今節は甲子園でドラゴンズ戦。初戦は高橋遥のほぼ完璧な投球で圧勝。2戦目は福谷を序盤から打ち崩してガルシアの好投に報い完勝。3戦目は青柳を打線が援護して、3勝0敗と甲子園ではドラゴンズに負けなし。続いてはマツダズームズームスタジアムのカープ戦。初戦は西勇が好投するも岩崎が上本崇にサヨナラ打を打たれる。2戦目は2年目の小幡がはつらつとしたプレーでチームを引っ張り相手のミスを誘って勝つ。3戦目は延長10回にフランスアから大山が決勝打を放ち、2勝1敗。今節は5勝1敗。今季通算29勝28敗3分で勝率.509の3位。折り返しとなる60試合でなんとか勝ち越している。首位ジャイアンツとは6.5ゲーム差と変わらず。
◎ドラゴンズ10回戦……5-1
タイガースの先発は高橋遥。2回表、ビシエドと高橋周の連打で無死一三塁とされ、阿部のショートゴロ併殺の間にビシエドが生還して1点を先制される。ドラゴンズの先発は小笠原。3回裏、先頭の木浪が歩くと、高橋遥のバントで二進。近本、上本の連続四球で満塁とし、この試合プロ入り初の三番に入った陽川がセンターフェンスぎりぎりで捕られる犠牲フライで同点に。サンズのライト前タイムリーヒットで勝ち越す。4回表、アルモンテのショートフライは木浪が捕球後倒れこみ首を曲げて前転する形になり、一時は担架も出されたが、なんとか無事に立ち上がった。そのあと高橋周と阿部の連打で2死一三塁とされるが、京田を二塁ゴロに打ち取り得点を許さない。5回裏、1死から近本がライト前ヒットで出ると、上本の三振の間に近本が二盗。捕手郡司の悪送球で一気に三進。陽川はセンター前に落ちるテキサス性のタイムリーヒットで2点差とする。6回裏、ヒットの大山を置いてボーアがライトスタンドに浜風をものともしない大きなツーランホームランを叩きこむ。小笠原は6回5失点で降板。7回裏は二番手木下雄から内野安打の近本が二盗するも得点はならず。高橋遥は5回以降は危なげない投球で8回1失点と好投。8回裏、三番手ゴンサレスに対しヒットのサンズの代走小幡が牽制球に吊りだされながらも俊足を飛ばして二盗。プロ入り初盗塁を記録した。9回表はクローザーのスアレスが三者凡退で締め、好調のドラゴンズ打線を抑えこんだ。ヒーローインタビューは2勝目をあげた高橋遥と勝ち越しタイムリーヒットを放ったサンズ。
◎ドラゴンズ11回戦……11-3
ドラゴンズの先発は福谷。2回裏、ボーアがライトスタンドに先制のソロホームランを叩きこむ。タイガースの先発はガルシア。4回までは打たせて取る投球でドラゴンズ打線を抑えこんでいたが、5回表、1死から京田にライトフェンス直撃の三塁打を打たれ、郡司は内野フライに打ち取ったが、風で流され二塁小幡が飛びついて捕ろうとするがわずかに及ばず同点タイムリーヒットとなる。6回表、先頭の平田を歩かせ、アルモンテの二塁打で二三塁とされると、ビシエドにライトへ犠牲フライを打たれて勝ち越しを許した。なおも1死三塁と攻め立てられたが、高橋周は一塁ゴロでアルモンテは三塁に釘づけ。阿部は歩かせたが京田を二塁フライに打ち取り、最少失点にとどめ、6回2失点で交代となる。6回裏、1死から近本が一塁へ強襲安打を放ち出塁。木浪がセンター前ヒットで続き、陽川がレフトスタンドに逆転のスリーランホームランを放りこんだ。2死後、四球の大山を置いて、ボーアがこの試合2本目となるツーランホームランを左中間スタンドへ運び、4点差とする。7回表は二番手岩貞が三者凡退で流れを作り、7回裏、二番手岡田から小幡がショートゴロエラーで出塁。代打上本が三塁強襲安打で続き、近本が送って1死二三塁とすると、木浪がライト前に2点タイムリーヒットを放つ。2死後、サンズが歩き、大山のレフト線への2点タイムリー三塁打で8点差をつけた。8回表、三番手馬場はアルモンテを歩かせ、代走武田に二塁に走られ、高橋周のレフト線へのタイムリー二塁打で1点を返される。8回裏、三番手濱田達から坂本が四球で出ると、小幡の三塁ゴロは二封のみで一塁はセーフ。2死後、近本のヒットで一三塁とし、木浪のライト前タイムリーヒットで1点を返す。9回表、能見が三者凡退で締めて連勝。ヒーローインタビューは甲子園での先発13度目にして初勝利のガルシアと、逆転ホームランの陽川、2本のホームランを放ったボーア。陽川のインタビューでガルシアがバナナをマイク代わりに差し出したり、ボーアがインタビューの途中でファンといっしょにファイアーボールのポーズをとったりとにぎやかで楽しいインタビューとなった。
◎ドラゴンズ12回戦……6-3
タイガースの先発は青柳。1回表、ヒットの大島を京田に送られ、アルモンテの二塁ゴロで三進。ビシエドにレフト線へタイムリー二塁打を打たれ先制点を許す。高橋周を歩かせ、阿部にレフト前に落ちるタイムリーヒットを打たれて2点差とされる。しかしここで二塁走者高橋周を牽制死させ流れを断ち切った。ドラゴンズの先発は柳。3回まで一人も走者を出せない。しかし4回裏、近本が死球で出ると、木浪のレフト線への二塁打で無死二三塁とし、サンズがストライクをとりに来た球を狙いすまして右中間スタンドに逆転のスリーランホームランを放った。5回裏、1死から小幡がプロ入り初安打となるセンター前ヒットを放つと、青柳が送り、近本のセンター前タイムリーヒットで小幡が一気にホームをついて2点差とする。与田監督のリクエストも判定は覆らず。2回以降、5回表までしっかり立ち直った青柳だったが、6回表、大島の一塁ゴロは青柳のベースカバーが一瞬遅れ、判定はアウトだったが与田監督のリクエストで覆り内野安打に。それでも京田は二塁ゴロで二封。小幡の送球が遅れたため一塁はセーフで併殺はならず。アルモンテも同じような二塁ゴロに打ち取り、今度は落ち着いて併殺にとる。6回裏、1死からサンズがレフトスタンドにこの試合2発目となるレフトスタンドへのソロホームランを放ち、3点差に。柳はここで降板し、二番手谷元からも走者は出したが得点はならず。7回裏、三番手山井に対し、代打高山が内野安打で出ると、近本のショートゴロで二進。木浪のライト前タイムリーヒットで4点差とした。青柳は7回2失点で交代。8回表、二番手ガンケルが遠藤一を二塁ゴロに打ち取るも小幡のグラブトスが外れて内野安打に。代打溝脇の一塁ゴロで二封。代打井領のライト前ヒットで1死一三塁とされ、ガンケルは降板。三番手岩崎は大島をショートゴロに打ち取り、その間に遠藤一が生還して3点差に。京田にヒットを打たれ、アルモンテを歩かせ2死満塁とされるが、ビシエドを一塁フライに打ち取り、追いすがるドラゴンズを振り払う。8回裏、四番手木下雄に対しボーアの内野安打、小幡のヒット、高山の四球で1死満塁と攻めるが、近本と木浪は落ちる球を振って連続空振り三振。突き放すことはできず。それでも9回表、クローザーのスアレスが高橋周、阿部を連続空振り三振にとり、遠藤一をレフトフライに打ち取り、逃げ切った。ヒーローインタビューは6勝目の青柳、10セーブ目のスアレス、2本のホームランのサンズ。
◎カープ12回戦……3-4
タイガースの先発は西勇。1回裏、菊池涼に右中間スタンドにソロホームランを打たれて先制される。カープの先発はここまでタイガースに3勝の森下。2回表、先頭のサンズが歩き、大山がライト前に落ちるテキサス性のヒットを打つが、一塁走者のサンズはライトフライになると思い帰塁しかけていたので進塁が遅く、ライトからの返球で二封されてライトゴロに。ミスでチャンスを広げられない。2回裏、死球のピレラを置いて坂倉にバックスクリーン右にツーランホームランを打たれ3点差とされる。3回裏、1死から菊池涼にヒットを打たれ、堂林のショートゴロで二封。鈴木誠の打席で堂林が走り、西勇は投球動作を止めてしまいボークを取られる。鈴木誠は申告敬遠。松山も歩かせ満塁のピンチ。ここはピレラをショートゴロに打ち取って追加点は許さず。森下は速球とカーブのコンビネーションがよく、4回表には木浪、陽川、サンズと三者三振の快投。5回表、ヒットの大山を置いて梅野がレフト線にタイムリー二塁打を放ち、2点差に。7回表には大山の左中間スタンドに飛びこむソロホームランで1点差に詰め寄った。なおもボーアのヒットから1死二塁として代打糸井、福留と切り札を投入するも凡退で追いつけず。西勇は6回限りで降板。7回裏は二番手岩貞が三者凡退で流れを作る。カープも8回表は塹江がタイガース打線を三者凡退に。8回裏は三番手馬場が走者を出しながらも無失点で切り抜けた。9回表、抑えのフランスアからサンズがレフト前ヒットを放ち代走は江越。大山のライト前ヒットで一三塁とし、1死後梅野のセンター返しは菊池涼が好捕してショート上本崇にグラブトス。上本崇の一塁送球がそれてセーフとなり江越が生還して同点となる。9回裏、四番手は岩崎。松山にヒットを打たれて代走は野間。1死から坂倉のセンター返しのゴロを二塁上本博が好捕するもどこにも投げられず一二塁とされる。そして上本崇に前進守備のセンター近本の頭を越すサヨナラタイムリーヒットを打たれて連勝ストップ。
◎カープ13回戦……6-5
カープの先発は大瀬良。2回表、サンズのヒットと大山のセンターの頭を越す二塁打で無死二三塁とし、1死後、梅野の一塁ゴロは松山が本塁に送球するも球がそれてサンズがホームインし先制。さらに一三塁で小幡のセーフティスクイズが決まり、2点目が入る。3回表、木浪がショート内野安打で出ると、糸井のセンター前ヒットで無死一三塁に。サンズのレフト前タイムリーヒットで3点差に。大山三振のあとボーアが歩き満塁に。梅野三振のあと、小幡の一二塁間のゴロは羽月にうまく捕られ小幡は一塁にヘッドスライディング。判定はアウトだったが矢野監督のリクエスト申請で覆り、タイムリー内野安打に。5点差をつける。大瀬良は3回限りで降板。4回表と5回表は二番手ケムナに抑えられる。タイガースの先発は藤浪。3回まで無失点と上々の立ち上がり。4回裏、1死から堂林のヒットと鈴木誠への四球で一二塁とされ、松山にレフト前タイムリーヒットを打たれて4点差に。ピレラを歩かせて満塁となるが、會澤、田中広と連続空振り三振に取って切り抜けた。5回裏、大盛を歩かせ代打曽根のレフト前ヒットはサンズの緩慢な返球の間に大盛に走られて無死二三塁に。羽月の投手ゴロの間に大盛が生還し3点差に。堂林を歩かせ、鈴木誠は二塁へのフライに打ち取り2死とするが、松山にまたもレフト前タイムリーヒットを打たれて2点差に。ピレラのライト前タイムリーヒットで1点差とされ、會澤の肩口に死球をあてたところで藤浪は降板。あと1死というところで勝利投手の権利を逃した。二番手は岩貞。田中広をショートゴロに打ち取り、なんとかリードは保った。6回表は三番手菊池保に抑えられ、6回裏は続投の岩貞が抑える。7回表、四番手島内に対し糸井が四球。サンズはショートゴロで二封。しかし二塁曽根の一塁悪送球はカメラマン席に入り、テイクワンベースでサンズは二進。1死後、ボーアは申告敬遠。梅野のライト前ヒットでサンズが巨体を揺らしてホームを突くも、鈴木誠の好返球で憤死。突き放す1点が取れない。7回裏はガンケルが抑え、8回表には五番手薮田から近本がライトスタンドへソロホームランを放ち、2点差に。8回裏は馬場が三者凡退に抑えて、9回表は中田廉の前に三者凡退。9回裏、スアレスは1死から堂林の二塁打、暴投で三塁に進まれ、鈴木誠の三塁ゴロで生還され1点差に。最後は松山を三塁ゴロに打ち取り、逃げ切った。勝利投手は好リリーフの岩貞。ヒーローインタビューはプ目入り初打点を含む2打点の小幡。
◎カープ14回戦……5-3
カープの先発は遠藤淳。1回表、近本がショート内野安打で出ると、遠藤淳は走者を気にしてしつこく牽制球を投げる。木浪は二塁へのフライに倒れたが、糸井は四球。そしてサンズが左中間スタンドに先制のスリーランホームランを叩きこむ。5回表には四球の秋山を置いて木浪が左中間へ二塁打を放ち、2死二三塁とするも糸井は三塁へのフライで得点ならず。タイガースの先発は秋山。4回までは走者を出しながらも粘りの投球で無失点。しかし5回裏、直前の全力疾走の影響があったか、ピレラのライト前ヒットと田中広の一塁ゴロエラーで無死一二塁とされ、遠藤淳のバントで二三塁とされる。安部は見逃し三振に取ったが、菊池涼にレフトスタンドに同点スリーランホームランを打たれてしまう。秋山は6回3失点で降板。7回裏は岩崎が田中広への死球と代打會澤のヒット、代打上本崇のライトフライで2死一三塁とされるが、菊池涼をライトフライに打ち取って切り抜けた。遠藤淳は7回3失点で降板し、8回からは二番手塹江がタイガース打線を抑える。8回裏は三番手ガンケルが三者凡退に抑える。9回表、続投の塹江から梅野のヒットと代打陽川の死球で2死一二塁のチャンスを作るも、代打中谷はいい当たりのファールを連発するも空振り三振。9回裏は岩貞が抑えて延長戦に。10回表、三番手フランスアから近本が四球で出ると、木浪のバントで二進。2死後、サンズは申告敬遠。ここで大山が前進守備のライトを襲う2点タイムリー三塁打を放ち、再びリード。10回裏はスアレスが三者凡退で締め、連勝。岩貞が連日の勝利投手。ヒーローインタビューは決勝三塁打の大山。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩貞祐太 リリーフにまわり、絶対的な中継ぎとしてはまっている。先発では途中で力尽きる場面もあったが、短いイニングだとそれもない。2試合連続勝利投手になったのには、試合の流れを変える投球という理由があるのだ。
野手……ジェリー・サンズ 得点圏打率リーグトップ。しかもここというところでの集中力は只者ではない。走者を必ず返す打棒はまさに4番打者にふさわしい。そんな迫力を感じさせないところがまたすごい。江夏さんをして「対戦して見たい打者」と言わしめるのだから。ハッピーハンズのアクションがお茶目で可愛らしいのもなんとも楽しい。
次節からはなんと13連戦。まずは甲子園球場で7連戦。スワローズと3戦。そしてもジャイアンツと4戦。いつも伏兵に痛い一打を食らうスワローズ戦は、やはり高橋遥で頭をとって勢いに乗りたい。ジャイアンツ戦では弱点をつかれるサンズとボーアが、どれだけ相手の策にはまらずに打つかがポイントか。自力でジャイアンツを引きずり降ろすくらいでないと。このままジャイアンツに独走させてはならんぞ。
飯田優也投手とバファローズの小林慶祐投手のトレードが決定。飯田はホークスから移籍してきて先発、リリーフで何度か起用されたがこれといった成績を残せずトレードとなった。新天地での開花を期待している。小林は右の中継ぎのピースとして獲得。タイガースにはいないタイプの右腕というので、活躍を期待したい。
(2020年8月31日記)