今節は甲子園でスワローズ戦。初戦は高橋遥がまたも完璧な投球で勝つ。2戦目は苦手の山中の前に打線が振るわずガルシアを見殺し。3戦目は同点で登板したマクガフが無人の一塁に牽制球を投じるという珍プレーのおかげで2勝1敗と勝ち越し。引き続き甲子園球場で首位ジャイアンツと4連戦。初戦は西勇の好投とサンズのホームランなどでとるが、2戦目は藤浪が味方のミスもあり打ちこまれて大敗。豪雨で1試合を流し、3戦目は、高橋遥が中5日で勝負をかけたがまたも近本の連続返球ミスでリードされ、リリーフ陣を打って1点差に迫るも惜敗して1勝2敗。今節は3勝3敗。今季通算32勝31敗3分で勝率.507の3位。首位ジャイアンツとは8.5ゲーム差と開いた。
◎スワローズ13回戦……2-1
タイガース高橋遥、スワローズ石川の投手戦。先制したのはタイガース。4回裏、先頭の木浪がセンター前ヒットを放つと、サンズの三塁線を破るタイムリー二塁打で一気に生還した。しかしサンズを二塁に残したまま大山とボーアは三振で追加点は取れず。6回裏、近本と木浪の連打と陽川のバントで1死二三塁とチャンスを作ると、ここで石川は降板。二番手近藤に対しサンズは空振り三振。大山は一塁へのフライに打ち取られ、ここも追加点はならず。6回まで1安打無四球と完璧な投球をしていた高橋遥が、7回表、2死から村上にライト線へ二塁打を打たれるとそれまでの快調なテンポが落ち始める。代打廣岡を歩かせ、エスコバーのライト前に落ちるタイムリーヒットで同点に追いつかれた。中山を歩かせ満塁で代打青木を迎えたが、ここはショートゴロに打ち取って逆転は許さず。7回裏は二番手マクガフの前に三者凡退。高橋遥は7回1失点で勝敗つかずの悔しい降板。8回表は二番手岩貞がこれも三者凡退に抑える。8回裏、二番手清水に対し代打糸井のヒット、木浪のバントなどで2死二塁とチャンスを作るも代打福留は外角いっぱいの球を見逃し三振。9回表、三番手のR・スアレスは山田哲に二塁打を打たれ、村上は申告敬遠。廣岡のバントで1死二三塁のピンチを迎える。しかしエスコバーの三塁ゴロで山田哲がホームをつき狭殺プレーとなり、タッチアウト。一三塁で代打坂口を三塁フライに打ち取ってピンチを切り抜けた。9回裏、五番手イノーアに対し、フルカウントからサンズの一振りは左中間スタンドに飛びこむサヨナラソロホームラン。接戦を制した。R・スアレスは移籍初勝利。ヒーローインタビューはサヨナラホームランのサンズ。
◎スワローズ14回戦……2-3
タイガースの先発はガルシア。2回表、村上にセンターのフェンスぎりぎりまで飛ばされ三塁打に。塩見の二塁ゴロの間に村上が生還して先取点を許す。3回表、1死から坂口のショートゴロを木浪がこぼしてエラーで出塁。青木と山田哲の連打で坂口が生還して2点差とされる。しかしガルシアは以降は持ち味の手元で動く球を駆使し得点を許さない。4回表には中村のヒット性の当たりを二塁小幡が横っ跳びでキャッチしてアウトにするなど、バックも盛りたてる。スワローズの先発はアンダースローの山中。3回まで完璧に抑えられていたが、4回裏、木浪と糸井の連打で1死一二塁と攻め立てるが、サンズと大山はともに内野フライで得点できない。ガルシアは6回2失点で降板。7回表は二番手望月が代打山崎と中村の連打で無死一二塁とされるも、山中はスリーバント失敗。坂口は二塁ゴロ併殺で切り抜けた。7回表、ヒットの糸井を置いてサンズがレフトスタンドに同点ツーランホームランを放つ。ここで山中は降板。二番手マクガフの前に大山、ボーア、小幡と連続三振に取られ、流れを持ってくるところまではいかず。8回表は岩崎が村上の降り逃げを含むサン連続三振で抑える。8回裏、三番手清水に対し、代打梅野隆のショートゴロはバウンドを合わせそこねたエスコバーが後逸、ヒットとなる。代打上本が送り、2死後、木浪のヒットで一三塁とするも糸井のレフトフェンス際への当たりはもうひと伸び足りずレフトフライに終わる。9回表はスアレスが、9回裏は石山がそれぞクローザーらしく抑え、試合は延長戦に。10回表、五番手馬場が代打宮本にヒットを打たれ、坂口に送られ、青木にもレフト前ヒットを打たれて一三塁に。青木の代走に廣岡。山田哲の打席で廣岡が二盗。山田哲のセンター犠牲フライで大きな1点を失った。2死三塁で六番手能見がマウンドへ。村上と塩見を歩かせて満塁とされるが、エスコバーをショートフライに打ち取り、最少失点で切り抜ける。10回裏、五番手近藤に対し1死から梅野隆と中谷の連打で同点のチャンスを作るが、近本はショートゴロ併殺に倒れ、逃げ切られた。
◎スワローズ15回戦……4-3
スワローズの先発は普段は中継ぎの風張。1回裏、近本がユニフォームをかする死球で出ると、木浪の打席で暴投し近本は二進。木浪の右中間を破るタイムリー二塁打で先制する。糸井はセンターフライに倒れ、サンズのショートゴロで木浪は三進。大山のセンター前タイムリーヒットで2点差をつける。風張は2回2失点で降板。3回からは高橋敬が登板し、タイガース打線は沈黙させられる。タイガースの先発は青柳。3回までは得意のゴロアウトで無失点。しかし4回表、青木のヒットと山田哲の二塁打で無死二三塁とされ、村上のレフト前に落ちるタイムリーヒットで1点を返される。なおも無死一三塁。塩見の二塁ゴロで二封するが併殺は取れず山田哲が生還して同点に追いつかれた。坂口の一塁ゴロで二封。エスコバーには右中間を破る二塁打を打たれるが、一塁から一気にホームを突いた坂口を中継の小幡が本塁にみごとな返球で憤死させた。6回表には内野安打の青木とライト前ヒットの村上が1死一三塁とたたみかけてくるが塩見のショートゴロ併殺で勝ち越しは許さない。7回表、坂口とエスコバーの連打で無死二三塁に。西田はセカンドゴロで走者はベースに釘づけ。高橋奎を空振り三振に取ったところで青柳から能見にスイッチ。山崎のピッチャーを襲う打球は能見のすねに当たり、膝をついた能見はどこにも送球できず坂口の生還を許して勝ち越されてしまう。能見は負傷退場で、急遽三番手に岩貞が登板。青木を二塁ゴロに打ち取り、追加点は許さず。7回裏、ボーアがライト前ヒットで出て代走に植田。梅野隆が送り、代打陽川のレフト前ヒットで無死一三塁に。投手は高橋奎からマクガフに交代。代打中谷三振のあと、近本の打席で陽川が二盗。捕手西田は二塁送球できず、マクガフは盗塁に気づかず。なんと無人の一塁に牽制球を投じ、誰も守っていないグラウンドにボールが転がる間に植田と陽川が生還して逆転。近本に四球を与え、マクガフは降板。四番手の星には木浪が痛烈な三塁ライナーで追加点はならず。8回表は四番手ガンケルが抑え、8回裏は続投の星に抑えられる。9回表は岩崎がマウンドに。坂口のヒットと代打中山への四球で2死一二塁と攻め立てられるが、山崎を二塁ゴロに打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューはリリーフで3勝目をあげた岩貞、10ホールドのガンケル、プロ入り初セーブをあげた岩崎。それにしても考えられない珍プレーで勝てたのは、まだタイガースに運があるということか。
◎ジャイアンツ11回戦……5-4
タイガースの先発は西勇。大振りのジャイアンツ打線を操るように抑えていく。ジャイアンツの先発はここまでタイガースから2勝の戸郷。2回裏、大山がレフトスタンドに先制のソロホームランを叩きこむと、ボーアの二塁打と小幡のライト前ヒットで1死一三塁とし、西勇のセーフティスクイズは一塁中島が西勇にタッチした分本塁への送球が遅れ、ボーアがホームインして2点目を奪う。3回以降は戸郷も自分のペースを取り戻したが、6回裏、糸井がライト線の二塁打を放ち代走は江越。サンズの打席で江越が三盗。そしてサンズはバックスクリーンへツーランホームランを放ち4点差に。大山と梅野のヒットで1死一二塁とし、小幡がレフト線へタイムリーヒットを放って5点差に。西勇のバントで2死二三塁としたところで戸郷は降板。二番手は左腕の大江。ここは近本がライトフライに打ち取られる。7回表、亀井の二塁ゴロを小幡が弾いてエラーとなり、岡本のレフト前ヒットで無死一二塁に。丸はライトの頭を越すタイムリー二塁打で1点を返される。1死二三塁から大城のライト前タイムリーヒットで3点差に。それでも代打重信を投手ゴロ併殺に打ち取る。7回裏は三番手鍵谷の前に三者凡退。8回表、1死から坂本勇にセンター前ヒットを打たれると、2死後、亀井のライト前ヒットで一三塁とされ、亀井の代走に増田大。岡本のレフト前タイムリーヒットで1点差にまで詰め寄られ、西はここで交代。クローザーのスアレスを投入し、丸を空振り三振に取る。8回裏、四番手櫻井からボーアが四球で出ると、代走植田が二盗したが、小幡はセンターフライで追加点はならず。それでも9回裏、スアレスは三者凡退で締めて初戦を取った。ヒーローインタビューはジャイアンツから初勝利の西勇、先制ホームランの大山、決勝タイムリーヒットの小幡。
◎ジャイアンツ12回戦……2-11
試合前豪雨で1時間遅れの試合開始。タイガースの先発は藤浪。1回表は三者凡退と上々の立ち上がり。しかし2回表、岡本の二塁打、ウィーラーへの四球で1死一二塁とされ、大城に左中間を破るタイムリー二塁打で2点先制される。3回表、坂本勇にレフト前ヒットを打たれると、1死後、亀井のセンター前ヒットは近本がバウンドを合わせそこねてそらすと、坂本勇は三進して一三塁とされる。岡本、丸と連続四球で押し出しの1点を追加されると、ウィーラーの三遊間の鈍い当たりはレフト前2点タイムリーヒットとなる。続く大城にもセンター前にタイムリーヒットを打たれ、7点差をつけられた。それでも矢野監督は藤浪に続投を命じる。4回表で立ち直ったかと思われたが、5回表、二塁打の大城と四球の今村、四球の坂本勇と2死満塁とされて松原の二塁ゴロは二塁小幡が一塁へ悪送球。その間に大城と今村が生還して9点差に。二三塁から亀井にもセンター前2点タイムリーヒットを浴び、11点差とされたところで降板。またも5回を投げ切れなかった。二番手の能見は岡本を一塁へのファールフライに打ち取り、長い守備が終わった。能見は6回表も抑える。7回表と8回表は望月が抑え、9回表は小川が三者凡退で6回以降はジャイアンツ打線は沈黙。ジャイアンツの先発は今村。速球とカーブのコンビネーションにタイミングが合わず、1回裏の木浪のヒットのあとは5回裏に梅野がレフト前ヒットを打つまで走者を出せず、6回裏に木浪がヒットを打ってもあとが続かず。7回裏、大山が右中間スタンドにソロホームランを放って完封は免れた。8回5安打1失点で今村は交代。9回裏、二番手沼田に対し1死から植田が歩き、中谷の投手ゴロで二進。坂本誠のレフト前タイムリーヒットで2点目をあげたが、反撃もそこまで。小幡は見逃し三振に終わり、試合終了。藤浪は右打者外角へのスライダーをことごとくボールと判定され、天を仰いだ。あの球をストライクに取ってくれていたら展開はかなり変わっていただろうが。
◎ジャイアンツ13回戦……2-3
タイガースの先発は高橋遥。3回表、大城と吉川尚の連打とメルセデスのバントで1死二三塁とされ、坂本を歩かせ満塁に。松原のセンターフライは浅かったが、近本の本塁への返球が大きくそれ、大城がそれを見てタッチアップして生還し、1点を先制される。4回表、岡本のショートゴロは木浪が捕れず出塁。1死から中島に右中間を破る二塁打を打たれて二三塁とされ、大城のセンター犠牲フライはまたも近本の送球がそれて梅野の股間を通り岡本が生還して2点差に。5回表坂本の内野安打とウィーラーのセンター前ヒットで1死一二塁とされ、岡本に右中間を破るタイムリー二塁打を打たれて3点差に。丸を歩かせ満塁としたが、中島は投手ゴロで本塁併殺となんとか大量失点は免れた。6回表は大城と吉川尚の連打で無死一二塁とするもメルセデスのバントは高橋遥が判断よく三封、坂本を投手ゴロに打ち取ると松原は空振り三振でなんとか無失点で切り抜ける。高橋遥は6回3失点で降板。ジャイアンツの先発はメルセデス。走者は出すも続かず、6回無失点と好投された。7回表はガンケルが抑える。7回裏、二番手高梨から復帰後初スタメンの糸原がライト前ヒットで出ると、陽川の打席で暴投し二進。陽川は空振り三振に倒れたが、ここで三番手大竹に交代。サンズのレフト前ヒットで1死一三塁とする。2死後、ボーアがあわやホームランという特大のファールを放つと原監督はなんとここで四番手大江を送りこむ。ボーアは三塁を襲うタイムリー内野安打で1点を返し2点差に。しかし梅のき空振り三振で連打できない。8回表、三番手岩貞は大城のライト前ヒット、吉川のバント処理を岩貞がもたつき内野安打とされ無死一二塁。北村のバントと坂本の申告敬遠で1死満塁に。代打亀井の二塁ゴロは糸原が好捕して本塁へ送球しアウトに。増田大を空振り三振に取ってなんとか切り抜けた。8回裏は中川に抑えられ、9回表は岩崎が三者凡退で追加点は許さない。9回裏、デラロサから糸原がレフトポール直撃のソロホームランを放ち1点差に迫り代打福留が四球を選び代走に植田を出すも、サンズは外角球を空振り三振、大山は二塁ゴロ併殺で逃げ切られた。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩崎優 スアレスを休ませてプロ入り初の抑えのマウンドに立ち、初セーブをあげると、ジャイアンツ戦ではビハインドの場面で相手を寄せ付けず。復帰後苦しい投球が続いたが、ここからが本領発揮だ。
野手……大山悠輔 ホームランの連発でジャイアンツ岡本に次ぎホームラン数ではリーグ2位に浮上。サンズの活躍も大山の活躍があってこそ。ここから一気に岡本に追いつく量産体勢に入れば、少しはなされたジャイアンツにもう一度迫ることも可能だ
次節は横浜スタジアムでベイスターズと3連。休みなく甲子園でカープ戦。13連戦が雨のため5連戦と7連戦に変わったが、横浜戦では齋藤がプロ入り初先発の予定。カープ戦では藤浪が雪辱を期する。ジャイアンツには1つの負け越しに終わったが、ここから再度連勝していけば、まだまだチャンスはあるはず。ジャイアンツも圧倒的な強さは感じさせなかったし、このまま独走とはいくまい。ただ、高橋遥はまだある程度球数を抑えて間隔をあけないと厳しいということもわかったので、タフな秋山、安定した西勇になるべく長い回を投げてもらいたい。そし打線の奮起をやはり期待したい。鍵は近本と大山。糸原が復帰した分、選手層は厚くなっているので、今後が楽しみである。
(2020年9月7日記)