愛すれどTigers


新型コロナ感染で大幅入れ替え

 今節は甲子園球場でベイスターズ戦。初戦はボーアの活躍でとり、2戦目は糸井が猛打賞の活躍で連勝。3戦目は上茶谷に完封を許してしまい2勝1敗。ここで浜地が新型コロナウィルス感染症で陽性が出、他の選手を検査したら糸原、岩貞、陽川、馬場とチームスタッフ2名が陽性と判明。会席に同席していた岩崎、木浪、福留、江越、小林らも濃厚接触者として登録抹消となった。かわりに能見、藤浪、上本、高山、北條、熊谷らを急遽二軍戦のあった名古屋から東京に呼び寄せる。神宮球場でのスワローズ初戦は中止にはならず、混乱状態のまま決行され、西勇が打たれて敗れる。2戦目は青柳が好投したものの、中継ぎで登板した藤浪が村上の一発に泣き連敗。しかし3戦目は、秋山が悪い流れを断ち切る好投を見せ原口の活躍で1勝2敗。今節は3勝3敗。今季通算41勝39敗4分で勝率.513の2位。首位ジャイアンツとはさらにはなされ12.5ゲーム差。ジャイアンツの優勝マジックナンバーは24。

◎ベイスターズ16回戦……5-3
 タイガースの先発は1年ぶりの岩田。1回表、梶谷のヒット、二盗、オースティンと佐野への四球で1死満塁のピンチを招くも宮崎を三塁ゴロ併殺に打ち取り立ち上がりを切り抜けた。ベイスターズの先発は京山。2死から糸井がレフト線へ二塁打を放つと、サンズのレフト前タイムリーヒットで1点を先制した。3回裏、近本と糸原の連打で無死一二塁のチャンスを作るも糸井のショートゴロ併殺で2死三塁となり、サンズはセンターフライで追加点ならず。4回表、オースティンに右中間スタンドに同点ソロホームランを打たれると、5回表にはレフト前ヒットの柴田と四球の京山を戸柱が送って1死二三塁とされ、梶谷にセンター前タイムリーヒットを打たれリードを許す。さらにソトにセンターへ犠牲フライを打たれ、2点差に。岩田は5回3失点で交代。5回裏、木浪の四球と近本のレフト前ヒットで2死一二塁とし、糸井のレフト前のフライは佐野が風を読めずもたついてヒットとなり、近本が生還して1点差に。6回表は故障の治ったエドワーズが久々に登板し、宮崎にヒットは打たれたもののあとはきっちりと抑える。6回裏、ボーアがバックスクリーンに運ぶ同点ソロホームランを放つ。7回表、エドワーズは一度マウンドに上がったが、代打神里が告げられると岩貞に交代。代打の代打中井を空振り三振に取るなど三者凡退に抑える。京山は6回3失点で降板。7回裏、二番手エスコバーから代打中谷が四球を選びバントと内野ゴロで三進。糸井が歩くと、ラミレス監督自らエスコバーに声をかけ、それがきいたかサンズはショートゴロに倒れる。8回表は四番手岩崎が抑え、8回裏、三番手国吉に対して大山がレフト前ヒットで出ると、ボーアの打席で捕逸があり大山は二進。ボーアのライト前タイムリーヒットで大山が一気に生還し、ついに勝ち越し。ボーアの代走に植田。原口の打席で暴投があり植田が二進。原口はバントの構えをしていたがツーストライクになったところでヒッティングに切り替えて二塁ゴロで植田は三進。木浪のセンターフライは浅めだったが植田が快足を飛ばして生還し犠牲フライで2点差に。9回表はスアレスが三者凡退で締めて連敗を止めた。岩崎が3勝目。スアレスがリーグトップの16セーブ。ヒーローインタビューは同点ホームランと決勝タイムリーヒットのボーア。この試合から観客が倍の1万人になり、甲子園らしさが戻ってきた。
◎ベイスターズ17回戦……6-3
 タイガースの先発は高橋遥。1回表、梶谷とソトの連打とオースティンへの四球で無死満塁とされるも、佐野と宮崎を連続空振り三振にとり、ロペスのセカンド後方のフライは糸原が好捕して無失点で切り抜けた。ベイスターズの先発は坂本裕。3回裏、2死から高橋遥がチーム初安打となるライト前ヒットで出ると、近本が右中間スタンドに先生のツーランホームランを放りこむ。4回表、ヒットの宮崎を置いて1死から戸柱をショートゴロな打ち取るも木浪がファンブルしてしまい、二塁送球が外野にそれて一三塁に。ここで柴田を空振り三振に取ると、坂本裕は投手ゴロでまたしてもピンチを切り抜けた。5回表、ヒットの梶谷と四球のソトを置いてオースティンにレフトスタンドに打った瞬間にそれとわかる逆転のスリーランホームランを打たれてしまう。ベイスターズは好投の坂本裕を5回で降板させ、6回裏には二番手山崎が登板。1死から近本が二塁内野安打で出ると糸原がライト前ヒットで続き、糸井の三遊間を抜くレフト前タイムリーヒットで同点に追いついた。7回表、二番手馬場がオースティンに投手の前で大きく弾む内野安打を打たれると、三番手岩貞にスイッチ。佐野、宮崎、ロペスをいずれも外野フライに打ち取る。7回裏は三番手石田の前に三者凡退。タイガースも8回表、四番手岩崎が三者凡退で試合は動かず。8回裏、代打陽川がレフト前ヒットを放ち代走に江越。近本の投手前バントは石田が二塁へ悪送球し無死一二塁に。糸原がきっちり送って二三塁とすると、糸井が前進守備の右中間を深々と破る2点タイムリー二塁打で勝ち越し。糸井の代走に小幡。サンズは申告敬遠で一二塁となり、大山のセンター前タイムリーヒットで3点差に。9回表、抑えのスアレスは梶谷にショート内野安打を打たれたが、ソトの二塁ゴロで二封。オースティンのセンターに抜けるかという当たりを木浪が好捕してグラブトスで二封すると、小幡も一塁へきれいに送球し併殺で試合終了。ヒーローインタビューは好リリーフで2日連続の勝利投手となった岩崎と同点打、決勝打で猛打賞の糸井。
◎ベイスターズ18回戦……0-4
 タイガース青柳とベイスターズ上茶谷の投手戦。2回裏、1死から大山がライト前ヒットを放つもボーアは二塁ゴロ併殺。5回表、柴田のショートゴロを木浪がこぼしてエラーで出塁を許す。上茶谷が送り、倉本を見逃し三振に取ったあと梶谷は申告敬遠。ソトを二塁ゴロに打ち取り切り抜ける。5回裏、またも大山がライト前ヒットを放つも後続を断たれて得点できず。6回表、オースティンを歩かせ、佐野のライト前ヒットで無死一三塁とされると、宮崎の高いバウンドの三塁ゴロは二封のみでオースティンが生還してついに1点をとられる。6回裏、代打荒木のレフト前ヒットが出るが、近本との間のヒットエンドランで近本は空振り三振。荒木も戸柱に刺される。山監督がリクエスト申請をするも判定は覆らず。青柳は6回1失点で交代し、7回表二番手エドワーズがヒットの倉本と四球の梶谷を置いてソトにレフトスタンドにスリーランを打たれ、試合は決した。7回裏は糸井がレフト前に落ちるヒットを放つもサンズが三塁ゴロ併殺。大山が猛打賞となるレフト前ヒットで出たが、ボーアは空振り三振。8回表は三番手小川が2四球を出すもなんとか無失点で切り抜ける。9回表は四番手桑原謙がオースティン、佐野を空振り三振にとり、宮崎はショート小幡のエラーで出塁を許したが戸柱も空振り三振と好調時に戻った投球を見せた。9回裏、1死から糸井がレフト前ヒット、大山が四球とチャンスを作るがサンズもボーアも空振り三振と、両外国人をきっちりとマークされて上茶谷の前に完封負けで連勝ストップ。
◎スワローズ16回戦……3-6
 浜地の新型コロナウィルス感染症発覚で検査をしたら次々と陽性が見つかり大量10人の一二軍入れ替えという非常事態で開催された試合。スワローズの先発は高梨。1回表、近本が歩き、荒木郁の二塁ゴロで二封。糸井の空振り三振の間に荒木郁は二盗。サンズのセンター前に落ちるテキサス性のタイムリーヒットで1点先制。タイガースの先発西勇。3試合連続完封が期待されたが、1回表、青木にライトスタンドに同点ソロホームランを打たれてしまう。2回表、今度はボーアが右中間スタンドに勝ち越しのソロホームランを叩きこむ。4回表、二塁打の坂本を塁に置き、小幡が左中間を破るタイムリー三塁打で2点差に。4回裏、2死から濱田と西浦の連打で一三塁とされ、エスコバーの打席で西浦は二盗。エスコバーのショートとレフトの間に落ちるフライは同点となる2点タイムリーヒットに。高梨は5回3失点で交代。6回表、二番手梅野雄に対し、大山の四球とボーアの左中間フェンスに当たる二塁打で無死二三塁とするも、坂本のスクイズは外されて大山が三本間にはさまれアウトに。ボーアは二塁にとどまったまま。坂本と小幡は連続空振り三振で絶好のチャンスを逃す。6回裏、青木のヒットと村上の四球で2死一二塁とされ、西浦にレフト前にタイムリーヒットを打たれ、リードを許す。7回表は三番手マクガフに抑えられ、7回裏、二番手には急遽一軍に昇格した能見。ヒットの西田を置いて代打荒木貴のバスターエンドランはレフトスタンドに飛びこむツーランホームランとなり3点差とされる。8回表、四番手清水に対し、2死からボーアが歩き、代打原口のレフト前ヒットでチャンスを作るも代打中谷は見逃し三振に倒れる。8回裏は三番手エドワーズが2死からエスコバーのヒットと西田への死球で走者を背負うも山崎を空振り三振に取ってなんとかしのぐ。9回表、抑えの石山から代打北條が久々にヒットを放つも後続を断たれて逃げ切られた。緊急事態で荒木郁や小幡をスタメン起用しなければならず、チーム全体が落ち着かない雰囲気になってしまっていた。
◎スワローズ17回戦……1-2
 タイガースの先発はガンケル。1回裏、坂口への死球、青木の二塁打、山田哲への四球で無死満塁に。村上のライト前ヒットで1点を失う。なおも無死満塁の危機は続いたが、濱田を二塁へのライナーに打ち取ると、西浦とエスコバーは連続空振り三振で最少失点にとどめた。スワローズの先発はA・スアレス。3回表1死から近本がセンター前ヒットで出ると、北條との間にヒットエンドランが決まり一三塁とする。糸井の二塁ゴロの間に近本が生還し、同点に。この後両投手が好投。ガンケルは4回1失点で交代し、5回表には二番手藤浪がA・スアレスと坂口を連続三振に取るなど好投。6回表、糸井が四球で出ると、なんとサンズがセーフティーバントを試みるが投手ゴロで二封に。大山はショートゴロ併殺でサンズの奇襲も実らず。6回裏、藤浪はこの試合たった一球の失投を村上にとらえられ、バックスクリーンに勝ち越しソロホームランを打たれる。7回表、2死から小幡が死球で出ると、代打高山の打球はショート後方へ。西浦が追うも落球。その間に小幡は一気にホームをつくが、タッチアウトの判定。矢野監督のリクエスト申請も判定は覆らず。7回裏は三番手齋藤が代打山崎のヒットと2度の暴投、青木への四球で2死一三塁としたが、山田哲を空振り三振に取って無失点で切り抜けた。8回表、二番手清水に対し2死から糸井が歩き、代走に植田。サンズの打席で二盗。捕手井野の送球がそれて植田は三進。サンズが歩き、大山の打席で代走島田が二盗。しかし大山は空振り三振に倒れる。8回表にはいる前に審判団がリクエスト判定の間に井上コーチが新聞記者に確認したと疑いをかけ、、矢野監督が猛抗議をして試合は中断。再開した8回裏は四番手桑原が三者凡退に抑え、9回表、抑えの石山に対して1死から原口がレフトフェンスに当たる二塁打を放ち、代走に熊谷。しかし代打中谷、代打上本が連続空振り三振で逃げ切られた。
◎スワローズ18回戦……9-3
 スワローズの先発は吉田大喜。1回表、近本が粘ってセンター前ヒットで出ると、北條の打席で二盗。2死後、サンズのレフト前タイムリーヒットで先制する。タイガースの先発は秋山。1回裏、2死から山田哲にレフト前ヒットを打たれると、村上のら塁へのゴロは北條が好捕し間一髪でアウトに。しかし高津監督のリクエスト申請により判定は覆り内野安打に。坂口に右中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれて逆転される。しかし2回表、原口がレフトスタンドに同点ソロホームランを叩きこむと、3回表には2死から大山のヒット、ボーア、原口の四球で満塁とし、小幡の叩きつけるショートへの当たりはタイムリー内野安打となり1点リード。秋山は2回裏のエスコバーの大飛球を近本がフェンスに当たりながらの好捕や、4回裏、二塁打の坂口を置いてエスコバーがレフト前に落ちるかと思われる飛球をサンズがダイビングキャッチするなどバックにも助けられ、6回2失点で交代。吉田大喜も4回以降は速球で押し追加点を許さず6回3失点で交代。7回表、二番手長谷川に対し1死からサンズがセンター前ヒットで出ると、大山りライト前ヒット、ボーアの四球で満塁に。原口が三塁手のグラブをかいくぐるレフト線への2点タイムリー二塁打で突き放すと、小幡のセンター前ヒットでまた満塁に。長谷川から三番てクックに交代すると、代打中にたは押し出し死球で1点追加。さらに近本がセンター前2点タイムリーヒットで6点差をつけた。7回裏は二番手エドワーズが抑え、8回表は四銀手の星に抑えられる。8回裏は三番手藤浪が三者凡退に切って取る。9回表、五番手中澤に対し2死から中谷が三塁内野安打で出ると近本の左中間を破るタイムリー三塁打でダメ押しの1点を追加した。9回裏、抑えのR・スアレスは2死から坂口を歩かせ代打田代のタイムリー二塁打で1点を返されるが、エスコバーを空振り三振に取って締めた。秋山が6勝目。ヒーローインタビューは同点ホームランと満塁タイムリーの原口。

愛すれどTigers週間MVP
投手……秋山拓巳
 コロナ感染で落ち着かなく重苦しい状況下で、その悪い流れを断ち切る粘りの投球を見せてくれた。同級生の原口とのコンビネーションもよく、打線もその好投によくこたえてくれた。ここから切りえて再出発ができるかどうか、次節からこの好投が生きてくると信じている。
野手……小幡竜平
 ボーア、糸井、原口ら日替わりヒーローの中から一人とも思ったが、登録抹消の木浪に変わってショートに入り、タイムリー三塁打や満塁でのタイムリー内野安打など2年目の小幡の懸命なプレーがチームの空気を変えているように思う。ピンチはチャンス。チームにとってのピンチも、若い小幡にとってはアピールするチャンスなのだ。

 次節からなんと13連戦。しかもリリーフ陣の柱である岩貞と岩崎を欠く。新旧キャプテンの福留、糸原も不在。だからこそ、ここまで結果が出てこなかった実力者の上本や高山、北條、藤浪が踏ん張らなければならないし、その期待にこたえてくれるだろう。梅野の離脱を坂本と原口がみごとにカバーしているように。まずは甲子園球場でドラゴンズと3連戦。まだ甲子園でドラゴンズには負けたことがないという相性の良さが救いとなるか。そして続く甲子園でのジャイアンツ4連戦。勢いに乗るジャイアンツとの直接対決。ここで一気に巻き返しに転じることができれば、さしものジャイアンツも少しは焦りを見せてくれるのではないかと都合のいいことを考えている。東京ドームの最終戦で見せてくれた意地を続けてくれ。
 今回のコロナ禍では、デイリースポーツの吉田風記者が一方的にチームや選手を責めるのではなく、もっと取材してから判断したいとしているのに対し、サンケイスポーツの植村徹也記者はかなり厳しいタッチでフロントや選手を批判している。私は吉田記者の側に立ちたい。批判は誰にでもできる。しかし、どんなに警戒していても相手は目に見えない敵だ。油断はあったかもしれないけれど、完全に防御できるものでもない。肝心なのは再び一軍に戻ってきた時に、感染者に対してどうするかだ。一方的に責めるのではなく、挽回できるよう応援してこそのファンだと思っている。

(2020年9月28日記)


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