今節は甲子園球場に戻り、ジャイアンツとベイスターズ戦。ジャイアンツ戦は２試合を雨で流したが、勢いが途切れることなく、苦手のメルセデスからボーアがホームランを放ち、接戦をものにした。続いてはベイスターズ戦。雨中の熱戦となった初戦は青柳が好投し、梶谷、近本と両チームの先頭打者がホームランを放つという珍しい展開になったが大山のホームランが効いて５回降雨コールド勝ち。２戦目は降雨のため遅れて試合開始。西勇と今永の胃が痛くなるような投手戦もボーアのホームランで勝ったかと思われたが、１点差を藤川が守り切れずソトのホームランで敗れる。藤川は登録抹消で再調整。３戦目は岩貞が無失点の好投を見せ、大山の２打点でリードし、代役クローザーのスアレスが移籍後初セーブでカード勝ち越し。これで３カード連続勝ち越しとなった。今節は３勝１敗。今季通算７勝１１敗で勝率．３８９の最下位ながら、５位ドラゴンズとはゲーム差なし。ジャイアンツが首位から陥落し、首位ら上がったスワローズとはとは４．０ゲーム差。
◎ジャイアンツ４回戦……２－１
タイガースはガルシア、ジャイアンツはメルセデスの投手戦。１回表、１死から北村にセンター前ヒットを打たれ、丸の一塁ゴロはボーアが一塁ベースを踏んだあと二塁へ悪送球し、北村は三進。しかしここは岡本をライトフライに打ち取り先制点を許さない。２回表、１死からウィーラーの一塁ゴロはボーアが弾いて出塁を許し、２死後、大城を歩かせたが、メルセデスを空振り三振に取ってここも味方のミスを帳消しにする。４回表、四球にウィーラーに二盗を許し、大城を申告敬遠で歩かせて２死一二塁とされるもメルセデスのピッチャーライナーをガルシアは好捕してピンチを脱した。６回表、１死から中島を歩かせるも二盗を試みたのを梅野が刺す。ガルシアは６回無失点の好投で交代。７回表は岩崎が三者凡退で抑え、７回裏、ライト前ヒットの大山を置いてボーアが右中間スタンドに先制のツーランホームランを放つ。２死から木浪が二塁打を放ったところでメルセデスは降板。二番手ビエイラに対し代打陽川は四球。近本の三塁ライナーは岡本に好捕され追加点はならず。８回表は三番手スアレスが１６０ｋｍの速球を投げ込み三者凡退に。８回裏、続投のビエイラから大山が二塁打を放つと、ボーアの打席で左腕高木京が登板し、ボーアは空振り三振。代打福留のレフト線へのヒット性の当たりをウィーラーに好捕され、またも追加点はならず。９回裏、クローザーの藤川は中島への四球と大城のヒットで２死一三塁とされ、代打亀井のプロ入り通産１０００本安打となるライト前タイムリーヒットで１点を返されるが、代打石川はライトフライに打ち取り逃げ切った。勝利投手は岩崎、ヒーローインタビューは先制ホームランを放ったボーア。
◎ベイスターズ４回戦……４－２
タイガースの先発は青柳。１回表、梶谷に先頭打者ソロホームランをライトスタンドに打たれて先制を許した。ベイスターズの先発は大貫。１回裏、すぐさま反撃。近本がお返しの先頭打者ソロホームランをライトスタンドに叩きこんで同点とすると、糸原はライトフェンスを直撃し大きくはね返る三塁打を放ち、糸井のショートゴロの間に生還して勝ち越す。さらに大山がレフトスタンドにソロホームランを放ち、大貫はこの回限りで降板。２回以降は二番手櫻井に抑えられる。３回表、柴田に内野安打を打たれるも櫻井の二塁ゴロ併殺で走者を消した。しかし梶谷のヒットとソトの四球でまたもピンチを作るが、オースティンは投手ゴロに仕留めて得点を許さない。雨脚が強くなってきた５回表、１死から柴田を歩かせ、代打神里の一塁ゴロで二進。梶谷にレフト前にうまく持っていかれるタイムリーヒットを浴びて１点差とされる。ここで雨は本降りとなり、なんとかグラウンドに土地を入れて再開。ソトには粘られたが空振り三振に打ち取って試合は成立。５回裏、ベイスターズは三番手武藤に交代を告げたが、雨はますます強くなりさしもの甲子園のグラウンドも水が浮き、２２分の中断のあとゲームセットがコールされ、青柳の完投勝利が記録された。ヒーローインタビューは５回完投勝利の青柳とホームランの大山。
◎ベイスターズ５回戦……２－４
降雨のため４６分遅れの開始。タイガース西勇、ベイスターズ今永の投手戦。先制したのはタイガース。２回裏、二塁打の大山を置いてボーアが左中間スタンドへ放り込むツーランホームラン。３回裏には２死から糸原のヒットと糸井の四球でチャンスを作るも大山のショートライナーは大和に好捕され、追加点ならず。５回表は大和のヒットと梶谷への四球などで２死一三塁とされたがソトを空振り三振に打ち取る。６回裏は無死から糸井の二塁打と大山の四球でチャンスを作るも後続を断たれて得点ならず。ここらあたりで試合は膠着状態に。７回表、伊藤光の二塁打、大和への四球で１死一二塁とされたところで西勇は交代。二番手岩崎が梶谷をセンターフライ、代打桑原将を空振り三振に打ち取り、ピンチを脱した。７回裏は二番手エスコバーに抑えられ、流れが徐々にベイスターズに。８回表、三番手スアレスがソトへの四球、佐野とロペスの連打で無死満塁とされる。宮崎はショートゴロで二封し、この間にソトが生還して１点差に。代打神里の投手ゴロで三塁走者の佐野はなぜか動かず一塁アウト。代打戸柱を空振り三振に取り、同点は免れた。８回裏、国吉から糸井の四球とボーアのヒットで２死一二塁のチャンスを作るも代打福留は一塁ゴロで突き放せない。９回表、クローザーの藤川が打たれる。１死から梶谷を歩かせ、桑原将のセンター前ヒットを植田が後ろにそらし、梶谷が一気に生還し同点に。そしてソトの左中間スタンドへ叩きこむツーランホームランで負け越す。９回裏、山崎康に対し、梅野と陽川のヒットでチャンスを作るも近本の深いライトフライで梅野が三進したのみ。糸原の空振り三振で試合終了。追加点を有効に取れなかったのが響いた。
◎ベイスターズ６回戦……２－１
タイガース岩貞、ベイスターズ平良の投手戦。１回裏、糸井と大山の連打で２死一二塁とチャンスを作るも、ボーアは見逃し三振。その後は両投手とも走者を出さない緊迫した試合展開。５回表、１死から宮崎にこの試合初被安打となるレフト前ヒットを打たれたが戸柱の二塁ゴロ併殺で難なく抑える。６回裏、１死から糸原が歩くと、糸井の鈍い当たりショートゴロで糸原は二進。大山がレフト線へタイムリーヒットを放ちついに先制した。ボーアもヒットで続いたが、サンズは空振り三振で追加点ならず。平良は６回１失点の好投で交代。７回表は二番手エスコバーの前に三者凡退。８回表、２死から大和のヒットと柴田の四球で一二塁のピンチを招くが、梶谷を内角への速球で空振り三振に取り切り抜ける。８回裏、三番手パットンから糸原がヒットを放ち代走は植田。糸井の投手ゴロの間に二進。２死二塁として大山が今度はライト線へタイムリー二塁打を放ち突き放す。ボーアは申告敬遠で代打福留。大山が三盗を試み、一度はセーフの判定が下るがラミレス監督のリクエスト申請で覆り、ここも追加点はならず。９回表、登録抹消の藤川に代わりクローザーに指名されたのはスアレス。代打神里を歩かせ、ソトは空振り三振に取るも佐野の一塁ゴロベースカバーのスアレスが捕球し損ね１死一二塁に。ここでロペスにレフト前タイムリーヒットを打たれて１点差と詰め寄られたが、宮崎をセンターフライに打ち取ると、代打乙坂をショートゴロにしとめて辛くも逃げ切った。ヒーローインタビューは２打点の大山と２勝目の岩貞。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……岩貞祐太 青柳とどちらにするか迷った末、藤川が登録抹消となった試合で８回０封と最高の投球を見せてくれた岩貞に軍配を上げることにした。本当は完投してリリーフ陣不要というくらいの投球を見せてほしかったのだけれど。そこは矢野監督の判断なので仕方ないか。
野手……大山悠輔 マルテが登録抹消となっても、昨年経験を積ませた４番打者としての働きを期待以上に見せてくれている。ただ好不調の波が激しい選手だけに、不調になった時にすぐにマルテにその座を明け渡すようなことにはならないでほしいのだが。
次節も甲子園に座ってスワローズ戦、ドラゴンズ戦と６連戦。空模様が気になるところだが、相手の本拠地では苦杯をなめた相手だけに、ホームではきっちりお返しをしていただきたい。西勇、青柳、岩貞が三本柱として確立されつつあり、ガルシア、秋山も調子が良ければつけいる隙のない投球を見せてくれる。あと一人は中田でいくのか藤浪を抜擢するのか。どちらにしても、打ち合いにはならないだろうから、とにかく守りを固めて勝ち越してほしい。
（２０２０年７月１３日記）
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