13連戦の残り6試合。まずはマツダズームズームスタジアムでカープ戦。初戦は点の取り合いで熊谷のタイムリーでリードしたもののスアレスが打たれて引き分けに。2戦目は岩田が打たれて敗れる。3戦目はボーアとサンズの連続ホームランなどで野村をノックアウトして西勇を援護し快勝し、1勝1敗1分。甲子園球場に戻りベイスターズ戦。1試合台風で中止となり、初戦はガンケルがソトとオースティンにホームランを打たれて敗れる。しかし2戦目は秋山が佐野、オースティン、ロペスにホームランを打たれたがその失点だけにとどめ、大山の岡本(G)に並ぶ24号ホームランで逆転し、リリーフの藤浪とスアレスが160kmの速球をばんばん投げ込んで勝ち。1勝1敗。今節は2勝2敗1分。今季通算47勝44敗5分で勝率.516の2位。首位ジャイアンツとは7fl変わらず12.5ゲーム差。ジャイアンツの優勝マジックナンバーは着実に減って12。
◎カープ18回戦……4-4
タイガース青柳、カープ九里の投手戦。先制したのはカープ。3回裏、2死から田中広を歩かせ、鈴木誠のピッチャー返しの鋭い打球は青柳の左ひざに当たり、大きくはね返ってライト前まで達し、タイムリー二塁打となる。一度はダグアウトに下がった青柳はぶじマウンドに戻り、松山を二塁ゴロに打ち取り最少失点にとどめた。5回裏、2死から宇草に二塁打を打たれると、田中広のレフト前ヒットで一三塁とされるが、鈴木誠を外角いっぱいに決まる見逃し三振にとり、切り抜けた。6回表、小幡がファールで粘り、ショートへの内野安打で出ると、北條のバントで三進。近本の強い当たりの一塁ゴロは松山が後逸して小幡が一気に生還して同点とする。大山のレフト前ヒットで逆転のチャンスを作ったが、九里も踏ん張りサンズは空振り三振、糸井は二塁ゴロでチャンスをつかみきれない。青柳は6回1失点で交代。7回裏、二番手桑原が1死から代打大盛に右中間スタンドにソロホームランでリードを許すと、宇草を歩かせ、田中広の打席で二盗される。田中広も四球で一二塁とされ、鈴木誠は空振り三振にとって2死としたが、松山にレフト前にタイムリーヒットを打たれ2点差に。ここで桑原は降板し、三番手能見が坂倉を空振り三振にとって流れを止める。九里は7回1失点で交代。8回表、二番手ケムナから北條が四球で出るが、近本、大山は連続三振。しかしサンズがあるいて代走に島田。糸井も歩き満塁に。ここで代打原口が三塁三好のグラブのところで浮く空中イレギュラーライナーのレフト線への2点タイムリーヒットを放ち同点とする。8回裏は四番手エドワーズが抑え、9回表は三番手フランスアに対し小幡のヒットと北條の一塁フライを一塁林が落球するエラーで1死一二塁とするも近本は二塁ゴロ併殺に終わる。9回裏は五番手藤浪が三者凡退に抑え、試合は延長戦に。10回表、四番手塹江から大山が歩き、島田の打席で捕手坂倉が捕逸。大山は二進し、島田のバントで三進。熊谷がセンター前に抜けるタイムリーヒットでついに1点リード。10回裏、抑えのスアレスが1死から代打長野に内野安打を打たれ、代走に上本崇。坂倉のライト前ヒットは返球を焦った島田がボールを逸らし、二三塁に。代打會澤は申告敬遠で満塁に。堂林の高いバウンドのショートゴロは小幡が好捕したが二封がやっと。上本崇が生還して同点に。なおも2死一三塁とサヨナラのピンチを迎えたが、代打菊池涼の三塁へのファールフライは三塁ダグアウトに入りそうなところを熊谷が手をのばして好捕し、試合終了。タイガースは野手を全員使いきる総力戦をものにできなかった。
◎カープ19回戦……3-9
カープの先発は遠藤淳。2回表、タイガースが先制。ボーアの一塁へのフライは松山が落球して出塁。梅野のレフト線の二塁打で一二塁とすると、小幡が左中間を破る2点タイムリーヒットを放つ。岩田のバントで三進。近本が歩いて一三塁とし、北條のセーフティスクイズは投手前に転がり三塁走者小幡は本塁憤死。糸井も凡退して一気に大量得点とはならず。タイガースの先発は岩田。2回表、すぐに追いつかれる。松山への四球と會澤への死球で無死一二塁とされ、長野のセンター前タイムリーヒットで1点差とされると、堂林にもレフト前にタイムリーヒットを打たれて同点に。ここで菊池涼をショートゴロ併殺にとり、遠藤淳を三振に取ってなんとか踏みとどまる。3回表、サンズが久々のヒットとなるレフト前に落ちるヒットで出ると、ボーアが歩き、梅野のレフト前タイムリーヒットで勝ち越す。小幡の投手強襲ヒットで満塁としたが、後続を断たれてここもビッグイニングを作れず。そのあとはしばらく試合は動かなかったが、5回裏、宇草にレフト前ヒットを打たれ、田中広のバントは大山が判断よく二封するも、鈴木誠を歩かせ1死一二塁に。松山をセンターフライに打ち取ったところでなぜか福原コーチがマウンドへ行き、その直後に會澤にライト線に2点タイムリー二塁打を打たれて岩田は降板。二番手谷川は長野に内野安打を打たれて一三塁とされ、堂林のレフト前タイムリーヒットで2点差とされる。遠藤淳は5回3失点で交代。6回表は二番手中田廉に抑えられる。6回裏は三番手能見が抑え、7回表は三番手ケムナに抑えられる。7回裏、四番手の齋藤が打たれる。三塁打の松山を長野のライト前タイムリーヒットで返され、2死後、菊池涼のサードゴロは内野安打となり、大盛の打席で暴投し大盛を歩かせ満塁に。代打坂倉のライト前2点タイムリーヒットで5点差に。8回表は四番手塹江から代打長坂がヒットと盗塁でチャンスを作るも近本は凡退で反撃ならず。8回裏、五番手に育成から支配下登録されたばかりの左腕石井がプロ入り初登板。野間のヒットと會澤への四球で走者をため、2死一二塁から堂林にレフト前タイムリーヒットを打たれる。9回裏、続投した塹江の前に糸井の二塁打のみで締められた。
◎カープ20回戦……9-1
カープの先発は野村。1回表、近本がレフト前ヒットで出ると、北條はボール先行でストライクを取りに来た球を狙い打ちレフトスタンド最上段にツーランホームランを放ち先制。タイガースの先発は西勇。1回裏から宇草、鈴木誠を三振に取るなど快調な投球。3回まで一人の走者も許さない。4回裏、2死から鈴木誠に三遊間に打たれ、ショート小幡がなんとか止めたが捕球できず内野安打で出塁を許す。しかし一塁牽制でアウトに。佐々岡監督のリクエスト申請も判定は覆らず。5回表、2死から近本が内野安打で出ると、北條の打席で二盗。北條は死球で一二塁に。糸井のライト前タイムリーヒットで3点目を入れる。6回表、サンズがレフトスタンドへ差路ホームランを放つと、続くボーアもライトスタンドにソロホームランを叩きこみ、5点差に。さらに梅野と小幡の連打でチャンスを作ると、西勇のライト前タイムリーヒットで6点目を入れた。野村はここで降板。二番手の一岡から近本のセンター前ヒットで満塁とし、1死後、糸井がセンター前タイムリーヒットで7点差をつける。さらに大山もセンター前にタイムリーヒットを放つと、サンズの二塁ゴロ併殺は矢野監督のリクエスト申請でサンズはセーフとなり、併殺崩れの間に1点を追加して9点差とした。7回表は三番手藤井犂に対し2死二塁と攻めたが近本は二塁ゴロで得点ならず。7回裏、宇草、菊池涼を空振り三振に取り、鈴木誠にライト前ヒットを打たれるも松山を空振り三振に取る。8回表は四番手中村恭に抑えられる。8回裏、西勇は完封目前で1死から長野を歩かせ、代走に曽根。堂林のセンター前ヒットで一三塁とされ、上本崇のレフト前タイムリーヒットでついに失点。それでも後続を断ち最少失点にとどめる。9回表、五番手菊池保から中谷がヒットを放つも小幡、代打荒木の連続三振で得点できず。9回裏は二番手伊藤和が三者凡退で締めた。ヒーローインタビューは12奪三振で9勝目をあげた西勇。
◎ベイスターズ19回戦……3-5
タイガースの先発はガンケル。1回表、柴田と佐野のヒットで2死一三塁と攻められるが、ここは宮崎をセンターフライに打ち取り、切り抜けた。ベイスターズの先発は濱口。1回裏、近本のライト前ヒットと北條の三塁ゴロエラーで無死一二塁とし、糸井のセンター前タイムリーヒットで先制すると、続く大山もレフト前タイムリーヒットで2点目を奪う。2回裏、小幡が歩き、ガンケルはバントの構えから死球。近本が歩いて無死満塁に。しかし北條は投手ゴロで本封。ここで濱口が降板し、二番手は進藤。糸井、大山と連続の見逃し三振で、得点ならず。3回表、オースティンの右中間スタンドへのソロホームランで1点差に。4回表にはソトに左中間スタンドに同点のソロホームランを叩きこまれる。4回裏、ガンケルのヒットと近本の四球で無死一二塁とし、北條がバントをするが投手前に転がり三封。糸井のライトフライで近本は三進。大山のライト前タイムリーヒットで再びリードする。サンズが歩いて2死満塁と攻め立てるも、原口はセンターフライに倒れて大量点にはならず。5回表、梶谷のセンター前ヒットと柴田のショートゴロエラーで無死一二塁とされ、オースティンにレフト前同点タイムリーヒットを打たれる。しかし佐野を二塁ゴロ併殺にとると、宮崎も二塁ゴロに打ち取り勝ち越し点はやらず。5回裏は三番手伊勢が登板し、三者凡退に終わる。6回表、またもソトにレフトスタンドにソロホームランを打たれ、リードを許す。6回裏も伊勢の前に三者凡退。7回表には二番手エドワーズがヒットの梶谷を柴田に送られ、オースティンにライト前タイムリーヒットを打たれて2点差に。7回裏は四番手パットンに抑えられる。8回表、三番手藤浪は2死から連続で四球を出すも代打楠本をセンターフライに打ち取って切り抜ける。8回裏、五番手エスコバーから代打熊谷がヒットを放つも、代打中谷の打席で二盗失敗。中谷は空振り三振でまたも得点できず。9回表、四番手能見が代打神里のヒットと柴田のバントで1死二塁とされたが、五番手桑原謙がオースティンをライトフライに打ち取り、神里は三進するも佐野は投手ゴロで追加点を許さず。9回裏、抑えの三嶋の前に三者凡退に終わり、試合終了。2度の満塁機に得点できなかったことが響いた。
◎ベイスターズ20回戦……4-3
タイガースの先発は秋山。2回表、佐野に失投をとらえられ、ライトスタンドに先制のソロホームランを打たれる。ベイスターズの先発は前回完封負けを喫した上茶谷。2回裏、二塁打の大山をサンズがセンター前タイムリーヒットで返して同点にする。ボーアのライト前ヒットで無死一三塁とすると、梅野のライトフライは犠牲フライには十分な距離だったが、さらにオースティンが落球してしまいサンズが生還して勝ち越す。小幡のレフト前の当たりで二塁走者のボーアがなぜか二三塁間のハーフウェイから二塁に引き返してしまい、三塁に送球されてレフトゴロという珍記録。秋山が送り近本は申告敬遠で2死満塁としたが、北條は空振り三振で大量得点機を逃す。4回表、オースティンにレフトスタンドに同点のソロホームランを打たれる。さらに5回表にはロペスにレフトポール直撃のソロホームランを打たれて勝ち越しを許した。5回裏、四球の北條を置いて大山が左中間スタンドに逆転ツーランホームランを放つ。6回表、梶谷をセンターフライに打ち取ったところで秋山は交代。二番手桑原謙がソトとオースティンを打ち取って継投は成功。ベイスターズ上茶谷は5回4失点で降板。6回表と7回表は砂田に抑えられる。7回裏は三番手エドワーズが中軸を三者凡退に抑える。8回表は四番手藤浪が160kmの速球を連発して三者凡退に。8回裏は三番手パットンから大山の二塁打でチャンスを作るが追加点は取れず、それでも9回表、スアレスが自己最高の161kmの速球を繰り出すなどして三者凡退で逃げ切った。秋山が7勝目。ヒーローインタビューは逆転ホームランの大山と20セーブ目を記録したスアレス。
愛すれどTigers週間MVP
投手……西勇輝 先発投手で安心して見ていられるのは西勇だけというのはちょっとさみしい。それだけに安定感が際立っている。ほんとは藤浪とスアレスにしたかったけれど、それぞれリリーフ失敗もしているので結局西勇に落ち着くのですね。
野手……大山悠輔 四番にどしりと座り、ジャイアンツの岡本と並んでホームランダービートップ。それだけではなく、甲子園でなければホームランだったのではないかしいう二塁打も何本かあったりして、打撃は前節に続いて絶好調。この調子でタイトルが欲しい。それもホームランと打点の二冠王が!
前節でサンケイスポーツの「鬼筆」植村記者がタイガースのフロントを責める記事を書いたことを紹介したら、なんと台風中止の日に揚塩球団社長が新型コロナ感染などの責任をとって辞任を発表。サンスポは他紙が小幡の活躍を一面で報じている時に阪急阪神HDのCEOに独占インタビューをしてフロントの責任を一面で大きくとりあげた。そして今節、植村記者は矢野監督の解任と岡田監督の就任を既成事実のようにサンスポ電子版で書いている。サンスポの連載コラム「虎のソナタ」では「お家騒動はもうたくさん」みたいな書き方を水本義政とおぼしき書き手が書いているが、お家騒動をたきつけているのは当のサンスポである。野球そのものの魅力や選手の後押しをする他紙との差別化を図りたいのだろうが、私はそんな政治的な動きをしてほしいとは思わない。
次節はナゴヤドームでドラゴンズ戦、甲子園球場でスワローズ戦。ドラゴンズに負け越すようだと3位に転落してしまい、植村記者の思うつぼになってしまう。時代に逆行する岡田監督就任阻止のためにも矢野監督をとにかく応援したい。
(2020年10月12日記)