今節は東京ドームでジャイアンツ戦。初戦は高橋遥と菅野の息詰まる投手戦。岡本の一発に泣いたが、菅野の好投に敗れた。2戦目はメルセデスの途中降板が逆に打線の調子を狂わせたか完封リレーに敗れる。3戦目は青柳も好投したが若い戸郷を打てず3試合連続完封負けで、0勝3敗と開幕カードに続いてまたも東京ドームで勝てず。続いては神宮球場のスワローズ戦。初戦は吉田大喜を打ち崩し、藤浪がついに2年ぶりの勝利。2戦目は西が好投し、来日初登板のクックから大量点を奪い連勝。3戦目は秋山が好投したが小川泰のまえに援護点を奪えず惜敗で、2勝1敗。今節は2勝4敗。今季通算24勝27敗3分で勝率.471の4位。ドラゴンズに抜かれてしまった。首位ジャイアンツがカープに3連敗したため6.5ゲーム差とそれほど開かなかったのは幸い。
◎ジャイアンツ8回戦……0-1
タイガース高橋遥とジャイアンツ菅野の投手戦。1回表、1死から糸井がセンター前ヒットを放つもサンズは見逃し三振、大山はレフトフライで続かず。2回表には2死から木浪がライトフェンスを直撃する二塁打を放つも植田は一塁ゴロ。高橋遥は4回2死までノーヒットピッチング。しかし岡本に打たれた初安打は左中間スタンドに飛びこむ先制ソロホームラン。動揺したか丸と中島を歩かせ一二塁とされるが大城を二塁ゴロに打ち取り最少失点にとどめる。6回表、1死から近本が三塁内野安打を放ち、糸井の一塁ゴロで二進。サンズの打球はライトの頭上を襲うがつまってしまいライトフライに終わる。この回が一番得点に近づいた回だった。6回裏、松原にセンター前ヒットを打たれるもウィーラー、岡本は外野フライ、丸は空振り三振とみごとに抑える。高橋遥は7回まで投げて2安打1失点。8回裏はガンケルが三者凡退で退けたので、ジャイアンツのヒットはたったの2本。9回表、2死からサンズが歩き代走に江越。しかし大山は二塁フライに倒れて菅野に完封負けを喫してしまった。見ごたえのある投手戦だったが、タイガースは近本がバントの構えで揺さぶってみたのみ。ジャイアンツの打者も淡白で、いわば菅野一人に負けたような試合だった。
◎ジャイアンツ9回戦……0-8
ジャイアンツの先発はメルセデス。1回表、近本の三塁ゴロを岡本がファンブルし、一塁送球が一瞬遅れてセーフの判定。しかし原監督のリクエストで判定は覆りアウトに。これがけちのつき始めだった。上本の二塁打とサンズの四球で1死一二塁と攻め立てるも大山は二塁ゴロ併殺で先制できず。タイガースの先発はガルシア。1回裏、1死から松原に二塁内野安打を打たれると、ウィーラーのライト前ヒットで一三塁とされ、岡本の三遊間のゴロはレフト前に抜けるタイムリーヒットとなる。一塁走者のウィーラーは一気に三進。丸のレフトへの犠牲フライで2点目を失った。メルセデスにアクシデントがあり、3回表には二番手田中豊が登板。4回表、1死から大山がレフト線へ二塁打を放ち、ボーアの一塁ゴロで三進。梅野が歩き、中谷の打席で二盗して二三塁の好機を作るも中谷の当たりはヒット性ながら三塁ライナー。この試合、ことごとくつきがない。5回表は三番手の変則左腕大江に三者凡退。6回表は四番手大竹から上本がヒットで出るも、二盗失敗でチャンスが一気にしぼむ。5回まで本来のリズムで抑えていたガルシアは、6回裏に岡本にライトスタンド最前列に飛びこむソロホームランを打たれて3点差とされる。7回表は五番手にこれも変則左腕の高梨が登板し、ボーアのヒット性のシュートライナーなど、ここもつきがない。7回裏、二番手望月がつかまる。1死から吉川尚に二塁打を打たれると、坂本勇の打席で望月は暴投し吉川尚は三進。ここまで不振の坂本勇にもセンターオーバーのタイムリー二塁打を打たれて4点差に。坂本勇の代走は増田大。松原の打席で三盗。矢野監督のリクエストも判定は覆らず。松原のライト前タイムリーヒットで5点差に。ウィーラーは三振に取ったが、岡本にヒットを当たれると、丸に左中間スタンド最前列に飛びこむスリーランホームランを打たれ8点差をつけられた。8回表、六番手の左腕中川から代打陽川がライト前ヒットを放つも後続を断たれて得点できず。8回裏は三番手尾仲が走者を出すも無失点で切り抜ける。9回表、七番手ビエイラに対し2死から代打高山、中谷が連続四球で食い下がるも木浪は見逃し三振。最後の球はボールと見えたが審判の判定はここでもジャイアンツに有利に働いた。ジャイアンツの小刻みなリレーの前に完封負けとなったが、初回の近本の判定、7回の増田大の判定が逆であれば、試合も逆の展開になっていたのではなかったかと思わせるほど、審判の判定に泣かされた。
◎ジャイアンツ10回戦……0-2
タイガース青柳、ジャイアンツ戸郷の投手戦。2回表、大山と梅野の連打で1死一二塁のチャンスを作るが、植田、青柳はファールフライで先制点は取れず。青柳は走者は出しても得意のゴロアウトでジャイアンツ打線を抑える。6回表、重信にライト線に三塁打を打たれると、坂本勇のセンター犠牲フライでついに1点を奪われた。7回表、サンズが歩き、ボーアは三振したが大山は右中間にヒットを放ち一三塁と同点の好機。梅野のヒット性の三塁ゴロは岡本に好捕され、二封。サンズは三塁に釘付けで2死一三塁のまま。ここで戸郷は降板し、二番手には高梨。代打福留が四球を選んで満塁に。しかし代打中谷は見逃し三振に倒れまたも得点できず。青柳は6回1失点で無念の降板。7回裏は岩貞が抑え、8回表は三番手中川から代打上本がヒットを放つも後続を断たれる。8回裏、松原にヒットを打たれるも重信を三振に取る。ここで岩貞から馬場に交代。坂本勇にセンターオーバーのタイムリー二塁打を打たれて痛恨の2点目。坂本勇の代走に吉川大。岡本の打席で暴投し吉川大は三進。それでも岡本をセンターフライに打ち取ると、丸は申告敬遠で代打亀井を二塁ゴロに打ち取り、追加点は許さず。9回表、四番手デラロサからサンズが四球を選び、2死後、代打陽川も歩いて一打同点のチャンスも代打高山は二塁ゴロで3試合連続完封負け。
◎スワローズ10回戦……7-4
スワローズの先発は吉田大喜。1回表、近本がいきなり二塁打で出て上本のバントで三進するも糸井とサンズは凡退でまだホームは遠い。2回表、大山が右中間フェンスを直撃する二塁打で出ると、梅野隆のバントは投手前に。吉田大喜は三塁に送球しアウトの判定。矢野監督のリクエストで覆り、無死一三塁に。ボーアが歩いて満塁とすると、木浪は三振に倒れたが、藤浪の三塁ゴロは村上が一瞬ホームに気をやってから一塁に送球したためその送球がそれ、全力疾走の藤浪もセーフで大山が生還してついに無得点記録が途切れた。近本の強烈な一塁ライナーは一塁坂口のグラブに当たって外野に大きくはね返り、2点タイムリー二塁打となる。上本の二塁とライトの間のファールフライでさらに1点を追加して4点差に。タイガースの先発は藤浪。2回裏、エスコバーに二塁内野安打を打たれると、山崎の捕手前のバントは梅野隆の二塁悪送球でセーフとなり田代のバントで1死二三塁に。西田の空振り三振の球は梅野隆の捕逸でタイムリー降り逃げとなり3点差に。1死一三塁から吉田大喜のセーフティスクイズは藤浪が本塁に送るもセーフ。野選で2点差とされる。坂口に四球で満塁とされたが、宮本は浅いレフトフライ、青木のテキサス性の当たりはライト糸井のランニングキャッチでなんとかしのいだ。3回表、ヒットの梅野隆を置いてボーアがバックスクリーン左にツーランホーム人を放ち、4点差に突き放す。吉田大喜は4回限りで降板。5回表、中尾に抑えられると、5回裏、村上に左中間スタンドにソロホームランを運ばれて3点差に。中尾は6回も抑え、7回表は大下に抑えられる。藤浪は7回裏、坂口のホームランと青木の二塁打で2点差とされたところで岩崎と交代。岩崎は後続をきっちりと断つ。8回表、大下からボーアがソロホームランを放って3点差に戻す。9回表は清水に抑えられたが、8回からガンケル、スアレスの必勝リレーで逃げ切った。ヒーローインタビューは2年ぶりに勝利をあげた藤浪。
◎スワローズ11回戦……7-5
スワローズの先発は来日初登板のクック。1回表、2死から四球の糸井、死球のサンズを置いて大山がライトスタンドに先制のスリーランホームランを放つ。4回表、またも2死からヒットの木浪を置いて西勇が右中間を深々と破るタイムリー二塁打を放ち、1点を追加。さらに近本が左中間を破るタイムリー三塁打、上本がライトポール際にあわやホームランというタイムリー二塁打を続けて放ち、6点差に。タイガースの先発は西勇。初回からていねいな投球でスワローズ打線につけ入る隙を与えない。4回裏、1死から青木と村上を歩かせたが西浦を空振り三振に取ると、エスコバーの打席で三盗を試みた青木を西勇の三塁への牽制球でアウトに。5回表、二番手今野に対し、サンズと大山の連打で無死一三塁のチャンスを作ると、梅野隆は空振り三振に倒れたがボーアの一塁ゴロは二封のみでサンズが生還して7点差をつける。7回表、三番手風張に対してサンズの四球や梅野隆のヒットで走者を出すも、併殺などで得点できず。7回裏、村上にライトスタンドにソロホームランを打たれ、6点差となる。西勇は7回1失点で交代。8回表は続投の風張に抑えられ、8回裏は二番手尾仲が登板。1死から代打川端にライト前ヒットを打たれ、坂口への四球、山田哲のライト前に落ちるテキサス性のヒットで満塁とされると、三番手岩貞に交代。岩貞は青木にライトスタンドに満塁ホームランを打たれて2点差に迫られる。村上を空振り三振に取って、四番手ガンケルに交代。代打宮本を歩かせエスコバーにヒットを打たれて苦しい投球も濱田を空振り三振にとりなんとか追加点は阻む。9回表、マクガフに抑えられると、9回裏は抑えのスアレスが登板。代打山崎のヒット、坂口の四球などでピンチを作るが、山田哲を空振り三振、青木をセンターフェンス際まで届くフライに打ち取り、なんとか逃げ切った。楽勝のはずがリリーフ陣の不調で接戦にされてしまった。ヒーローインタビューは勝利投手の西勇。
◎スワローズ12回戦……2-4
スワローズの先発は前回登板でノーヒットノーランを達成した小川泰。1回表、近本がショートへ俊足を飛ばして内野安打にすると、上本のバントで二進。福留は三振に倒れたが、サンズがライト前に先制のタイムリーヒットを放つ。タイガースの先発は秋山。1回裏、坂口にライトスタンドに先頭打者ホームランを叩きこまれ、同点に。2回裏、エスコバーと山崎の連打で無死一二塁とされるも中村は浅いレフトフライ、廣岡は空振り三振にとり2死とする。しかし小川泰にライト前にタイムリーヒットを打たれて勝ち越される。このあと、両投手とも好投し、試合は動かず。5回表、センター前ヒットの木浪と坂本との間にヒットエンドランが決まりセンター前ヒットで一三塁に。秋山のセーフティスクイズが決まり、タイムリー内野安打となって同点に追いつく。秋山は6回2失点で交代。7回表、二番手ガンケルが1死から中村のライト前ヒット、代打宮本の左爪先をかすめる死球で一二塁とされ、代打川端はショートゴロで二封。坂口の強い一塁ゴロはボーアが弾きタイムリー強襲ヒットとなる。さらにボーアの一塁への悪送球で二三塁とされるが、山田哲は空振り三振で最少失点にとどめる。小川泰は7回2失点で交代。8回表は二番手清水の前に三者凡退。8回裏、三番手岩崎は青木にショート内野安打を打たれ、代走は田代。村上はレフト前のテキサスヒットで無死一二塁に。エスコバーのバントで1死二三塁とされ、山崎にセンターへ犠牲フライを打たれて2点差とされる。9回表、クローザーの石山の前に、ボーアがヒットを放つも反撃はそれだけ。代打陽川は一塁ファールフライで逃げ切られた。
愛すれどTigers週間MVP
投手……藤浪晋太郎 投球内容でいえば負けたけれど高橋遥人をMVPとしたいところだったけれど、ここはもうついに勝利を手にした藤浪しかないのです。苦しい2年間を経て、ついに勝った。ひとつ勝ったことで焦りもなくなり、次回登板でも好投してくれることを期待している。いや、好投するにきまってる。
野手……該当者なし ジャイアンツ戦での3試合連続完封負け。高橋遥も青柳もあんなすばらしい投球をしたのに、敗戦とは。スワローズ戦で二線級を打ってもMVPはつけられんぞ。
次節は甲子園球場での好調ドラゴンズ戦。打線がとにかく活発。ここは高橋遥、青柳に今度こそ勝ってもらいたい。そしてマツダスタジアムに移動してカープ戦。こちらもジャイアンツを3タテして調子が上がってきている。なかなか厳しい展開であるけれど、なんとかもうひと踏ん張りしてほしいところです。ここからずるずるといくと、矢野監督の首も危うい。サンスポの植村”越後屋”徹也がそんなことを電子版で書いていた。真弓監督の時もそうやってサンスポがあおったのを思い出す。そんな悪評を立てられないようがんばってくれ!
(2020年8月24日記)