愛すれどTigers


西勇輝、今季初完封

 今節は横浜スタジアムでベイスターズ戦。初戦は7点差をつけながらガルシアの突如の乱調で追いつかれて引き分け。2戦目は上茶谷の好投の前に打線が沈黙し、青柳も不調で完敗。3戦目はシーソーゲームをサンズの逆転ホームランで制して1勝1敗1分。甲子園球場に戻りカープ戦。初戦は西勇が今季初完封で圧勝、2戦目は秋山が好投してカープ打線を手玉に取る。3戦目は、藤浪が打ちこまれるも打線もカープ投手陣を打ち陽川の一発でけりをつけ3勝0敗。今節は4勝1敗1分。今季通算36勝32敗4分で勝率.529の2位。首位ジャイアンツとは9.5ゲーム差とまた少し開いた。

◎ベイスターズ13回戦……7-7
 ベイスターズの先発は坂本裕。1回表、近本、木浪の連打、サンズの四球で1死満塁とし、大山がライトスタンドに満塁ホームランを放ち先制。3回表にはヒットのサンズを置いて大山が2打席連続のツーランホームランをバックスクリーンに叩きこむ。5回表、サンズがライトスタンドにソロホームランを放ち、7点差をつけた。坂本裕は5回限りで降板。6回表は山崎に抑えられる。タイガースの先発はガルシア。5回裏まで快調な投球で、このままいくかと思われた。6回裏、そのガルシアが突如乱れる。梶谷を歩かせ大和の打席で坂本誠が捕逸して二進を許す。大和も四球で無死一二塁に。ソトにレフト線へタイムリー二塁打を打たれて1点返されると、佐野にライトスタンドにスリーランホームランを打たれ3点差に。宮崎と倉本の連打で無死一二塁とされると、ガルシアはここで降板。二番手の能見は戸柱を一塁ゴロに打ち取り1死二三塁に。代打中井のライト前タイムリーヒットで2点差とされる。代打神里には死球で満塁とされ、能見も降板。三番手は岩貞。梶谷の打席で坂本誠が捕逸し1点差に。梶谷は二塁へのライナーで打ち取るが、大和のセンター前タイムリーヒットで同点とされ、神里は逆転のホームを狙うが近本の返球がよく憤死。ラミレス監督のリクエスト申請も覆らず。ここからはリリーフ勝負。ベイスターズは7回国吉、8回石田とパットン、9回三嶋とつなぎ、タイガースは7回は続投の岩貞、8回岩崎、9回スアレスとつぎこむ。石田からボーアがヒットを放ちチャンスを作るも後続を断たれる。岩崎は倉本のヒットなどで2死一三塁と攻め立てられたが、梶谷をセンターフライに打ち取りなんとかしのぐ。延長10回はスアレスも三嶋も一歩も譲らず、引き分けに終わった。
◎ベイスターズ14回戦……1-6
 ベイスターズの先発は上茶谷。1回表、近本が左中間に二塁打を放ち、糸原の一塁ゴロで三進。糸井がセンター犠牲フライを打って先制した。しかし、得点はこの回限り。尻上がりによくなる上茶谷の前に連打も出ない。タイガースの先発は青柳。この試合は高めに球が浮き、そこを狙い打ちされる。1回表、内野安打の梶谷は神里のショートゴロで二封。しかしソトにレフト線に同点のタイムリー二塁打を打たれる。続く佐野にも同じようにレフト線にタイムリー二塁打を打たれてあっさり逆転を許す。4回裏は内野安打の佐野と二塁打の宮崎を二三塁に置くピンチを迎えるが、倉本は一塁ゴロで走者は釘づけ。柴田を申告敬遠して1死満塁に。上茶谷を空振り三振に取ると、戸柱はセンターフライでなんとか切り抜けた。5回裏、梶谷に二塁打を打たれると、神里のバントは三塁線を切れずに内野安打となる。無死一三塁からソトは空振り三振に取ったが、佐野に右中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれ3点差に。青柳はこの回限りで降板。6回表は代打俊介が今季初安打を放つも近本の打席で二盗を試み刺され、近本は空振り三振と併殺になる。6回裏、二番手能見が戸柱を歩かせるが梅野の前に盗塁死。なんとか無失点で切り抜ける。7回表はサンズとボーアのヒットで2死一三塁とするも梅野はライトフライに倒れて無得点。上茶谷は7回1失点で交代。7回裏は馬場が走者を出しながらもなんとか抑える。8回表は石田の前に近本がヒットで出るが糸原は投手ゴロで得点ならず。8回裏、四番手望月が倉本、乙坂を歩かせ無死一三塁とすると、小川に交代。乙坂はすかさず二盗。五番手小川はなんと2連続冒頭で2者がそれぞれ生還し4点差にされた。9回表はパットンに締められ完敗。
◎ベイスターズ15回戦……8-7
 ベイスターズの先発はピープルズ。3回表、プロ入り初先発投手の齋藤が高いバウンドの投手内野安打で、プロ入り初安打を記録。近本のレフト線への二塁打で無死二三塁とし、糸原の一塁へのゴロはベースカバーに誰も入れずタイムリー内野安打に。1死後、サンズがセンターへ犠牲フライを放ち、2点を先制した。タイガースの先発は今季初登板がプロ入り初先発の齋藤。リードをもらった3回裏、戸柱のヒット、梶谷への四球、細川のセンター前ヒットで無死満塁とされ、ソトは空振り三振に取ったが佐野にセンター前に落ちるテキサス性のタイムリーヒットを打たれ、宮崎にもセンターへ犠牲フライを打たれて同点に追いつかれる。齋藤は3回2失点で降板。4回表、梅野のヒット、木浪の投手強襲ヒットで一二塁とし、代打陽川のスリーランホームランで3点差をつける。4回裏、二番手能見は代打蝦名にバックスクリーンにプロ入り初安打となるソロホームランを打たれると、続く戸柱にもライトスタンドにソロホームランを打たれて1点差に。梶谷にヒットを打たれたところで能見は降板し、三番手馬場が後続を断つ。5回表、二番手山崎から糸井のヒットとサンズの振り逃げで無死一三塁とし、大山の犠牲フライで2点差に戻す。馬場は5回裏も抑え、6回表は三番手武藤の前に三者凡退。6回裏、四番手ガンケルが登板。四球の蝦名とヒットの戸柱を置き、梶谷にレフトの頭上を越すタイムリー二塁打を打たれ1点差に。1死後、ソトにセンター前に逆転の2点タイムリーヒットを打たれてしまう。7回表、四番手国吉に対し、四球の糸原を置いてサンズが左中間スタンドに再逆転のツーランホームランを放つ。7回裏は五番手岩貞が三者凡退で流れを作る。8回裏、2死から代打倉本に内野安打を打たれると、ここでスアレスを投入。ソトをショートゴロに打ち取り、切り抜ける。9回表、五番手エスコバーからサンズと大山の連打で2死一三塁のチャンスを作り、江越の打席で大山は二盗。しかし江越は空振り三振で追加点はならず。9回裏、続投のスアレスが三者凡退で締めて、連敗を止めた。逆転打を浴びたガンケルが味方の援護点で来日初勝利。ヒーローインタビューは逆転ホームランのサンズ。
◎カープ15回戦……4-0
 カープの先発は床田。1回裏、近本は床田の足を直撃する強襲ヒットで出る。産まれて初めてという2番打者にはいった梅野はレフト前ヒットで続き、糸原が送って1死二三塁に。サンズのライト前ヒットでまず1点を先制。しかし大山は三塁ゴロ併殺で追加点はならず。3回裏、1死から近本が右中間フェンス直撃の二塁打を放つと、梅野の打席で三盗。捕手坂倉の三塁送球ははるかレフトまで届く悪送球となり、近本は悠々ホームインで2点目をもらう。タイガースの先発は西勇。3回表まで一人の走者も許さず、この回も大盛を見逃し三振、菊池涼を空振り三振にとり、長野には初安打となる左中間を破る二塁打を打たれたが、鈴木誠は見逃し三振と隙を見せない。床田は5回2失点で降板。6回裏は二番手菊池保からサンズが左中間スタンドにソロホームランを放ち3点差にする。7回表、菊池涼の二塁ゴロは糸原が捕球したものの尻もちをつき内野安打に。しかし長野はショートゴロ併殺、鈴木誠は三塁大山がイレギュラーバウンドをうまく捕球して三塁ゴロと寄せ付けない。7回裏は三番手中田廉の前に三者凡退。8回表、1死から坂倉にヒットを打たれるも堂林は二塁ゴロ併殺。8回裏、四番手矢崎から梅野が右中間スタンドへソロホームランを放ち突き放す。9回表、代打正隨の大きなセンターフライを近本が好捕し、その勢いでフェンスに激突するもボールはこぼさず。代打ピレラの三塁ゴロは大山の送球がそれたがボーアがピレラにタッチしてアウトに。佐々岡監督のリクエスト申請も判定は覆らず。大盛を空振り三振にとり、西勇は今季初完封。無四球で三塁を踏ませない見事な投球だった。ヒーローインタビューは完封勝利の西勇と好リードとダメ押しホームランの梅野。「明日も勝つバイ」で締めた。
◎カープ16回戦……3-1
 カープの先発は遠藤淳。1回表、近本がレフト前ヒットで出ると、梅野が送り、糸原は死球。サンズはセンターフライに倒れたが、大山がバックスクリーン左に飛びこむ先制のスリーランホームランを放つ。結果的には追加点が取れなかったため、これが値千金の決勝ホームランとなった。遠藤淳は2回以降尻上がりに調子を取り戻してきたが、5回裏、近本のショートへの内野安打と梅野のバントで1死二塁とし、2死後、サンズの打席で坂倉が捕逸して近本は三進。サンズが歩いたところで遠藤淳は足を痛めて降板。二番手中田廉が急遽マウンドに。大山はライトフライに倒れてチャンスを逸した。タイガースの先発は秋山。コントロールよく打たせて取る投球。6回表は1死から菊池涼にヒットを打たれるが長野は二塁ゴロで二封、鈴木誠は見逃し三振と走者を背にしても動じない。6回裏は三番手菊池保から陽川がヒットを放つも無得点。7回裏は四番手島内に対しヒットの近本を梅野のバントと糸原の二塁ゴロで三進させるもサンズはライトフライで追加点ならず。8回表、ここまで無四球だった秋山が田中広と代打大盛を続けて歩かせ無死一二塁としたところで交代。二番手ガンケルはピレラを二塁ゴロ併殺に打ち取り2死三塁となり、菊池涼のセンター前タイムリーヒットで1点を返された。8回裏、五番手の塹江から大山が二塁打を放ちボーアのショートゴロで三進するも中谷は空振り三振、木浪は二塁ゴロとここも追加点を奪えず。9回裏はスアレスが三者凡退で締めて連勝。ヒーローインタビューは勝利投手の秋山と決勝ホームランの大山。
◎カープ17回戦……7-6
 タイガースの先発は藤浪。1回表、大盛のヒットと盗塁、堂林への四球で1死一二塁とされ、鈴木誠にレフトスタンドに先制のスリーランホームランを打たれる。カープの先発は薮田。タイガースはすぐに反撃。1回裏、1死から梅野が歩き、糸原の打席で捕手坂倉が捕逸。梅野が二進すると糸原のセンター前タイムリーヒットで2点差とする。2死後、大山が歩き、ボーアの狭い一二塁間を抜くライト前タイムリーヒットで1点差に迫る。3回裏、梅野がレフト線に二塁打を放つと、糸原のセンター前タイムリーヒットで同点に追いついた。サンズが歩き、大山のバントで1死二三塁とし、ここで薮田は降板。二番手の高橋樹からボーアがセンター前タイムリーヒットを放ち勝ち越すと、続く糸井もレフト前にタイムリーヒットを放ち2点差とする。4回表、1死から坂倉にライト前ヒットを打たれ、糸井が球をそらして坂倉は二進。曽根のセンター前ヒットで一三塁とされ、長野には四球で満塁に。ここで藤浪は降板。二番手馬場が大盛にライト線に同点となる2点タイムリー二塁打を打たれる。さらに田中広を歩かせまた満塁の危機となるが、堂林を空振りの三振に取ると、鈴木誠はショートライナーに打ち取って勝ち越しは許さず。4回裏からは三番手ケムナに抑えられる。5回表、三番手には岩貞。松山とピレラの連打で無死一三塁とされると、坂倉のピッチャー返しは岩貞のグラブをはじいてショートゴロで辛うじて二封。その間に松山が生還して1点差とリードされる。6回表、1死から田中広に内野安打を打たれると、岩貞はここで降板。四番手は今季初登板の桑原。堂林を内野フライに打ち取ると、鈴木誠を得意のスライダーで空振り三振にとり、復活登板を果たす。6回裏、木浪がレフトフェンス直撃の三塁打を放ち、1死後、近本の高いバウンドの三塁ゴロの間に木浪が生還して同点に。7回表は五番手岩崎が抑え、7回裏は四番手島内に対し糸原の四球、サンズのヒットでチャンスを作るも大山は浅いレフトフライに倒れる。ここで五番手中田廉に交代。三塁走者は代走植田。ボーアの二塁を襲う強い当たりは菊池涼にダイレクトキャッチされ、本塁に飛びだした植田は三塁に戻れず併殺となる。8回表、岩崎は2死から田中広に二塁内野安打を打たれたところでスアレスにスイッチ。スアレスは堂林を三塁ゴロに打ち取る。8回裏、六番手の塹江に対し2死から陽川がバックスクリーン右にソロホームランを放ち、ついにリード。9回表はスアレスが鈴木誠にヒットを打たれるも後続を断ち、逃げ切る。ヒーローインタビューはリリーフで2勝目のスアレスと決勝ホームランの陽川。二人とも「あさっても勝つバイ」と梅野のフレーズを流用して観客を沸かせた。

愛すれどTigers週間MVP
投手……西勇輝
 完璧な投球だった。カープ打線に無四球完封。これで勝利数も6勝と青柳に並びチームトップ。クオリティスタートの数では10勝している菅野を上回る安定ぶりだ。ここから気候もよくなり、次の試合も好投してくれるだろう
野手……陽川尚将
 ベイスターズ戦の一時は逆転打となる代打スリーラン、カープ戦の決勝ホームランと、限られた打席で思い切りのいい打撃を見せてくれる。バナナタオルもファンの間で定着してきた。ここぞというときの切り札的存在になってきた。

 次節は東京ドームでジャイアンツと3連戦。1つでも負けるとジャイアンツにマジックナンバーがともるという背水の陣。二番梅野、三番糸原の打線がいいつながりを見せているので、なるべく小細工なしでどんと動かさずに臨んでほしい。高橋遥と菅野の投手戦などはさぞかし見ものだろう。続いてナゴヤドームでドラゴンズ戦。甲子園では負けなしだが、ナゴヤドームではありではあるが、チームの勢いでは大きく上回るだけに、取りこぼしは避けたいところ。さらに休みなく甲子園でベイスターズ戦が続くという9連戦。ジャイアンツ戦で力を使い果たさないようにしていただきたいが、1つも負けてほしくないと、我ながら矛盾したことを言うておるなあ。リリーフ陣では桑原謙の復活がいいニュース。まだ不安定な馬場やガンケルらの若手よりも実績のある桑原謙の存在は非常に大きいぞ。

(2020年9月14日記)


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