ジャイアンツはここにきて失速気味だが、タイガースも鬼門ナゴヤドームでドラゴンズ戦。初戦は高橋遥が変化球主体の投球を狙い打ちされ敗れる。2戦目は苦手の大野雄の前に完封負け。3戦目は土壇場で原口が逆転打を放つもスアレスが高橋周に逆転サヨナラホームランを打たれて、0勝3敗。甲子園球場に戻りスワローズ戦。初戦は西勇とエドワーズの完封リレーで連敗を止め、西勇は10勝目。1日試合開始予定から1時間半待つも雨で流し、2戦目は秋山が不調ながら打線がよく粘り、新人井上のタイムリーヒットも出て勝つ。予備日で行われた3戦目は両チームの投手陣、特にリリーフ陣が粘り引き分けで、2勝0敗1分。今節は2勝3敗1分。今季通算49勝47敗6分で勝率.510でドラゴンズに2位の座を奪われ3位。首位ジャイアンツとは12.0ゲーム差。ドラゴンズとは1.0差。ジャイアンツの優勝マジックナンバーは一気に減って7。
◎ドラゴンズ19回戦……2-4
ドラゴンズの先発は勝野。1回表、ライト線に三塁打を放った小幡を置いて、大山がリーグ単独トップとなる26号ツーランホームランで先制する。タイガースの先発は高橋遥。1回裏、内野安打の大島と二塁打の京田を二三塁に置き、アルモンテの二塁ゴロの間に大島が生還して1点を返されると、続くビシエドに同点のタイムリー二塁打を打たれる。2死三塁のピンチはシエラをショートゴロに打ち取りなんとか同点にとどめた。3回裏、先頭の京田を歩かせると、アルモンテのセンター前ヒットはショートバウンドを近本が弾いてそらしタイムリー二塁打となってリードを許す。高橋遥は4回3失点で降板。5回裏、二番手はコロナ禍から戦列復帰の岩貞。センター前ヒットのアルモンテを置いてビシエドにレフト線にタイムリー二塁打を打たれて2点差とされる。勝野は2回以降立ち直り、タイガース打線はとらえられない。6回表、2死からレフト前ヒットで大山が出塁。サンズの打席で勝野は暴投。捕手木下拓が二塁へ悪送球して大山は三進。しかしサンズは空振り三振で得点機を逸する。7回裏は三番手桑原が阿部に二塁打を打たれて2死二塁としたところで四番手能見と交代。代打井領の鋭い当たりの二遊間のゴロは一塁ボーアが好捕してベースカバーの能見にトスし無失点の継投。7回表は二番手の福。ボーアはファールで粘ったが明らかなボールをストライクと判定されて見逃し三振。坂本、植田は連続空振り三振と、有効なカーブに翻弄される。7回裏、五番手藤浪はチーム最速タイの161kmを記録するなどして三者凡退に抑える。8回表、三番手祖父江に対し、近本と糸井がヒットを打つが、2死一三塁の好機に大山は空振りの三振。8回裏はエドワーズが三者凡退に打ち取る。しかし9回表、R・マルティネスの前に三者凡退。3位ドラゴンズとのゲーム差は0.5と迫られた。
◎ドラゴンズ20回戦……0-3
タイガース青柳とドラゴンズ大野雄の投手戦。2回表、1死からボーアがバットを折りながらもセンター前に落ちるヒットを放つが、梅野は二塁へのフライ。井上のプロ入り初打席は空振り三振。2回裏、ビシエドと高橋周の連打で無死二三塁とされ、阿部のショートゴロの間にビシエドが生還し、1点先制される。3回裏、1死から大島のヒットと京田のバントで1死二塁とされ、アルモンテのレフト前タイムリーヒットで2点差に。4回表、2死から大山が二塁打を放つもボーアは一塁ゴロで得点できず。6回表、近本に二塁打が出たが、後が続かない。7回裏、遠藤一にレフト線に二塁打を打たれ、木下拓は足に死球。大野雄はスリーバントがファールになりアウトとなった。大島が歩いて満塁に。京田の一塁線への鋭い打球をボーアが好捕し一塁はアウトにしたが、遠藤一が生還して3点差とされた。8回表は2死から代打原口にセンター前必死が出たが、進塁すらできず。8回裏、伊藤和が登板して三者凡退に抑える。9回表、2死からボーアがライトフェンス直撃のシングルヒットを放つも、梅野は投手ゴロ。またも大野雄に完封を許してしまった。そしてついに3位に陥落。
◎ドラゴンズ21回戦……3-5
ドラゴンズの先発は松葉。1回表、近本、糸原、サンズが三者三振という立ち上がり。タイガースの先発は岩田。1回裏、ボール先行の苦しい投球。大島の一塁ゴロは岩田のベースカバーが遅れ内野安打に。京田が送り、アルモンテのライト前タイムリーヒットはライト井上が打球を後ろにそらせ、アルモンテは二進。2死後、高橋周とシエラを歩かせ満塁とされるが、阿部を見逃し三振にとりなんとか1失点にとどめる。2回表、1死からボーアが二塁打を放ち、原口もレフト前ヒットで続くが、ボーアはスタートを切れず二塁に釘付けで一二塁に。井上は三塁ゴロで二封。一三塁のチャンスも小幡はセンターフライで同点機を逸する。4回裏、阿部と松葉のヒットで1死一三塁とされ、岩田は降板。二番手岩貞は大島の右中間を破るタイムリー二塁打で2点目をとられる。しかしここも後続を断ち、大量失点は防いだ。5回表、1死から熊谷と近本の連打で一二塁とするも、糸原とサンズはフライを打ち上げまたも得点できず。5回裏と6回裏は三番手藤浪が無失点。6回表は二番手谷元の前に三者凡退。7回表は三番手福の前に三者凡退。7回裏は四番手岩崎がコロナから復帰初登板で三者凡退に抑える。8回表、必勝リレーで四番手祖父江がマウンドに。1死から糸原が歩き、サンズは左中間を破る二塁打で二三塁に。サンズの代走は島田。大山が歩いて満塁とし、ボーアの一塁ゴロの間に糸原が生還し1点差に。二三塁から原口がセンター前に2点タイムリーヒットを放ちついに逆転。8回裏は五番手エドワーズがシエラに内野安打を打たれるも後続を断つ。9回表は五番手藤嶋の前に三者凡退。9回裏、抑えの切り札スアレスが大島を空振り三振に取るも京田を歩かせ遠藤一のレフト前ヒットで一二塁に。ビシエドは二塁へのライナーに打ち取るが、二塁植田が二塁走者をアウトにしようとして悪送球し、二三塁に。そして高橋周にレフトポール右に逆転サヨナラスリーランホームランを打たれてしまう。スアレスは今季初被弾。やはりナゴヤドームは鬼門であったか。
◎スワローズ19回戦……5-0
タイガースの先発は西勇。1回表、エスコバーに三塁内野安打を打たれ、田代の一塁ゴロで二進、山田哲のセンターフライで三進を許すも、村上を二塁ゴロに打ち取り、先制点は許さず。スワローズの先発は、タイガースを戦力外となり、独立リーグを経てスワローズに入団した歳内が、古巣相手に初先発。1回裏は糸原、糸井が連続空振り三振を食らうなど、得意のフォークボールを駆使して抑えてくる。2回裏、大山の投手強襲ヒット、サンズのレフト前ヒットで無死一二塁としたが、ボーアと梅野隆は連続外野フライ。大山は三進して一三塁とするも小幡は空振り三振でこちらも先制機を逸する。4回裏、大山がライト線に三塁打を放つと、1死後ボーアが死球で一三塁とし、梅野隆が三塁線を破るレフト前タイムリーヒットを放ち先制する。5回裏、1死から糸原、糸井、大山の三連打で2点目を奪うと、歳内はここで降板。二番手梅野雄の前に後続を断たれて大量点はならず。6回裏、続投の梅野雄から梅野隆がレフトポールを直撃するソロホームランを放ち3点差に。2回以降は西勇は走者を出しても内野ゴロで後続を断つなど危なげない投球。7回表、村上を歩かせ、青木の一塁ゴロはボーアがまず一塁ベースを踏み村上を一二塁間の狭殺プレーに追いこむが、小幡の一塁送球が遅れ、村上は一塁に帰塁。西田のヒットと山崎の四球で1死満塁のピンチを招くが、西浦は三塁ゴロ併殺で切り抜ける。7回裏、三番手寺島から糸原がショートゴロエラーで出ると代走は植田。1死後大山の打席で植田が二盗。大山のセンターのフェンス直撃のタイムリー二塁打で4点差とする。8回裏、四番手の久保に対し小幡がレフト前ヒットで出ると、代打井上が右中間を深々と破るタイムリー二塁打で5点差に。井上は待望のプロ入り初安打で初打点も記録した。西勇は8回無失点で交代し、9回表、二番手のエドワーズが三者凡退で締めくくり、連敗を止めた。ヒーローインタビューは10勝目をあげた西勇、先制タイムリーヒットとホームラン、さらには好リードの梅野隆、プロ入り初安打初打点の井上。
◎スワローズ20回戦……6-5
タイガースの先発は秋山。1回表、1死から坂口にライト前ヒットを打たれると、2死後、村上のライト線タイムリー二塁打で1点先制される。スワローズの先発は小川。1回裏、1死から今季初出場の板山がセンター前ヒットで出ると、糸井のライト線への二塁打で二三塁とし、大山のライト前2点タイムリーヒットで逆転。2死後、ボーアが右中間スタンド最前列にツーランホームランを放ち、3点差とする。2回表は宮本と西浦のヒットで2死二三塁とされるも、エスコバーをライトフライに打ち取り切り抜けた。2回裏、2死から近本と板山の連打で一三塁とし、ここで小川は降板。二番手の長谷川が登板し、糸井はショートゴロに倒れ追加点はならず。4回表には宮本と山崎の連打で無死一二塁とされるも、西浦をショートゴロ併殺、代打濱田を三塁ゴロに打ち取ってここも切り抜けた。4回裏、三番手今野に対し、梅野隆と小幡の連打で無死一二塁とし、秋山はキャッチャー前に叩きつける高いバウンドのゴロで走者を進める。近本のショートゴロは本塁に送られ、三塁走者の梅野隆は三本間の狭殺プレーに。梅野隆はタッチアウトとなるが、近本はこの間に二進して二三塁は変わらず。板山の打席で今野は暴投。小幡が生還して4点差に。板山は歩いて一三塁とし、糸井のライト前タイムリーヒットで5点差をつけた。5回表、1死から坂口が放ったライトへの大きなフライは糸井が落球して坂口は三塁に。青木を歩かの回限りで交代。せて村上にレフトポール際に飛びこむスリーランホームランに。2点差に迫られる。秋山は5回4失点で交代。6回表から8回表までは藤浪、岩崎、エドワーズのリレーでスワローズ打線を抑えこむ。スワローズも6・7回裏は三番手今野が、8回裏はマクガフが抑える。9回裏、R・スアレスが2死からヒットの青木を置いて村上に右中間へタイムリー二塁打を打たれて1点差に迫られるが、後続を断ち辛うじて逃げ切り21Sを記録。秋山が8勝目。ヒーローインタビューは逆転打の大山とホームランのボーア。
◎スワローズ21回戦……1-1
タイガースはガンケル、スワローズはA・スアレスの投手戦。1回表、青木の二塁打と村上への四球で2死一二塁とされるも坂口を二塁ゴロに打ち取る。1回裏、2死から糸井の四球と大山のライト前ヒットでチャンスを作るもサンズはショートゴロ。2回以降はガンケルが打たせて取る投球、A・スアレスが力で押す投球と持ち味を発揮して試合は動かず。4回表、山田哲の投手強襲ヒット、村上のレフト前に落ちるヒットで無死一二塁とされ、坂口のプロ通算1500本目となるレフト前タイムリーヒットで1点を先制される。ガンケルはここから踏ん張り、山崎を空振り三振に取ると、中村にはレフト前ヒットで満塁とされたが西浦の三塁ゴロは大山が三塁ベースを踏んで一塁へ送球し併殺にとる。5回裏、梅野隆の三塁ゴロは宮本の送球がそれてエラーとなり出塁。小幡のバントで二進し、代打糸原のレフト前タイムリーヒットで同点に。ガンケルは5回1失点で交代。二番手岩貞は6回表1死から村上と坂口を歩かせて一二塁とするも山崎を二塁ゴロ併殺に取って切り抜ける。7回表は三番手藤浪が中村、西浦、代打松本友を三者三振。松本友の初球はタイガース歴代最速となる162kmを計測した。A・スアレスは6回1失点で交代。7回裏は二番手マクガフの前に三者凡退。8回表、四番手岩崎は宮本と山田哲を三振に取るなどして三者凡退に。8回裏、三番手清水の前に板山、糸井が三振するなどして三者凡退。9回表は五番手に抑えのR・スアレスが登板。村上と山崎を空振り三振に取るなどして三者凡退に。9回裏はスワローズも抑えの石山を四番手に。サンズのヒットと代走植田の二盗で2死二塁とサヨナラのチャンスを作るも梅野隆が空振り三振で延長線に。10回表、六番手桑原が2死から代打西田にヒットを打たれると、代走田代を暴投で二進させたが、宮本の投手の頭を変えるあたりをショート小幡が地上すれすれですくい取る好捕でピンチを救った。10回裏、五番手梅野雄に対し、1死から中谷がレフト前ヒットで出て代走に島田。近本との間のヒットエンドランは二塁へのハーフライナーとなり、島田は帰塁できず併殺となって試合終了。先発、リリーフみなが気合のこもった投手戦であった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……藤浪晋太郎 今節も西勇が順当なところなのだけれど、球団史上最速の162kmの速球を記録したので、藤浪に進呈。この1球だけではなく、159kmやら160kmをびしばし投げて145kmのフォークを投げられたら、そらバッターは打てん。リリーフで息を吹き返した藤浪が先発に戻ってどうなるかも見たい。
野手……大山悠輔 ついにホームランはリーグトップに。打点も荒稼ぎしてリーグ3位につけ、射程圏内に。4安打したスワローズ戦なんかしびれっぱなしです。でも打席に入る時の拍手は新人の井上の方が大きいのは気の毒である。
次節は甲子園球場でカープ戦。ここで下り坂のカープに負けていてはいかんよ。高橋遥も青柳も自信を待って速球を投げ込んでもらいたい。初戦の先発はガルシア。来季の契約がかかっているだけに好投して見せたいところ。東京ドームに移動してジャイアンツ戦。下手をしたらこの3連戦で優勝が決まるかもしれんという感じになってきた。目の前での胴上げ阻止と、2位の座の奪還がかかってるのだ。ここは大山に岡本の目の前でホームランと打点をばしばし稼いでもらいたい。
(2020年10月19日記)