スワローズには初戦は青柳が好投したがつかまったが、逆転勝利。2戦目は小川に完封され高橋遥がまたもめった打ちを食らって敗れ1勝1敗。カープ戦は西の好投で勝ち1勝、ベイスターズ戦は小刻みな投手リレーで完封勝利で1勝。今節は3勝1敗。今季通算65勝68敗6分で勝率は.489で5位。ジャイアンツが優勝を決定し、残るはAクラス争い。3位カープとの差は1.5。4位ドラゴンズとはゲーム差なし。残り試合を全勝しなければAクラスの可能性はなくなった。
 横田慎太郎外野手が今季限りの引退を発表。脳腫瘍は安定したが、その影響で目の機能が落ちプレーできる状態にないということでついに決断した。若手のホープとして金本監督から大きな期待をかけられていたが、病魔には勝てなかった。今後はチームとしても何らかのポストを用意するということなので、側面からチームを支えていってほしい。

◎スワローズ24回戦……3-2
 タイガースの先発は青柳。1回表、太田を歩かせ山崎晃のバントで二進。青木の一塁ゴロで三進を許すも、雄平を二塁ゴロに打ち取り、先制は許さず。スワローズの先発はブキャナン。1回裏、1死から近本がレフト前ヒットを放ち、福留の三塁ゴロで二進。マルテは四球で出たが、糸原は投手ゴロでこちらも先制ならず。3回表、1死からブキャナンにヒットを打たれ、2死後、山崎晃の打席で捕逸がありブキャナンは二進、山崎晃は四球。青木も歩いて満塁とされるが、雄平の痛烈なあたりの一塁線のゴロをマルテが好捕して一塁ゴロで切り抜けた。4回裏、糸原が歩き、高山三振の間に二盗。大山がセンター前タイムリーヒットを放ちついに先制。梅野のヒットでつなぐも、青柳はスリーバント失敗で、木浪と近本も凡退し追加点はならず。6回表、青木の四球、村上の敬遠で1死一二塁とされ、吉田にライト前同点タイムリーヒットを打たれる。なおも1死一三塁で奥村にレフト線へタイムリー二塁打を打たれ、勝ち越しを許す。松本直を歩かせ1死満塁に。ブキャナンのショートゴロで本封し、ここで青柳は降板。二番手島本に対し、代打は山田哲。島本は落ちる球で山田哲を空振り三振に取り、追加点は許さず。7回表は岩崎が三者凡退に抑える。ブキャナンは6回1失点で交代。7回裏、二番手ハフに対し、近本がセンター前ヒットを放つと、福留は空振り三振に倒れたが、マルテの打席で近本が二盗し、リーグトップに躍り出る。マルテは歩き、糸原の二塁ゴロで二封。高山がセンター前に同点タイムリーヒットを放つと、大山は三塁前でイレギュラーバウンドするタイムリーヒットを放ち、勝ち越しに成功。8回表、四番手ドリスは吉田をショート後方のフライに打ち取るも木浪が取れず二塁打となるが、後続を断つ。8回裏、三番手坂本光に対し2死から近本が一塁内野安打を打ち、リーグ新人最多安打に並ぶ。9回表、藤川は代打荒木貴に二塁打を打たれ、山田哲には四球。梅野が後逸し荒木貴は三進。山崎晃の打席で山田哲が二盗を試みるも梅野隆が刺し、1死三塁に。山崎晃を空振り三振に取ると、代打バレンティンはライトフライで切り抜け逃げ切った。勝利投手は岩崎。ヒーローインタビューはピンチの場面で好リリーフの島本と2打点の大山、安打記録の近本。
◎スワローズ25回戦……0-8
 タイガースの先発は高橋遥。1回表、1死から塩見にライト前ヒットを打たれると、山田哲の打席で暴投し、塩見は二進。山田哲にレフト線にタイムリー二塁打を打たれて先制点を許す。スワローズの先発は小川。1回裏、2死からこの試合三番に入った近本がライト前ヒットを放ち、セ・リーグ新人最多安打の記録を塗り替えた。4回までは投手戦の様相を見せていたが、5回表、2死から二塁打の廣岡を置いて塩見にプロ入り初となるツーランホームランをバックスクリーン右に放たれる。さらに四球の山田哲を置いてバレンティンにレフトスタンドにツーランホームランを打たれて、5点差に。5回裏、2死から坂本誠と代打原口の連打で一二塁のチャンスを作るも木浪はショートへのファールフライで数少ない得点機を逸した。6回表から登板した二番手守屋は7回表につかまる。廣岡と塩見の連打で無死一二塁とされると、山田哲の三塁ライナーは、大山が二塁走者を刺そうと送球するも悪送球となり1死一三塁に。山崎晃の打席で暴投死二三塁となり、2死後、村上は申告敬遠で満塁に。中山にレフト前2点タイムリーヒットを打たれ7点差とされる。8回表から登板した谷川も、9回表につかまる。四球の塩見と内野安打の山崎晃を置いて村上の内野ゴロの間に塩見が生還して8点差とされる。小川の前に凡退を繰り返す打線だったが、9回裏、マルテの二塁ゴロを太田が弾いて出塁し、高山のライト前に落ちるテキサスヒットで1死一三塁とする。しかし大山、代打中谷がそれぞれ内野フライに倒れ、完封負けを喫してしまった。
◎カープ25回戦……4-2
 タイガースの先発は西。1回表、菊池涼にレフトポール際にソロホームランを打たれて先制を許す。2回表は、長野に内野安打を打たれると、メヒアのライト前ヒットと小園の二塁ゴロで1死一三塁とされ、石原のセーフティースクイズが投手横に決まり2点差とされる。しかし3回以降は尻上がりに調子をあげ、三者凡退を繰り返す。カープの先発はK・ジョンソン。3回裏に西がセンターオーバーの二塁打を放っただけで、5回まではほぼ完璧に抑えられた。しかし6回裏、梅野が歩き西のバントで二進。代打北條の一塁ゴロで三進すると、近本の打席でK・ジョンソンは暴投。梅野が生還し1点差とする。近本が新人最多安打歴代3位タイとなるレフト前ヒットで出ると、福留のライト前ヒットで一気に三塁を突き一三塁とする。マルテの打席でまたもK・ジョンソンは暴投し、近本が生還して同点に追いついた。K・ジョンソンはこの回限りで降板。7回表、2死から小園を歩かせ、石原のレフト前ヒットで一三塁とされるも代打坂倉を二塁ゴロに打ち取ってピンチを脱した。7回裏は二番手菊池保に抑えられ、8回表は2死から鈴木を歩かせるが牽制球で釣り出し一二塁間でタッチアウト。8回裏、続投の菊池保に対し、二塁打の梅野を置いて北條が左中間スタンドに勝ち越しのツーランホームランを打ちついに勝ち越し。9回裏は二番手藤川が三者凡退で締めて逃げ切った。ヒーローインタビューは決勝ホームランの北條と9勝目をあげた西。
◎ベイスターズ24回戦……3-0
 タイガースの先発は望月。1回表、1死から梶谷を歩かせ、ソトの打席で二盗を許す。外は二塁ゴロで三進。ここでロペスをショートゴロに打ち取り、先制点は許さず。ベイスターズの先発バリオスの前にタイガース打線は3回までノーヒット。4回表、2死から大和にヒットを打たれたところで望月は交代。二番手能見は柴田をライトフライに打ち取り継投は成功。4回裏、近本が歴代新人安打記録単独3位となるライト前ヒットを放ち、福留も歩いてチャンスを作るも後続を断たれる。5回表は三番手ガルシアが今季初リリーフできっちり抑え、5回裏にバリオスを攻略。1死から北條が歩き、梅野の死球で一二塁とすると、代打鳥谷がレフト前にタイムリーヒットを放ち、先制。木浪の三遊間の当たりは大和が好捕。二封するも矢野監督のリクエスト申請で判定が覆り、1死満塁に。近本のレフト犠牲フライで2点差とする。6回表は四番手岩崎が走者を許すも抑える。6回裏、1死から糸原の一塁ゴロはロペスが弾いてエラーで出塁。高山のレフト前に落ちるヒットで一三塁とし、北條の打席で高山は二盗。北條のピッチャー返しの打球は大和が好捕して本塁を狙った糸原は憤死。2死一三塁から梅野の打席で北條が二盗。梅野はレフト前タイムリーヒットを放ち3点差とすると、バリオスはここで降板。二番手石田の前に代打大山は凡退。7回表は島本が抑え、7回裏は三番手国吉に抑えられる。8回表、島本は梶谷を打ち取ったところで六番手ドリスと交代。ドリスは2死からロペスと宮崎の連打でピンん地となるが、代打楠本を二塁ゴロに打ち取り切り抜ける。8回裏、笠井に抑えられるも、9回裏は藤川が先頭の大和を木浪のエラーで出すも柴田を空振り三振に取ると、代打佐野をショートゴロ併殺に取って逃げ切った。勝利投手はガルシア。ヒーローインタビューは先制打の鳥谷とダメ押し打の梅野。

愛すれどTigers週間MVP
投手……藤川球児
 リリーフ陣総動員で、そのすべての投手がMVPといきたいところなのだが、藤川に代表してもらおう。島本、守屋、岩崎、能見、ドリスに加え、ベイスターズ戦ではガルシアも無失点リリーフを見せた。残りわずかだが、リリーフ陣の働きにかかっている。
野手……北條史也
 カープ戦の勝ち越しホームランで、前日の敗戦のいやなムードを吹き飛ばした。木浪とのショートの定位置争いに加え、大山から三塁手の座を奪おうというところ。来季は内野のどこかの定位置をつかむのではないかと期待したい。

 次節は甲子園でジャイアンツ最終戦と、3日おいて横浜スタジアムでベイスターズ最終戦、続けて甲子園でドラゴンズ2連戦で今季の予定終了。西にはあと1勝して10勝してほしいし、青柳はなんとか規定投球回数に達してほしい。近本には新人安打数単独2位を狙ってほしいし、盗塁王も獲得してほしい。CSに進出できると、鳥谷の出番がまた増えるから、そのためだけでもAクラスに入ってほしい。とにかく残り全部勝ってほしい。それしかないのです。

(2019年9月23日記)


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