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西勇輝、ジャイアンツ打線に二塁踏ませず連続完封

 今節は東京ドームでジャイアンツ戦。初戦は近本が菅野から2初のホームランを浴びせるも、高橋遥が打たれて敗れ、ジャイアンツにマジックナンバーを転倒させてしまった。2戦目は青柳が崩れ、終盤の反撃もおよばず連敗。3戦目は西勇が2試合連続となる完封と、ジャイアンツの守備の乱れで圧勝し一矢報い1勝2敗。ナゴヤドームに移りドラゴンズ戦。初戦はガルシアが崩れたが大山の満塁ホームランなどで逆転勝利、2戦目は秋山が自らのエラーで崩れて破ける。3戦目は、久々の先発の中田がまたも序盤に打たれて打線も長坂の代打弾呑みで連敗し1勝2敗。今節は2勝4敗。今季通算38勝36敗4分で勝率.514の2位。首位ジャイアンツとは10.5ゲーム差。ジャイアンツの優勝マジックナンバーは32。

◎ジャイアンツ14回戦……3-6
 ジャイアンツの先発は菅野。1回表、近本がライト前ヒットで出ると、梅野が送り、糸原のセンター前タイムリーヒットで1点を先制する。タイガースの先発は高橋遥。2回裏、1死から丸と中島の連打で一三塁とされ、大城は見逃し三振に取ったが吉川尚にセンター前タイムリーヒットを打たれて同点に。3回表、2死から近本がライトスタンドにソロホームランを叩きこみまたも1点リード。4回表、1死からサンズが左中間を破る二塁打で出ると、大山は空振り三振したが大城の捕逸で振り逃げとなり、一三塁に。2死後、糸井が歩き満塁とするも木浪は空振り三振に倒れチャンスを逸する。4回裏、二塁打の岡本を置いて丸のセンター前タイムリーヒットでまたも同点に。中島の投手ゴロで二封し、大城の打席で梅野が捕球し損ねたのを見て中島が二塁を狙うも球は審判の足元で止まり、梅野の強肩で二封。大城を三塁へのフライに打ち取りリードは許さず。5回表、近本が二打席連続となるソロホームランをライトスタンドに放ち、またもリード。6回裏、松原はライト前ヒットで二塁をつき、中谷が好返球を見せるも判定はセーフ。矢野監督のリクエスト申請も判定は覆らず。亀井のライト前ヒットで一三塁とされ、岡本のセンター前に落ちるテキサス性のタイムリーヒットでまたも同点に。丸にもヒットを打たれて無死満塁となったところで高橋遥は降板。二番手の岩貞は中島を空振り三振に取るが、大城にライト前に2点タイムリーヒットを打たれてこの試合初めてリードを許した。それでも吉川尚は二塁ゴロ併殺にとり、大量失点は防いだ。菅野は6回3失点で交代し、7回表のマウンドは二番手高梨。小幡がショートへ内野安打を放つと、近本は四球。梅野の打席でヒットエンドランをかけるが梅野は空振りし、二塁走者小幡は三塁で刺される。梅野は二塁ゴロで二盗していた近本は三進。しかし糸原はショートゴロに倒れ、得点できず。7回裏は三番手馬場が三者凡退に抑え、8回表は三番手大竹の前に三者凡退。8回裏、1死から吉川大を歩かせ、代走に増田大。丸の空振り三振の間に増田大は二盗。中島を歩かせ、代走は北村。大城のセンター前タイムリーヒットで増田大が生還したが、三塁を狙った北村は近本の好返球でアウトに。しかし大きな1点を追加された。9回裏、抑えのデラロサに対し中谷がレフト前ヒットを放つも、代打福留は空振り三振。代打陽川が歩き一二塁とし、近本のセンター返しは二塁の吉川尚に好捕され、陽川は二封。2死一三塁から近本が二盗して二三塁と攻めるも梅野は見逃し三振で試合終了。この時点でジャイアンツにマジックナンバー38が点灯した。
◎ジャイアンツ15回戦……6-7
 ジャイアンツの先発は田口。1回表、近本がライト前ヒットで出るも梅野は二塁へのライナー、糸原は二塁ゴロ併殺に終わり、このあとタイガース打線は田口の前に7回まで一人の走者も出すことができない。タイガースの先発は青柳。1回裏から球が高めに浮き、松原を歩かせ吉川尚の打席で二盗を許す。吉川尚は二塁フライ、亀井は二塁ゴロで2死三塁とされ、丸を歩かせピンチを迎えるが、大城を空振り三振にとり切り抜ける。しかし2回表、田中俊にライトスタンドにソロホームランを打たれて1点先制される。4回裏、1死から二塁打の田中俊を置いて立岡にセンター前タイムリーヒットを打たれ2点差とされる。さらに田口のバントは青柳の送球が少し遅くエラーがつき、松原を歩かせて満塁のピンチを招くが、吉川尚と亀井はともにフライに打ち取りなんとか大量点は防ぐ。5回裏、丸を歩かせ大城のライト前ヒットで無死一三塁とされると、若林にライト前タイムリーヒットを打たれて3点差に。無死一二塁で桑原がマウンドに。田中俊にレフト前タイムリーヒットを打たれると、続く立岡にライトスタンドにスリーランホームランを打たれて7点差とされる。桑原はここから踏ん張って後続を断ったが、ビッグイニングを作られてしまった。6回裏は小林慶が移籍後初マウンド。丸への四球、若林の二塁打、立岡の申告敬遠で2死満塁とされるが田口を二塁ゴロに打ち取り無失点で切り抜け、7回裏もきっちり抑える。7回表まで手も足も出なかったタイガース打線が8回表にようやく反撃。サンズはあわやフェンス直撃というセンターフライを立岡に好捕されるが、大山のヒットとボーアの死球、陽川のヒットで満塁とし、代打中谷がレフトフェンス直撃の2点タイムリーヒットを放つと、ここで田口は降板して田中豊がマウンドに。代打江越の代打木浪が右中間を破る2点タイムリー二塁打で3点差に迫る。三番手大江に対しては近本と梅野が空振り三振に倒れ反撃もそこまで。8回表は四番手小川が1死から若林を歩かせるが田中俊の打席で盗塁死。田中俊を空振り三振にとり、無失点に抑えた。9回表、抑えのデラロサに対し四球のサンズを置いて大山がレフトスタンドに1点差に迫るツーランホームランを放つ。デラロサを引きずり降ろし、五番手中川がマウンドに。しかしボーア、陽川は連続三振で追いつくことはできず。敗れはしたが、ジャイアンツの若い選手たちも肝を冷やすような反撃が見られたことは収穫か。
◎ジャイアンツ16回戦……11-0
 ジャイアンツの先発はサンチェス。1回表、初球を近本がライトスタンドに運ぶ先頭打者ホームランで先制。梅野が左中間フェンスに当たる二塁打で続くと、2死後、お山のショートへの内野安打で一三塁とし、ボーアが歩いて満塁に。陽川が押し出しの四球で2点目を奪う。木南の二塁ゴロは二塁手若林と一塁走者の陽川が交錯し、守備妨害で陽川がアウトに。2回表、2死から梅野が歩き、糸原がレフト前ヒットを放ち一二塁とすると、サンズのセンター前タイムリーヒットで梅野が生還。丸が緩慢な返球をし、吉川尚が返球を受け損ねる間に糸原も生還して4点差となる。サンズもこの間に二進。さらに大山のライト前タイムリーヒットで5点差とする。この時に梅野が足を痛めたか2回裏から坂本誠に捕手は交代。タイガースの先発は西勇。3回裏、先頭の田中俊にレフト前に初ヒットを打たれるも立岡のショートゴロで二封。サンチェスのスリーバントは失敗。立岡はショートゴロで二塁をふまさない。4回裏には吉川尚にヒットを打たれるもウィーラーも丸もともに内野ゴロでそれぞれ二封し、大城をライトフライに打ち取ってここでも二塁を踏ませない。5回裏には2死から立岡にセンター前ヒットを打たれるが代打北村は空振り三振でやはり二塁まで進ませない。サンチェスは5回5失点で降板。6回表、二番手桜井に対し近本がまたもライトスタンドにソロホームランを放ち6点差とする。7回表、続投の桜井に対しボーアがライトスタンドにソロホームランを叩きこむ。9回表、三番手田中豊からボーアが四球。代走は荒木。1死後、木浪の二塁打で二三塁とし、西勇の三塁ゴロは田中俊が一塁へ悪送球して荒木が還り8点差に。一三塁で近本のゴロを田中俊がファンブルしエラーの間に木浪が生還して9点差に。坂本誠の右中間を破る二塁打で西勇も生還。糸原は四球で1死満塁とし、糸原の代走に小幡。江越のセンター犠牲フライで11点差とする。9回裏、1死から吉川尚にライト前ヒットを打たれるもウィーラーはセンターフライ、丸は一塁ゴロと最後まで二塁を踏ませぬ無四球完封勝利。ジャイアンツの若手が凡ミスを繰り返す姿は、マジックナンバーが点灯して気がゆるんだようにしか見えず、ここからまた追い上げが可能であることを予感させる勝利となった。ヒーローインタビューは2試合連続完封の西勇。
◎ドラゴンズ13回戦……8-4
 ドラゴンズの先発は柳。1回表、登録抹消の梅野にかわり二番打者に起用された陽川が右中間スタンドに先制のソロホームランを放つ。タイガースの先発はガルシア。1回裏、2死からアルモンテを歩かせビシエドと高橋周の連打で同点にされる。2回裏、ヒットの平田と四球の柳を置いて大島が低めの球を片手ですくい上げる曲芸打ちのライト前タイムリーヒットで1点のリードを許す。続く京田の投手ゴロはガルシアが判断よく三塁走者柳を狭殺。両投手は以降立ち直りを見せたが、4回裏先頭の平田を歩かせ木下拓のライトフェンス際まで届くフライは陽川が好捕したが柳のバントで平田は二進。2死二塁から大島がレフト前に落ちるタイムリーヒットを放ち2点差に。京田にレフト前ヒットを打たれたところでガルシアは降板。二番手小川はアルモンテをショートフライに打ち取る。5回裏は三番手馬場が抑え、6回表に反撃。陽川と糸原の連打、サンズの肩口をかすめる死球で無死満塁とし、大山がレフトポール際に満塁ホームランを叩きこみ逆転。柳はここで降板し、マウンドには二番手谷元。ボーアのヒット、坂本のバントで1死二塁とし、木浪の一塁ゴロはぞし江戸の送球が高く、ベースカバーの谷元がのびあがって取るもベースを踏めずビシエドにエラーがついて一三塁になり、代打福留のレフトへの犠牲フライで3点差に。6回裏、四番手岩貞が木下拓のヒットと大島の二塁打で1死二三塁とされ、京田りショートゴロの間に木下拓が生還して2点差に迫られる。しかし7回表、三番手藤嶋から四球のサンズを置いて大山がレフトスタンドに2打席連続となるツーランホームランを放ち、4点差に。岩貞は7回裏もきっちりと抑え、8回表は四番手清水から糸原とサンズのヒットでチャンスを作るも大山が空振り三振で追加点はならず。8回裏は五番手岩崎が三者凡退に抑え、9回表は木下雄に抑えられる。9回裏、セーブのつかない場面だがスアレスを投入し、三者凡退で締めて連勝。勝利投手は中継ぎで好投した馬場。ヒーローインタビューは2本のホームランで6打点を稼ぎ、ジャイアンツの岡本とホームラン数で並んだ大山。
◎ドラゴンズ14回戦……1-4
 ドラゴンズの先発は福谷。1回表、先頭の近本が右中間に二塁打を放ち、陽川は腰に当たる死球で無死一二塁。しかし糸原はバントを打ちあげピッチャーフライ。サンズは見逃し三振、大山は二塁ゴロで先制のチャンスを逸した。2回表は二塁打のボーアが坂本のショートゴロで三進するも、木浪、秋山が連続三振でここもチャンスを逸した。タイガースの先発は秋山。3回までは好調。しかし4回裏、アルモンテにヒットを打たれて2死一塁。高橋周の投手ゴロを秋山は一塁へ悪送球してオールセーフ。2死二三塁が阿部にレフトスタンドにスリーランホームランを打たれて先制を許す。福谷は尻上がりによくなり、タイガース打線はとらえられない。7回表、2死から坂本の投手強襲の安打は福谷の右ももに当たり、ここで二番手福が急遽マウンドに。代打中谷はライトフライに打ち取られる。秋山は7回裏に1死から安部に二塁打を打たれ、平田の大きく弾む投手ゴロを一塁へ悪送球。球が後ろにそれる間に安倍が生還して4点差にされる。8回表は祖父江に抑えられ、8回裏は今季初登板の浜地がヒットの大島に三塁まで進まれるがビシエドを二塁ゴロに打ち取り無死っ点で切り抜ける。9回表、抑えのR・マルティネスに対し、糸原は死球、1死後、大山が右中間を破る二塁打で二三塁とし、ボーアの犠牲フライで1点は返したが、反撃もそこまで。2死満塁で代打福留が投手ゴロに倒れて連勝ストップ。
◎ドラゴンズ15回戦……2-4
 タイガースの先発は中田。2回裏、ビシエドと高橋周の連打で無死一二塁とされると、阿部の右中間へのタイムリー二塁打で1点先制される。無死二三塁で続く平田にもセンター前タイムリーヒットを打たれ、2点差に。木下拓には一塁線にスクイズを決められ3点差。松葉の一塁ゴロの間に平田は三進。しかし大島はセンターフライに打ち取って、さらなる追加点は防いだ。ドラゴンズの先発は左腕の松葉。四球の木浪を置いて長坂がレフトスタンド最前列に飛びこむツーランホームランを放ち1点差に迫る。中田は2回3失点で降板し、3回裏から4回裏までガンケルが抑える。5回裏は馬場が抑える。松葉は5回2失点で交代。6回表、二番手谷元に対して近本がヒット、サンズが振り逃げで出塁するも大山がレフトフライに倒れて得点ならず。6回裏、続投の馬場がアルモンテのヒットとビシエドへの死球、高橋周への四球で無死満塁とされ、阿部は空振り三振に取ったが平田のセンター犠牲フライで1点追加され2点差に。7回表は三番手福にボーアと坂本の四球で2死二三塁と攻めたが近本は一塁へのファールフライで走者を返せず。7回裏は桑原が走者を出すも無失点で切り抜け、8回表は祖父江の前に三者凡退。8回裏は小林が抑えて打線の反撃を待つが、9回表、R・マルティネスの前に三者凡退で逃げ切られ、連敗。この試合も陽川のバント失敗などここというところで流れを作ることができなかった。

愛すれどTigers週間MVP
投手……西勇輝
 マジックナンバー点灯で気がゆるんだか緊張したかわからないジャイアンツの若手選手を手玉にとり、つけ入る隙のない完封勝利。ジャイアンツの菅野に対抗しうるエースになった。バファローズ時代を含めてこれまでは二番手以降だったのが、エースの自覚を持ち柱となっていく。西はタイガースに移籍してそのステップをあげた。
野手……大山悠輔
 ドラゴンズ戦の満塁ホームランはみごとだった。ここぞというところで打てる信頼感のある選手になりつつある。チャンスでの併殺も多いが、それだけ打ちにいき、鋭い打球を飛ばしているということ。気にせず進め。

 次節は甲子園球場でベイスターズと3連戦。0.5差で3位につける眼下の敵。今季はこれまでほどタイガースに苦手意識がないので、厄介な相手だが、ジャイアンツを追撃するのがどちらのチームかがはっきりする3連戦になる。1日おいて神宮球場でスワローズ戦。目標を失っている相手だから、早い回に点を取って戦意を喪失させれば3連勝も可能。CSのない時代はそういう「消化試合」の戦い方があったのを思い出した。マジックナンバー点灯とはいえ、残り試合はそれと同じくらいある。2008年に大逆転を許した時のことを矢野監督は思い出して「笑って勝つ」「超積極的」野球を思い出していただきたい。

(2020年9月21日記)


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