今節は甲子園球場でのジャイアンツ戦とカープ戦、そして3日おいて横浜スタジアムでベイスターズ戦。甲子園に戻りドラゴンズ2連戦で全日程を消化。全勝すれば自力でCS進出が決まるという条件下で、リリーフ陣がフル回転して全勝。ジャイアンツには高橋優を攻略して勝利。ベイスターズ戦は苦手の今永を打ちこみ勝つ。ドラゴンズ戦は初戦は柳から陽川が一発を放ちそこから打線が奮起して1勝、2戦目は大野雄の前に打線が苦しんだが、個人記録優先で交代したところをつけこんで連勝。今節は4勝0敗。今季通算69勝68敗6分で勝率は.504で3位確定。土壇場でAクラス入りし、クライマックスシリーズの出場権を手にした。
ドラゴンズ初戦はメッセンジャーの引退試合。素晴らしいセレモニーでエースに別れを告げた。最終戦では高橋聡の引退登板があり、古巣のドラゴンズナインとタイガースナインに祝福されてグラウンドを後にした。今季限りの退団が決まっている鳥谷にはセレモニーはなかったが、CSでまだその雄姿を見ることができる。鳴尾浜では横田の引退試合が行われ、一軍ナインも鳴尾浜に集まり若くして野球を断念しなければならなかった横田の分も、という気持ちを高めた。
◎ジャイアンツ25回戦……5-0
ジャイアンツの先発は高橋優。1回裏、近本が死球で出ると、北條との間にバスターエンドランが決まり無死一二塁に。福留は空振り三振に倒れたがマルテは歩いて満塁とし、大山のライト犠牲フライで先制した。タイガースの先発は青柳。2回表、大城の三塁内野安打は大山が悪送球しカメラマン席に入りテイクワンベースで無死二塁に。1死後、田中俊の死球と炭谷のヒットで満塁とされるも高橋優は三塁ゴロでホームゲッツーとなりピンチを脱した。4回表、大城の死球と田中俊のヒットで1死一二塁とされるも、炭谷を三振に取り高橋優はショートゴロでここもなんとか切り抜けた。青柳は4回無失点で交代。4回裏、大山のヒット、中谷と代打原口の四球で2死満塁とするも近本はショートゴロで追加点が奪えない。5回表から6回表は二番手ガルシアが抑える。6回裏、先頭の大山は12球粘り四球で出る。糸原の打席で大山は二盗。糸原は一二塁間を破るライト前タイムリーヒットで2点差とする。中谷が送り1死二塁とすると、高橋優はここで降板し、二番手は鍬原。初球を叩いた梅野の打球は左中間スタンドに飛び込むツーランホームランとなり、4点差に。2死からヒットの近本が二盗して36盗塁を決める。原監督のリクエスト申請も判定はセーフ。7回表、岩崎が抑えると、7回裏、三番手高木京から福留がバックスクリーンへ美しい弾道のソロホームランを放ち、ダメ押し。8回表はジョンソンが抑え、8回裏は鍵谷から近本がレフト前ヒットを打つも得点ならず。9回表、藤川が登板。引退を表明した代打阿部に全球速球勝負。あわやホームランというライトポール際へ大きなファールを打たれたが、空振り三振。陽、山本泰も連続空振り三振で締めて、今季のジャイアンツ最終戦を白星で飾った。ヒーローインタビューは先制犠牲フライの大山と、5勝目をあげたガルシア、ツーランホームランの梅野。
◎ベイスターズ25回戦……7-0
タイガースの先発は西。1回裏、梶谷のピッチャー返しの打球を西は足をのばして受け止め、そのまま一塁へ送球してアウトを取るが、しばらくうずくまり動けず。その影響か、大和を歩かせる。2死後、佐野にライト前ヒットを打たれるがロペスのライトの頭上を襲うフライを中谷がランニングキャッチして切り抜けた。2回裏は宮崎と戸柱の連打で無死一二塁とされるも伊藤裕をショートゴロ併殺にとり、今永は見逃し三振でこのピンチも脱する。3回裏は梶谷にライト前ヒットを打たれるも大和をショートゴロ併殺にとり、またも得点を許さない。ベイスターズの先発は今永。3回までは変化球にタイミングが合わず得点できなかったが、4回表、1死から福留と大山の連続四球と糸原の一塁ゴロはベースカバーの今永がベースを踏めず内野安打となり満塁に。中谷のレフト前2点タイムリーヒットで先制すると、カットに入った大和の本塁悪送球で糸原は三進。木浪がスクイズを決めて3点差とし、梅野のライト前タイムリーヒットで4点差とした。5回裏、1死から伊藤裕に死球を与えるも今永はショートゴロ。二封のあと一塁はセーフの判定。しかし矢野監督のリクエスト申請で判定が覆り併殺となる。6回裏は二番手岩崎が2死からソトと佐野の連打でピンチを作るもロペスをライトフライに打ち取り切り抜けた。7回裏はドリスが三者凡退。8回表、1死から近本がレフト線へヒットを放つと、北條は死球。福留の二塁後方の当たりは、ライトのソトと二塁柴田の間に落ちるテキサス性のタイムリーヒットとなり5点差に。一二塁として福留の代走に植田。ここでついに今永は降板。二番手武藤から大山のライトフライで北條が三進。糸原の打席で植田が二盗。糸原はライト線に2点タイムリーヒットを放ち、7点差に。ベイスターズは9回表は中川虎がタイガース打線を三者凡退に抑えるが、タイガースは8回裏は島本が、9回裏は守屋が2死から宮崎のヒットと代打乙坂への四球でピンチを作るも柴田を一塁ゴロに打ちとり試合終了。勝利投手は西で、今季10勝目をあげた。ベイスターズのシーズン最終戦セレモニーのため、ヒーローインタビューはなし。
◎ドラゴンズ24回戦……6-3
タイガースは引退登板のメッセンジャーが先発。大島を空振り三振に取って、現役最後の登板を飾った。ここで二番手高橋遥に交代。2回まで投げて無失点で交代。ドラゴンズの先発は柳。2回裏、高山と梅野のヒットで2死一二塁とするも代打原口はセンターフライに倒れる。3回表からはガルシアが好投。4回表、福田にテキサスヒットを打たれるも、ビシエド、高橋周、阿部を三者三振に取るなど、5回まで無失点。5回裏、代打陽川がレフトスタンドら先制のソロホームランを放つと、6回表は四番手岩崎が三者凡退に抑える。6回裏、1死から福留が歩くと、大山の右中間を破る二塁打で二三塁とし、糸原は敬遠気味の四球で満塁に。ここで柳は降板。二番手福に対し、高山がセンター前に高いバウンドで抜ける2点タイムリーヒットを放ち3点差に。木浪のライト前ヒットで1死満塁とし、三番手三ツ間が登板。梅野のセンター前タイムリーヒットで4点差とする。7回表はドリスが三者凡退に抑え、7回裏、四番手又吉からヒットの福留の代走植田を置いて大山がバックスクリーン左にツーランホームランを放ち、6点差として試合を決した。8回表はジョンソンが新人根尾のプロ入り初打席を空振り三振に取るなどして抑える。8回裏は木下雄に抑えられ、9回表は藤川がマウンドに。1死から遠藤に内野安打を打たれ代走に高松。2死後、阿部に二塁打を打たれ二三塁とされると、代打堂上にセンター前に2点タイムリーヒットを打たれる。さらに渡辺にもタイムリー二塁打を打たれ3点差とされたが、反撃もここまで。石橋を空振り三振取って逃げ切った。ヒーローインタビューは勝利投手のガルシア、先制ホームランの陽川、2点タイムリーヒットの高山。試合終了後、メッセンジャーの引退セレモニーが行われ、タイガースを支えたエースが笑顔でファンに別れを告げた。
◎ドラゴンズ25回戦……3-0
タイガースの先発は青柳。1回表、1死から京田を歩かせるが、福田を空振り三振に取ると、ビシエドの打席で二盗を試みた京田を梅野が刺す。2回表は1死から高橋周にヒットを打たれるも阿部の空振り三振と、二盗を試みた高橋周をまたも梅野が刺し、走者を進めさせない。3回表には平田、加藤、大野雄を三者三振に取る。ドラゴンズの先発は大野雄。4回1死まで一人の走者も出せなかったが、大野雄の最優秀防御率のタイトルが確定したことで交代。二番手は三ツ間。北條のヒットと福留の四球で走者をため、大山のセンター前タイムリーヒットで先制。糸原が歩き満塁に。陽川は三振に倒れたが、代打高山の打席で三ツ間が暴投し福留が生還して2点差とする。5回表、高橋周を歩かせるも阿部はショートゴロ併殺で青柳は規定投球回数に到達。平田は一塁へのフライに打ち取り、青柳は5回無失点で交代。5回裏、三番手山本に対し代打上本のヒットと北條のライト前ヒットで2死一三塁とすると、福留の打席で山本は暴投。上本が生還して3点差に。山本は6回裏は無失点。6回表は島本が抑える。7回表、三番手に引退を表明している高橋聡がマウンドに。福田を三塁ゴロに打ち取り、最終登板を飾った。続いてマウンドに上がった岩崎は高橋周への四球と阿部のヒットで2死一二塁とされるも代打根尾を空振り三振にとり無失点で切り抜ける。7回裏、四番手の藤嶋に対し、代打鳥谷はライトフライに倒れるが、その後はショートの定位置に着いた。8回表はジョンソンが遠藤、大島を連続三振に取るなどして三者凡退。8回裏は岡田に抑えられたが、9回表、藤川が福田にヒットを打たれるも後続を断ち逃げ切った。勝利投手は青柳。終盤6連勝で3位が確定。最終戦のあいさつは矢野監督。鳥谷はコールにこたえて何度かグラウンドに出て礼をし、グラウンドから去った。
愛すれどTigers週間MVP
投手……西勇輝 初回、ピッチャー返しの打球を足で止めに行くなど、闘志を前面に出し、10勝目。FA移籍でパ・リーグからきて、打線の援護のない中、よくローテーションを守り切ってくれた。
野手……大山悠輔 マルテの故障離脱で四番に復帰すると、タイムリーやホームランでその期待にこたえてくれた。マルテがCSでも出場できるかどうかわからない今、辛抱強く起用してくれた矢野監督の期待にこたえる時が来た。
全日程を終了し、タイトルは近本が盗塁王に輝いた。ジョンソンは惜しくも最多ホールドのタイトルには届かなかったが2位につけ、梅野は捕手の最多補殺の日本記録を更新した。チーム防御率はリーグでトップ。終盤で見せた1戦必勝のリリーフ陣の活躍があれば、1日でも長くタイガースの試合を楽しむことができるというもの。今季は別に日本シリーズ優勝なんて贅沢は言わないけれど、お得意さんのベイスターズを下し、先発投手のそろわないジャイアンツから得点すれば、日本シリーズ出場の可能性は意外に高いかもしれない。終盤戦の勢いをシリーズにもそのままぶつけてほしいものです。
(2019年10月1日記)