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高橋遥人、復活の11奪三振

 今節は甲子園球場でジャイアンツ戦。初戦はガルシアが先行されるも1点差まで粘ったが、ビハインドのリリーフ陣が打たれて敗れる。2戦目は藤浪が好投したものの打線が振るわず連敗。3戦目は高橋遥が今季初登板初先発で11奪三振を奪う素晴らしい投球。打線もそれにこたえて大差をつけると、原監督は野手の増田大を登板させて物議を呼ぶ結果に。首位を追う連戦は1勝2敗に終わる。マツダズームズームスタジアムに移動してカープ戦。初戦は青柳が雨が降らなかったせいかめった打ちを食らい大敗。2戦目は西勇と大瀬良の見ごたえのある投手戦も、福留は好機に併殺し藤川は決勝点を奪われるなどベテランの失調がめだった。3戦目は秋山が好投し、大山のホームランなどでカープ投手陣を崩して連敗ストップ。1勝2敗。今節は2勝4敗。今季通算19勝21敗2分で勝率.475の4位。首位ジャイアンツとは5.5ゲーム差とまた少し開いた。

◎ジャイアンツ5回戦……2-7
 タイガースの先発はガルシア。1回表、2死から坂本勇にバックスクリーンに飛び込むソロホームランを打たれて先制される。ジャイアンツの先発は菅野。2回裏、ボーアがヒットを放つも牽制球に釣りだされてアウトになり、流れを手放す。3回表、今度は北村にまたもバックスクリーンにソロホームランを浴びる。5回表は1死から大城に二塁打を打たれ、北村を歩かせ丸のレフト前に抜けるタイムリーヒットで3点差をつけられた。ガルシアはこの回限りで降板。二番手の望月が6回から7回までぴしゃりと抑えて流れを作る。6回裏、ヒットの近本は糸井の一塁ゴロで二進。サンズがレフトスタンドにツーランホームランを放ち、1点差に迫る。大山もセンター前ヒットで続いたが、ボーアが併殺。ここで流れが途切れた。7回裏、先頭の梅野のセンター返しの打球は菅野の右足に当たり、それでも菅野は球を拾いあげ一塁はアウト。菅野は一時ベンチに戻る。続く木浪の二塁ゴロ北村が弾き間一髪でアウトに。矢野監督のリクエストも覆らず。ジャイアンツの勢いに押されている感じか。植田のヒット性のあたりも坂本勇へのショートライナーに。8回表、三番手馬場は北村にヒットを打たれ、代走に増田大。丸の打席で二盗。タイミングはアウトだったが木浪が捕り切れず。丸は歩き一二塁に。坂本勇の投手ゴロは馬場の二塁への悪送球を呼び、増田大が生還。一三塁で岡本の三塁ゴロは丸の三本間の狭殺プレーとなりアウトにするが、走者はそれぞれ進み1死二三塁に。重信のショートゴロは木浪が弾いて坂本勇が生還。馬場は降板し、伊藤和がマウンドへ。2死後、大城にもタイムリーヒットを打たれて5点差がついた。9回表は小川が抑えたが、ジャイアンツは8回はイーグルスから移籍の変則左腕高梨が抑え、9回裏は鍵谷から大山とボーアの連打が出たが後続を断たれて反撃もそこまで。1点差に迫った直後に守備の乱れで追加点をあげられたのでは勝てるわけがなかった。
◎ジャイアンツ6回戦……1-4
 ジャイアンツの先発は戸郷。1回裏、先頭の近本がヒットで出るも進塁打も打てず。タイガースの先発は藤浪。2回まで快調に飛ばすも、3回表に吉川尚を歩かせ、炭谷は空振り三振に取るが戸郷のバントで二進。岡林にセンター前タイムリーヒットを打たれて先制される。4回裏、糸井のセンター前ヒットとサンズの四球で無死一二塁とするも大山はセンターフライ、ボーアはショートゴロ併殺でチャンスを生かせない。6回表、戸郷が鈍い当たりの投手ゴロを打つと、藤浪がバウンドを合わせそこねてエラーとなる。1死後、坂本勇のライト前ヒットで一二塁とされ、丸のセンターフライで戸郷は三進。岡本のライトフェンス直撃の2点タイムリーヒット、大城のレフト前に落ちるタイムリーヒットで4点差とされた。戸郷の前にタイミングが合わないタイガース打線だったが、8回裏、木浪と植田がともにセンター返しのヒットで無死一二塁とし、代打福留の打席で戸郷は降板。二番手の高梨の前に福留はセンターフライに倒れる。近本のセーフティバントが決まり、1死満塁とし、糸井のショートゴロで二封されたものの二塁吉川尚の一塁送球が遅れて一塁はセーフ。併殺崩れの間に木浪が生還して1点を返す。2死一三塁で糸井の代走に熊谷。ここで高梨は降板して大竹がマウンドに。サンズの打席で熊谷が二盗。サンズは歩いて満塁としたが、大山はショートゴロで大きなチャンスを逃した。藤浪は8回まで投げ切り、9回表は小川が登板して岡本を三振に取るなどして2死をとり、重信の打席で能見に交代。能見は重信を空振り三振に取る。しかし9回裏、中川の前に三者凡退に終わり、連敗が決まった。
◎ジャイアンツ7回戦……11-0
 タイガースの先発は今季初登板の高橋遥。1回表は北村、丸を空振り三振に取る。2回表は岡本、大城を空振り三振に。3回表は中島を見逃し三振に、若林、メルセデスを空振り三振に取るという絶好調の投球。ジャイアンツの先発はメルセデス。3回裏、1死から陽川が右中間を破る二塁打で出ると、近本のライト前タイムリーヒットで先制。4回表、奪三振ショーは続く。北村を見逃し三振に、丸を空振り三振にとり、まだノーヒット。4回裏、1死から梅野が歩くと、木浪は投手強襲ヒットで一二塁に。植田の打席で重盗が決まり二三塁としたところで植田は右中間へ2点タイムリー二塁打を放つ。2死後、メルセデスは降板。二番手沼田から陽川がセンター前に落ちるタイムリーヒットを放ち、4点差とした。5回表、1死から大城の二遊間への当たりは二塁植田がよく抑えたが一塁送球がそれて大城は二進。この内野安打がジャイアンツの初安打。中島のセンター前ヒットで一三塁とされるも、若林、代打陽を連続空振り三振にとって唯一のピンチを乗り切った。5回裏と6回裏は三番手宮國に抑えられたが、7回表、センター前ヒットのウィーラーを二進させ2死二塁とされるも中島はショートゴロに打ち取り、高橋遥は無失点のまま交代。7回裏は田中豊に抑えられたが、8回表はガンケルが三者凡退とジャイアンツ打線には火がつかない。8回裏、五番手堀岡に対し、サンズがレフト前ヒットを放つと、代走は江越。大山の投手ゴロは堀岡の二塁送球が高く吉川尚がジャンプして捕球したが触塁はせずに一塁に転送。一度は二塁アウトの判定だったが、矢野監督のリクエスト申請で判定が覆り、セーフとなって無死一二塁に。ボーアのライト線へのタイムリーヒットで5点差に。なおも二三塁。梅野が歩き満塁にすると、木浪のレフト前タイムリーヒットで6点差に。三塁走者ボーアの代走に熊谷。植田は押し出しの四球で7点差に。1死後、代打中谷がレフトスタンドに満塁ホームランを放りこみ、11点差がつくと、原監督は試合を投げたかのように堀岡からなんと代走要員の野手である増田大をマウンドに送る。これには毒気を抜かれたか近本も大山もタイミングが捕れずフライアウト。この選手起用は果たしてジャイアンツの選手たちにどういう心理的効果をもたらすのか、今後注目したいところ。9回表、望月が坂本勇を空振り三振に取るなどして三者凡退で締めた。ヒーローインタビューは今季初打点が試合を決める追加点となった植田と、今季初登板で11奪三振で勝利した高橋遥。
◎カープ6回戦……6-11
 タイガースの先発は青柳。1回裏、西川を歩かせ羽月のバントで二進。2死後、松山の二遊間へのライナーはショート木浪のグラブに当たるもセンター前に落ちてタイムリーヒットとなる。さらに坂倉の二塁打で二三塁とされ、ピレラの高いバウンドのショートゴロは木浪が押さえるもどこにも投げられずタイムリー内野安打となった。カープの先発は森下。2回表、1死からボーアが歩き梅野のライト前ヒットで一二塁とするも、木浪の二塁へのヒット性の当たりを羽月のダイビングキャッチでアウトにされ、ボーアは帰塁できず併殺となる。2回裏、野間のヒット、森下のバント、西川のヒットで1死一三塁とされ、羽月のセーフティスクイズがタイムリー内野安打となり3点差に。堂林は三振に取ったが、松山にライトスタンド最前列にとびこむスリーランホームランを打たれ6点差に。3回表、植田のショートゴロは田中広の悪送球で生き、青柳のバントで二進。近本のセンター前タイムリーヒットで5点差に。しかし福留の打席で近本が牽制に吊りだされ、アウトに。青柳は3回裏も走者を背負う苦しい投球で、なんとか無失点に抑えたもののこの回限りで降板。4回裏は二番手能見が抑える。5回表、1死から木浪、植田、代打中谷の三連打で1点を返し4点差に。近本はレフト線へのタイムリー二塁打で3点差として二三塁に。福留の二塁ゴロの間に中谷が生還して2点差に詰め寄った。さらにサンズが歩いて同点のチャンスを作ったが、大山は空振り三振で反撃もそこまで。5回裏、三番手小川がつかまる。野間のヒットと敬遠の西川を置いて、羽月がライトの頭を越す2点タイムリー三塁打。またも4点差に広がる。6回裏は四番手伊藤和がつかまった。坂倉、ピレラ、田中大を歩かせて1死満塁とすると、野間は空振り三振に取ったが代打長野にセンター前に2点タイムリーヒットを打たれ大盛にもプロ入り初安打となるセンター前タイムリーヒットを打たれて7点差に。森下は6回限りで交代。7回表、二番手高橋樹に対し、近本、福留、サンズの三連打で1点を返す。しかし大山は二塁ゴロ併殺。ボーアが歩いて一三塁とし、高橋樹はここで降板。三番手島内は梅野の打席、捕逸で福留が生還して5点差に。しかし梅野は三振に倒れ、反撃もそこまで。伊藤和は7回裏は押さえ、8位裏は望月が抑える。しかしカープは8回から一岡、DJジョンソンとつないで逃げ切った。
◎カープ7回戦……1-2
 タイガース西勇、カープ大瀬良の投手戦。1回裏、長野に左中間スタンドに先制のソロホームランを浴びたが、直後の2回表、大山がレフトスタンド最上段に同点のソロホームランを打ち返す。2回裏、菊池涼と田中広の連打で1死一二塁とされるも大瀬良はスリーバント失敗、西川は一塁ゴロに打ち取って得点を許さない。5回表、2死から梅野がレフトの頭を越す二塁打を放ち、植田は申告敬遠。しかし西勇は空振り三振と、こちらも得点機を逸する。6回裏、鈴木誠に二塁打を打たれたが、松山は空振り三振、會澤は三塁ゴロと進塁打を許さず、菊池涼を申告敬遠して田中広を一塁ゴロに打ち取り、ここも無失点で切り抜ける。7回表、サンズとボーアの連打で無死一三塁としたが、梅野の投手ゴロで飛び出したサンズは三塁に帰塁できずタッチアウト。植田はファールで粘り、四球をもぎ取って満塁に。ここで好投の西勇の代打福留を起用。しかし勝負手は裏目に。二塁ゴロ併殺で得点機をまたも逸した。7回裏、二番手藤川は代打大盛を歩かせ、西川の打席で牽制悪送球。無死二塁とされるも西川は空振り三振。しかし代打坂倉にセンター前タイムリーヒットを打たれ、ついにリードを許す。長野は空振り三振、鈴木誠は中途半端なバッティングで二塁ゴロに打ち取っただけに、自らのミスで走者を進塁させたのは大きかった。8回表、二番手塹江から近本が内野安打で出るも、後続を断たれ得点できず。8回裏はガンケルが三者凡退に抑え、打線の援護を待つ。9回表、抑えのフランスアの前に三者凡退で接戦を落とした。
◎カープ8回戦……5-1
  タイガース秋山とカープ遠藤淳の投手戦。先制したのはタイガース。2回表、大山が左中間を破る二塁打で出ると、サンズとボーアが歩き満塁に。梅野のショートゴロで二封の間に大山が生還して1点を奪う。しかし植田は空振り三振、秋山はライトフライに倒れて大量得点にはつながらず。2回裏、鈴木誠を歩かせ、1死後、堂林のライト線への二塁打で二三塁とされると、菊池涼の犠牲フライで同点に追いつかれた。3回表、1死から二塁打の木浪が出ると福留のレフトフライで三進。大山はレフト長野のグラブをはじいて後方に転がるタイムリー三塁打で勝ち越す。3回裏、坂倉のあわやフェンス直撃という当たりを近本が好捕。フェンスに激突した近本はしばらく動けなかったが、ボールは離さず。以降は両投手の踏ん張りで試合は動かず。遠藤淳は5回2失点で交代。6回表は二番手菊池保に抑えられた。7回表は三番手薮田から先頭の梅野が三塁堂林のエラーで出塁するも後続を断たれ、追加点はならず。7回裏から8回裏は二番手ガンケルが抑える。8回表、四番手の一岡から大山がレフトスタンドへ待望の追加点となるソロホームランを放ち、2点差に。9回表、五番手DJジョンソンに対しボーアが歩き代走に熊谷。梅野がセンター前ヒットで続き、植田のバントで二三塁とすると、代打中谷の犠牲フライで3点差に。さらに1死三塁で近本が一塁に鈍い当たりのタイムリー内野安打を打って4点差に広げた。9回裏はスアレスが鈴誠のヒットと松山、堂林への四球で1死満塁とされたが、菊池涼穂空振り三振に打ち取ると、田中広はライトフライでなんとか切り抜け逃げ切った。ヒーローインタビューは4勝目をあげた秋山。

愛すれどTigers週間MVP
投手……高橋遥人
 故障で出遅れていた分、しっかりと好投。高橋にやられてからというもの、ジャイアンツ打線は次のカードでは2敗1分と打線の調子がすっかりおかしくなってしまった。しばらくは間隔をあけての登板となるだろうが、次の当番でもジャイアンツをきりきり舞いさせてほしい。
野手……近本光司
 どんどんと調子をあげ、打率は260台に。盗塁の数でもリーグトップ。マツダスタジアムで坂倉の大飛球を好捕した場面など、守備でも光るものを感じさせてくれた。

 次節は休みなしで横浜スタジアムに移動しでベイスターズ戦。球場との相性の良さもあるし、そろそろガルシアに勝ち星をつけさせてやってほしい。むろん藤浪にも。それから甲子園に戻ってまたもカープ戦。今度こそ西の好投に打線が報いる番だ。大瀬良には今節のお返しをしていただきたい。それには調子をあげてきた大山の打棒がかかっている。それからそろそろ望月を勝ちパターンで登板させてやってもいいんじゃないかい。望月、ガンケル、スアレスのリレーなんて、なかなか相手を戸惑わせてくれそうに思うのだが。伊藤和に代わって一軍昇格の尾仲にも期待したい。。

(2020年8月10日記)


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